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序章
第15話 襲撃
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「ハント、湯浴みはもう終わったの?」
台所から響いてくる母の声。ハントはベットに寝転がり、本を読んでいた。読んでいる本は神話・伝説を元にした有名な英雄冒険譚だ。つい最近読み出してハマってしまい暇さえあれば本を読んでいるという状況となっている。
「うん、終わったよー」
本を読みながらそう答える。そこへ、
「お兄ちゃん、うそつきー」
隣のベットで同じように寝転がっている妹がハントを咎める。
「今良いところなんだよ。母さんにバラすんじゃないぞ」
母に知られれば下手すれば本を没収されかねない。
「えーー、昨日もお兄ちゃん湯浴みしてないんじゃないの?」
「いいんだよ、俺は冒険者なんだから」
「きれいにしないのと冒険者って関係なくない? 今はおうちにいるんだしさ」
妹のサラが正論を述べる。
「うるさいなー。今いいとこなんだから、今日はいいの!」
「えーー、いい加減臭くなっちゃうよー」
隣でぶーたれているサラをハントはスルーする。今は少しでも本を先に読み進めたかった。小説の主人公の圧倒的な強さが身近な存在であるレオンと時折重なる。そうなるともう夢中になってしまって小説を読み進める手を止めることはできなかった。
そうして小説読み進めているとき、
「ん!?」
疑問の声を上げてサラは部屋の窓のところまでいき、外を眺めている。一方ハントは小説に夢中で外の物音には注意を払えていない。
「お兄ちゃん」
「なんだよ、うるさいな」
「お兄ちゃん、なんか変だよ外。馬に乗った黒い仮面を被った人たちがいる」
「……なんだって?」
黒仮面の襲撃者については風の噂でハントの耳にも入っていた。ハントも同様に窓から外を仰ぎ見ると黒仮面を被ったものたちが村の広場で何か話している。ここからじゃ遠すぎて何をしゃべっているのかは分からなかった。
その時、村の大人の若者が広場にやってきた。どうやら夜遅くに村に勝手に侵入してきたことを咎めているように見える。少しの間、言い合いをしてると思ったら――
「きゃっ」
サラの小さな悲鳴がもれる。黒仮面は村の若者に突然剣を突き刺す。そしてその剣を何度も何度も若者の体に突き入れた。若者の断末魔の悲鳴と黒仮面の笑い声が村に響く。
若者はついに崩れ落ちるようにその場に倒れた。まずい、奴ら盗賊団だ。
ドンドンドン
と、その時突然、家の裏口のドアを叩く大きな音。その音にハントとサラは同時にビクッとなる。家には今、父はいない。ハントは急いで立てかけている剣を手に取る。
「サラ、お前はここで待ってろ」
怯えた様子のサラは無言でうなずく。ハントは剣を片手に裏口に向かう。
「誰だい、こんな夜中に?」
母親は台所から呑気な調子でハントに問いかける。ハントはシーっと喋らないようにと後、その場に留まるようにと母親にジェスチャーを送る。母親は顔を傾けて疑問を持っているようだがハントの指示に従う。
裏口の取っ手に手をかける。緊張の瞬間。自分の心臓が嘘のように鼓動を早めている。思い切ってドアを開くとそこには、
「おい、ハント!」
冒険者パーティーのメンバーであり、幼馴染の魔術師のケントの姿があった。
「村に盗賊団が襲撃に来たぞ! 奴ら少女を連れてこいって言ってる。奴ら今、村中探してるぞ。お前、サラちゃんを連れて早く逃げろ!」
「少女を?」
「ああ、たぶん攫って売っ払うんだろう」
後ろを振り向くとサラは恐る恐るこちらを伺っている。
「さっき村の人が斬られてるのみたぞ。ここで俺がサラと逃げたら誰が村を守るんだよ」
「ゔっ……でも、俺たちに奴らをやれるか?」
丁度、英雄冒険譚の小説に夢中のハントの脳裏にはもしもレオンならという考えがよぎる。
