44 / 98
ユーリだけに
しおりを挟む
「ごめんね、まだ気持ちが安定してなかったみたいだ」
誰かの声がそう言っていて、俺の意識はゆっくりと覚醒していく。
俺の手に口付けているイヴが目の前にいて、なにがあったのか分からなかった。
ベッドでいつの間にか眠っていたようで、何をしていたのか一つ一つ整理する。
思い出して慌てて起き上がる。
朝食を作っていた最中だった、食材そのままだ。
イヴは驚く事なく「おはよう」と笑顔だった。
つられて俺も「おはよう」と言ったが、そういう事ではない。
「イヴさんごめんなさい、今すぐ朝食を…」
「気にしなくていい、朝食は俺が適当に作った…ユーリの分もあるよ」
雇い主に食事を作らせるなんて、本当に俺は…
イヴと一緒に食堂に戻り、椅子に座る俺の前にイヴが料理を並べている。
イヴは適当に作ったと言っていたが、これは適当に作って出来るものなのか?
俺の目の前には俺が作ったものより、遥かに美味しそうな料理が並べられている。
バランスよく、サラダもありデザートも付いている。
今まで俺が作っていた朝食じゃ、イヴは満足出来なかったのかもと思う。
そしてイヴは家事が苦手なのでは?と不思議だった。
「ユーリの口に合えばいいけど」
「いただきます………ん、美味しい」
「良かった…俺の栄養がユーリの一部になってくれて」
「え?なにか言いました?」
「何でもないよ」
サラダもスクランブルエッグも、どれも美味しい。
俺が気絶してから時間がそんなに経っていなかったらしく、イヴはこれから城に向かうみたいで俺も学校に行かないといけない。
まずはイヴを玄関で見送るために一緒に玄関に向かう。
「いってらっしゃいませ」
「ユーリ」
「はい…んぅっ!?」
イヴに頭を下げて、名前を呼ばれたから顔を上げた。
すぐ目の前にイヴがいて、頬に触れられた。
何をするのか考える前に、唇を奪われて呆然としている間にイヴは離れていった。
触れるだけのキスをされたと気付いた時には顔が真っ赤になっていた。
イヴは「いってきます」と言うと、そのまま玄関のドアを開けた。
閉まる扉を眺めながら、俺は両手で頬を叩いて気合いを入れた。
「痛い…」
叩きすぎた頬を撫でながら、部屋に戻って学校の準備をしてから俺も家を出た。
*****
学校で戦闘力の授業があり、動きやすい格好でやる事になっている。
俺はシャツ一枚に短パンで手には剣を持っていた。
魔導人形と呼ばれる戦闘訓練用に作られたロボット。
姿形は貴族の一番街にいたアンドロイドと似ているが、こちらの魔導人形は肌の色も動きも人に近い。
だからか、人に剣を向けるのを躊躇う時があるがそれもまた弱さで打ち勝つ強さも鍛える授業だ。
この戦闘力の授業を受ける生徒は騎士団志願が多い。
よりリアルに近い体験をすると、いざという時冷静に判断出来る。
魔導人形の目が光り、それを合図に剣を振り上げた。
誰かの声がそう言っていて、俺の意識はゆっくりと覚醒していく。
俺の手に口付けているイヴが目の前にいて、なにがあったのか分からなかった。
ベッドでいつの間にか眠っていたようで、何をしていたのか一つ一つ整理する。
思い出して慌てて起き上がる。
朝食を作っていた最中だった、食材そのままだ。
イヴは驚く事なく「おはよう」と笑顔だった。
つられて俺も「おはよう」と言ったが、そういう事ではない。
「イヴさんごめんなさい、今すぐ朝食を…」
「気にしなくていい、朝食は俺が適当に作った…ユーリの分もあるよ」
雇い主に食事を作らせるなんて、本当に俺は…
イヴと一緒に食堂に戻り、椅子に座る俺の前にイヴが料理を並べている。
イヴは適当に作ったと言っていたが、これは適当に作って出来るものなのか?
