帰還のヘルズゲート

生獣屋 芽怠

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第9話 死神スミス

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「うっ……」

 意識がぼやけている。重い瞼を開くと、俺はベッドの上にいた。
 眠い目をこすり、夢から覚めて最初にやることは窓を開ける事だ。
 良く寝た。昨日の夜は大変だった、3メートルはあるヘビみたいな奴との死闘、体に巻き付かれた時はどうしようかと思った。
 それにしても腹減ったな。キッチンまで行って冷蔵庫の中を確認し、豚肉やキャベツ、モヤシなどを選ぶ。

「これだと野菜炒めだな」

「それは旨いのか?」

「旨いよ、白ご飯と良くあ……」

 あれ? 今誰かと話して無かったか? まさかな、気のせいさ。この部屋に俺しかいないはずだからな。

「どうした、早く作れ! オレも腹が減っている!」

「な! だ、誰だあんた!」

「ふん、反応が遅いな、佐波峻!」

「何で俺の名前を」

 目の前にいたのは女性だ、髪は銀色で短く、目が鋭くて凛々しい顔。なかなかの美人、首にドクロのネックレスをし、口調が男見たいな奴が目の前に居た。
 誰だよこいつは!

「俺はスミスだ、よろしくな!」

「……スミス?」

「名前だバカ、それと、オレは死神だ」

「死神だと?」

「そうだ、ルベスは死神の事は何も教えて無いのか?」

「ルベスだと? 奴の知り合いか?」

「まぁ、そんなところだ」

 取りあえずルベスを知っているって事は、人間ではないらしい。
 それにしても何で俺の部屋にこいつは居るんだ?

「何故ここにいる?」

「暇だからだ」

「はぁ?」

「どうでもいいが、オレは腹が減っている。その野菜炒めというのを作れ! 今すぐ!」

 なんだこいつ、何で俺が作らなきゃいけないんだ。たく、何なんだこの女は! 遠慮って言葉を知らないのか? まこちゃんはその点はちゃんとしてるぞ! くそ、文句言ってやる。

「何でお前のために作らなきゃいけないんだよ! だいたい、暇ならどっかに行けばいいだろ? こんな狭い部屋に居ないでさ!」

 言葉を終えた瞬間、凄まじい音が発生。音の方を見ると、スミスが木でできたテーブルを手で掴み、掴んだ部分が、ベキベキと握り潰されていた。
 うわぁ、何とも素晴らしい握力。

「もう一度言う、オレは腹が減っている」

「一生懸命作らせていただきます!」

 直感だがあのままだと俺は殺されていただろう。
 ちくしょう! 急いでキッチンへ行き、二人分の野菜炒めを大急ぎで作り、運んで行ってやる。

「ふ~ん、これが野菜炒めと言うやつか?」

 目の前に置かれた野菜炒めをスミスは頬を赤く染め、不思議そうに見詰めていた。
 そうだ、箸を持ってこないとな。持ってこようとしたが遅かった、スミスは野菜炒めを手でつまみ、口に運んだ。すると、見る見るうちにスミスの頬が赤くなり、目が潤み始める。

「なんだれは、旨い、旨い!」

 大絶賛だった。

「そ、そんなに旨いのか?」

「ああ、旨いぞ佐波!」

 俺の料理はお世辞でもそんなに上手ではないぞ?
 こいつ、いつも何食ってんだろう。
 あっという間に全部を食べてしまった。スミスは手の平に付いている野菜炒めの汁をペロペロと舐めていた。何だかそのしぐさが可愛く思えるな。

「佐波、腹が減ったぞ!」

「今、食べただろうが!」

「たらん、もっとないのか?」

「ないよ、後は俺の分だ!」

 轟音が響く。スミスは床を殴り、穴を開けた。なんて馬鹿力だ!

「もう一度言う、オレは腹が減っている」

「頑張って作らさせていただきます!」

 慌てながら台所に駆ける。ちくしょう、このままじゃ部屋が壊滅する。
 台所に駆けつけた時、部屋のドアが開け放たれた。そこから姿を現したのはまこちゃんだった。

「峻くん、こんにち……」

 まこちゃんが止まっている。あれ? 前にも同じ事無かったっけ? 

