32 / 101
第2章 魔術書争奪編
第32話 宴の後で
しおりを挟む
「あっ……そう言えば……祭」
祭がまだ開催中だった事を思い出す。
俺は立ち上がり、王座の後ろに無造作に置かれている魔導書を見つける。
これがグラン・グリモワール大奥義書か。
書籍をパラパラとめくってみる。
うん、すでに封印も解除されているようだ。
「な、なんじゃこれは……うっ、シルヴァーノと従者の生首か?……一体どういうことじゃ」
壁に空いた穴にヒビが入った地面。
放置されている死体に城外にまで続く剣によって作られた地面の裂け目。
その様を認めて王は言った。
オスカーが死んだ事によりエデンバラ国王も正気を取り戻したようだ。
俺は泣いているクリスティンに魔術書を渡し促す。
クリスティンはその涙を拭き、魔術書をもって王の元へと向かう。
「国王、これが祭の目的物、封印解除されたグラン・グリモワール大奥義書です」
「おお!? まことか、でかしたぞ! 数十年ぶりの祭の達成者、本日は宴じゃあ!」
◇
「それでは祭の達成者、クリスティン = マクルーハン公爵は大公となります。みなさん盛大な拍手を!」
「ヒュー、すごいぞマクルーハン大公!」
「おめでとうー!」
民衆から拍手が巻き起こり、次々と歓声と声援、祝福の言葉が王城のテラスの壇上のクリスティンに向かって叫ばれる。
結局、王都の混乱により、祭の祝賀会はあれから1週間後となった。
「それではマクルーハン大公。大公への就任の挨拶を一言お願いします」
司会に促されたクリスティンは城のテラスの壇上中央へと進みでる。
「この度はこのような盛大な祝賀会を開いて頂きまして誠にありがとうございます。直近で不幸な事件がありましたが、これからのエデンバラ王国の発展に寄与できるように頑張っていきたいと思います。また今回、私が大公になれたのは専属の冒険者たち、並びに、ランスの力添えによるものになります。この場を借りて、お礼を申し上げます。ランス! どうもありがとう!!」
クリスティンのその演説により、民衆のたちの目がその隣にいた俺に注がれる。
「ランスーー! 王国の救世主ーー!」
「英雄よー!」
「かっこいいー、こっち向いてー!」
「最強の冒険者ー!」
次々と俺に声援が集まる。
俺は緊張で固くなった笑顔を振りまきながら手を振った。
クリスティンの演説も終わり、祝賀会は宴へと移っていった。
音楽家たちが会場で様々な曲を演奏する。
王国から特別に供されたお酒を手に人々は踊り、歌い、談笑する。
数十年に一度の祭の達成者という事で国をあげての宴となった。
俺たちは城の上のテラスで宴会の食事を供された。
ミミとソーニャ、そしてクリスティンと王宮から供された高級な食事に舌鼓を打つ。
「ん!? 美味しい、これ!」
「こちらも美味しいですわ。あっそちらも美味しい!」
いずれも食べた事がないような食事ばかりだがどれも美味しい。
俺たちが食事に夢中になっている時、空がキラン! と光ったと思ったら。
それはまるで隕石が落ちてくるかのようなスピードで俺たちが食事をしている席の近くに降り立った。
「呼ばれて飛び出てじゃんじゃじゃーーん! 魔神エヴァ様の登場よ!」
「………………」
いきなり凄まじいスピードで飛んできたエヴァの登場に俺たちは呆気にとられ、その場はシーンとなる。
「ちょっ、なんとか言いなさいよ! あんた達! ……ってなんか美味しそうなもの食べてるわね」
物欲しそうな顔で俺たちに用意された料理を見つめる魔神。
「あ、ああ、今、丁度祭の祝賀会だから。よかったらエヴァもごちそうになっていく?」
「えっ!? 良いの!?」
「すいません、一人追加でお願いします」
俺はウエイターの人に食事の追加をお願いする。
するとエヴァはニコニコ顔で早速席に座った。
なんだか憎めない魔神だなあ。
エヴァは早速、食事が運ばれてくるとすぐに食事を食べ始めてそれに夢中となった。
「うん、なかなか、いけるわね。これもおいしいじゃない。これも。それも…………」
封印されてずっと食事を取っていなかったのだろうか。
しばらく無言で食べ続ける。
「……で、お前何しに来た?」
給された食事をエヴァが9割方平らげた所でミミがエヴァに聞いた。
「らぶずぼ、だがばになでであるう」
「何言ってるか分からない。喋るか食べるかどっちか」
エヴァは口に詰め込まれた食べ物をグラスの水で流し込む。
「ふぅー、……なかなかいけるじゃない、ここの食事。褒めてあげるわ」
「だから、ここに来た理由」
「えーっと、それは……」
そう言ってエヴァは俺の事をチラっと見た後。
立ち上がって両手を腰に当てた、いつもの仁王立ちの姿勢で。
「ふん! ランスの、その、あの…………召喚に応じて上げてもいいと思ってね」
「ん? それは……召喚したら力を貸してくれるって事でいい?」
「そ、そうよ。ありがたく思いなさい! 魔神召喚なんか本来人間に許されるものじゃないんだからね! ランスだからと、と……と……」
「と?」
するとエヴァは子供が地団駄を踏むように言う。
「あーもう! 言いなさいよ、ランス! お前は俺の専用の召喚魔神だって!」
「…………お前は俺の専用の召喚魔神だ」
「…………」
エヴァは顔を真っ赤にして俯き、何も言わなくなった。
どうしたんだろう。
「……後、これからお前は俺に尽くせ! って……命令しなさい」
「め、命令……?」
「命令してください!」
「エヴァ、お前は俺専用の魔神だ。これからは俺だけに尽くせ」
エヴァは体をぷるぷると震わせ、恍惚の表情を浮かべている。
「……わ、分かったわ。そこまで頼むなら力貸してあげる! 契約は今、結ばれたわ!」
一つも頼んでないのだけど。
俺の頭に押しかけ女房という言葉が浮かんだ。
「私を呼ぶ時はこう唱えなさい。『ルドラ・ルシャーテ』 そのマントラがランスの口から発せられたら私が召喚されるわ。じゃあね!」
そういうとエヴァは満足気に飛び去っていった。
エヴァは嵐のように現れ、そして嵐のように去っていった。
俺たちは顔を見合わせ、それぞれ微妙な笑顔を交わした。
その後も宴は続き、辺りもすっかり暗くなった頃。
俺とクリスティンは城のテラスから外の景色を眺めていた。
ミミとソーニャは下の屋台にデザートを買いに行っていた。
「ランス、本当にありがとうね。今回は」
「専属冒険者として当然の事をしただけだよ」
「私は運がよかったわ。ランスみたいな優秀な冒険者と巡り会えて」
クリスティンはその手を俺の手と重ねる。
俺はその柔らかなクリスティンの手に触れる事で温かな気持ちになる。
その時、突然ヒューーと大空に音が鳴り響いたと思ったら――
バンッ!! と花火が夜空に咲き誇った。
おおーーーという歓声が人々から沸き起こる。
「……綺麗……」
花火は連続で次々と打ち上がる。
クリスティンはうっとりした目でその花火を眺めている。
俺は花火よりもそのクリスティンの美しい横顔に目を奪われていた。
「ランス……私……その…………」
クリスティンはそう言いながら俺と向き合う。
俺とクリスティンの視線が重なり合う。
高鳴っていく心臓。
俺はクリスティンの肩に手を置き、そして、彼女をそっと引き寄せ……。
彼女の唇と自分の唇を重ねる。
空にはまだ色とりどりの様々な種類の花火が打ち上げられ、人々の歓声を引き起こしている。
だがそんな周囲の喧騒とは裏腹に、俺はクリスティンと唇を重ねている間。
まるで世界が静止し、無音の世界にいるような感覚を味わっていた。
少しの間、重ねられたその唇は離された。
キスが終わった後、俺はちょっと恥ずかしい気持ちになり頭をかく。
クリスティンも頬を赤らめ、恥ずかしそうだ。
夜空には最後の花火が上がり、それが消えた後で人々の拍手と歓声が上がった、丁度、その後の事だった。
俺は一生忘れないであろう光景を目撃する事になる。
「おい、なんだあれ!? あんな方向、花火じゃないよな」
「え!? おお、火柱か!? なんだ?」
人々が騒ぎ出した。
なんだろうと騒ぎの元になっているであろう方角を確認してみると、遥か遠くにオレンジ色の巨大な火柱のようなものが確認できた。
なんだあれは?