俺の目の前には俺が作ったものより、遥かに美味しそうな料理が並べられている。
バランスよく、サラダもありデザートも付いている。
今まで俺が作っていた朝食じゃ、イヴは満足出来なかったのかもと思う。
そしてイヴは家事が苦手なのでは?と不思議だった。
「ユーリの口に合えばいいけど」
「いただきます………ん、美味しい」
「良かった…俺の栄養がユーリの一部になってくれて」
「え?なにか言いました?」
「何でもないよ」
サラダもスクランブルエッグも、どれも美味しい。
俺が気絶してから時間がそんなに経っていなかったらしく、イヴはこれから城に向かうみたいで俺も学校に行かないといけない。
まずはイヴを玄関で見送るために一緒に玄関に向かう。
「いってらっしゃいませ」
「ユーリ」
「はい…んぅっ!?」
イヴに頭を下げて、名前を呼ばれたから顔を上げた。
すぐ目の前にイヴがいて、頬に触れられた。
何をするのか考える前に、唇を奪われて呆然としている間にイヴは離れていった。
触れるだけのキスをされたと気付いた時には顔が真っ赤になっていた。
イヴは「いってきます」と言うと、そのまま玄関のドアを開けた。
閉まる扉を眺めながら、俺は両手で頬を叩いて気合いを入れた。
「痛い…」
叩きすぎた頬を撫でながら、部屋に戻って学校の準備をしてから俺も家を出た。
*****
学校で戦闘力の授業があり、動きやすい格好でやる事になっている。
俺はシャツ一枚に短パンで手には剣を持っていた。
魔導人形と呼ばれる戦闘訓練用に作られたロボット。
姿形は貴族の一番街にいたアンドロイドと似ているが、こちらの魔導人形は肌の色も動きも人に近い。
だからか、人に剣を向けるのを躊躇う時があるがそれもまた弱さで打ち勝つ強さも鍛える授業だ。
この戦闘力の授業を受ける生徒は騎士団志願が多い。
よりリアルに近い体験をすると、いざという時冷静に判断出来る。
魔導人形の目が光り、それを合図に剣を振り上げた。
52
あなたにおすすめの小説
ヤリチン伯爵令息は年下わんこに囚われ首輪をつけられる
桃瀬さら
BL
「僕のモノになってください」
首輪を持った少年はレオンに首輪をつけた。
レオンは人に誇れるような人生を送ってはこなかった。だからといって、誰かに狙われるようないわれもない。
ストーカーに悩まされていたレある日、ローブを着た不審な人物に出会う。
逃げるローブの人物を追いかけていると、レオンは気絶させられ誘拐されてしまう。
マルセルと名乗った少年はレオンを閉じ込め、痛めつけるでもなくただ日々を過ごすだけ。
そんな毎日にいつしかレオンは安らぎを覚え、純粋なマルセルに毒されていく。
近づいては離れる猫のようなマルセル×囚われるレオン
人気俳優に拾われてペットにされた件
米山のら
BL
地味で平凡な社畜、オレ――三池豆太郎。
そんなオレを拾ったのは、超絶人気俳優・白瀬洸だった。
「ミケ」って呼ばれて、なぜか猫扱いされて、執着されて。
「ミケにはそろそろ“躾”が必要かな」――洸の優しい笑顔の裏には、底なしの狂気が潜んでいた。
これは、オレが洸の変態的な愛情と執着に、容赦なく絡め取られて、逃げ道を失っていく話。
異世界転移して美形になったら危険な男とハジメテしちゃいました
ノルジャン
BL
俺はおっさん神に異世界に転移させてもらった。異世界で「イケメンでモテて勝ち組の人生」が送りたい!という願いを叶えてもらったはずなのだけれど……。これってちゃんと叶えて貰えてるのか?美形になったけど男にしかモテないし、勝ち組人生って結局どんなん?めちゃくちゃ危険な香りのする男にバーでナンパされて、ついていっちゃってころっと惚れちゃう俺の話。危険な男×美形(元平凡)※ムーンライトノベルズにも掲載
魔法使い、双子の悪魔を飼う
yondo
BL
「僕、魔法使いでよかった」
リュシーは宮廷専属の優秀な魔法使い。
人が寄りつけない程強い自身の力のせいで常に孤独なリュシーは、ある日何気なく街を歩いていた際に闇商人の話を聞いてしまう。貴重で価値ある''モノ''を高値で買い取る悪趣味な会が近くであるらしく気になったリュシーは其処で不思議な双子と出逢いを果たす。
本の見よう見まねで無償の愛を与え続けるリュシーに育てられた双子はいつしか胸の内に何とも言えない感情を抱く様になり...
独りぼっちだった魔法使いが出逢いを通して彼等と関係を紡いでいき幸せを知る微闇要素有りのBLファンタジー。
(※) 過激描写のある話に付けています。
*** 攻め視点
※不定期更新です。
※誤字脱字の報告助かるので嬉しいです。
※何でもOKな方のみ拝読お願いします。
扉絵
YOHJI@yohji_fanart様
(無断転載×)
美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜
飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。
でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。
しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。
秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。
美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。
秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
平凡なぼくが男子校でイケメンたちに囲まれています
七瀬
BL
あらすじ
春の空の下、名門私立蒼嶺(そうれい)学園に入学した柊凛音(ひいらぎ りおん)。全寮制男子校という新しい環境で、彼の無自覚な美しさと天然な魅力が、周囲の男たちを次々と虜にしていく——。
政治家や実業家の子息が通う格式高い学園で、凛音は完璧な兄・蒼真(そうま)への憧れを胸に、新たな青春を歩み始める。しかし、彼の純粋で愛らしい存在は、学園の秩序を静かに揺るがしていく。
****
初投稿なので優しい目で見守ってくださると助かります‼️ご指摘などございましたら、気軽にコメントよろしくお願いしますm(_ _)m
魔王の息子を育てることになった俺の話
お鮫
BL
俺が18歳の時森で少年を拾った。その子が将来魔王になることを知りながら俺は今日も息子としてこの子を育てる。そう決意してはや数年。
「今なんつった?よっぽど死にたいんだね。そんなに俺と離れたい?」
現在俺はかわいい息子に殺害予告を受けている。あれ、魔王は?旅に出なくていいの?とりあえず放してくれません?
魔王になる予定の男と育て親のヤンデレBL
BLは初めて書きます。見ずらい点多々あるかと思いますが、もしありましたら指摘くださるとありがたいです。
BL大賞エントリー中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる