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こころの穴/帰り路
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『こころの穴』
今日、里見さんは昼食にお呼ばれしました。
「あの・・き、今日は、ランチに呼んで下さって、ありがとうございます。」
「まぁまぁ、そうかしこまりなさんな。正座なんていいから、楽にして下さい。」
「そうよ~。ランチなんてお洒落な料理なんてないんだから。テーブルはちゃぶ台だし。飲み物も焙じ茶しか用意してなくてごめんなさいね?」
「い、いえ!焙じ茶好きです。」
「あらホント?」
「はい。うちでは、年中焙じ茶を沸かしています。」
「そう、よかった。じゃあ、いただきます。」
「い、いただきます。」
今日のお昼は、里見さんも来るので、お婆さんはいつもより少し料理に腕をふるいました。
「どんな物がいいか分からなくて、娘や孫に時々頼まれて、通って作ってるドリアをメインに、あとは在り合わせで作った里芋の煮物と、ほうれん草のおひたし、おからのサラダにレタスのサラダ、豆腐のお味噌汁。あとは、スーパーで買ってきたコロッケと鶏の唐揚げね。」
「す・・すごい・・・。」
「そんな大したものじゃないわ。」
「私のオススメは、婆さんの煮物です。」
「ちょっとおじいさんっ。先に食べないで下さいよ。お客さんが先ですよ。」
「おぉ、すまんつい・・・」
「あ、ごめんなさい。どれも美味しそうで、どれから食べたらいいか迷ってしまって・・・」
「じゃあチーズが冷めないうちに、ドリアなんてどうかしら?」
「は、はい。いただきます。」
里見さんは、出来たて熱々のドリアをフォークで取り、少し冷ましてから口に入れた。
「・・・んん~~~~っ!?」
里見さんはフォークを握りしめ、ぎゅっと両目を瞑り、おじいさん達が聞いたこともない声を上げて驚かせました。縁側で寝ていたおじいちゃんも起き上がり、窓越しに見ています。
「あら、そんなに熱かった?」
「今、水持ってくるよ。」
「ひ、ひがうんでふ・・・」
里見さんは急いで飲み込み、話を続けました。
「このドリア・・・すごく美味しいです!」
「え・・?あら・・まぁっ、ビックリしたわ。気に入ってくれたの。」
「はい。」
里見さんは、ドリアを次々と口の中へ運びながら、取り皿に全てのお料理を盛り付け、あっという間に平らげていきます。
おじいさんとお婆さんは、時々顔を見合わせ、幸せそうな顔で食べる里見さんを微笑ましく見つめました。
縁側では、ふぅと息をついて、おじいちゃんは再び眠りにつきました。
「ほんっっっと~~に美味しかったです。全部美味しかったです。ごちそうさまでした!」
「お粗末様でした。でも、ちょっと大袈裟よ?」
「いいえ。私、こんな美味しい料理、久しぶりに食べました。」
「そう?」
「いつも自分で作った料理ばかりだと、他人が作った料理が美味しく感じることはありますからね。」
「あ・・あの・・・」
「あ~確かにそうですねぇ。じゃあ、今度は里見さんの料理で、うちでランチしましょう。」
「だ、だめです。危険ですそれは。」
「え?危険?」
「・・実は・・・普段全く料理しないんです。いつも、コンビニのお弁当とか、パンで済ませているので。」
「そうなの。1人分って、わざわざ作るのは億劫かもしれないわね。でも毎日それだと、あまり体に良くないわよ?」
「はい・・・。」
里見さんは俯いてしまいました。
「でも・・誰にでも苦手なものの1つや2つあるものですよ。私はアレが苦手なんです。片付けが。元に戻せばいいものを、後回しにしてその辺に置いて忘れてしまうんです。それで気がつくと、婆さんが戻しておいてくれるので、まぁ何とか生活出来てます。」
「ふふふ、本当に。私がいなくなったら、この家はどうなってしまうことか。」
「でも・・分かります。私も同じです・・・。というより・・・。」
里見さんは、左胸に手を当てて気を落ち着かせました。
ふと、自分の右太腿に視線を落とすと、いつの間にかおじいちゃんが隣りで伏せをしていて、前足がほんの少し自分の右太腿に触れていました。その細やかな感触に、またもや不思議と救われた里見さんは、今日話そうと決めていた事を、ゆっくり打ち明け始めました。
