2 / 6
第1話 ナルコレプシーと私
しおりを挟む
「はぁ~」
また、やってしまった。
仕事のミスなんていつものこと。
ある意味慣れっこだった。
周りから白い目で見られようと、陰口を叩かれようと、もう気にならなくなっていた。
いつもポジティブでいよう。
せめて、自分だけでも自分のことは信じてあげよう。
そう、常に言い聞かせてきた。
(私がもし普通だったなら、あんた達なんかに絶対に負けてない)
しかし、今回ばっかりは自信を失うには充分だった。
茜色に染まる空を眺めながら真奈美は大きくため息をつく。
まだ、飲みきっていない缶コーヒーはとっくにその温かみを失っていた。
枯葉で覆われた公園のベンチ。
一人静かに腰掛ける彼女。
もう、何時間こうしているんだろう?
子供達の声も段々と少なくなってきたとはいえ、上下グレーのスーツに身を包んだ女性が一人ポツンといるというのは酷く浮いていた。
時折強く吹く風が、頭や肩にのった枯葉を吹き飛ばす。
長い黒髪は大きく乱れ、見るも無惨だ。
「また⋯⋯クビかな。まぁ、もう、どうでもいいか」
そう微かに呟くと、スーッと静かに眠りについた。
⋯⋯。
⋯⋯⋯⋯。
「⋯⋯。あっ!すいません。私、また⋯⋯あれ?」
再び目を覚ますと、彼女の眼前には広大な草原が広がっていた。
涼しげな風が頬をかすめ、微かにキンモクセイの香りが混じっている。
300メートルほど先には、大きな森の入り口も見えた。
周りをキョロキョロ見渡すが、町どころか家一軒見当たらない。
お尻に違和感を感じ立ち上がると、ベンチだった物は切り株に変わっていた。
「えっ?なに?ってか、ここ何処?」
慌てて飛び退く真奈美の脳裏に1つの言葉が浮かんだ。
(拉致?)
いや⋯⋯違う。こんな間抜けな拉致のされ方があってたまるか。いや、されてたまるか。
切り株に座らされたまま放置って⋯⋯。
脳内で、この置かれた現実を必死に否定する。
彼女は思う。
生まれてこの方24年。
こんな間抜けな拉致、聞いたことがない。
拉致って放置って⋯⋯こんな事、とてもじゃないが恥ずかしくて飲み会の場でも話せたもんじゃない。
しかし、ほかに説明がつかない。
そもそもここはどこなのか?
彼女は、ナビアプリを使おうとポケットからスマートフォンを取り出す。が、電波が入らない。
GPSも使えなかった。
あわててカバンの中からポケットWiFiを取り出すが無駄だった。
その他にあるのは、書類とメイク道具のみ。
他に使えそうなものはない。
「はぁ。マジか」
拉致されて身柄を丁寧(?)に捨てられた。
なら、すぐに場所を探知できる様になんてしておくわけがない。
半ば諦めると彼女は、とりあえず座り直し一つ一つ記憶を辿っていった。
「えっと、出勤はしたよね。そんで、朝一から寝落ちしてデータやらかして⋯⋯それから、たしか上司と一緒にお客さんとこ謝罪に行って、その客先でお詫び中にまた寝ちゃって
⋯⋯その場で帰らされたんだっけ。⋯⋯それから、その帰りの道中にある公園の自販機であったかいコーヒー買って、ベンチで座って⋯⋯⋯⋯え~っと、あっ!はは⋯⋯また、寝落ちたんだ」
がっくりと項垂れる彼女。
自分が心底情けなく感じていた。
真奈美は、ナルコレプシーという病気を持っていた。
ナルコレプシーとは、過眠症の一種で所構わず、どんな状況であろうと突然強烈な睡魔に襲われ、あれよあれよと寝落ちてしまう。
他にもいろいろ症状はあるが、それは後日談にするとして原因も不明で治療法もない。
とにかくなかなかに厄介な病気だ。
今回の仕事上のミスも、原因はこの病気の症状によるものだった。
