両親が勇者と魔王だなんて知らない〜平民だからと理不尽に追放されましたが当然ざまぁします〜

コレゼン

文字の大きさ
88 / 101
第5章 地下都市編

第88話 雷神

しおりを挟む
 雷の化身となったロータスは腕を横に少し薙ぎ払うだけで――

 その横一列に一世に雷撃が放たれ、俺は間一髪でその攻撃を避ける。
 と次の瞬間、俺は自分の目を疑う。

 雷、それ事態が生き物のようにその姿形をあるものは竜。あるものは狼。あるものは虎。
 という風に姿を変えて、ロータスの周りに出現していた。

「ランス、お前が目にしているのは古に伝えられていた、いかづちの化身たちよ。我が従者としてお前をその雷の疾さと威力によって打ち殺すまでその活動を止める事はない。では行け!」

 ロータスがそう命じると竜と狼、そして虎の姿形をした、いかづちの化身たちは俺に次々と襲い掛かってきた。
 凄まじいスピードだ。すでに瞬神しゅんしんのスピードは今までのレベル、領域を遥かに超えている。
 一つの瞬きをする間に数度の攻撃が加えられてくる。
 いかづちの化身達はまるで物理法則を無視するがの如く、ある地点からある地点へと一瞬で移動を続ける。
 俺は奴らに剣で攻撃を加えるが、雷が本体だからか、ダメージを負っている様子がない。

「素晴らしい! 最早人の領域など超えた世界でここまでついてこれるとは……素晴らしいぞランス! だからこそ――」

 ロータスもまた雷撃のように一瞬で俺に近づき、その槍で連続で突き入れてくる。

「お前をここで殺すのは惜しい!」

 四方向からの同時攻撃。しかもそれぞれ音速が如くの攻撃スピードである。
 最早瞬神しゅんしんでの発揮スピードも限界を感じ、これ以上は捌ききれない……と絶体絶命のピンチとなったその時。
 おそらく瞬神しゅんしんの限界スピードに達した事を知覚したその時の事である――

 急に俺の周りの世界が漆黒となり、また周りの動作、音速の如くの攻撃を加えてきているはずの4者それぞれの動きがスローモーションのようになる。
 なんだこれは? と戸惑うが、俺の心には、はっきりと――

『ライトニングワールド/光速世界』

 という言葉が想起される。
 これは……どうやら新たなスキルを獲得したようだ。
 瞬神しゅんしんやエンペラータイムを習得した時と同じ獲得感覚であるからに。

 そのライトニングワールドの世界の中で俺は剣を振るうと剣は剣自身が光輝き、振るう剣の軌道に光の帯びの残照が引かれてていく。
 どういった原理でそうなっているのか分からない。光速世界であるから空気摩擦によって?
 或いは、また別の原理、原因があるのかもしれないが、その光を帯びた剣でいかづちの化身たちを攻撃していくと――

 強い光の発光とともに化身たちは消滅していく。
 物理攻撃はその一切が通じなかったにも関わらず、ライトニングワールドで振るう剣には特殊な効果があるのだろう。
 俺が新たなスキルを獲得して一瞬にして3体のいかづちの化身を消滅させると、ロータスは俺との距離を取り、驚愕の眼差しでその結果を受け止める。

「何をした? 一瞬の内に我が化身が消滅したぞ!! 何をしたのだ!? 何も見えなかったぞ!」
「新たなスキルを獲得した。それが俺が今まで使っていた瞬神しゅんしんをも超える超スピードだったって訳だ」
「新たなスキルだと……超スピードだと……雷撃を超えるような超スピードだと! そんなものがあってたまるか! 神の如き! いやその神の如きを超えるような能力ではないか! 俺は認めんぞ!!」

 ロータルに更なる雷撃が降り落ちり、身に纏ったその雷の量は更に倍ほどの大きさに膨れ上がる。

「うぉおおおおおおーーーッ!!!」

 咆哮を上げながらロータスは俺に槍で連続攻撃を加えようとするが――

『ライトニングワールド/光速世界』

 時が止まったようになる。辺りは暗闇に包まれ、無音となる。
 音ですら最早、届くまでに永遠の時間がかかるような光速の世界。
 俺は妖精王の剣を光の帯をたなびかせながら上段から下段、下段から上段と上下振り下ろしの剣撃を加える。

