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第28話 街を比べよう④
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「ダンジョンを、作ったのですか!?」
「ほお」
オレの発言にセバスは驚き、神様は何かを思案するように興味深い視線を向ける。
「ああ。セバスの言った通り、このギルドの要はなんと言っても『冒険者ギルド』だ。冒険者が持ち帰った報酬、戦果、戦利品。そうした成果を得た他のギルドはそれを活かし、次なる成果のために循環していく。だから、冒険者ギルドが一番活躍できる場、『ダンジョン』を百円の内、七十円を使って製作した」
「七十円を使ったダンジョンですか!?」
オレの宣言に驚くセバス。
それも当然であり、街や住民、あるいはその施設に使用するのではなく、街の外に七割の通貨を使用したのだ。
街を発展させるという発想からはむしろ真逆の行為だろう。しかし、
「まあ、口で説明するよりも見せたほうが早いか。ついて来てくれ」
そう言ってオレはセバス達を連れて、ギルド館を出て街から離れていく。
◇ ◇ ◇
「これがオレの作ったダンジョンだ」
「これが……」
そこは巨大な崖に出来た小さな穴。
この穴の向こう側に広がるのがオレが作ったダンジョンである。
「名前は『試練の迷宮』。まあ、名前は適当だけど」
そう言って笑うオレであったが、とりあえずは中を紹介するべくオレはそのままセバス達を連れて穴の中に入る。
「これは……中は意外に広いのですね。それにしっかりとした作りで明かりもあるとは」
中に入るとそこは意外にも通路がしっかりと作られた迷宮であり、壁には等間隔で明かりもある。
まあ、一応人が探索しやすいようにイメージして作ったので、そのあたりはしっかりしているつもりだ。
しばらく歩くと道が交差しており、オレは適当に右に曲がり、その先の角に当たる。
が、そこには目的のものがキチンと置いてあった。
「宝箱……」
そう、そこにはダンジョンには必ずお墨付きの宝箱があった。
オレはケルちゃんに頼んで宝箱を調べてもらい、中のものを取り出してもらう。
「ご主人様。中にあったのはポーションです」
「そっか。まあ、一階層だし、そんなものか」
オレはケルちゃんから受け取ったポーションをそのままセバスに渡す。
それを見たセバスは驚いたように声を上げる。
「これは……マジックアイテムですか。飲むと傷を癒し体力を回復させる。驚きましたね。これを作るには通常は魔術師が様々な材料を揃えて、一週間で作る代物のはず。事実、私の街でもポーションをいくつか作るのに成功しましたが、そのようなものがここに普通に落ちてるとは……」
「それがダンジョンの醍醐味だろう」
驚くセバスにオレは笑いかける。
そう、これこそオレが作りたかったもの。
ただギルドを作っただけでは内輪だけの製作になってします。それはギルド館にいる様々なギルドにしても、互いの技術を共有し合ったとして限界がある。
ならば、外からの刺激。むしろ、外から手に入るものを受け取り、それに刺激を受けて、新たなものを生み出す。
それにはまさにダンジョンがうってつけ。
「ちなみにダンジョン内の宝箱はしばらくするとまた自動的にどこかに現れる。内容もその時によってランダムに生成される。勿論、階層が深いほどレアなアイテムが生成される」
「……なるほど」
オレの説明にセバスも納得したように頷く。
どうやら、セバスもオレの狙いに気づいたようだ。
こうしたマジックアイテムやレアなアイテムがダンジョンでは取り放題。しかも、一度取ったとしても、再び新しい宝箱が生成されるために挑戦は一度だけに終わらない。
何度でも楽しめるよう、かつ新たなアイテム。刺激となる戦利品を冒険者達は持ち帰り放題。
そして、そうした冒険者達が持ち帰った貴重品、マジックアイテムなどを他のギルドが共有し、解析し、それをヒントに新たな物を生み出したり、それをさらに強化したりする。
無論、ダンジョンの醍醐味はそれだけではない。
「! ご主人様。出ました!」