「あの・・・お二人にお話しておきたいことがあります。実は、今日お邪魔させていただいたのは、ランチをご一緒させていただくのと・・・もう1つ。私の話を聞いてもらうために・・・来ました。」
真剣な表情に、おじいさんとお婆さん2人もつられて真剣な表情に。
「私・・・実は病気を抱えています。もう・・かれこれ6・7年経っていて、最初さと子さんに助けられた時も、病気のせいで発作を起こしていました。」
「やっぱり、そうだったの。心臓か何か?」
「いえ、外出恐怖症というものです。6・7年前、職場から家へ帰る時に引ったくりに遭って、その時・・・抵抗したら、顔を殴られて・・体を数回蹴られて・・・意識を失いました。」
「・・・・・・・。」
(・・・・・・・)
おじいさんもお婆さんも、言葉が出ませんでした。
「でも、あの時の恐怖は忘れたくても忘れられませんでした。最初は、現場を通るのが怖くて避けて、次は電車に乗れなくなって、今度は駅へ向かうのが怖くなって、家の外が怖くなって、どんどん・・行っていた所へ行けなくなってしまって、最終的に外へ出られなくなってしまいました・・・。それからずっと、両親が代わりに買い物へ行ってくれたり、通院に付き添ってくれて、何とか今まで生きてこれました。」
「じゃあ、あの時はどうして公園に?」
「・・いつまでも、両親に甘えてられないって思っていたんです。あの日久しぶりに家のベランダへ出て、誰もいない早朝の公園に咲く桜を見ていたら自然に体が動いて・・・あの公園に。着いてから、外へ出てしまったことに気づいて、すぐに胸が苦しくなりました。ああなると、薬を飲んでやり過ごすか、耐えるしかありません。自分の気持ちが落ち着くまで。」
「・・・そうだったの・・・。」
「もう・・・無理なんだって・・・。元の生活に戻ることは2度と出来ないんだって、あの時心に押し入って来た暗い穴と、ずっと付き合っていかなきゃならないんだって思い知らされました。」
お婆さんは腰を上げて、里見さんの隣りに座って肩に腕を回すと、子供をあやすように、優しく肩をポンポン叩きました。
条件反射で、里見さんの目に涙が浮かびます。
「でも、あの日。外へ出て、私の世界は変わりました。さと子さんと、ムクちゃんのおかげで。」
神妙な表情で聞き入っていた2人に、少し微笑みが戻りました。
「改めまして、あの時手を差し伸べてくださって、本当にありがとうございました。」
里見さんは深々と頭を下げました。
おじいちゃんは顔を上げて、垂れ下がったその前髪に鼻を突き出してクンクン嗅いで、前髪に隠れた里見さんの頬をペロペロ舐めました。
里見さんは、おじいさんとお婆さんに自分の事を打ち明けて、改めてお礼を言うことが出来て、まだ胸はドキドキしていましたが、達成感と安心感で心の穴がほんの少し小さくなるのを実感していました。
『帰り路』
お婆さんは、公園まで里見さんを見送りにきました。
「もうすぐ梅雨ね。」
「あ、はい。そうですね。」
「ここは季節ごとに色々な花が咲くの。もう少ししたら、紫陽花が咲くわ。」
「紫陽花・・・いいですね。どんな色ですか?」
「大体が紫色ね。その中に、ピンクや青が混ざっていたりするの。うちの庭は、白い紫陽花が咲くのよ?」
「白ですか?珍しいですね。」
「あら、見たことない?」
「はい。」
「じゃあ、またうちへいらっしゃい。紫陽花を見ながら、今度はティータイムでもしましょ。焙じ茶と、ただのお団子だけど。ふふふっ。」
「いいですね。じゃあ、その時私も何か持ち寄らせていただきます。」
「本当?楽しみだわ。」
里見さんはお婆さんの楽しそうな顔を見て、そっと微笑んでいました。
「ただいま帰りました。」
「おぉ、おかえり。」
(・・・・・・・)
「どうだった?」
「ええ、笑顔で帰っていったから大丈夫ですよ。」
「そうか。お茶、飲むかい。」
「はい、お願いします。」
そう言って玄関を上がろうとするお婆さんの傍で、おじいちゃんがお婆さんの顔を見上げています。
(・・・・・・・)
「ムクも、里見さんが心配?」
(・・・・・・・)
「ムクは優しくていい子ね。でも、里見さんは大丈夫。」
(・・・・・・・)
「女はね、男が思うよりずっと強いのよ?」
