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そういえば能力を把握している途中だったな。
リンがフェラしてくるからすっかり忘れていた。
「まだ魔法は試していなかったな。まずは定番で試すか」
俺は炎をイメージする。
「ファイアーボール!」
燃え上がる炎の球体が飛んでいった。
火の玉ストレートだ。
「すごい!魔法みたい!さすがユータね!」
「まあな」
「ギョエエエエエエー」
遠くのほうで変な声が聞こえた。
あれは人間ではなくてゴブリンか何かの声だな。
「たまたま命中したみたいだな。見に行くか」
「わかったわ」

黒焦げになっているゴブリンがいた。
その近くで倒れ込んでいる女性もいた。
意識を失っているようなのでスカートの中身を確認しておこう。
…色気の欠片もない下着だった。
この世界の文明は相当劣るようだな。
まあ俺がいますぐどうにかできる問題ではない。
まあつまらないことを確認できたので女性が無事か声をかけてみるか。
「おい、大丈夫か?」
「う…」
見たところ怪我はなさそうだが俺には魔法がある。
「ヒール!」
「助けていただいてありがとうございます。私、冒険者ギルドの受付嬢をしていますカレンと言います」
「ユータだ」
「リンよ」
「こんなところで何をしているんだ?ゴブリンどもに襲われて危ないじゃないか」
「うう、これも仕事なので…」
「なら仕方ないな」
やれやれ、異世界でも変な仕事を押し付けられて困る人がいるんだな。
どの世界でも同じか。
カレンが哀れなので少しくらい手を貸してやろう。
「受付嬢がどうしてゴブリンに襲われていたんだ?」
「冒険者が依頼を受けてくれないからです。それならギルド職員がやるしかないじゃないですか」
「だがカレンよりも適している人がいるんじゃないのか?」
「私みたいな下っ端に面倒なことを押し付けるに決まっているじゃないですか。危うく死ぬところだったんですよ」
「そうか、どの世界でも下っ端は大変だな…」
「ユータも大変だったのね。おっぱい揉む?」
リンのおっぱいを揉んで精神を安定させた。
ふぅ、リンはわかっているな。
「あ、あの、私ので良ければ揉みます?」
カレンが恥じらいながら言ったので仕方ないから揉んでやることにした。
…小さいな。
「あ、ありがとうございました」
「まあな」
小さくて悲しくなったよ。
だが俺の犠牲で一人の女性が救われたなら意味はある。
「ところでゴブリン退治はもういいのか?」
「できればもう少し倒したいのですが…」
「なるほどな。いいだろう、俺が力を貸してやろう」
「本当ですか!?ありがとうございます、ユータ様!」
「さすがユータね。大物だわ」
「まあな」

それからゴブリンを探しては虐殺していった。
気付けば俺の身体能力も高まっていた。
なるほど、急速にレベルアップするタイプだったのか。
今では石を投げただけでゴブリンの頭を吹っ飛ばすことができるようになった。
あまり近寄りたくない相手だから都合が良かった。
これくらい投げられれば野球大会でも俺がピッチャーで圧勝できたのにな。
そうすればリョーだってクソニートにならずに済んだかもしれない。
リョーがクソニートになって俺とリンを殺したのは俺の責任だ。
俺がもっと野球が上手ければリョーの人生も変わっていただろう。
これは俺の罰だ。
一人のクソニートを救えなかった俺は、今度こそこの世界を救わなければならないのだろう。
「街へ帰りましょう」
「そうだな」
まずはカレンを助けた。
これは偉大な一歩だ。
目の前の女性を助けていけば、いつか世界を救うことができるだろう。
「おっぱい揉む?」
「そうだな」
俺は一人ではない。
リンと一緒にこの世界を救ってみせる。
…やはりカレンよりもリンだな。
リンのほうが大きいからな。
圧倒的な違いだ。
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