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イヴ視点8
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目立たないように城の裏口から外に出て、マントを外して手に持つ。
人が大勢いるが、俺はユーリの気配…姿を絶対に見逃さない。
目線で見渡し、たった一人の美しい人を探す。
人が重なって、ユーリが隠れてしまっている。
目を閉じて、ユーリの声だけを拾う…他の音は全て聞こえない、ユーリだけを探し出す。
微かにユーリの声が聞こえて、人に見つからないように風の魔術で木の枝に着地して木と木を飛び移った。
「ユーリはどう思う?」
ユーリを呼ぶ声が聞こえて、飛び移っていた手を止めて前にある木に座っている男を見て目を細めた。
ユーリの友人として何回か見た事がある二人の男がいた。
気に入らない、ユーリが悲しむから友人になにかする事はなかったが俺のユーリに触れる事は許されない。
俺だって初めて会ったあの日しか触れていないのに…
ユーリが笑っているから、俺はずっと見て見ぬふりをしていた。
でもこんな近くで呼び捨てなんて、そんな事……
木を掴む手に力を込めると!ヒビが割れて手を離した。
男達は下に目線を向けていたから、俺も目線を向けると愛しいユーリの姿があった。
イラついていた気持ちは一気に静まり、頬が緩む。
自然に笑えたのはどのくらいぶりなんだろう。
ユーリ、ユーリ…俺のユーリ…目線が合わないかなと見つめていた。
「聖騎士様は皆の憧れで、強くてカッコいいんだと思うよ」
「だよなぁ」
ユーリは俺の話をしていた、ユーリが俺の話を……
強くてカッコいい聖騎士、ユーリがそう望むなら俺はユーリのためにユーリの理想の聖騎士になろう。
ユーリが憧れてくれるなら、面倒だと思っていた聖騎士としての仕事も全力でやろう。
そろそろ帰らないといけないな、ユーリも見れたから元気が出た。
ユーリがカッコいいと思ってくれている聖騎士になるためにパレードを頑張ろう、ユーリに見てもらえるように…
城に戻ると、そろそろ時間だからかバタバタと慌ただしかった。
「イヴ様!そろそろご準備を」
「分かった」
「…?なにかいい事ありましたか?」
「……別に何でもない」
長く共にしていたからか、グレイグにはお見通しのようだ。
ユーリとの時間を他人に話すのは嫌だからはぐらかした。
グレイグなら、深くは聞かないと分かっているからだ。
マントを付けて、服の乱れを直すとグレイグの案内で城の入り口に向かった。
城の入り口から街を回って帰ってくるルートだ。
白馬に跨り、音楽に合わせてゆっくりと進む。
白馬の横にグレイグがいて、周りに不審な奴が居ないか見ていた。
二歩ほど歩くと、手を上げて後ろから付いてくる騎士達の足を止めた。
空気がピリピリと肌に突き刺さり眉を寄せる。
グレイグは気付いていないのか「どうなさいましたか?」と聞いてきた。
俺は白馬を走らせて、広場に向かうと人々の声が聞こえた。
それは俺が来たから歓声を上げたんじゃなく、明らかに悲鳴だった。
「きゃあぁぁ!!!!」
「な、なんだあれは!!」
国民達はパニックを起こしていて、逃げようとしても人が多くて動けなくなっていた。
グレイグも追いかけてきて、顔をしかめていた。
俺の目の前に黒いなにかが動いているのが見えた。
魔物だろう、周りにも小さな黒い魔物がいた。
空を見上げると、空も真っ暗だ…もしかしたら空から産み落とされたのかもしれない。
グレイグは驚いた顔をして黒い物体を見つめていた。
「グレイグ、あれが見えるのか?」
「あの黒いものはいったい…」
いつもは魔物の姿は人には見えなかったのに、何故コイツは人に見えるんだ。
体を動かしてぶよぶよと動くものに剣を引き抜いた。
グレイグには国民の誘導を優先しろと言うと、グレイグは行った。
剣を引き抜いて、黒いものに向かって走り出した。
しかし、近付くと黒い体が透明になっていきなにかがいるのが見えて剣で斬りつける前に止まった。
「ユー…リ?」
体を丸めて眠っているようなユーリが中にいた。
なんでユーリがそこに、さっきまでいた筈なのに…
黒い魔物が中にユーリを入れたまま何処かに行こうとする。
俺からユーリを奪うつもりなのか?俺のユーリを…
剣を握る手に力が込められる、俺からユーリを奪う者は誰だろうと殺してやる。
ユーリが中にいる、そのまま斬りつける事が出来ない。