そう言って、お婆さんは玄関を上がって行ってしまいました。
おじいちゃんは、知っていました。お婆さんをずっと見てきたので、知っていました。
今日、里見さんは昼食にお呼ばれしました。
「あの・・き、今日は、ランチに呼んで下さって、ありがとうございます。」
「まぁまぁ、そうかしこまりなさんな。正座なんていいから、楽にして下さい。」
「そうよ~。ランチなんてお洒落な料理なんてないんだから。テーブルはちゃぶ台だし。飲み物も焙じ茶しか用意してなくてごめんなさいね?」
「い、いえ!焙じ茶好きです。」
「あらホント?」
「はい。うちでは、年中焙じ茶を沸かしています。」
「そう、よかった。じゃあ、いただきます。」
「い、いただきます。」
今日のお昼は、里見さんも来るので、お婆さんはいつもより少し料理に腕をふるいました。
「どんな物がいいか分からなくて、娘や孫に時々頼まれて、通って作ってるドリアをメインに、あとは在り合わせで作った里芋の煮物と、ほうれん草のおひたし、おからのサラダにレタスのサラダ、豆腐のお味噌汁。あとは、スーパーで買ってきたコロッケと鶏の唐揚げね。」
「す・・すごい・・・。」
「そんな大したものじゃないわ。」
「私のオススメは、婆さんの煮物です。」
「ちょっとおじいさんっ。先に食べないで下さいよ。お客さんが先ですよ。」
「おぉ、すまんつい・・・」
「あ、ごめんなさい。どれも美味しそうで、どれから食べたらいいか迷ってしまって・・・」
「じゃあチーズが冷めないうちに、ドリアなんてどうかしら?」
「は、はい。いただきます。」
里見さんは、出来たて熱々のドリアをフォークで取り、少し冷ましてから口に入れた。
「・・・んん~~~~っ!?」
里見さんはフォークを握りしめ、ぎゅっと両目を瞑り、おじいさん達が聞いたこともない声を上げて驚かせました。縁側で寝ていたおじいちゃんも起き上がり、窓越しに見ています。
「あら、そんなに熱かった?」
「今、水持ってくるよ。」
「ひ、ひがうんでふ・・・」
里見さんは急いで飲み込み、話を続けました。
「このドリア・・・すごく美味しいです!」
「え・・?あら・・まぁっ、ビックリしたわ。気に入ってくれたの。」
「はい。」
里見さんは、ドリアを次々と口の中へ運びながら、取り皿に全てのお料理を盛り付け、あっという間に平らげていきます。
おじいさんとお婆さんは、時々顔を見合わせ、幸せそうな顔で食べる里見さんを微笑ましく見つめました。
縁側では、ふぅと息をついて、おじいちゃんは再び眠りにつきました。
「ほんっっっと~~に美味しかったです。全部美味しかったです。ごちそうさまでした!」
「お粗末様でした。でも、ちょっと大袈裟よ?」
「いいえ。私、こんな美味しい料理、久しぶりに食べました。」
「そう?」
「いつも自分で作った料理ばかりだと、他人が作った料理が美味しく感じることはありますからね。」
「あ・・あの・・・」
「あ~確かにそうですねぇ。じゃあ、今度は里見さんの料理で、うちでランチしましょう。」
「だ、だめです。危険ですそれは。」
「え?危険?」
「・・実は・・・普段全く料理しないんです。いつも、コンビニのお弁当とか、パンで済ませているので。」
「そうなの。1人分って、わざわざ作るのは億劫かもしれないわね。でも毎日それだと、あまり体に良くないわよ?」
「はい・・・。」
里見さんは俯いてしまいました。
「でも・・誰にでも苦手なものの1つや2つあるものですよ。私はアレが苦手なんです。片付けが。元に戻せばいいものを、後回しにしてその辺に置いて忘れてしまうんです。それで気がつくと、婆さんが戻しておいてくれるので、まぁ何とか生活出来てます。」
「ふふふ、本当に。私がいなくなったら、この家はどうなってしまうことか。」
「でも・・分かります。私も同じです・・・。というより・・・。」
里見さんは、左胸に手を当てて気を落ち着かせました。
ふと、自分の右太腿に視線を落とすと、いつの間にかおじいちゃんが隣りで伏せをしていて、前足がほんの少し自分の右太腿に触れていました。その細やかな感触に、またもや不思議と救われた里見さんは、今日話そうと決めていた事を、ゆっくり打ち明け始めました。