ケルちゃんの声に反応し、来た道を振り返るとそこにはプヨプヨと動くボールのような生き物がいた。
「プルプルー!」
サッカーボールほどはあるそいつらは意思を持っているのか、奇妙な声を発するとオレ達と距離を取り、近くにいたケルちゃんに飛びかかる。
が、ケルちゃんは瞬時にそのボールの攻撃を避けると、そのまま体をひねってボールに蹴りをお見舞いする。
「はあッ!」
ケルちゃんの渾身の蹴りを受けボールはそのまま壁に激突し、哀れ四散。
それを見て他のボール達も戦意を喪失したのか「プルルー!」と奇妙な声を上げて逃げていく。
「ふぅ……」
「主様、今のは……?」
「ああ、見ての通り、魔物だな」
そう、ダンジョンと言えば魔物。
ただ宝を取るためだけの場所であるなら、わざわざ冒険者の必要はない。
そこには宝を守るための障害物、魔物が潜んでいて当然。
むしろ、こうした魔物達を倒しながら、奥深くを目指すのがダンジョンの醍醐味である。
とは言え、オレもあまり危険になりすぎないよう注意を払い、このダンジョンを製作している。
「魔物についてはダンジョンを作る際に特に気をつけた。勿論、第一階層の魔物はそれほど強くなく、一般人でも対処できるやつが多い。それに魔物の多くはダンジョンに入ってきた人間を殺さないように指令を与えている。あくまでも気絶程度。で、戦闘不能となった人物はその瞬間、ダンジョンの入口まで転移するっていう仕掛け付きだ」
「なるほど。それは考えましたね」
そう、これならば比較的安全に冒険者達もダンジョンの攻略に挑める。
とは言え、あまりヌルゲーになりすぎないよう。ダンジョン内で気絶、戦闘不能となった場合、それまでダンジョンで手に入れたアイテムは自動的にロストする仕掛けも入れておいた。
ここらへんの機能が結構厄介だったために、製作には七十円必要だった。
まあ、ほかにも魔物や宝箱が一定時間経ったら自動的に復活するシステムなども入っているため、通貨相応の施設とも言える。
「それから魔物もただの障害物じゃなく、それ自体にも価値がある」
そう言ってオレは先ほどケルちゃんが倒したスライムに近づくと、そこには死体の代わりにビンに入った緑の液体があった。
「あったあった。こいつは『スライムの液体』。まあ、見ての通りの代物でこれ自体だと何の価値もないただのゼリーなんだけど、実はこいつはマジックアイテムの材料に使えて、魔術ギルドや生産ギルドにとっては立派な資源なんだ」
「なるほど、そういうことですか」
オレの説明にセバスも納得したのか大きく頷く。
そう、このダンジョンはそれ自体が天然の資源山であり、宝の山である。
冒険者達がこのダンジョンを攻略し、そこから得られた成果、報酬は全てギルド館へと還元され、そこから全ギルドが新たな物を生み出す。
街、人、ギルド、ダンジョン。この四つ全てが噛み合い、結果オレの街は新しい発展を遂げた。
オレがセバス達にそう説明し終えると、ダンジョンの奥から数人の人影が現れる。
「おや、誰かと思ったら領主様じゃないですか」
「お! クラトス!」
そこに現れたのはオレが生み出した冒険者ギルドの中でも精鋭とされる“暁の剣”のクラトス達であった。
彼らはオレ達と共にいるセバス、ガーネット、神様達を見ると、珍しそうな顔をする。
「あれ、そちらの方達は新しい冒険者ですか?」
「いや、彼らはオレの執事とメイド。一人違う人もいるけれど、オレの知り合いだ」
「ほっほっほっ、そういうことじゃ」
「なるほど。なんにしてもちょうど良かったですよ。今回の成果、よければ見てください」
そう言ってクラトスが開けた袋の中にはたくさんの金銀財宝は勿論、見たことのないマジックアイテムや魔物の素材がたくさん詰まっていた。
「おお、これすごい角だな。何の魔物のやつだ?」
「ミノタウロスですよ。あいつから採れる角はどんな武器や防具に加工しても一級品のマジックアイテムになりますよ」
「それからこっちはゴーレムを生み出す杖です。といっても一メートルほどの土くれを生み出すだけですけど、こいつは魔術ギルドの連中に渡せば、一ヶ月後にはすごい杖になってますよ」