思い出すのは仕事上の嫌な事ばかり。
とにかく、ベンチで寝落ちてから先の記憶が無い事だけはわかった彼女は、すっくと立つ。
「まぁ、どうでもいっか。とりあえず、ここは離れた方がいいよね。私を拉致った奴が戻ってくるかも知れないし」
ズーンと落ち込むが、何かスイッチが入ったかのように突然開き直る。
この切り替えの良さは彼女の大きな長所だ。
とは言え、決して天性のものではない。
ーーー
真奈美は、自身の病気のせいで会社では村八分にされていた。
決して仕事が出来ないわけではない。
どちらかと言えば、プログラマーの中では優秀なほうだ。
だが、とにかく仕事中や会議中に寝てしまう為評判が悪い。
顔立ちやスタイルは悪くないので、最初の頃は男性社員が心配がてら近づいてきた。
しかし、それが女子社員から大きな反感を買っていたのだ。
症状が悪化し、大きなミスが連発し始めた頃、巻き込まれたくないのだろう、一人また一人と男性社員も彼女から離れていった。
ーーー
彼女の背を押すように、一際冷たい風が草原を走り抜ける。
「いや、それ以前に⋯⋯」
周りを改めて見回す。
電波も届かないような草原に一人ポツンと放置されているような状態では、色々と危険過ぎる。
水も食料もない。
野生動物だって出るかも知れない。
両手の中にある缶を見つめる。
「貴重な水分になるかもしれない」
そう察した真奈美は、コーヒーを一口だけ大事に飲むと森へと向かった。
生い茂る草。
所々ぬかるんだ土。
足元が9.0cmあるヒールのパンプスでは足元がおぼつかない。
幾度となくバランスを崩すも黙々と進む。
いっそパンプスを捨ててしまおうかとも何度も思った。
しかし、ブラックサテン地のしっとりとした雰囲気に大胆なレッドヒールのこのパンプス。
一目惚れして買った時の記憶がよぎり、どうしても捨てられない。
そんな葛藤の中、これまでの事が走馬灯の様に頭の中を過ぎる。
ーーー
真奈美はいつも一人だった。
会社で居場所がない彼女は休憩時間が嫌いだった。
昼食はトイレに篭って食べた。
小休憩は、自販機を転々とした。
出勤の前は毎日頭痛に悩まされる。
会社に行っても必要とされていない疎外感を感じていた。
仕事で見返すんだと踏ん張るも病気にはやはり勝てなかった。
病気の事をカミングアウトしても誰も信じてはくれない。
むしろ、陰口を叩かれたり小馬鹿にされた。
今では、業務連絡以外誰とも話すことは無い。
周りには暗い人間だと思われている事だろう。
そうさせたとのは自分達だと気づく事もなく。
病みそうになる毎日を、ただ必死に耐える日々。
一人の時間の時ぐらいは、無理矢理にでも明るくしていないと暗闇に飲み込まれてしまいそうな気がしていた。
そんなことを繰り返しているうちに、自然とプライベートのオン・オフの極端な切り替えができるようになっていった。
ーーー
また、やってしまった。
仕事のミスなんていつものこと。
ある意味慣れっこだった。
周りから白い目で見られようと、陰口を叩かれようと、もう気にならなくなっていた。
いつもポジティブでいよう。
せめて、自分だけでも自分のことは信じてあげよう。
そう、常に言い聞かせてきた。
(私がもし普通だったなら、あんた達なんかに絶対に負けてない)
しかし、今回ばっかりは自信を失うには充分だった。
茜色に染まる空を眺めながら真奈美は大きくため息をつく。
まだ、飲みきっていない缶コーヒーはとっくにその温かみを失っていた。
枯葉で覆われた公園のベンチ。
一人静かに腰掛ける彼女。
もう、何時間こうしているんだろう?
