上 下
2 / 45

2

しおりを挟む
俺の異世界転移魔法により俺とリンは見知らぬ場所にいた。
「知らない異世界だ」
「さすがユータね」
まあ前回は原因不明の何かで異世界に行ったし今回は俺の自力の魔法での異世界転移だ。
前回とは別の異世界でもまあいいだろう。
同じ異世界で同じようなことをしても面白くはないからな。
それに違うなら違う楽しみが待っている。
「今度はどう生きようか」
「ユータはどうしたいの?」
強くなったり偉くなると面倒ごとが増える。
もうすでに世界最強の力はあるし、偉くなる必要もない。
そもそも神よりも偉い存在がいないからな。
まあ国王なんかになっても勘違いした奴らの相手をしないといけないから面倒だしな。
俺は偉さをアピールする必要がない。
だって神だからな。
まあいい。
今度は気楽な旅でもするか。
まあ休暇みたいなものだな。
どうせ困った人がいれば助けることになるだろうけどな。
まあ最初から人助けを目的にすると旅を楽しめないからな。
それにあまり人助けしても同行を希望する女が増えるからな。
今回はR-15だからいろいろと書けないこともある。
まあ縛りプレイだと思えばいいだろう。
そういえば縛りプレイはしたことがなかったな。
「ユータが望むなら縛ってもいいわよ?」
「そうだな、考えておこう」
まあ縛る気はないけど希望を失わせるのも悪いからな。
「縛るよりも旅をしよう。どうせ俺の力を必要としている人がいるはずだ。助けてやろうじゃないか」
「いいじゃない。さすがユータね」
「まあな」
よし、今回は戦いは極力避けよう。
強さを見せると頼ってきて都合良く使われるだけだからな。
直接助けて目立つのも避けよう。
まあ無理だとは思うけど目標とおっぱいは大きいほうがいいからな。
「とりあえず村でも探すか」
「さすがユータね」
リンはEカップだ。

ということで村までやってきた。
気配感知の魔法で人の集落らしき場所は把握していたので迷うこともない。
村では大きな鍋で何かを煮こんでいるようだった。
「あれは何なの?」
「さあな。消毒でもしているんじゃないのか?」
「さすがユータね」
人々の雰囲気からどことなく悲しみの感情を感じ取れる。
それに死体を放置しておくと病気の原因になるから消毒のために煮ていてもおかしくはない。
むしろそれ以外に考えられない。
やれやれ、最初の村でいきなり葬式とは縁起が悪いな。
だが逆に考えれば俺に救われることを願う人がいるということ。
俺は自分の力を見せつけて面倒なことに巻き込まれるのは避けたい。
だがそれは人々の手助けをしないという意味ではない。
「まあこれも俺の救いを求めているということだろう」
「さすがユータね」
「まあな」
「世界を旅して人々を助けるのも俺らしいだろう?」
「さすがユータね」
「まあな」
リンも賛成のようだから世界を旅しながら人々を助けていくことにするか。
やはりこう目の前に不幸な人がいれば見捨てられないじゃないか。
目的は決まった。
異世界に来て最初にこの村に来たのは意味があってのこと。
俺にこの世界に住む人々の助けをすると決意するために必要なことだった。
こんな価値のない村にも少しくらいは感謝しておく。
「そうだ、消毒だ」
病気を防いで長生きしてもらうためにも病原菌やカビを完全に消滅させてあげよう。
まあそんな面倒なことも俺の魔法なら楽勝だからな。
まだまだ衛生観念が発達していないだろうから村人に説明しても無駄だ。
さっさと魔法で片付けてやろう。
「さすがユータね」
「まあな」
ということで永続殺菌魔法を使った。
永続といっても厳密に永遠に続くかは不明だ。
だが100年や1000年は続くだろう。
喜べ、この村に住むならもう病気とは無縁だ。
「さすがユータね」
「まあな」
でも長く生きたからといって幸せとは限らない。
俺が手を貸すのだから村人どもは幸せにならなくてはならない。
「井戸水に幸せになれる成分を混ぜよう。地下に発生源を作るから効果も半永続だな」
さすがに地殻変動とか隕石が直撃したら発生源も無事ではないだろうけど可能性が低いので無視する。
まあこれで村人の暮らしも幸せになるだろう。
まあこれくらいの施しなら別にいいだろう。
何しろ俺は名乗ってもいないし魔法を使ったところを見られてもいない。
村人にとっては神の奇跡だと驚き感謝し祈りを捧げるしかない。
「面倒ごとに巻き込まれないで人助けできるなんて素晴らしいな」
「さすがユータね」
まあな。
これでも神だからな。
俺は神の力を持ちながら人間の心を失わない男。
「俺がユータだ!」
「さすがユータね」
こうして異世界を旅して人々を救う旅が始まった。
しおりを挟む
1 / 2

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!


処理中です...