火山の噴火にしては火柱が大きすぎる。
竜巻にしては火柱が直線的すぎるし、火のような色をしている理由がない。
「ランス、あれ……」
「ああ、一体なんだろう」
その時、俺の胸に胸騒ぎのような嫌な予感、感覚が引き起こされた。
あれは……やばい気がする。
その火柱はどんどん強い光を発するようになり。
それとともにその方向から強風も吹いてくるようになった。
目を開けていられないような光と、突然激しい嵐でも起こったのかというような、立っているのもやっとの強風。
俺はクリスティンが飛ばされたりしないようにその体を必死に抱き寄せる。
それが数十秒。もしかしたら1分以上続いたかもしれない。
唐突にその光と風は止み、遠くに見えていた火柱もなくなっていた。
その代わり、夜空は黒雲に覆われ、強風の残滓として瘴気のようなものが感じられた。
その時から世界は変わる事になる。
翌朝となってもその黒雲は大空を覆い、消える事なく太陽の光を遮った。
闇の力が増し更にその翌日には、世界各地で大規模な魔物のスタンピードが引き起こされた。
大国や神聖教徒王国など強い力を有する国家はそれに耐えれたが、いくつかの小国、エデンバラ王国もまた滅びる事となる。
多くの人命が失われ、太陽の光が遮られる事により穀物も育たなくなる。
人々は絶望し、様相が様変わりしたその世界はこう呼ばれる事となる。
暗黒世界と――
祭がまだ開催中だった事を思い出す。
俺は立ち上がり、王座の後ろに無造作に置かれている魔導書を見つける。
これがグラン・グリモワール大奥義書か。
書籍をパラパラとめくってみる。
うん、すでに封印も解除されているようだ。
「な、なんじゃこれは……うっ、シルヴァーノと従者の生首か?……一体どういうことじゃ」
壁に空いた穴にヒビが入った地面。
放置されている死体に城外にまで続く剣によって作られた地面の裂け目。
その様を認めて王は言った。
オスカーが死んだ事によりエデンバラ国王も正気を取り戻したようだ。
俺は泣いているクリスティンに魔術書を渡し促す。
クリスティンはその涙を拭き、魔術書をもって王の元へと向かう。
「国王、これが祭の目的物、封印解除されたグラン・グリモワール大奥義書です」
「おお!? まことか、でかしたぞ! 数十年ぶりの祭の達成者、本日は宴じゃあ!」
◇
「それでは祭の達成者、クリスティン = マクルーハン公爵は大公となります。みなさん盛大な拍手を!」
「ヒュー、すごいぞマクルーハン大公!」
「おめでとうー!」
民衆から拍手が巻き起こり、次々と歓声と声援、祝福の言葉が王城のテラスの壇上のクリスティンに向かって叫ばれる。
結局、王都の混乱により、祭の祝賀会はあれから1週間後となった。
「それではマクルーハン大公。大公への就任の挨拶を一言お願いします」
司会に促されたクリスティンは城のテラスの壇上中央へと進みでる。
「この度はこのような盛大な祝賀会を開いて頂きまして誠にありがとうございます。直近で不幸な事件がありましたが、これからのエデンバラ王国の発展に寄与できるように頑張っていきたいと思います。また今回、私が大公になれたのは専属の冒険者たち、並びに、ランスの力添えによるものになります。この場を借りて、お礼を申し上げます。ランス! どうもありがとう!!」
クリスティンのその演説により、民衆のたちの目がその隣にいた俺に注がれる。
「ランスーー! 王国の救世主ーー!」
「英雄よー!」
「かっこいいー、こっち向いてー!」
「最強の冒険者ー!」
次々と俺に声援が集まる。
俺は緊張で固くなった笑顔を振りまきながら手を振った。
クリスティンの演説も終わり、祝賀会は宴へと移っていった。
音楽家たちが会場で様々な曲を演奏する。
王国から特別に供されたお酒を手に人々は踊り、歌い、談笑する。
数十年に一度の祭の達成者という事で国をあげての宴となった。
俺たちは城の上のテラスで宴会の食事を供された。
ミミとソーニャ、そしてクリスティンと王宮から供された高級な食事に舌鼓を打つ。
「ん!? 美味しい、これ!」
「こちらも美味しいですわ。あっそちらも美味しい!」
いずれも食べた事がないような食事ばかりだがどれも美味しい。
俺たちが食事に夢中になっている時、空がキラン! と光ったと思ったら。