子供達の声も段々と少なくなってきたとはいえ、上下グレーのスーツに身を包んだ女性が一人ポツンといるというのは酷く浮いていた。
時折強く吹く風が、頭や肩にのった枯葉を吹き飛ばす。
長い黒髪は大きく乱れ、見るも無惨だ。
「また⋯⋯クビかな。まぁ、もう、どうでもいいか」
そう微かに呟くと、スーッと静かに眠りについた。
⋯⋯。
⋯⋯⋯⋯。
「⋯⋯。あっ!すいません。私、また⋯⋯あれ?」
再び目を覚ますと、彼女の眼前には広大な草原が広がっていた。
涼しげな風が頬をかすめ、微かにキンモクセイの香りが混じっている。
300メートルほど先には、大きな森の入り口も見えた。
周りをキョロキョロ見渡すが、町どころか家一軒見当たらない。
お尻に違和感を感じ立ち上がると、ベンチだった物は切り株に変わっていた。
「えっ?なに?ってか、ここ何処?」
慌てて飛び退く真奈美の脳裏に1つの言葉が浮かんだ。
(拉致?)
いや⋯⋯違う。こんな間抜けな拉致のされ方があってたまるか。いや、されてたまるか。
切り株に座らされたまま放置って⋯⋯。
脳内で、この置かれた現実を必死に否定する。
彼女は思う。
生まれてこの方24年。
こんな間抜けな拉致、聞いたことがない。
拉致って放置って⋯⋯こんな事、とてもじゃないが恥ずかしくて飲み会の場でも話せたもんじゃない。
しかし、ほかに説明がつかない。
そもそもここはどこなのか?
彼女は、ナビアプリを使おうとポケットからスマートフォンを取り出す。が、電波が入らない。
GPSも使えなかった。
あわててカバンの中からポケットWiFiを取り出すが無駄だった。
その他にあるのは、書類とメイク道具のみ。
他に使えそうなものはない。
「はぁ。マジか」
拉致されて身柄を丁寧(?)に捨てられた。
なら、すぐに場所を探知できる様になんてしておくわけがない。
半ば諦めると彼女は、とりあえず座り直し一つ一つ記憶を辿っていった。
「えっと、出勤はしたよね。そんで、朝一から寝落ちしてデータやらかして⋯⋯それから、たしか上司と一緒にお客さんとこ謝罪に行って、その客先でお詫び中にまた寝ちゃって
⋯⋯その場で帰らされたんだっけ。⋯⋯それから、その帰りの道中にある公園の自販機であったかいコーヒー買って、ベンチで座って⋯⋯⋯⋯え~っと、あっ!はは⋯⋯また、寝落ちたんだ」
がっくりと項垂れる彼女。
自分が心底情けなく感じていた。
真奈美は、ナルコレプシーという病気を持っていた。
ナルコレプシーとは、過眠症の一種で所構わず、どんな状況であろうと突然強烈な睡魔に襲われ、あれよあれよと寝落ちてしまう。
他にもいろいろ症状はあるが、それは後日談にするとして原因も不明で治療法もない。
とにかくなかなかに厄介な病気だ。
今回の仕事上のミスも、原因はこの病気の症状によるものだった。
思い出すのは仕事上の嫌な事ばかり。
とにかく、ベンチで寝落ちてから先の記憶が無い事だけはわかった彼女は、すっくと立つ。
「まぁ、どうでもいっか。とりあえず、ここは離れた方がいいよね。私を拉致った奴が戻ってくるかも知れないし」
ズーンと落ち込むが、何かスイッチが入ったかのように突然開き直る。
この切り替えの良さは彼女の大きな長所だ。
とは言え、決して天性のものではない。
ーーー
真奈美は、自身の病気のせいで会社では村八分にされていた。
決して仕事が出来ないわけではない。
どちらかと言えば、プログラマーの中では優秀なほうだ。
だが、とにかく仕事中や会議中に寝てしまう為評判が悪い。
顔立ちやスタイルは悪くないので、最初の頃は男性社員が心配がてら近づいてきた。
しかし、それが女子社員から大きな反感を買っていたのだ。
症状が悪化し、大きなミスが連発し始めた頃、巻き込まれたくないのだろう、一人また一人と男性社員も彼女から離れていった。
ーーー
彼女の背を押すように、一際冷たい風が草原を走り抜ける。
「いや、それ以前に⋯⋯」
周りを改めて見回す。
電波も届かないような草原に一人ポツンと放置されているような状態では、色々と危険過ぎる。
水も食料もない。
野生動物だって出るかも知れない。
両手の中にある缶を見つめる。
「貴重な水分になるかもしれない」
そう察した真奈美は、コーヒーを一口だけ大事に飲むと森へと向かった。
生い茂る草。
所々ぬかるんだ土。
足元が9.0cmあるヒールのパンプスでは足元がおぼつかない。
幾度となくバランスを崩すも黙々と進む。
いっそパンプスを捨ててしまおうかとも何度も思った。
しかし、ブラックサテン地のしっとりとした雰囲気に大胆なレッドヒールのこのパンプス。