 ライトニングワールドを解除し、正常世界に戻ると、俺が振るった光剣の残照が上下に二筋、綺麗に残っていたが、儚く消える。
 その残照が消えると同時にロータスのその黄金の鎧の剣撃の跡から鮮血を吹き出した。

「……ふはははは……」

 ロータスは膝をつき、俯いた状態でなぜか一人笑い声を上げた。

「……なにがおかしいんだ?」
「人生を掛けて、強者を追い求め続けていたはずが、実際に俺を超える強者に出会った時にそれを受け入れられず。……そして恐怖という懐かしい感情を感じた事が滑稽でな」

 俺はその剣撃を与えた時の手応えで分かっている。
 ロータスが受けたダメージは致命傷であるという事を。

「最後にお前のような強者と出会えて俺の一生は幸せなものとなった。感謝する。お前程の強者に巡り会えたのはどれ程の幸運か。お前に出会えてなければ俺の人生は呪いのままで終えていた事だろう」
「お前の連れの、あの白髪白眼の奴は……?」
「ああ、奴も強者であるが、なぜか俺と戦おうとすると奴は本来の力が発揮できなかったらしい。ごふっ」

 ロータスは血潮を吐く。

「何か言い残しておく事はあるか?」
「ない。我が人生に一片の悔いはない。願わくば来世でもまた戦いにまみれた人生を……」

 ロータスの目の光は消え、床に膝をついた姿勢のまま、あの世へと旅立っていった。
 その表情は敗者の恥辱や辛苦を感じさせるものではなく、安らぎと満足に満ち溢れているようにも感じられた。

 俺はバティストたちが戦っている方向へと向き直る。
 すると戦闘しているはずのバティストやシドの姿がその集団の中には見受けられなかった。
 ミミとソーニャはランドフルたちと戦闘していた。
 バティストはどうしたんだろう?

 とその時、空間に黒い裂け目が突然できたと思ったら――
 そこからエヴァが飛び出してきた。

「エヴァ、どうしたんだ、大丈夫か!?」

 エヴァはその体を傷だらけに……というか右腕を失っていた。

「おお、ランスか! あやつと戦っておったのよ。勝ったがな」
「勝てたのはよかったけど、大丈夫なのか……その……」
「ん、ああ、これか。大丈夫じゃ、わしは不死身じゃから欠損部分はそのうち生えてくる」
「そうか……それでバティストの姿も見えないんだけど……」
「ん……」

 エヴァは辺りを見渡す。
 そしてその後、天を仰いで瞠目した後――

「邪神の神域に連れていかれてようじゃの」
「邪神の神域?」
「ああ、助けにいくか?」
「もちろん」
「そうか、なら送ってやる。だがわしはここまでじゃ」

 俺はエヴァのボロボロのその体に目を向ける。

「違う、戦うのはいくらでも戦えるが神には神の流儀があっての。同じ闇の神。邪神の神域にわしは入ることはできんのじゃ。という事でわしはここまでじゃ」

 エヴァは片手を俺にかざす。

「じゃあ、頑張れよ」
「あっ、そういえば、ミミとソー……」

 俺はその言葉の途中でフッと眼の前が真っ暗になり、虚空の空間に突然放り出され、そして――
しおりを挟む
感想 10

あなたにおすすめの小説

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

隠して忘れていたギフト『ステータスカスタム』で能力を魔改造 〜自由自在にカスタマイズしたら有り得ないほど最強になった俺〜

桜井正宗
ファンタジー
 能力(スキル)を隠して、その事を忘れていた帝国出身の錬金術師スローンは、無能扱いで大手ギルド『クレセントムーン』を追放された。追放後、隠していた能力を思い出しスキルを習得すると『ステータスカスタム』が発現する。これは、自身や相手のステータスを魔改造【カスタム】できる最強の能力だった。  スローンは、偶然出会った『大聖女フィラ』と共にステータスをいじりまくって最強のステータスを手に入れる。その後、超高難易度のクエストを難なくクリア、無双しまくっていく。その噂が広がると元ギルドから戻って来いと頭を下げられるが、もう遅い。  真の仲間と共にスローンは、各地で暴れ回る。究極のスローライフを手に入れる為に。

【薬師向けスキルで世界最強!】追放された闘神の息子は、戦闘能力マイナスのゴミスキル《植物王》を究極進化させて史上最強の英雄に成り上がる!

