異世界転移したんだけど周りが全員過保護なホモだった件

メル

文字の大きさ
115 / 160
権力系ホモ★グリス王国編

王子様とのフラグとかこれなんて乙女ゲー?

 
 
 
 
「それで、俺の能力を把握しておきたいんでしたっけ」
「えぇ。もうすぐ黄昏時ですから、後日、スキルの能力、使える魔法…、その属性についても、教えて頂きたく存じます」
「分かりました。……でも、あの」
「はい」
「その敬語…、止めて貰って良いですか…?」
「……それは…」
「俺、色々あってこんな能力持ってますけど、中身はただの子供ですし…。年上に敬語使われるの、正直苦手というか…。それに俺、この中じゃぶっちぎりで身分最下位ですし…」
「…分かった。阿山殿の意思を尊重しよう」
「あー…あのワガママ続けるようでごめんなさい。その阿山殿って言うのも…。確かに俺は阿山康治郎ですけど、今はコージ・アヤマですから…。その、普通に15歳の子供として扱って頂ければ…」

そう言うと、王様が面食らったような表情をして、チラッとセキ達を見た後に、俺を見て頷いた。

「承知した。君を一国民と認め、それ相応に接すると誓う」
「…! ありがとうございます!」

俺が笑顔でお礼を言うと、王様の表情がちょっと和らいだ気がした。
多分王様も、俺みたいな子供に敬語なんて使いたくなかったんだろうな~。

俺もさ、年上から敬語使われるの、ヤなんだよな。前世も、バイト先で俺に敬語使う先輩とか社員さん、苦手だったし?
だから逆に、『奢ってやるから飯行くぞ康治郎!』とか『ホールケーキ買ってやるから泊まりに来い康治郎!』とか言ってくれたあの先輩、大好きだったなぁ。

…あれ待って? 谷川によると、俺の周りの男ってほとんど俺の尻狙ってたんだったよな?
…え……まさか、あの先輩も…?

「何はともあれ、今から話し合うにはもう遅い。明日、ブルーノとアルバートが君の能力について聞きに行くから、素直に教えてくれ。カイル・マンハットとルーク・アラウザ、セキ殿とセイ殿は私とこれからの事を」
「む…。分かりました。ロイ。それにオウ殿。コージくんを頼んだ」
「はい」
「おっけぇ~! 任せて!」

…と、明日の予定を決めたところで、このお話し合いは終了した。
もう夕方だから、ブルーノさんが部屋を案内してくれるそう。それぞれ1人1部屋だけど、俺はお願いしてセキと同じ部屋にしてもらう。安全の為にねー。




大人数で廊下をスタスタ。でもやっぱり俺だけ足音はポテポテ。そしてやっぱりルークさんが微笑んで、カイルが笑みを堪えるように振り返る。
…何この廊下? 何の建材使ってんの? 特定の人間の足音だけデフォルメキャラの足音みたいにさせる効果でもあんの? 俺、こんな可愛い足音イヤなんですけど?

「こちらです。皆様の部屋は東側の2階になります。右から順にアラウザ様、マンハット様、ビーター様、アヤマ様とセキ様、セイ様、オウ様です。ご希望があればすぐに替えますが…」
「コージ、これで大丈夫か?」
「うん」
「これで構いません」

カイルがブルーノさんにそう言って、次は食堂に案内された。
食堂に続く廊下をみんな無言でスタスタ…俺だけポテポテ歩いていると、ブルーノさんが思い出したように振り返って、俺の斜め前にいる人物に声を掛けた。
そう、やっと声を掛けてくれたんだ。

「…ところで、レオナルド様は何故ここに? この時間は古代ベレンツェ語学の授業では?」
「せっかくコージくんがいるんだ。古代ベレンツェ語学なんて学んでる場合ではないだろう?」
「学んでいる場合です。ボートン先生に叱られてしまいますよ」
「コージくんだぞ? コージくんがいるんだからそんなのどうだって良い」
「良くないです。アヤマ様方は今から、食堂を見た後に自由行動となります。アヤマ様にずっと付きまとうおつもりですか?」
「仲良くなりたいんだ。見逃せブルーノ」
「アヤマ様方が許可されれば見逃してあげても構いませんが」
「だそうだけど、どうかなコージくん!」

キラッキラした瞳を向けて俺に聞いてくる王子様。笑顔の奥に圧が見えるのは気のせいだろうか。
…で、王子様。

「俺達、会った事ありましたっけ…?」
「…いや、僕が一方的に知っているだけさ。紹介が遅れたね。僕はレオナルド・B・ガーディアン。グリス王国の第1王子だよ! よろしくねコージくん!」