「確かに。こりゃ楽しみだ」
クラトス達が持ち帰った成果を一通り見た後、オレ達は彼らと別れ、このダンジョンから脱出するのであった。
「ほお」
オレの発言にセバスは驚き、神様は何かを思案するように興味深い視線を向ける。
「ああ。セバスの言った通り、このギルドの要はなんと言っても『冒険者ギルド』だ。冒険者が持ち帰った報酬、戦果、戦利品。そうした成果を得た他のギルドはそれを活かし、次なる成果のために循環していく。だから、冒険者ギルドが一番活躍できる場、『ダンジョン』を百円の内、七十円を使って製作した」
「七十円を使ったダンジョンですか!?」
オレの宣言に驚くセバス。
それも当然であり、街や住民、あるいはその施設に使用するのではなく、街の外に七割の通貨を使用したのだ。
街を発展させるという発想からはむしろ真逆の行為だろう。しかし、
「まあ、口で説明するよりも見せたほうが早いか。ついて来てくれ」
そう言ってオレはセバス達を連れて、ギルド館を出て街から離れていく。
◇ ◇ ◇
「これがオレの作ったダンジョンだ」
「これが……」
そこは巨大な崖に出来た小さな穴。
この穴の向こう側に広がるのがオレが作ったダンジョンである。
「名前は『試練の迷宮』。まあ、名前は適当だけど」
そう言って笑うオレであったが、とりあえずは中を紹介するべくオレはそのままセバス達を連れて穴の中に入る。
「これは……中は意外に広いのですね。それにしっかりとした作りで明かりもあるとは」
中に入るとそこは意外にも通路がしっかりと作られた迷宮であり、壁には等間隔で明かりもある。
まあ、一応人が探索しやすいようにイメージして作ったので、そのあたりはしっかりしているつもりだ。
しばらく歩くと道が交差しており、オレは適当に右に曲がり、その先の角に当たる。
が、そこには目的のものがキチンと置いてあった。
「宝箱……」
そう、そこにはダンジョンには必ずお墨付きの宝箱があった。
オレはケルちゃんに頼んで宝箱を調べてもらい、中のものを取り出してもらう。
「ご主人様。中にあったのはポーションです」
「そっか。まあ、一階層だし、そんなものか」
オレはケルちゃんから受け取ったポーションをそのままセバスに渡す。
それを見たセバスは驚いたように声を上げる。
「これは……マジックアイテムですか。飲むと傷を癒し体力を回復させる。驚きましたね。これを作るには通常は魔術師が様々な材料を揃えて、一週間で作る代物のはず。事実、私の街でもポーションをいくつか作るのに成功しましたが、そのようなものがここに普通に落ちてるとは……」
「それがダンジョンの醍醐味だろう」
驚くセバスにオレは笑いかける。
そう、これこそオレが作りたかったもの。
ただギルドを作っただけでは内輪だけの製作になってします。それはギルド館にいる様々なギルドにしても、互いの技術を共有し合ったとして限界がある。
ならば、外からの刺激。むしろ、外から手に入るものを受け取り、それに刺激を受けて、新たなものを生み出す。
それにはまさにダンジョンがうってつけ。
「ちなみにダンジョン内の宝箱はしばらくするとまた自動的にどこかに現れる。内容もその時によってランダムに生成される。勿論、階層が深いほどレアなアイテムが生成される」
「……なるほど」
オレの説明にセバスも納得したように頷く。
どうやら、セバスもオレの狙いに気づいたようだ。
こうしたマジックアイテムやレアなアイテムがダンジョンでは取り放題。しかも、一度取ったとしても、再び新しい宝箱が生成されるために挑戦は一度だけに終わらない。
何度でも楽しめるよう、かつ新たなアイテム。刺激となる戦利品を冒険者達は持ち帰り放題。
そして、そうした冒険者達が持ち帰った貴重品、マジックアイテムなどを他のギルドが共有し、解析し、それをヒントに新たな物を生み出したり、それをさらに強化したりする。
無論、ダンジョンの醍醐味はそれだけではない。
「! ご主人様。出ました!」
ケルちゃんの声に反応し、来た道を振り返るとそこにはプヨプヨと動くボールのような生き物がいた。
「プルプルー!」
サッカーボールほどはあるそいつらは意思を持っているのか、奇妙な声を発するとオレ達と距離を取り、近くにいたケルちゃんに飛びかかる。
が、ケルちゃんは瞬時にそのボールの攻撃を避けると、そのまま体をひねってボールに蹴りをお見舞いする。
「はあッ!」
ケルちゃんの渾身の蹴りを受けボールはそのまま壁に激突し、哀れ四散。
それを見て他のボール達も戦意を喪失したのか「プルルー!」と奇妙な声を上げて逃げていく。
「ふぅ……」
「主様、今のは……?」
「ああ、見ての通り、魔物だな」
そう、ダンジョンと言えば魔物。
ただ宝を取るためだけの場所であるなら、わざわざ冒険者の必要はない。
そこには宝を守るための障害物、魔物が潜んでいて当然。
むしろ、こうした魔物達を倒しながら、奥深くを目指すのがダンジョンの醍醐味である。
とは言え、オレもあまり危険になりすぎないよう注意を払い、このダンジョンを製作している。
「魔物についてはダンジョンを作る際に特に気をつけた。勿論、第一階層の魔物はそれほど強くなく、一般人でも対処できるやつが多い。それに魔物の多くはダンジョンに入ってきた人間を殺さないように指令を与えている。あくまでも気絶程度。で、戦闘不能となった人物はその瞬間、ダンジョンの入口まで転移するっていう仕掛け付きだ」
「なるほど。それは考えましたね」
そう、これならば比較的安全に冒険者達もダンジョンの攻略に挑める。
とは言え、あまりヌルゲーになりすぎないよう。ダンジョン内で気絶、戦闘不能となった場合、それまでダンジョンで手に入れたアイテムは自動的にロストする仕掛けも入れておいた。
ここらへんの機能が結構厄介だったために、製作には七十円必要だった。
まあ、ほかにも魔物や宝箱が一定時間経ったら自動的に復活するシステムなども入っているため、通貨相応の施設とも言える。
「それから魔物もただの障害物じゃなく、それ自体にも価値がある」
そう言ってオレは先ほどケルちゃんが倒したスライムに近づくと、そこには死体の代わりにビンに入った緑の液体があった。
「あったあった。こいつは『スライムの液体』。まあ、見ての通りの代物でこれ自体だと何の価値もないただのゼリーなんだけど、実はこいつはマジックアイテムの材料に使えて、魔術ギルドや生産ギルドにとっては立派な資源なんだ」
「なるほど、そういうことですか」
オレの説明にセバスも納得したのか大きく頷く。
そう、このダンジョンはそれ自体が天然の資源山であり、宝の山である。
冒険者達がこのダンジョンを攻略し、そこから得られた成果、報酬は全てギルド館へと還元され、そこから全ギルドが新たな物を生み出す。
街、人、ギルド、ダンジョン。この四つ全てが噛み合い、結果オレの街は新しい発展を遂げた。
オレがセバス達にそう説明し終えると、ダンジョンの奥から数人の人影が現れる。
「おや、誰かと思ったら領主様じゃないですか」
「お! クラトス!」
そこに現れたのはオレが生み出した冒険者ギルドの中でも精鋭とされる“暁の剣”のクラトス達であった。
彼らはオレ達と共にいるセバス、ガーネット、神様達を見ると、珍しそうな顔をする。
「あれ、そちらの方達は新しい冒険者ですか?」
「いや、彼らはオレの執事とメイド。一人違う人もいるけれど、オレの知り合いだ」
「ほっほっほっ、そういうことじゃ」
「なるほど。なんにしてもちょうど良かったですよ。今回の成果、よければ見てください」
そう言ってクラトスが開けた袋の中にはたくさんの金銀財宝は勿論、見たことのないマジックアイテムや魔物の素材がたくさん詰まっていた。
「おお、これすごい角だな。何の魔物のやつだ?」
「ミノタウロスですよ。あいつから採れる角はどんな武器や防具に加工しても一級品のマジックアイテムになりますよ」
「それからこっちはゴーレムを生み出す杖です。といっても一メートルほどの土くれを生み出すだけですけど、こいつは魔術ギルドの連中に渡せば、一ヶ月後にはすごい杖になってますよ」
「確かに。こりゃ楽しみだ」
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