「あの・・・お二人にお話しておきたいことがあります。実は、今日お邪魔させていただいたのは、ランチをご一緒させていただくのと・・・もう1つ。私の話を聞いてもらうために・・・来ました。」
真剣な表情に、おじいさんとお婆さん2人もつられて真剣な表情に。
「私・・・実は病気を抱えています。もう・・かれこれ6・7年経っていて、最初さと子さんに助けられた時も、病気のせいで発作を起こしていました。」
「やっぱり、そうだったの。心臓か何か?」
「いえ、外出恐怖症というものです。6・7年前、職場から家へ帰る時に引ったくりに遭って、その時・・・抵抗したら、顔を殴られて・・体を数回蹴られて・・・意識を失いました。」
「・・・・・・・。」
(・・・・・・・)
おじいさんもお婆さんも、言葉が出ませんでした。
「でも、あの時の恐怖は忘れたくても忘れられませんでした。最初は、現場を通るのが怖くて避けて、次は電車に乗れなくなって、今度は駅へ向かうのが怖くなって、家の外が怖くなって、どんどん・・行っていた所へ行けなくなってしまって、最終的に外へ出られなくなってしまいました・・・。それからずっと、両親が代わりに買い物へ行ってくれたり、通院に付き添ってくれて、何とか今まで生きてこれました。」
「じゃあ、あの時はどうして公園に?」
「・・いつまでも、両親に甘えてられないって思っていたんです。あの日久しぶりに家のベランダへ出て、誰もいない早朝の公園に咲く桜を見ていたら自然に体が動いて・・・あの公園に。着いてから、外へ出てしまったことに気づいて、すぐに胸が苦しくなりました。ああなると、薬を飲んでやり過ごすか、耐えるしかありません。自分の気持ちが落ち着くまで。」
「・・・そうだったの・・・。」
「もう・・・無理なんだって・・・。元の生活に戻ることは2度と出来ないんだって、あの時心に押し入って来た暗い穴と、ずっと付き合っていかなきゃならないんだって思い知らされました。」
お婆さんは腰を上げて、里見さんの隣りに座って肩に腕を回すと、子供をあやすように、優しく肩をポンポン叩きました。
条件反射で、里見さんの目に涙が浮かびます。
「でも、あの日。外へ出て、私の世界は変わりました。さと子さんと、ムクちゃんのおかげで。」
神妙な表情で聞き入っていた2人に、少し微笑みが戻りました。
「改めまして、あの時手を差し伸べてくださって、本当にありがとうございました。」
里見さんは深々と頭を下げました。
おじいちゃんは顔を上げて、垂れ下がったその前髪に鼻を突き出してクンクン嗅いで、前髪に隠れた里見さんの頬をペロペロ舐めました。
里見さんは、おじいさんとお婆さんに自分の事を打ち明けて、改めてお礼を言うことが出来て、まだ胸はドキドキしていましたが、達成感と安心感で心の穴がほんの少し小さくなるのを実感していました。
『帰り路』
お婆さんは、公園まで里見さんを見送りにきました。
「もうすぐ梅雨ね。」
「あ、はい。そうですね。」
「ここは季節ごとに色々な花が咲くの。もう少ししたら、紫陽花が咲くわ。」
「紫陽花・・・いいですね。どんな色ですか?」
「大体が紫色ね。その中に、ピンクや青が混ざっていたりするの。うちの庭は、白い紫陽花が咲くのよ?」
「白ですか?珍しいですね。」
「あら、見たことない?」
「はい。」
「じゃあ、またうちへいらっしゃい。紫陽花を見ながら、今度はティータイムでもしましょ。焙じ茶と、ただのお団子だけど。ふふふっ。」
「いいですね。じゃあ、その時私も何か持ち寄らせていただきます。」
「本当?楽しみだわ。」
里見さんはお婆さんの楽しそうな顔を見て、そっと微笑んでいました。
「ただいま帰りました。」
「おぉ、おかえり。」
(・・・・・・・)
「どうだった?」
「ええ、笑顔で帰っていったから大丈夫ですよ。」
「そうか。お茶、飲むかい。」
「はい、お願いします。」
そう言って玄関を上がろうとするお婆さんの傍で、おじいちゃんがお婆さんの顔を見上げています。
(・・・・・・・)
「ムクも、里見さんが心配?」
(・・・・・・・)
「ムクは優しくていい子ね。でも、里見さんは大丈夫。」
(・・・・・・・)
「女はね、男が思うよりずっと強いのよ?」
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