握手を求められて恐る恐る王子様の手を握ると、ぱぁぁぁっと王子様の周囲に花が咲いて、すっごく嬉しそうに握り返してくれた。
あ、花が咲いたってのは勿論比喩な。
握手をした途端にルークさんやカイル達の視線が鋭くなったのはきっと気のせいじゃない。
ごめん。王子様の握手断るとか、ただの男子高校生である俺には無理だわ。

「それでレオナルド様。どこでコージを知ったのでしょうか?」
「あぁ、城下町で見掛けたんだ。ロワナの子供に絡まれていただろう?」
「ロワナの子供って…」
「君が『若年性キノコ』って言った彼だよ」
「!!」

あっ、あの若年性金髪小肥りキノコ! 俺を男娼と勘違いした失礼なお坊っちゃま! あの時かぁ~!
こんなイケメンがいたなんて気付かなかったなぁ。
いや、この世界の人って大抵美形なんだけど、王子様は群を抜いてキラキラしてるんだよ。
さすが王子様というかなんというか…。

「サイラス・リオ・ロワナが若年性キノコ……」

ブルーノさんが少し愉快そうに呟いて、ちょっと笑った。









食堂はキラキラ。なっがぁ~いテーブルも椅子もキラキラ。ピシッとした雰囲気の執事さんとメイドさんが数人、壁に沿うように立っていて、テーブルクロスは真っ白。
映画とかに出てくる王城の食堂、そのまんまだった。

「ふぉ~~…!」
「朝食は7時、夕食は18時ですが、部屋で召し上がる場合は担当の執事までお申し付けください。昼食は街で済ませる事も可能ですが、城で済ませたい場合は10時から15時の間に食堂に来て頂ければ、提供致します」
「…あぁすみません。コージくんは辛すぎるものが食べられないのですが」
「承知しました。料理人達に伝えておきましょう」

あ、そっか…。残したら失礼だし、食べられないものは言わなきゃだよな…。
ごめんなさいワガママで…。ピリ辛とかは結構好きなんだけど、激辛は無理なんだ…。
俺、言い出せなかっただろうから、言ってくれてありがとうルークさん。

「コージくんは辛いものが苦手なんだね。可愛いなぁ」

と、王子様が申しておりますが、嬉しくありません。
いいか? 俺が苦手なのは激辛だから! ピリ辛は好きだから! カレーの中辛だって食べられるんだから! 子供舌な訳じゃないんだからなッ!

なんて思いながら内心プンスカしていると、ブルーノさんが俺達の前で懐中時計を取り出して、時間を確認した。
…かっけぇ。でもまるでツアーのガイドさんだな。

「この後はお好きなように行動して頂いて構いませんが、謁見の間と王族の居住区である北側の2階より上には立ち入らないようにお願いします。浴場は北東1階、図書室は北西の3階、展望台は南の7階、訓練所は南西の1階廊下を左に曲がった外にあります。南東の地下には牢獄があり、凶悪犯罪者が収容されていますので、近付く際には充分にご注意ください」

んぇ…? ちょ、覚えられないんですけど…。
…ま、冒険してたら見付けられるよな。風呂と図書室と食堂と自分の部屋さえ分かればオッケー!
さっそく図書室に行きましょう。

この前知ったばっかりなんだけど、本って実はかなり高価なんだよな!
俺は盗賊頭のガレと、本をコツコツ集めていたリイサスさんが側にいたから読めてた。でも、普通のおうちに本はないのだ。

だから、新しい本を読むには本を買うか、こうやって本がある場所に行くしかない。
で、『図書室』って言えるくらいの本が集められたお城の図書室…。

行くしかありませんよねぇ?



「あ…それと、南の庭の奥に王立研究所というものがありますが、度々爆発が起こるので、近付かない方が得策です」


…爆発でアフロになった研究者とかいるかな?






********************




ポテポテポテ…スタスタ…

図書室目指して廊下を進む俺。それに付いてくる王子様や、ルークさん達。
なんだコイツら? 暇なのか?

「コージくん、ブルーノはあぁ言ってたけど、僕の自室にはいつでも来て良いからね! 衛兵にも話を通しておくからさ!」
「は、はぁ…。ありがとうございます…?」
「そうだ、どこか気になる場所とかあるかな? どこにでも案内するし、色々聞かせてあげられるよ!」

ニコニコキラキラ笑顔でそう言う王子様。
さっきちょっと気になった、王立研究所について聞こうとしたら、目の前に大きな人の背中が。

「レオナルド様、現在は古代ベレンツェ語学の授業の時間なのですよね? 客人にうつつを抜かしている場合ですか? 第1王子としての自覚を持った行動をお願いしたいものですが」
「……は、無粋だな聖騎士団長。貴様こそ、何故ここにいる? 貴様の仕事は教会に付き従い、暗黒属性をこの世から抹殺する事だろう」
「コージは教会にとって重要な人物です。また『死神の吐息』などに拐われぬよう、警護が必要なのは王子様でも理解出来るでしょう」
「一々頭にくる奴だな。我が国にとってもコージくんは重要な子だ。コージくんがいるうちに親睦を深めて何が悪い?」
「教会が本部を置くこの国の次期国王が色恋に溺れるようでは、お先真っ暗だと言いたいのです」
「なんだと? 警護など部下に任せれば良いものを、でしゃばってコージくんに付きまとうストーカーが」
「おや自己紹介ですか?」


カイルVS王子様による口喧嘩、勃発。
…ひぇぇぇぇぇッ!? 火花バチバチしてるよ! さっきまでニコニコ笑顔だったのに温度差激し過ぎるよ王子様!
カイルもどうしたんだよ…! そんないきなり突っ掛かったりして…。

「る、ルークさん…、王家と教会って仲悪いんですか?」
「いや、あれはただ単に2人がコージくんを取り合っているだけだろう」
「おおおお王家に文句言って、カイル大丈夫なんですか…!?」
「一国の第1王子と、世界的に有名な騎士団の団長…。身分的に格は同じぐらいだろうが、今はマンハット殿の方が上だろうな。いくつもの修羅場をくぐり抜けた経験は伊達ではないと思うが」
「ほっ…。じゃあ無視して図書室行っても大丈夫ですかね?」
「あぁ。私としても、新たな敵をコージくんに近付けたくはないしね」
「……新たな、敵」
「王子は君に惚れている」
「………親しくなって、将来的に利用しようとしている訳では…?」
「確かに、その可能性がない訳ではない。だが…、君に惚れた者の直感だろうか。分かるんだよ、ライバルの匂いが。マンハット殿も、同じ匂いを嗅ぎ当てたのだろう」


…一瞬うへぇ~って思ったけど、まぁ相手は王子様ですし。こんな得体の知れない子供と結ばれるなんて、王様や周りが許さないでしょうし。
放置していても大丈夫かな。


さぁて、行くぞ図書室!
あと1時間半で夕食だけど!!




感想 963

あなたにおすすめの小説

身代わり召喚された俺は四人の支配者に溺愛される〜囲い込まれて逃げられません〜

たら昆布
BL
間違って異世界召喚された青年が4人の男に愛される話

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される

マンスーン
BL
​王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。 泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。

穏やかに生きたい(隠れ)夢魔の俺が、癖強イケメンたちに執着されてます。〜平穏な学園生活はどこにありますか?〜

春凪アラシ
BL
「平穏に生きたい」だけなのに、 癖強イケメンたちが俺を狙ってくるのは、なぜ!? トラブルを避ける為、夢魔の血を隠して学園生活を送るフレン(2年)。 彼は見た目は天使、でも本人はごく平凡に過ごしたい穏健派。
なのに、登校初日から出会ったのは最凶の邪竜後輩(1年)!? 
他にも幼馴染で完璧すぎる優等生騎士(3年)に、不良だけど面倒見のいい悪友ワーウルフ(同級生)まで……なぜか異種族イケメンたちが次々と接近してきて―― 運命の2人を繋ぐ「刻印制度」なんて知らない! 恋愛感情もまだわからない! 
それでも、騒がしい日々の中で、少しずつ何かが変わっていく。 個性バラバラな異種族イケメンたちに囲まれて、フレンの学園生活は今日も波乱の予感!? 
甘くて可笑しい、そして時々執着も見え隠れする 愛され体質な主人公の青春ファンタジー学園BLラブコメディ! 月、水、金、日曜日更新予定!(番外編は更新とは別枠で不定期更新) 基本的にフレン視点、他キャラ視点の話はside〇〇って表記にしてます!

ストーカーから逃げ切ったのも束の間、転移後はヤンデレ騎士団に殺されかけている現実!