「やれるだろ。母さん、サラ、盗賊団だ! みんな隠れててくれ、俺はケントたちと戦ってくる!」
「ちょ、ハントあんた何言ってんだい!? 危ないからそんな真似はおやめ!」
「大丈夫だ、母さん。父さんがいないんだからうちや村はおれが守らないと! それじゃ、行ってくるから」
「ちょっとお待ち!」
「お兄ちゃん!」
ハントはその声を無視して家を飛び出す。
「ライルは?」
「あいつはまだ家にいるはず……あ、いたな」
ハントの冒険者パーティーメンバーであり、ケントと同じように幼馴染のライルもハントのうちに向って来ているようであった。
「ハント、サラちゃんは?」
「サラは大丈夫だ。俺らで盗賊団、討伐するぞ!」
「えっ? ……でもまあ、そうか。俺らがやるしかないか」
ケントは逡巡するがハントの提案をすぐに飲み込む。
「よし! 広場に向かうぞ!」
そういったハントは広場に向って走り出し、その後をケントとライルも続いた。
「どうだ? 女はいたか?」
「女はいますが、少女は1……まだ3人しか捕まえられてねえですわ」
「最低ノルマは5人だ。必ず捕まえろよ。その後はみんなでお楽しみだ」
「そうですね、げへへへへへ」
シーザーたちが下卑た笑いを浮かべている所へ、
「おい! お前ら村を襲撃しやがって! すぐに立ち去れ!」
村の広場にはシーザーを含めて5人程度の襲撃者たちが黒仮面を被っていた。後ろ手を縛られた少女がすでに3名も捕まっている。他にも村を探索している襲撃者がいるはずだった。
「お前らが例の冒険者のガキどもだな。逃げすによく来たな。いいぞ、そうこなくっちゃな」
そう述べてシーザーは腰にかけた剣を引き抜く。その無造作な様にハントはゾクッとする。
一端の剣士であればシーザーとこうして立ち会った時点で勝てないことは悟れただろう。だがハントはまだその判断ができるだけの実力を備えていなかった。
「ケント! ライル! やるぞ、気合を入れろ!!」
そういってハントはシーザーに踊りかかった。
台所から響いてくる母の声。ハントはベットに寝転がり、本を読んでいた。読んでいる本は神話・伝説を元にした有名な英雄冒険譚だ。つい最近読み出してハマってしまい暇さえあれば本を読んでいるという状況となっている。
「うん、終わったよー」
本を読みながらそう答える。そこへ、
「お兄ちゃん、うそつきー」
隣のベットで同じように寝転がっている妹がハントを咎める。
「今良いところなんだよ。母さんにバラすんじゃないぞ」
母に知られれば下手すれば本を没収されかねない。
「えーー、昨日もお兄ちゃん湯浴みしてないんじゃないの?」
「いいんだよ、俺は冒険者なんだから」
「きれいにしないのと冒険者って関係なくない? 今はおうちにいるんだしさ」
妹のサラが正論を述べる。
「うるさいなー。今いいとこなんだから、今日はいいの!」
「えーー、いい加減臭くなっちゃうよー」
隣でぶーたれているサラをハントはスルーする。今は少しでも本を先に読み進めたかった。小説の主人公の圧倒的な強さが身近な存在であるレオンと時折重なる。そうなるともう夢中になってしまって小説を読み進める手を止めることはできなかった。
そうして小説読み進めているとき、
「ん!?」
疑問の声を上げてサラは部屋の窓のところまでいき、外を眺めている。一方ハントは小説に夢中で外の物音には注意を払えていない。
「お兄ちゃん」
「なんだよ、うるさいな」
「お兄ちゃん、なんか変だよ外。馬に乗った黒い仮面を被った人たちがいる」
「……なんだって?」
黒仮面の襲撃者については風の噂でハントの耳にも入っていた。ハントも同様に窓から外を仰ぎ見ると黒仮面を被ったものたちが村の広場で何か話している。ここからじゃ遠すぎて何をしゃべっているのかは分からなかった。
その時、村の大人の若者が広場にやってきた。どうやら夜遅くに村に勝手に侵入してきたことを咎めているように見える。少しの間、言い合いをしてると思ったら――
