箱庭の巫女(アリス)

Renka

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第1章

少女と招かざる客人の少年

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"巫女歴853年"
"迷暗の森"にて
少女は迷っていた
広く暗い森の中で
「なんでこんな所にいるのよ!私!!」
少女がひとりで叫ぶ
少女の名はヘレン=ミューラ
どこにでもいる女の子である
「いつ"迷暗の森"に入った?全く記憶にないんだけど!?どうしよう。帰れないよー。」
行くあてもなく森の中をさまよっていると小さな小屋があるのがわかった
電気がついているので人がいるのだろう
ヘレンはすぐさま小屋に向かって歩き始めた
「・・・・・・・・・・・・・・・」
コンコンンと扉を叩く
ギィーと音を立てて扉が開く
扉の前に立っていたのはヘレンと同じくらいの少年だった
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「あの・・・、出口知りませんか?」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「迷い込んでとき陽の高さはどれくいだった?」
「え?」
突然の意味のわからない質問に戸惑いながらもヘレンは答えた
「確かもう沈みかけてたはず・・・」
そう答えると少年は中に入れと言わんばかりに扉を開いた
「お邪魔します・・・」
ヘレンは恐る恐る部屋の中へ入っていった
バタンと扉が閉まる
「お前どうやってこの森に入った?」
「どうって普通に入ったわよ?」
「!!?普通にか?」
「え?えぇ・・・」
「・・・・・・・・・お前名前は?」
「ヘレン。ヘレン=ミューラ」
その名前にハッとする少年
「どうかした?」
「いや・・・、なんでもない。」
「???」
「ヘレン。今日は泊まれ。明日家に帰れ。今日はもう陽が沈んで入り口が閉まってる」
「入り口?そんなのあった?」
「あっただろ?小さな看板の隣に大きな門が」
「??私どうやってここに来たか覚えてないの」
「覚えてないだど!?」
少年はさっきと比べないくらい驚いた
「うっうん・・・。覚えてない」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
しばらく沈黙が続く
「とにかく今日はもう寝ろ」
「ありがとう・・・」
ヘレンは案内された部屋で布団についた

蒼く輝く満月
少年は満月を見る
どこか不気味な満月
パーっと蒼い満月が輝き紅の満月となった
紅の満月はあちらとこちらを繋ぐ扉
少年は呟いた
「"アリス"。必ず守る。この身に変えても必ず・・・」
硬い決意の言葉
ヘレンが"アリス"と言う言葉を知るのはもう少しあとの話
今はまだ何も知らない・・・


"箱庭"にて
「"紅の女王"。"巫女"が現れました」
「そうか。"巫女"がついに現れたか・・・」
"紅の女王"は笑みを浮かべた
「皆の者!!ついに来た!!必ず
"巫女"を殺すのだ!!」
「「「御意に!!」」」
周りの兵士達が声を揃えて言った



すべてはあの日あの時から始まっていた
この物語が終焉を迎えることはないであろう・・・
すべてを知るのは"箱庭の女王"か"巫女"かはたまた"白うさぎ"なのか・・・
それさえもまだ誰も知らない・・・
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