「あの人は誰?」

 まこちゃんの目付きを怖くしながら俺を睨んでいる。
 何て言えばいいんだ? 俺があたふたしているとスミスがまこちゃんに話し掛けた。

「お! お前が皆川だな? オレは死神のスミスだ!」

「え? あ、し、死神?」

「そうだ。死神って言うのはな、死んだ者の魂をあちら側へ持って行く者の事だ。これがオレの仕事だ」

 まこちゃんの表情が厳しくなり、スミスを警戒していた。そりゃそうだ、突拍子な事を言われてもな。

「別に皆川の魂は持って行かないぞ?」

「あ、そうですか……本当に?」

「疑り深い奴だな、持って行く奴は、死人リストに名前ある奴だけだ! 皆川、お前が死ぬのは後……」

 手帳らしきものを取り出して調べ始めた。

「わぁーー! 言わなくていい!」

 まこちゃんは両手をブンブン回し、焦っていた。確かに寿命を言われそうになったら俺もこうなるのだろうな。

「そうか? じゃあ言わん」

「はぁ、びっくりだよ」

「そうだ、佐波! 腹が減ったぞ!」

 クソ、思い出したか。

「お腹が減ってるの?」

「そうだ! 減って死にそうだ!」

 死神って死んでんじゃない? 俺とまこちゃんは同じ事を思った。

「仕方ないな、私が何か作ってあげるよ」

「何、本当か! 嘘だったら殺すからな!」

 こいつなら本当に殺すだろうな。
 またまた、二人の頭に同じ言葉が生まれる。

「本当だよ。峻くん、冷蔵庫の中身使ってもいい?」

「好きなだけどうぞ」

 冷蔵庫を開けて、何があるか確認していた。首をかしげながら悩んでいる。その姿がまた可愛いな。

「う~ん、この材料だとカレーかな?」

「かれー? 旨いのか?」

「うん、ママ直伝のカレーライスはおいしいよ!」

「そうか! 旨いのか!」

 まこちゃんは俺が使っている青色のエプロンを身に纏って、調理を開始しする。
 エプロンを着たまこちゃんって、なんか良い! すごく良い! そして、まな板を包丁でトントンってされたらたまらないな! ……ゴホン、脱線したな、話しを戻そう。
 調理が終わり、スミスの前に、カレーライスが置かれる。興味津々にスミスは頬を赤らめながら見つめている。