「きゃっ」
サラの小さな悲鳴がもれる。黒仮面は村の若者に突然剣を突き刺す。そしてその剣を何度も何度も若者の体に突き入れた。若者の断末魔の悲鳴と黒仮面の笑い声が村に響く。
若者はついに崩れ落ちるようにその場に倒れた。まずい、奴ら盗賊団だ。
ドンドンドン
と、その時突然、家の裏口のドアを叩く大きな音。その音にハントとサラは同時にビクッとなる。家には今、父はいない。ハントは急いで立てかけている剣を手に取る。
「サラ、お前はここで待ってろ」
怯えた様子のサラは無言でうなずく。ハントは剣を片手に裏口に向かう。
「誰だい、こんな夜中に?」
母親は台所から呑気な調子でハントに問いかける。ハントはシーっと喋らないようにと後、その場に留まるようにと母親にジェスチャーを送る。母親は顔を傾けて疑問を持っているようだがハントの指示に従う。
裏口の取っ手に手をかける。緊張の瞬間。自分の心臓が嘘のように鼓動を早めている。思い切ってドアを開くとそこには、
「おい、ハント!」
冒険者パーティーのメンバーであり、幼馴染の魔術師のケントの姿があった。
「村に盗賊団が襲撃に来たぞ! 奴ら少女を連れてこいって言ってる。奴ら今、村中探してるぞ。お前、サラちゃんを連れて早く逃げろ!」
「少女を?」
「ああ、たぶん攫って売っ払うんだろう」
後ろを振り向くとサラは恐る恐るこちらを伺っている。
「さっき村の人が斬られてるのみたぞ。ここで俺がサラと逃げたら誰が村を守るんだよ」
「ゔっ……でも、俺たちに奴らをやれるか?」
丁度、英雄冒険譚の小説に夢中のハントの脳裏にはもしもレオンならという考えがよぎる。
「やれるだろ。母さん、サラ、盗賊団だ! みんな隠れててくれ、俺はケントたちと戦ってくる!」
「ちょ、ハントあんた何言ってんだい!? 危ないからそんな真似はおやめ!」
「大丈夫だ、母さん。父さんがいないんだからうちや村はおれが守らないと! それじゃ、行ってくるから」
「ちょっとお待ち!」
「お兄ちゃん!」
ハントはその声を無視して家を飛び出す。
「ライルは?」
「あいつはまだ家にいるはず……あ、いたな」
ハントの冒険者パーティーメンバーであり、ケントと同じように幼馴染のライルもハントのうちに向って来ているようであった。
「ハント、サラちゃんは?」
「サラは大丈夫だ。俺らで盗賊団、討伐するぞ!」
「えっ? ……でもまあ、そうか。俺らがやるしかないか」
ケントは逡巡するがハントの提案をすぐに飲み込む。
「よし! 広場に向かうぞ!」
そういったハントは広場に向って走り出し、その後をケントとライルも続いた。
「どうだ? 女はいたか?」
「女はいますが、少女は1……まだ3人しか捕まえられてねえですわ」
「最低ノルマは5人だ。必ず捕まえろよ。その後はみんなでお楽しみだ」
「そうですね、げへへへへへ」
シーザーたちが下卑た笑いを浮かべている所へ、
「おい! お前ら村を襲撃しやがって! すぐに立ち去れ!」
村の広場にはシーザーを含めて5人程度の襲撃者たちが黒仮面を被っていた。後ろ手を縛られた少女がすでに3名も捕まっている。他にも村を探索している襲撃者がいるはずだった。
「お前らが例の冒険者のガキどもだな。逃げすによく来たな。いいぞ、そうこなくっちゃな」
そう述べてシーザーは腰にかけた剣を引き抜く。その無造作な様にハントはゾクッとする。
一端の剣士であればシーザーとこうして立ち会った時点で勝てないことは悟れただろう。だがハントはまだその判断ができるだけの実力を備えていなかった。
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そういってハントはシーザーに踊りかかった。
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