それはまるで隕石が落ちてくるかのようなスピードで俺たちが食事をしている席の近くに降り立った。
「呼ばれて飛び出てじゃんじゃじゃーーん! 魔神エヴァ様の登場よ!」
「………………」
いきなり凄まじいスピードで飛んできたエヴァの登場に俺たちは呆気にとられ、その場はシーンとなる。
「ちょっ、なんとか言いなさいよ! あんた達! ……ってなんか美味しそうなもの食べてるわね」
物欲しそうな顔で俺たちに用意された料理を見つめる魔神。
「あ、ああ、今、丁度祭の祝賀会だから。よかったらエヴァもごちそうになっていく?」
「えっ!? 良いの!?」
「すいません、一人追加でお願いします」
俺はウエイターの人に食事の追加をお願いする。
するとエヴァはニコニコ顔で早速席に座った。
なんだか憎めない魔神だなあ。
エヴァは早速、食事が運ばれてくるとすぐに食事を食べ始めてそれに夢中となった。
「うん、なかなか、いけるわね。これもおいしいじゃない。これも。それも…………」
封印されてずっと食事を取っていなかったのだろうか。
しばらく無言で食べ続ける。
「……で、お前何しに来た?」
給された食事をエヴァが9割方平らげた所でミミがエヴァに聞いた。
「らぶずぼ、だがばになでであるう」
「何言ってるか分からない。喋るか食べるかどっちか」
エヴァは口に詰め込まれた食べ物をグラスの水で流し込む。
「ふぅー、……なかなかいけるじゃない、ここの食事。褒めてあげるわ」
「だから、ここに来た理由」
「えーっと、それは……」
そう言ってエヴァは俺の事をチラっと見た後。
立ち上がって両手を腰に当てた、いつもの仁王立ちの姿勢で。
「ふん! ランスの、その、あの…………召喚に応じて上げてもいいと思ってね」
「ん? それは……召喚したら力を貸してくれるって事でいい?」
「そ、そうよ。ありがたく思いなさい! 魔神召喚なんか本来人間に許されるものじゃないんだからね! ランスだからと、と……と……」
「と?」
するとエヴァは子供が地団駄を踏むように言う。
「あーもう! 言いなさいよ、ランス! お前は俺の専用の召喚魔神だって!」
「…………お前は俺の専用の召喚魔神だ」
「…………」
エヴァは顔を真っ赤にして俯き、何も言わなくなった。
どうしたんだろう。
「……後、これからお前は俺に尽くせ! って……命令しなさい」
「め、命令……?」
「命令してください!」
「エヴァ、お前は俺専用の魔神だ。これからは俺だけに尽くせ」
エヴァは体をぷるぷると震わせ、恍惚の表情を浮かべている。
「……わ、分かったわ。そこまで頼むなら力貸してあげる! 契約は今、結ばれたわ!」
一つも頼んでないのだけど。
俺の頭に押しかけ女房という言葉が浮かんだ。
「私を呼ぶ時はこう唱えなさい。『ルドラ・ルシャーテ』 そのマントラがランスの口から発せられたら私が召喚されるわ。じゃあね!」
そういうとエヴァは満足気に飛び去っていった。
エヴァは嵐のように現れ、そして嵐のように去っていった。
俺たちは顔を見合わせ、それぞれ微妙な笑顔を交わした。
その後も宴は続き、辺りもすっかり暗くなった頃。
俺とクリスティンは城のテラスから外の景色を眺めていた。
ミミとソーニャは下の屋台にデザートを買いに行っていた。
「ランス、本当にありがとうね。今回は」
「専属冒険者として当然の事をしただけだよ」
「私は運がよかったわ。ランスみたいな優秀な冒険者と巡り会えて」
クリスティンはその手を俺の手と重ねる。
俺はその柔らかなクリスティンの手に触れる事で温かな気持ちになる。
その時、突然ヒューーと大空に音が鳴り響いたと思ったら――
バンッ!! と花火が夜空に咲き誇った。
おおーーーという歓声が人々から沸き起こる。
「……綺麗……」
花火は連続で次々と打ち上がる。
クリスティンはうっとりした目でその花火を眺めている。
俺は花火よりもそのクリスティンの美しい横顔に目を奪われていた。
「ランス……私……その…………」
クリスティンはそう言いながら俺と向き合う。
俺とクリスティンの視線が重なり合う。
高鳴っていく心臓。
俺はクリスティンの肩に手を置き、そして、彼女をそっと引き寄せ……。
彼女の唇と自分の唇を重ねる。
空にはまだ色とりどりの様々な種類の花火が打ち上げられ、人々の歓声を引き起こしている。
だがそんな周囲の喧騒とは裏腹に、俺はクリスティンと唇を重ねている間。