一目惚れして買った時の記憶がよぎり、どうしても捨てられない。
そんな葛藤の中、これまでの事が走馬灯の様に頭の中を過ぎる。
ーーー
真奈美はいつも一人だった。
会社で居場所がない彼女は休憩時間が嫌いだった。
昼食はトイレに篭って食べた。
小休憩は、自販機を転々とした。
出勤の前は毎日頭痛に悩まされる。
会社に行っても必要とされていない疎外感を感じていた。
仕事で見返すんだと踏ん張るも病気にはやはり勝てなかった。
病気の事をカミングアウトしても誰も信じてはくれない。
むしろ、陰口を叩かれたり小馬鹿にされた。
今では、業務連絡以外誰とも話すことは無い。
周りには暗い人間だと思われている事だろう。
そうさせたとのは自分達だと気づく事もなく。
病みそうになる毎日を、ただ必死に耐える日々。
一人の時間の時ぐらいは、無理矢理にでも明るくしていないと暗闇に飲み込まれてしまいそうな気がしていた。
そんなことを繰り返しているうちに、自然とプライベートのオン・オフの極端な切り替えができるようになっていった。
ーーー
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
『異世界に転移した限界OL、なぜか周囲が勝手に盛り上がってます』
宵森みなと
ファンタジー
ブラック気味な職場で“お局扱い”に耐えながら働いていた29歳のOL、芹澤まどか。ある日、仕事帰りに道を歩いていると突然霧に包まれ、気がつけば鬱蒼とした森の中——。そこはまさかの異世界!?日本に戻るつもりは一切なし。心機一転、静かに生きていくはずだったのに、なぜか事件とトラブルが次々舞い込む!?
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活
空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。
最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。
――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に……
どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。
顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。
魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。
こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す――
※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
おばさんは、ひっそり暮らしたい
波間柏
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。
たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。
さて、生きるには働かなければならない。
「仕方がない、ご飯屋にするか」
栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。
「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」
意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。
騎士サイド追加しました。2023/05/23
番外編を不定期ですが始めました。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
才がないと伯爵家を追放された僕は、神様からのお詫びチートで、異世界のんびりスローライフ!!
にのまえ
ファンタジー
剣や魔法に才能がないカストール伯爵家の次男、ノエール・カストールは家族から追放され、辺境の別荘へ送られることになる。しかしノエールは追放を喜ぶ、それは彼に異世界の神様から、お詫びにとして貰ったチートスキルがあるから。
そう、ノエールは転生者だったのだ。
そのスキルを駆使して、彼の異世界のんびりスローライフが始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる