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第18話 ギルドを作ろう
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「そいつは、ギルドだ」
「ギルド……」
オレが告げた単語にケルちゃんは一瞬驚いたように息を呑む。
「ギルド……というと、あれですよね? 冒険者とかが集まる酒場? みたいなものですよね」
「ああ、まあ、そんな認識でいいぜ」
ギルド。
それはファンタジー好きの人間ならば、当然知っているであろう単語。
主に冒険者達を雇い、まとめる施設の通称。
とは言え、このギルドには様々な意味合いが込められており、何も冒険者だけでなく、商人や手工業者など様々な職人の組合を意味している。
そして、これからオレが作るのはそうした様々な職人によって組織されるギルドのことだ。
「とりあえずは十円を使って、そいつを作る」
「じ、十円も使うんですか!?」
「ああ。むしろ、こいつには十円を使って創生するだけの価値がある」
慌てるケルちゃんであったが、オレは断言する。
間違いなく、このギルドこそがオレが作る街の柱となる。
ケルちゃんもオレの断言に納得したのか、静かに頷く。
よし、それじゃあ、作るか。
オレは十円玉を握り締め、それを街の中心へと投げる。
すると、そこに高さ十階ほどになる巨大な建物が姿を現す。
横幅もローマの闘技場並みに巨大なものとなり、この中に一万を越す人間が住んでもおかしくないほどの巨大建造物が出来上がる。
感嘆の声を上げるオレとケルちゃんであったが、早速中に入る。すると、
「いらっしゃいませー。ようこそ、統合ギルドへ」
「これは……」
そこには巨大なホールが広がり、目の前には様々な人が行き交いし、カウンターには受付と思われる女性が立っていた。
呆然とするオレ達であったが、受付や歩き回る人達がオレ達を見ると、すぐに近づいてくる。
「あなたは領主様ですね!」
「あ、はい。そうなりますかね……」
「わざわざこのギルドにお越しいただき、感激です! まずは私達を生み出していただき、ありがとうございます!」
「いやいや、それほどのことでも……」
「いやー、我々を生み出した方がどのような人かと思っていたら、随分と普通な方なのですね。いや、このような言い方は失礼でしたね。申し訳ありません」
次々とオレ達を取り囲むギルドの人達。
その格好は受付の制服を着た人物の他に、いかにも冒険者といった風貌の人もいれば、商人のような格好をした人物。他にも僧侶のような姿をした人など、実に様々な人達がいた。
オレは彼らに挨拶をしながら、とりあえず、先ほどの受付っぽい人に話を聞くことにした。
「それで早速なんだけど、ここは具体的にどんな場所になるかな?」
「はい。こちらは言ったとおり統合ギルドになります。一階は『冒険者組合』によるギルドで、二階が生産系を担当する『職人ギルド』。三階は魔術を研究する『魔術ギルド』。四階は『商人ギルド』。五階は『教会ギルド』とそのような形になっております」
なるほど。一階ごとに様々なギルドがあり、そこでは専門の知識、職を持つ者達が各々活動を行っている感じか。
うん、オレの予想した通り。
いや、予想以上の創造物だ。
説明をしてくれた受付嬢に礼を言い、オレはとりあえず一階を歩き回る。
そこには通路の先に無数の部屋があり、その内の一つを開けてみると、そこは酒場のような空間になっており、たくさんの椅子とテーブルにいかにも冒険者といった風貌の人達が何人かグループを作ってたむろしていた。
オレ達が中に入ると、酒を飲んでいた一人が気づき、挨拶をしてくれる。
「これは領主様! はじめまして!」
一人が挨拶をすると、そのほかのメンバー達も気づき、それぞれ立ち上がり、オレとケルちゃんに挨拶をする。
「ああ、ありがとう。気にせず、そのままにしていていいよ」
オレが楽にするように伝えると、彼らは椅子に座り、再びテーブルに置いてある料理や酒に手を出す。
オレは近くの椅子に座り、そこにいる冒険者グループの一人に話を聞く。
「君達は冒険者ギルドの一員なんだよね?」
「はい、そうですね。といっても我々はついさっき出来上がったばかりで、まだ誰も冒険らしい冒険はしていませんが」
と照れるように答えてくれる。
うん、確かにそりゃそうだ。
「一つ聞きたいんだけど、冒険者グループは何人くらいいるのかな? あと全員のレベルとかも分かる?」
「うーん、そうですねぇ。大体三人から六人のグループが、こうした部屋に三、四組くらいいる感じでしょうか。部屋の数はおよそ五十ほど。中には会議用の部屋や、訓練室、寝泊り用、倉庫などもありますので実際の部屋はその倍以上はあります。それとレベルに関しては今のところ、どのグループもほとんど同じくらいです。街の一般人よりは少し上程度。これは他のフロアのギルド員達も同じです。職人ギルドも魔術ギルドもまだ出来上がったばかりでそのメンバーも今、試行錯誤で色々試していると思います。オレ達も同じような感じでこれから近くの森の探索に行こうかと思っています」
「なるほど、やっぱりそんな感じか」
青年の答えに納得する。
確かに出来上がったばかりではまだ練度の高いグループなどはないだろう。
だが、これで地盤は固まったと言える。
オレは彼らに挨拶をした後、受付嬢に挨拶をして、このギルド館を出て行く。
残り通貨:12398円
【創造物】
豪邸×1
村×1
野菜畑×1
りんごの樹×1
魚達がいる川×1
動物達の森×1
聖剣×1
ケルベロス×1
執事×1
メイド×9
塔×6
村人×50
牧場×1
稲作×1
街×1
ギルド館×1
「ギルド……」
オレが告げた単語にケルちゃんは一瞬驚いたように息を呑む。
「ギルド……というと、あれですよね? 冒険者とかが集まる酒場? みたいなものですよね」
「ああ、まあ、そんな認識でいいぜ」
ギルド。
それはファンタジー好きの人間ならば、当然知っているであろう単語。
主に冒険者達を雇い、まとめる施設の通称。
とは言え、このギルドには様々な意味合いが込められており、何も冒険者だけでなく、商人や手工業者など様々な職人の組合を意味している。
そして、これからオレが作るのはそうした様々な職人によって組織されるギルドのことだ。
「とりあえずは十円を使って、そいつを作る」
「じ、十円も使うんですか!?」
「ああ。むしろ、こいつには十円を使って創生するだけの価値がある」
慌てるケルちゃんであったが、オレは断言する。
間違いなく、このギルドこそがオレが作る街の柱となる。
ケルちゃんもオレの断言に納得したのか、静かに頷く。
よし、それじゃあ、作るか。
オレは十円玉を握り締め、それを街の中心へと投げる。
すると、そこに高さ十階ほどになる巨大な建物が姿を現す。
横幅もローマの闘技場並みに巨大なものとなり、この中に一万を越す人間が住んでもおかしくないほどの巨大建造物が出来上がる。
感嘆の声を上げるオレとケルちゃんであったが、早速中に入る。すると、
「いらっしゃいませー。ようこそ、統合ギルドへ」
「これは……」
そこには巨大なホールが広がり、目の前には様々な人が行き交いし、カウンターには受付と思われる女性が立っていた。
呆然とするオレ達であったが、受付や歩き回る人達がオレ達を見ると、すぐに近づいてくる。
「あなたは領主様ですね!」
「あ、はい。そうなりますかね……」
「わざわざこのギルドにお越しいただき、感激です! まずは私達を生み出していただき、ありがとうございます!」
「いやいや、それほどのことでも……」
「いやー、我々を生み出した方がどのような人かと思っていたら、随分と普通な方なのですね。いや、このような言い方は失礼でしたね。申し訳ありません」
次々とオレ達を取り囲むギルドの人達。
その格好は受付の制服を着た人物の他に、いかにも冒険者といった風貌の人もいれば、商人のような格好をした人物。他にも僧侶のような姿をした人など、実に様々な人達がいた。
オレは彼らに挨拶をしながら、とりあえず、先ほどの受付っぽい人に話を聞くことにした。
「それで早速なんだけど、ここは具体的にどんな場所になるかな?」
「はい。こちらは言ったとおり統合ギルドになります。一階は『冒険者組合』によるギルドで、二階が生産系を担当する『職人ギルド』。三階は魔術を研究する『魔術ギルド』。四階は『商人ギルド』。五階は『教会ギルド』とそのような形になっております」
なるほど。一階ごとに様々なギルドがあり、そこでは専門の知識、職を持つ者達が各々活動を行っている感じか。
うん、オレの予想した通り。
いや、予想以上の創造物だ。
説明をしてくれた受付嬢に礼を言い、オレはとりあえず一階を歩き回る。
そこには通路の先に無数の部屋があり、その内の一つを開けてみると、そこは酒場のような空間になっており、たくさんの椅子とテーブルにいかにも冒険者といった風貌の人達が何人かグループを作ってたむろしていた。
オレ達が中に入ると、酒を飲んでいた一人が気づき、挨拶をしてくれる。
「これは領主様! はじめまして!」
一人が挨拶をすると、そのほかのメンバー達も気づき、それぞれ立ち上がり、オレとケルちゃんに挨拶をする。
「ああ、ありがとう。気にせず、そのままにしていていいよ」
オレが楽にするように伝えると、彼らは椅子に座り、再びテーブルに置いてある料理や酒に手を出す。
オレは近くの椅子に座り、そこにいる冒険者グループの一人に話を聞く。
「君達は冒険者ギルドの一員なんだよね?」
「はい、そうですね。といっても我々はついさっき出来上がったばかりで、まだ誰も冒険らしい冒険はしていませんが」
と照れるように答えてくれる。
うん、確かにそりゃそうだ。
「一つ聞きたいんだけど、冒険者グループは何人くらいいるのかな? あと全員のレベルとかも分かる?」
「うーん、そうですねぇ。大体三人から六人のグループが、こうした部屋に三、四組くらいいる感じでしょうか。部屋の数はおよそ五十ほど。中には会議用の部屋や、訓練室、寝泊り用、倉庫などもありますので実際の部屋はその倍以上はあります。それとレベルに関しては今のところ、どのグループもほとんど同じくらいです。街の一般人よりは少し上程度。これは他のフロアのギルド員達も同じです。職人ギルドも魔術ギルドもまだ出来上がったばかりでそのメンバーも今、試行錯誤で色々試していると思います。オレ達も同じような感じでこれから近くの森の探索に行こうかと思っています」
「なるほど、やっぱりそんな感じか」
青年の答えに納得する。
確かに出来上がったばかりではまだ練度の高いグループなどはないだろう。
だが、これで地盤は固まったと言える。
オレは彼らに挨拶をした後、受付嬢に挨拶をして、このギルド館を出て行く。
残り通貨:12398円
【創造物】
豪邸×1
村×1
野菜畑×1
りんごの樹×1
魚達がいる川×1
動物達の森×1
聖剣×1
ケルベロス×1
執事×1
メイド×9
塔×6
村人×50
牧場×1
稲作×1
街×1
ギルド館×1
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