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街へ戻ってきたら焼け落ちた建物が出迎えてくれた。
出迎えるべき男どもは死体になっていた。
女どもの多くはいないので連れ去られたのだろう。
鉄壁の防御を誇る俺のギルドは無事だった。
「帰ったぞ」
「おかえりなさいませ、ユータ様」
「何があった?」
「隣国の兵士が攻めてきました」
「そうか」
俺のいない間に攻めてくるとはなかなかだな。
俺がいれば簡単に撃退できるのだから相手も少しは頭を使えるということ。
「ところでリンは?カレンは?」
いつもなら真っ先に出迎えるはずなのにいないということは…。
「カレンは奥にいます。リンは…私は姿を見ていないのでわかりません。すみません」
まあ一般職員にしては優秀だから不問にしてやろう。
リンのことはカレンに聞けばいいだろう。
「おいカレン、いるか?」
「ユータ様…」
「何があった?」
「隣国の兵士が攻めてきて、無理矢理犯されました。私は必死になって抵抗しましたけど無駄でした…」
「そんなことはどうでもいい。リンがどうなったのかと聞いているんだ」
「すみません、リンは連れ去られたようです」
「そうか」
まあリンくらいになれば放っておかないよな。
だがこのままで済ませる気はない。
「兵士のオチンポはユータ様に比べて貧相でまったく気持ち良くありませんでした」
「そうか」
「兵士は下手糞で全然気持ち良くなかったです。ユータ様とは全然違いました」
「まあそうだろう」
そうだ、バーバラはどうしている?
「ユータ様、あたいに新しいディルドをおくれよ」
「ほれ」
「さすがユータ様だね。兵士の粗チンとは大違いだね」
さっそくディルドを突っ込むバーバラは相変わらずだな。
こんなババア相手でも欲情する兵士か。
まあ突っ込めれば誰でもいいのかもしれないな。
恐るべき戦士だな。
とてもではないが真似できそうもない。
そうだ、こんなことをしている場合じゃない。
「報復してくる」
「ディルド―」
「ほれ」
バーバラが何を言いたいのかは理解できる。
仕方ないのでディルドを渡しておく。
「さすがユータ様だね」
「まあな」
お前もさすがだと思うよ。
ディルドがあれば幸せなのだろう。
まあいいだろう。
ギルドから出て改めて街を見渡す。
そうだ、新しい街づくりをしよう。
今度はもっと計画的に作ろう。
「娼館も充実させてください」
生きていたのか、マーシオ。
こいつクソ雑魚のくせにしぶといな。
死んでも死なないようなしぶとさだな。
実力があれば英雄になれていたかもな。
クソ雑魚のまましぶといなんて悲劇だ。
きっと娼館のために生き延びたに違いない。
「まあいいだろう」
俺の街をこんなことにしてくれた隣国には責任を取らせないとな。
ついでに女を調達して娼館で働かせれば労働力も確保できるな。
ただ戦って相手を殺すだけなんて無能で野蛮な奴がすることだ。
俺ならば敵を上手く味方にするよう工夫する。
まあ何をするかはお楽しみにってことだ。
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