ユーリを人質に取りやがって…後悔させてやる。
黒い魔物を追いかけて、俺の前に来て邪魔をする小さな黒い魔物を薙ぎ払う。
手を伸ばして掴もうとしたが、泡を掴んだような気持ち悪い感触がした。
掴めないから動きを止める事が出来ない、ユーリがいるから魔術は使えない。
俺が追いつけないほど黒い魔物の足が早い。
噴水広場の近くまで来ると、噴水の水が黒い魔物に飛んできた。
すると、黒い魔物の体は穴が開いていた…すぐに塞がったがそれを見逃さなかった。
剣を握る手と反対の手で水の球体を作り、黒い魔物に放った。
黒い魔物は球体を飲み込み、球体の中に込めた大量の水を噴き出した。
かなりの水の量で、ユーリをそのままにしていると溺れてしまう。
すぐにユーリに手を伸ばして、黒い魔物から救出する。
抱き抱えて、ユーリの体を俺の体温で温める。
黒い魔物の中はとても冷えていたのか、ユーリの体温が失われている。
意識を失っているユーリの顔色も悪い…まるで、死んでしまったかのようだ。
水により半分以上が溶けたが水の魔術が消えて、生き残った黒い魔物の欠片が逃げるように動いていた。
「おい、何処に行くつもりだ……まだ終わってねぇよ」
マントと上着を脱いで、ユーリの体を包んで温める。
周りに小さな火の魔術の光を飛ばして、ユーリを抱きしめる。
黒い魔物の欠片は小さな黒い魔物と合体して大きくなっていた。
瞳が赤くなり、黒い魔物を囲うように炎が揺らいでいた。
ユーリがいないなら、もう容赦する理由はない。
炎のせいで逃げる事が出来ない黒い魔物は飛び跳ねていた。
楽に死ねると思うなよ、俺のユーリにした事をじわじわと分からせてやる。
魔物の耳を防ぎたくなるような断末魔に交じり、人の叫び声も聞こえる。
ユーリが心配だし、長引かせるのは良くない。
いくら怒りに我を忘れようとも、ユーリの事だけは決して忘れない。
俺のこの想いは、誰にも止める事は出来ない。
剣を上に向けて、光り輝いていた…それはまるで聖騎士のお伽話のようだったと後にこれを見た人々が語っていた。
俺の愛の力だが、俺が想う愛はこんなに綺麗なものではない。
薄暗くて、残酷で、とても冷たく欲望にまみれたものだ。
真っ黒に染まっていた空が剣の光により、晴れていて青空が見えた。
誰も知らない、黒い魔物に剣を振り下ろすその姿は魔騎士の姿だった。
目立たないように城の裏口から外に出て、マントを外して手に持つ。
人が大勢いるが、俺はユーリの気配…姿を絶対に見逃さない。
目線で見渡し、たった一人の美しい人を探す。
人が重なって、ユーリが隠れてしまっている。
目を閉じて、ユーリの声だけを拾う…他の音は全て聞こえない、ユーリだけを探し出す。
微かにユーリの声が聞こえて、人に見つからないように風の魔術で木の枝に着地して木と木を飛び移った。
「ユーリはどう思う?」
ユーリを呼ぶ声が聞こえて、飛び移っていた手を止めて前にある木に座っている男を見て目を細めた。
ユーリの友人として何回か見た事がある二人の男がいた。
気に入らない、ユーリが悲しむから友人になにかする事はなかったが俺のユーリに触れる事は許されない。
俺だって初めて会ったあの日しか触れていないのに…
ユーリが笑っているから、俺はずっと見て見ぬふりをしていた。
でもこんな近くで呼び捨てなんて、そんな事……
木を掴む手に力を込めると!ヒビが割れて手を離した。
男達は下に目線を向けていたから、俺も目線を向けると愛しいユーリの姿があった。
イラついていた気持ちは一気に静まり、頬が緩む。
自然に笑えたのはどのくらいぶりなんだろう。
ユーリ、ユーリ…俺のユーリ…目線が合わないかなと見つめていた。
「聖騎士様は皆の憧れで、強くてカッコいいんだと思うよ」
「だよなぁ」
ユーリは俺の話をしていた、ユーリが俺の話を……
強くてカッコいい聖騎士、ユーリがそう望むなら俺はユーリのためにユーリの理想の聖騎士になろう。
ユーリが憧れてくれるなら、面倒だと思っていた聖騎士としての仕事も全力でやろう。
そろそろ帰らないといけないな、ユーリも見れたから元気が出た。
ユーリがカッコいいと思ってくれている聖騎士になるためにパレードを頑張ろう、ユーリに見てもらえるように…
城に戻ると、そろそろ時間だからかバタバタと慌ただしかった。
「イヴ様!そろそろご準備を」
「分かった」
「…?なにかいい事ありましたか?」
「……別に何でもない」
長く共にしていたからか、グレイグにはお見通しのようだ。