まるで世界が静止し、無音の世界にいるような感覚を味わっていた。
少しの間、重ねられたその唇は離された。
キスが終わった後、俺はちょっと恥ずかしい気持ちになり頭をかく。
クリスティンも頬を赤らめ、恥ずかしそうだ。
夜空には最後の花火が上がり、それが消えた後で人々の拍手と歓声が上がった、丁度、その後の事だった。
俺は一生忘れないであろう光景を目撃する事になる。
「おい、なんだあれ!? あんな方向、花火じゃないよな」
「え!? おお、火柱か!? なんだ?」
人々が騒ぎ出した。
なんだろうと騒ぎの元になっているであろう方角を確認してみると、遥か遠くにオレンジ色の巨大な火柱のようなものが確認できた。
なんだあれは?
火山の噴火にしては火柱が大きすぎる。
竜巻にしては火柱が直線的すぎるし、火のような色をしている理由がない。
「ランス、あれ……」
「ああ、一体なんだろう」
その時、俺の胸に胸騒ぎのような嫌な予感、感覚が引き起こされた。
あれは……やばい気がする。
その火柱はどんどん強い光を発するようになり。
それとともにその方向から強風も吹いてくるようになった。
目を開けていられないような光と、突然激しい嵐でも起こったのかというような、立っているのもやっとの強風。
俺はクリスティンが飛ばされたりしないようにその体を必死に抱き寄せる。
それが数十秒。もしかしたら1分以上続いたかもしれない。
唐突にその光と風は止み、遠くに見えていた火柱もなくなっていた。
その代わり、夜空は黒雲に覆われ、強風の残滓として瘴気のようなものが感じられた。
その時から世界は変わる事になる。
翌朝となってもその黒雲は大空を覆い、消える事なく太陽の光を遮った。
闇の力が増し更にその翌日には、世界各地で大規模な魔物のスタンピードが引き起こされた。
大国や神聖教徒王国など強い力を有する国家はそれに耐えれたが、いくつかの小国、エデンバラ王国もまた滅びる事となる。
多くの人命が失われ、太陽の光が遮られる事により穀物も育たなくなる。
人々は絶望し、様相が様変わりしたその世界はこう呼ばれる事となる。
暗黒世界と――
10
あなたにおすすめの小説
S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります
内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品]
冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた!
物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。
職人ギルドから追放された美少女ソフィア。
逃亡中の魔法使いノエル。
騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。
彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。
カクヨムにて完結済み。
( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )
隠して忘れていたギフト『ステータスカスタム』で能力を魔改造 〜自由自在にカスタマイズしたら有り得ないほど最強になった俺〜
桜井正宗
ファンタジー
能力(スキル)を隠して、その事を忘れていた帝国出身の錬金術師スローンは、無能扱いで大手ギルド『クレセントムーン』を追放された。追放後、隠していた能力を思い出しスキルを習得すると『ステータスカスタム』が発現する。これは、自身や相手のステータスを魔改造【カスタム】できる最強の能力だった。
スローンは、偶然出会った『大聖女フィラ』と共にステータスをいじりまくって最強のステータスを手に入れる。その後、超高難易度のクエストを難なくクリア、無双しまくっていく。その噂が広がると元ギルドから戻って来いと頭を下げられるが、もう遅い。
真の仲間と共にスローンは、各地で暴れ回る。究極のスローライフを手に入れる為に。
【薬師向けスキルで世界最強!】追放された闘神の息子は、戦闘能力マイナスのゴミスキル《植物王》を究極進化させて史上最強の英雄に成り上がる!