「おー、何だこれは、見たことが無いぞ!」

 スミスはまた素手で食べようとする。

「待って、スプーンを使わなくちゃ駄目だよ!」

 と慌ててスプーンを渡す。

「スプーン? 何だそれは?」

「ほら、こうやって食べるんだよ?」

 そう言いながらスプーンで食べる真似をして見せる。じーっと見つめているスミス。

「ふーん、貸せ! ……こうか?」

 変な握り方だった。それを見て、まこちゃんはスミスの後ろへと回り、スミスの手を動かしながら教える。

「こうして、こう。……そうそう、上手だよ!」

 まこちゃんは、将来立派なママになるな。この光景を見て確信する俺がいた。
 そして、スミスはスプーンを使って人生初のカレーを食べた。

「わぁあ! 旨い! 旨すぎるー!」

 感激のあまり目は潤み、頬がさっきより一層と赤くなっていた。

「皆川、お前は天才だ!」

「あはは、ありがとう。初めて食べるから、辛いとダメかも知れないから、甘口にしてみたよ」

 スミスはドンドンと食べている。すごいスピードであっという間に無くなって行く。ヤバイ、見ていたら腹へって来たな、よし俺も食うか。

「あ、まこちゃん俺も!」

「ダメだ! 全部オレが食う!」

「な、何だと! テメェ!」

 睨らみ合い、修羅場になりそうだった時だ。
 奴らの気配を唐突に感じる。
 来たか。

「出たな、まこちゃんはここにいて」

「うん、分かった」

 俺は走る。戦うために。玄関のドアノブを掴んだ時、後ろから声が聞こえた。その声は銀髪の死神。

「待て佐波! オレも行くぞ!」

「な、何?」

「さぁ、行くぞ!」

 スミスの背中から、コウモリの様な漆黒の翼が生えた。翼を羽ばたかせて、空中へと浮かんでいる。

「何を惚けている? 行くぞ!」

「ちょ、こら、待て!」

 二人の騒動をぽかんと見つめていたまこちゃんは、まだぽかんとしていた。

「おい! スミス待て!」

「うるさいぞ佐波!」

 声がでかいな、お前の方がうるさいぞ? そう思っている時だ、住人の気配を感知。この近くにいるはずだ。

「佐波! お前の上だ!」

 突然の声に見上げる。天井にいたのは、まるでクモのような奴。
 目は一つ、口がストローみたいに細長い。全身魚の鱗見たいなのが覆っていた。
 こいつクモか、クモなのか!?

「ひぃ!」

「どうした佐波?」

「俺は……ゴキブリや、ネズミ何かどうって事がない。だが、クモだけは、クモだけはダメなんだー!」

 俺は光速で逃げた。

「佐波! 待て!」

「うるさい、うるさい、うるさーい! クモ嫌いだ!」

「何故だ、あんなに可愛いじゃないか!」

「はぁ? お前、頭のネジ取れてるんじゃないのか? どう言う美的センスだ!」

「何だと! 可愛いじゃないか!」

 可愛いだと? まさか、人間と死神とでは可愛らしい物の基準が違うのか? よし、試して見るかな。

「……お前、ムカデって可愛いと思うか?」

「おお! あれも可愛いぞ!」

 ダメだ、付き合いきれん。しかし、どうするかな、クモを見たくもない。うう、寒気がしてきやがった。
 逃げながらをどうするか考えていた。何か名案は無いか? 何か。
 そうだ、この狭いマンションなら、あれができる。

「ん? 何か名案を思い付いたのか? 何だ?」

「後で教えてやるよ」

 行動開始、すぐ横の部屋に入り部屋全体の床や壁、天井を凍らせ、奴を待ち伏せた。
 すると一気に部屋の温度が急激に下がり、息が白く映る。

「バカ佐波! 寒いだろうが!」

 震えながらスミスは俺を罵倒する。確かに俺も寒い。

「あのな、俺は手から氷を作れるが、離れた場所には作れない。細くても良い、手からの氷と他の氷が繋がっていたら操れるんだよ!」

「つまり、この部屋全体を凍らせたから、お前の有利なテリトリーになったと言う訳だな」

「そう言う事だ。狭い部屋なら、すぐにでも操れる!」

 さぁ来いクモ野郎、カチンコチンにしてやる! そしてしばらくの時間が経つ。奴はなかなか来なかった。

「おい、佐波」

「……なんだ、大飯食らい」

「来ないぞ?」

 う、痛い所を突いてきやがるな。でも変だな普通は襲って来るのに。

「まさか、外に出ようとしてるんじゃないのか?」

「外だと? 馬鹿な、ルベスが施して行った結界があるだろ? これがあるから奴らは外に出られないはずだ」

「確かにそうだ。もしかしたら結界を乗り越えられる奴だったらどうする?」

「クソ、ここから出すわけには行かない! ……でも、クモ怖い」

「佐波、お前は何のためにここで戦って来た? 理由は知らないが、苦痛の向こうにあるもののために頑張っているんじゃなかったのか?」

 そこで俺は何故戦って来たか、その理由が頭を駆け巡る。
 俺は……のために頑張って来たんだ、そうだよ、そのために。

「じゃ、やる事は?」

「奴を地獄に帰す! 奴をここから出さない!」

「ふふ、男らしい顔だ。行くぞ、佐波!」

「ああ!」

 勢いよく扉を開け放ち、奴を探す。
 何処だ? 微かな気配を下から感じる。多分居場所は一階。風を切り走った。奴のところへ。

「遅いぞ佐波!」

「俺は走ってる! お前は飛んでるだろうが!」

 ケンカしながら一階へと向かう。
 奇妙な音がその空間を浸食していた。ドリルで穴を開ける様な音が広がっているのだ。
 一階に到着した時目撃する、そう奴だ。目の前にいた。薄暗い中にもぞもぞと、おぞましく動いている。