ユーリとの時間を他人に話すのは嫌だからはぐらかした。
グレイグなら、深くは聞かないと分かっているからだ。
マントを付けて、服の乱れを直すとグレイグの案内で城の入り口に向かった。
城の入り口から街を回って帰ってくるルートだ。
白馬に跨り、音楽に合わせてゆっくりと進む。
白馬の横にグレイグがいて、周りに不審な奴が居ないか見ていた。
二歩ほど歩くと、手を上げて後ろから付いてくる騎士達の足を止めた。
空気がピリピリと肌に突き刺さり眉を寄せる。
グレイグは気付いていないのか「どうなさいましたか?」と聞いてきた。
俺は白馬を走らせて、広場に向かうと人々の声が聞こえた。
それは俺が来たから歓声を上げたんじゃなく、明らかに悲鳴だった。
「きゃあぁぁ!!!!」
「な、なんだあれは!!」
国民達はパニックを起こしていて、逃げようとしても人が多くて動けなくなっていた。
グレイグも追いかけてきて、顔をしかめていた。
俺の目の前に黒いなにかが動いているのが見えた。
魔物だろう、周りにも小さな黒い魔物がいた。
空を見上げると、空も真っ暗だ…もしかしたら空から産み落とされたのかもしれない。
グレイグは驚いた顔をして黒い物体を見つめていた。
「グレイグ、あれが見えるのか?」
「あの黒いものはいったい…」
いつもは魔物の姿は人には見えなかったのに、何故コイツは人に見えるんだ。
体を動かしてぶよぶよと動くものに剣を引き抜いた。
グレイグには国民の誘導を優先しろと言うと、グレイグは行った。
剣を引き抜いて、黒いものに向かって走り出した。
しかし、近付くと黒い体が透明になっていきなにかがいるのが見えて剣で斬りつける前に止まった。
「ユー…リ?」
体を丸めて眠っているようなユーリが中にいた。
なんでユーリがそこに、さっきまでいた筈なのに…
黒い魔物が中にユーリを入れたまま何処かに行こうとする。
俺からユーリを奪うつもりなのか?俺のユーリを…
剣を握る手に力が込められる、俺からユーリを奪う者は誰だろうと殺してやる。
ユーリが中にいる、そのまま斬りつける事が出来ない。
ユーリを人質に取りやがって…後悔させてやる。
黒い魔物を追いかけて、俺の前に来て邪魔をする小さな黒い魔物を薙ぎ払う。
手を伸ばして掴もうとしたが、泡を掴んだような気持ち悪い感触がした。
掴めないから動きを止める事が出来ない、ユーリがいるから魔術は使えない。
俺が追いつけないほど黒い魔物の足が早い。
噴水広場の近くまで来ると、噴水の水が黒い魔物に飛んできた。
すると、黒い魔物の体は穴が開いていた…すぐに塞がったがそれを見逃さなかった。
剣を握る手と反対の手で水の球体を作り、黒い魔物に放った。
黒い魔物は球体を飲み込み、球体の中に込めた大量の水を噴き出した。
かなりの水の量で、ユーリをそのままにしていると溺れてしまう。
すぐにユーリに手を伸ばして、黒い魔物から救出する。
抱き抱えて、ユーリの体を俺の体温で温める。
黒い魔物の中はとても冷えていたのか、ユーリの体温が失われている。
意識を失っているユーリの顔色も悪い…まるで、死んでしまったかのようだ。
水により半分以上が溶けたが水の魔術が消えて、生き残った黒い魔物の欠片が逃げるように動いていた。
「おい、何処に行くつもりだ……まだ終わってねぇよ」
マントと上着を脱いで、ユーリの体を包んで温める。
周りに小さな火の魔術の光を飛ばして、ユーリを抱きしめる。
黒い魔物の欠片は小さな黒い魔物と合体して大きくなっていた。
瞳が赤くなり、黒い魔物を囲うように炎が揺らいでいた。
ユーリがいないなら、もう容赦する理由はない。
炎のせいで逃げる事が出来ない黒い魔物は飛び跳ねていた。
楽に死ねると思うなよ、俺のユーリにした事をじわじわと分からせてやる。
魔物の耳を防ぎたくなるような断末魔に交じり、人の叫び声も聞こえる。
ユーリが心配だし、長引かせるのは良くない。
いくら怒りに我を忘れようとも、ユーリの事だけは決して忘れない。
俺のこの想いは、誰にも止める事は出来ない。
剣を上に向けて、光り輝いていた…それはまるで聖騎士のお伽話のようだったと後にこれを見た人々が語っていた。
俺の愛の力だが、俺が想う愛はこんなに綺麗なものではない。
薄暗くて、残酷で、とても冷たく欲望にまみれたものだ。
真っ黒に染まっていた空が剣の光により、晴れていて青空が見えた。
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