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「この街をもっと住みやすくする。まずは下水道の整備だ」
「さすがユータね」
臭いんだよ、この街は。
排泄物の処理が適切でないのは残念な文明レベルだから仕方ない。
俺のためにも悪臭は解決しないとな。
この街だけでも文明的な暮らしができるようにしてやりたい。
何よりも俺のために。

下水のために穴を掘り出して面倒になった。
別にこんな面倒なことをしなくても悪臭の発生源を消せば問題解決だ。
さっそく汚物消失の魔法を開発しておいた。
悪臭の発生源ごと消失させるので下水なんて不要だ。
最初からこうすれば良かったな。
「永続魔法、ファブリーな消臭!」
こうしてこの街から悪臭が消えた。
だが人々の薄汚さはそのままだ。
それに魔法で解決すると雇用が生じない。
「働く場所まで考えなくてはならないなんて、俺は領主かよ」
無能な領主よりも俺が領主になったほうがみんな幸せになれるのではないか。
まあ俺は俺のギルドを中心に手の届く範囲で暮らしやすくしていこう。
「さすがユータね」
「まあな」
「俺が領主になったほうがみんな幸せになれるんじゃないか?」
「当然じゃない。で、領主になるの?それとも私にする?」
「領主なんて絶対に面倒だよな」
「でも頼られたらノーと言えないんじゃないの?」
「まあ、な」
俺は自分のために生きるような人間ではないからな。
みんなの幸せのために俺は生きなくてはならない。
そういえばリンを助けるために死んだんだよな。
あのクソニートのリョーも今頃元気で警察の世話にでもなっているのかな?
「そんなはずないと思うけど?あんな男、殺されてるんじゃないの?」
まあクソニートが他のクソニートに殺されることもあるかもしれない。
そうでなくても裁判で有罪になっているのかもしれない。
今頃刑務所で掘られているのか?
俺たちを殺したことを後悔しているのか?
どれだけ後悔しようが俺たちが殺された事実は変えられない。
「やはり犯罪者は裁かれないとな」
「そうね。それでユータが裁くの?」
「領主にならないと私的に裁くことになるな」
「解決するなら何でもいいんじゃないの?」
「そうだよな」
この世界では法なんて無力だろう。
何よりも裁判官とか領主が恣意的に法を扱うはずだから法なんて守るだけ無駄だ。
それよりも犯罪者はさっさと殺したほうがいい。
領主なんて面倒なことはやめておこう。
俺にはまずはギルドの運営をしなくてはならないからな。
それに身動きしやすい立場のほうがいい。
汚物は消毒しないとな。
場合によっては俺が平和のために手を下してやろう。
みんなの幸せのためだからな。
そのために俺はこの世界に来たのだろう。
やれやれ、下水の次は犯罪者や犯罪者予備軍の始末が必要だな。
「さすがユータね」
まあな。
「私は裁かなくていいの?」
つまり普段のプレイではマンネリだから刺激が欲しいということだな。
その夜、SMっぽくプレイしてみた。
俺が尋問する役で、リンが尋問される役。
あまり面白くなかったので、今度は本当に尋問でもしてみようかと思った。
もちろん相手は犯罪者だ。
プレイ中に気分が盛り下がってきたのでリンに手コキで射精させられた。
「別に気にしないで」
これも一つの勉強だ。
あまり変なプレイは面白くないことを学んだ。
今度は制服でも着てもらおうかな。
「中学校の?高校の?」
この年齢で中学校の制服を着ても違和感がありそうだ。
「スク水で頼む」
「さすがユータね」
そうだ、プールでも作ってやろう。
この年齢でスク水は違和感があるな。
まあリンが望んだのだから一度は付き合ってやるか。
俺はノーマルだ。
普通が一番だ。
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