由汰のらん
ファンタジー
ストーカーから逃げていたある日、ハルは異世界に召喚されてしまう。 しかし神官によれば、どうやらハルは間違って召喚された模様。さらに王子に盾ついてしまったことがきっかけで、ハルは国外追放されてしまう。さらに連行されている道中、魔族に襲われ、ハルの荷馬車は置き去りに。 そのさなか、黒い閃光を放つ騎士が、ハルに取引を持ちかけてきた。 「貴様の血を差し出せ。さすれば助けてやろう。」 やたら態度のでかい騎士は、なんとダンピールだった。しかしハルの血が特殊だと知ったダンピールはハルを連れ帰って? いっそ美味しい『血』(治癒)と『体液』(バフ)と『癒し』を与えるダンピール騎士団のセラピストを目指します!

牛獣人の僕のお乳で育った子達が僕のお乳が忘れられないと迫ってきます!!

ほじにほじほじ
BL
牛獣人のモノアの一族は代々牛乳売りの仕事を生業としてきた。 牛乳には2種類ある、家畜の牛から出る牛乳と牛獣人から出る牛乳だ。 牛獣人の女性は一定の年齢になると自らの意思てお乳を出すことが出来る。 そして、僕たち家族普段は家畜の牛の牛乳を売っているが母と姉達の牛乳は濃厚で喉越しや舌触りが良いお貴族様に高値で売っていた。 ある日僕たち一家を呼んだお貴族様のご子息様がお乳を呑まないと相談を受けたのが全ての始まりー 母や姉達の牛乳を詰めた哺乳瓶を与えてみても、母や姉達のお乳を直接与えてみても飲んでくれない赤子。 そんな時ふと赤子と目が合うと僕を見て何かを訴えてくるー 「え?僕のお乳が飲みたいの?」 「僕はまだ子供でしかも男だからでないよ。」 「え?何言ってるの姉さん達!僕のお乳に牛乳を垂らして飲ませてみろだなんて!そんなの上手くいくわけ…え、飲んでるよ?え?」 そんなこんなで、お乳を呑まない赤子が飲んだ噂は広がり他のお貴族様達にもうちの子がお乳を飲んでくれないの!と言う相談を受けて、他のほとんどの子は母や姉達のお乳で飲んでくれる子だったけど何故か数人には僕のお乳がお気に召したようでー 昔お乳をあたえた子達が僕のお乳が忘れられないと迫ってきます!! 「僕はお乳を貸しただけで牛乳は母さんと姉さん達のなのに!どうしてこうなった!?」 * 総受けで、固定カプを決めるかはまだまだ不明です。 いいね♡やお気に入り登録☆をしてくださいますと励みになります(><) 誤字脱字、言葉使いが変な所がありましたら脳内変換して頂けますと幸いです。

義兄の愛が重すぎて、悪役令息できないのですが…!

ずー子
BL
戦争に負けた貴族の子息であるレイナードは、人質として異国のアドラー家に送り込まれる。彼の使命は内情を探り、敗戦国として奪われたものを取り返すこと。アドラー家が更なる力を付けないように監視を託されたレイナード。まずは好かれようと努力した結果は実を結び、新しい家族から絶大な信頼を得て、特に気難しいと言われている長男ヴィルヘルムからは「右腕」と言われるように。だけど、内心罪悪感が募る日々。正直「もう楽になりたい」と思っているのに。 「安心しろ。結婚なんかしない。僕が一番大切なのはお前だよ」 なんだか義兄の様子がおかしいのですが…? このままじゃ、スパイも悪役令息も出来そうにないよ! ファンタジーラブコメBLです。 平日毎日更新を目標に頑張ってます。応援や感想頂けると励みになります。   ※(2025/4/20)第一章終わりました。少しお休みして、プロットが出来上がりましたらまた再開しますね。お付き合い頂き、本当にありがとうございました! えちち話(セルフ二次創作)も反応ありがとうございます。少しお休みするのもあるので、このまま読めるようにしておきますね。   ※♡、ブクマ、エールありがとうございます!すごく嬉しいです! ※表紙作りました!絵は描いた。ロゴをスコシプラス様に作って頂きました。可愛すぎてにこにこです♡ 【登場人物】 攻→ヴィルヘルム 完璧超人。真面目で自信家。良き跡継ぎ、良き兄、良き息子であろうとし続ける、実直な男だが、興味関心がない相手にはどこまでも無関心で辛辣。当初は異国の使者だと思っていたレイナードを警戒していたが… 受→レイナード 和平交渉の一環で異国のアドラー家に人質として出された。主人公。立ち位置をよく理解しており、計算せずとも人から好かれる。常に兄を立てて陰で支える立場にいる。課せられた使命と現状に悩みつつある上に、義兄の様子もおかしくて、いろんな意味で気苦労の絶えない。

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。