「うぅ、ぐぅ……クモだ」

 俺は汗をかき、微かに震えていた。決意しては来たが、やはり身体は正直なものだ。

「佐波、見ろ!」

 その声に視線を向ける。奴は透明な壁、結界に口を当て、少しずつ穴を開けて行ってる。クソ、やらせるか!
 結晶の碧を発動し、突撃した。
 だが突然だった、奴の尻が一筋の線を縦に描き、それが開く。割れ目の中からは巨大な目が出現、それと同時に身体の中から無数の触手が現れた。

「な!」

 触手は俺目掛け、襲いかかった。最初の触手を躱し、二つ、三つ目と回避し続けた。だが、一気に数本の触手が襲う。避られない!

「ぐ、ヤベェ!」

 攻撃を受ける覚悟したのだが、それはいきなりの事だ。突然、触手が全て切り裂かれ、空中を舞っているのだ。何がおきたかわからずに、その光景を見つめていた。
 存在感醸し出して光らせる巨大な鎌に目が釘付けになる。その鎌は漆黒、異様な感じを受ける。

「大丈夫か? 佐波」

「な、スミス?」

 スミスは巨大な鎌を肩に軽々と担いでいた。一体何処から出したんだ?

「俺の自慢の鎌だ! カッコいいだろ!」

「あ、ああ、カッコいいよ」

 彼女はハニカム。その顔に釘付けになってしまう。その顔が美しく思えた。不意打ちのハニカミ、ヤバイ、顔が赤くなる。
 な、何考えてるんだ俺は。

「佐波、触手は俺に任せろ、お前は奴を、良いな?」

「あ、ああ、分かった、やってやるさ!」

 二人の視線はクモに行く。一人は大地を駆け出し、一人は空を飛翔。二人同時に吠える。

「「うをおおおおお!」」

 無数の触手はスミスの舞う様な鎌さばきに円を描く様に飛び散る。その中を俺が突き抜けた!

「固まっちまえー!」

 碧い閃光が世界を包む。しばし俺の形は霧に隠されてた。
 しばらくして霧の中からようやく俺の姿が見え始める。

「佐波、奴は?」

「ほれ、この通りだ」

 そこには見事なまでに碧く光る結晶が現れた。

「へぇ、やるじゃないか」

「まぁな!」

 それから俺は紅の帰還を発動し、あちら側へ送り帰した。
 スミスは強い。強く、美しい。ふ、面白い奴だ。
 すべてを終えて、まこちゃんのところに戻って来く。

「あ、おかえり!」

「帰ったぞ皆川! よし、メシだ!」

「まだ食うのかよ! たく……メシ食ったら帰れよ!」

「帰らないぞ?」

 は? 帰らないだと?

「死神って忙しくないのかよ!」

「暇なんだ、それがな、一か月休みが出た」

「や、休み? 死神は企業かよ!」

「そうだ!」

 そうなんだ。俺とまこちゃんの頭は同じことを思った。

「俺は今まで、休んだ事なくてな、何をすれば良いか分からん。だからお前のところへきた」

「何で俺なんだよ!」

「ヘルズゲートは後だいたい一か月で閉まるらしい……ほら、ちょうど良いだろ? その間、世話になるぞ!」

「ふざける……」

 轟音、スミスが部屋のドアを殴って外へと吹っ飛ばした。

「もう一度言う、オレはここにいる」

「むさ苦しいところですが、何日でも!」

 あ、まこちゃんが呆れている。
 こうして、俺の部屋に新しい同居人が住み着いた。
 まったく迷惑な話だ。



 
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