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「カレン、無事だったのか心配したぞ」
「こちらの方に助けていただきましたので。こちら、ユータ様とリンです」
「ユータ様だ」
「リンよ」
「そうか。入場税は銀貨2枚だ」
「ここは私が出しましょう」
カレンが兵士に銀貨2枚を支払った。
兵士は銀貨を受け取る際、カレンの手にさりげなく触れたことを俺は見逃さなかった。
逆らえない立場を利用してセクハラするなんて最低だな。
だはカレンは嫌な顔をしていない。
これがこの世界の常識なのか?
間違っているのは俺のほうだったのか?
ま、カレンのことだからどうでもいいか。
こうしてヒガシティの街へ入ることができた。
もちろん兵士にはこっそりEDになる魔法をかけておいた。
セクハラしたいならすればいい。
それ以上はできないけどな。
この世界の常識がどうあれ、俺が気に入らなければ相手にペナルティを与えるのは当然だ。
それが俺のルールだからだ。

「ふむ、まずまずのところじゃないか」
街の中はありがちな街並みだった。
それでも俺の地元の田舎とは大違いだ。
この街のほうが人口密度は高そうだ。
クソ異世界のくせに生意気だな。
俺の実家の集落をバカにしているのか?
「まずは冒険者ギルドに案内しようと思うのですがよろしいですか?」
「いいだろう」
「かしこまりました」
街だって見た目が全てじゃない。
そこに住んでいる人あっての街だ。

カレンに誘導されて冒険者ギルドへ着いた。
「ただいま戻りました」
「遅いぞ!このうすのろがっ!」
おいおい、女性向かってそんな言い方はないだろう。
「おい、お前がどれだけ偉いのか知らないけど、そんな言い方はないんじゃないのか?」
「誰だお前は?」
「俺はユータだ」
「ユータ?知らない名前だな」
「なら覚えておけ。俺がユータだ!」
俺は男にパンチを一発お見舞いした。
吹っ飛んで椅子をなぎ倒しながら壁にぶつかって止まった。
あれなら俺の名前を覚えていないかもしれない。
それならまたお仕置きしてやろう。
「さすがユータね」
「まあな」
「ありがとうございます、ユータ様」
「ところでこんな歓迎をしてくれるようなところでまともな仕事があるのか?」
「ないと思います」
「そうか」
こんな冒険者ギルドならなくても問題ないんじゃないのか?
むしろなくなったほうが変な人間がいなくなって街の治安が良くなるかもしれない。
それよりもブラック企業を潰せることに喜びを感じる。
俺が世界を救ってやらないといけないからな。
「カレン、こんなギルド辞めちまえよ」
「えっ、でも…」
「俺が新しく冒険者ギルドを作る。だからカレンはそこで受付嬢をすればいい」
「そうですか、わかりました。よろしくお願いします」
だがそれを邪魔する男がいた。
「勝手なことをされては困るな」
ギルドマスターのアックツだ。
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