ユータ漫遊記 ~異世界を旅しながら世直ししてやろう~

ヨシダダダ

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ソロウの店はバネを利用したベッドを販売していた。
まあバネの利用方法としては悪くないな。
「俺のベッドで一緒に弾まないか?」とか言って口説いているのか?
まあベッドといえば硬い台でしかないこの世界からすれば画期的なものだからな。
俺よりも先に商売にするとはさすが俺の認めた男だ。
褒美に魔法のバネなんて使わないで空を飛べるようにしてやったぞ。
結局サスペンションは実現できなかったか。
まあいいだろう。
「せっかくだから俺にも一つベッドをくれ」
「はいよろこんでー」
さっそくだけど浮遊の魔法をかけた。
空飛ぶベッドだ。
「支払いは金貨でいいな?」
金貨5000兆枚までなら生成できる権利を与えた。
後は俺に祈りを捧げれば金貨が出てくるぞ。
「ありがとうございます。ユータ様の奇跡、みんなにも見せます」
「まあいいだろう」
それが生きたソロウを見た最後の姿だった。

「ソロウが殺されただと?」
つまり死んだということだな。
「犯人は?」
「よそ者だったので地獄送りにしておきました」
そうか、ならいいな。
「ソロウ蘇生」
「…はっ!?ありがとうございますユータ神様」
「今度は殺されないよう気をつけろよ」
「はい、お手を煩わせてしまい申し訳ありませんでした」
ソロウが頭を下げて謝罪する。
ソロウは常識人だから頭を下げて謝罪するくらいはできる。
この世界では珍しいまともな人間だから俺だって蘇生くらいしてやっている。
まあこういったメリットを見せることで俺の信者も増えるだろう。

噂はすぐに広まった。
まあソロウが直接宣伝したり、死んだソロウを見た人間が話したのだろう。
こうしてユータパンツの街では死者が蘇るという奇跡が起き人々が知るところとなった。
別に俺ならいくらでも起こせるから珍しくもないし感動もしないけどな。
だが住民は違った。
「この奇跡はユータ様」
「ユータ様を信じれば死は怖くない!」
「ユータ様に奉仕して永遠の命と繁栄を!」
「ユータパンツ万歳!」
これで俺の信者率も上がったな。
でもまだ全員ではない。
やはり治安悪化の原因であるよそ者を排除するしかないな。
「ゴミクリン召喚!掃除の時間だ!」
山賊王ゴミクリンは俺の命令に従って反抗的な住民を見つけ次第抹殺していく。
「ゴミのくせに役立つのね」
「ゴミを使いこなすユータ様はさすがです」
「ご主人様のアイデアはいつも素晴らしいです」
「こんな魔法があるなんて驚きましたわ。わたくし、ユータ様には驚かされてばかりですわ」
「ボスはいつだってすごいにゃん!あたいのボスだからこれくらい当たり前にゃん!」
まあな。
「果報は寝て待てというだろう?城に戻って大運動会をして寝て待とう」
「さすがユータね」
「さすがです、ユータ様」
「さすがはご主人様です」
「さすがですわ、ユータ様」
「ボスはさすがだにゃん」
空飛ぶベッドで空中運動会だ。
まあ寝技はベッドの上でするからいつもとあまり変わらないけどな。
「今日もいろいろあったな」
「ユータ様はいつも働きすぎです」
「まあな」
ミツナ相手にもよく働いたからな。
「そろそろこの世界も平和になるかな?」
「ユータ様によって平和が近づいているのは間違いありません。それを邪魔する存在を抹殺すれば早く片付きます」
「まあそうだな」
ミツナも平和を望んでいるから本気出すか?
俺が本気出すと世界が平和になってしまうかもしれないぞ?
でも平和になることで失業する奴だっているだろう。
失業して生活と女に困って盗賊になって治安が悪化するのはまた新たな面倒ごとのきっかけになるだけだ。
「まっとうな仕事をして暮らしていけるなら犯罪は減るか」
まあ俺なら簡単だけどあまり干渉すると人間が堕落していくからな。
「それで堕落するような人間は最初から生きるべきではありません」
まあそうだよな。
ゴミは生まれながらにゴミだ。
ゴミでなくなる人はゴミではない。
「俺にいいアイデアがある」
治安維持と雇用対策を兼ねた素晴らしいものだと思ったか?
その程度のアイデアで満足する俺ではない。
俺を満足させるアイデアを俺は閃いたのだ。
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