こはるんるん
ファンタジー
「アッシュ、お前には完全に失望した。もう俺の跡目を継ぐ資格は無い。追放だ!」  主人公アッシュは、世界最強の冒険者ギルド【神喰らう蛇】のギルドマスターの息子として活躍していた。しかし、筋力のステータスが80%も低下する外れスキル【植物王(ドルイドキング)】に覚醒したことから、理不尽にも父親から追放を宣言される。  しかし、アッシュは襲われていたエルフの王女を助けたことから、史上最強の武器【世界樹の剣】を手に入れる。この剣は天界にある世界樹から作られた武器であり、『植物を支配する神スキル』【植物王】を持つアッシュにしか使いこなすことができなかった。 「エルフの王女コレットは、掟により、こ、これよりアッシュ様のつ、つつつ、妻として、お仕えさせていただきます。どうかエルフ王となり、王家にアッシュ様の血を取り入れる栄誉をお与えください!」  さらにエルフの王女から結婚して欲しい、エルフ王になって欲しいと追いかけまわされ、エルフ王国の内乱を治めることになる。さらには神獣フェンリルから忠誠を誓われる。  そんな彼の前には、父親やかつての仲間が敵として立ちはだかる。(だが【神喰らう蛇】はやがてアッシュに敗れて、あえなく没落する)  かくして、後に闘神と呼ばれることになる少年の戦いが幕を開けた……!

スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~

きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。 洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。 レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。 しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。 スキルを手にしてから早5年――。 「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」 突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。 森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。 それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。 「どうせならこの森で1番派手にしようか――」 そこから更に8年――。 18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。 「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」 最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。 そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。

追放された最強ヒーラーは、美少女令嬢たちとハーレム生活を送る ~公爵令嬢も義妹も幼馴染も俺のことを大好きらしいので一緒の風呂に入ります~

軽井広@北欧美少女 書籍化!
ファンタジー
白魔道師のクリスは、宮廷魔導師団の副団長として、王国の戦争での勝利に貢献してきた。だが、国王の非道な行いに批判的なクリスは、反逆の疑いをかけられ宮廷を追放されてしまう。 そんなクリスに与えられた国からの新たな命令は、逃亡した美少女公爵令嬢を捕らえ、処刑することだった。彼女は敵国との内通を疑われ、王太子との婚約を破棄されていた。だが、無実を訴える公爵令嬢のことを信じ、彼女を助けることに決めるクリス。 クリスは国のためではなく、自分のため、そして自分を頼る少女のために、自らの力を使うことにした。やがて、同じような境遇の少女たちを助け、クリスは彼女たちと暮らすことになる。 一方、クリスのいなくなった王国軍は、隣国との戦争に負けはじめた……。

レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。

玉ねぎサーモン
ファンタジー
絶望スキル× 害悪スキル=限界突破のユニークスキル…!? 成長できない主人公と存在するだけで周りを傷つける美少女が出会ったら、激レアユニークスキルに! 故郷を魔王に滅ぼされたむっつりスケベな主人公。 この世界ではおよそ1000人に1人がスキルを覚醒する。 持てるスキルは人によって決まっており、1つから最大5つまで。 主人公のロックは世界最高5つのスキルを持てるため将来を期待されたが、覚醒したのはハズレスキルばかり。レベルアップ時のステータス上昇値が半減する「成長抑制」を覚えたかと思えば、その次には経験値が一切入らなくなる「無駄骨」…。 期待を裏切ったため育ての親に殺されかける。 その後最高レア度のユニークスキル「スキルスナッチ」スキルを覚醒。 仲間と出会いさらに強力なユニークスキルを手に入れて世界最強へ…!? 美少女たちと冒険する主人公は、仇をとり、故郷を取り戻すことができるのか。 この作品はカクヨム・小説家になろう・Youtubeにも掲載しています。

『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる

仙道
ファンタジー
 気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。  この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。  俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。  オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。  腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。  俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。  こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。 12/23 HOT男性向け1位

(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います

しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。

処理中です...