こはるんるん
ファンタジー
「アッシュ、お前には完全に失望した。もう俺の跡目を継ぐ資格は無い。追放だ!」
主人公アッシュは、世界最強の冒険者ギルド【神喰らう蛇】のギルドマスターの息子として活躍していた。しかし、筋力のステータスが80%も低下する外れスキル【植物王(ドルイドキング)】に覚醒したことから、理不尽にも父親から追放を宣言される。
しかし、アッシュは襲われていたエルフの王女を助けたことから、史上最強の武器【世界樹の剣】を手に入れる。この剣は天界にある世界樹から作られた武器であり、『植物を支配する神スキル』【植物王】を持つアッシュにしか使いこなすことができなかった。
「エルフの王女コレットは、掟により、こ、これよりアッシュ様のつ、つつつ、妻として、お仕えさせていただきます。どうかエルフ王となり、王家にアッシュ様の血を取り入れる栄誉をお与えください!」
さらにエルフの王女から結婚して欲しい、エルフ王になって欲しいと追いかけまわされ、エルフ王国の内乱を治めることになる。さらには神獣フェンリルから忠誠を誓われる。
そんな彼の前には、父親やかつての仲間が敵として立ちはだかる。(だが【神喰らう蛇】はやがてアッシュに敗れて、あえなく没落する)
かくして、後に闘神と呼ばれることになる少年の戦いが幕を開けた……!
スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~
きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。
洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。
レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。
しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。
スキルを手にしてから早5年――。
「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」
突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。
森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。
それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。
「どうせならこの森で1番派手にしようか――」
そこから更に8年――。
18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。
「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」
最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。
そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。
追放された最強ヒーラーは、美少女令嬢たちとハーレム生活を送る ~公爵令嬢も義妹も幼馴染も俺のことを大好きらしいので一緒の風呂に入ります~
軽井広@北欧美少女 書籍化!
ファンタジー
白魔道師のクリスは、宮廷魔導師団の副団長として、王国の戦争での勝利に貢献してきた。だが、国王の非道な行いに批判的なクリスは、反逆の疑いをかけられ宮廷を追放されてしまう。
そんなクリスに与えられた国からの新たな命令は、逃亡した美少女公爵令嬢を捕らえ、処刑することだった。彼女は敵国との内通を疑われ、王太子との婚約を破棄されていた。だが、無実を訴える公爵令嬢のことを信じ、彼女を助けることに決めるクリス。
クリスは国のためではなく、自分のため、そして自分を頼る少女のために、自らの力を使うことにした。やがて、同じような境遇の少女たちを助け、クリスは彼女たちと暮らすことになる。
一方、クリスのいなくなった王国軍は、隣国との戦争に負けはじめた……。
レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。
玉ねぎサーモン
ファンタジー
絶望スキル× 害悪スキル=限界突破のユニークスキル…!?
成長できない主人公と存在するだけで周りを傷つける美少女が出会ったら、激レアユニークスキルに!
故郷を魔王に滅ぼされたむっつりスケベな主人公。
この世界ではおよそ1000人に1人がスキルを覚醒する。
持てるスキルは人によって決まっており、1つから最大5つまで。
主人公のロックは世界最高5つのスキルを持てるため将来を期待されたが、覚醒したのはハズレスキルばかり。レベルアップ時のステータス上昇値が半減する「成長抑制」を覚えたかと思えば、その次には経験値が一切入らなくなる「無駄骨」…。
期待を裏切ったため育ての親に殺されかける。
その後最高レア度のユニークスキル「スキルスナッチ」スキルを覚醒。
仲間と出会いさらに強力なユニークスキルを手に入れて世界最強へ…!?
美少女たちと冒険する主人公は、仇をとり、故郷を取り戻すことができるのか。
この作品はカクヨム・小説家になろう・Youtubeにも掲載しています。
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
12/23 HOT男性向け1位
(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います
しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる