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「ギルドの職員を増やしたい。採用はカレンに任せる」
「任せてください」
「ねえ、ユータ。私は?」
「後で一緒に狩りに行くぞ」
「わかったわ」
「そろそろ冒険者も募集したいところだな。俺しかいないんじゃ忙しすぎる」
「夜も忙しいから大変ね」
「リンのせいで大変なんだぞ」
「あら、そうだったの」
「別に構わないが」
「あの、私の相手もたまにでいいのですけどしてほしいです」
「気が向いたらな。それよりも採用は頼んだぞ」
「はい!」
やれやれ、俺がいないと回らないのは良くないな。
俺だけブラック企業状態は勘弁してほしい。

転移魔法で狩場に移動して肉を調達して街へ戻ってきた。
「おう、露店商ども。肉を持ってきてやったぞ」
「買います!お願いします!是非とも売ってください!」
「いいだろう」
「お、俺にも頼む!」
「いいだろう」
俺だけ働いているのに何人分もの生活費を稼げるんだ。
冒険者というのも面倒だが悪くない仕事だな。
だがこの世界の人間どもは俺ほど強くないはずだ。
果たして俺ほど稼げるかな?

「ユータ様、職員の採用が済みました」
「よろしくお願いします、ユータ様」
自宅兼ギルドに戻ったらカレンから報告を受けた。
見知らぬ女性はカレンよりもおっぱいが小さい。
自分よりも優れた人は採用しないということか。
どうせリンには勝てないのにな。
まあ無駄な努力だということは認めてやろう。
「冒険者の募集はどうだ?」
「何人か希望者がいたので明日また来るように言いました。できればユータ様が直接相手を見極めていただきたいのですが…」
「いいだろう」
この世界の冒険者どもがどの程度なのか俺も少し興味があったから好都合だ。
弱い奴は仕事を任せられないし、信用できない奴も同じだ。
最低限礼節と能力がないとどんな世界でも厳しいぞ。
「職員が増えたから魔物素材の販売もできるよな?とりあえず肉は置いておく。今度からは他の売れそうなものも持ってくる」
「わかりました」
どうせ売るくらいしかできないのだろうから、せめて俺の手を煩わせないでほしい。
しかし小さいな。
カレンの奴、ライバルが増えないようにしているのか?
私情を挟んで無能な奴を雇ったりするようなら俺にも考えがある。
「もう少し職員がいてもいいのではないか?」
「分かりました。増やしておきます」
またおっぱいの小さい女を雇うのだろうか?
まあどんな人物を採用するのか楽しみに待つとしよう。
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