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こうちゃんとの日々 2
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なんでここにいるのか、その服装はなんなのか、私に話しかけた理由はなんなのか、色々な疑問が思い浮かぶ。
「ど、どうしたの?」
「え?」
全ての言葉を省略してそれだけ言ってしまった。
さすがにこれでは意味がわかるまい。
私がきちんと説明しようと考えていると、こうちゃんの方が先に口を開いた。
「今ちょうど部活から帰ってきたところだったんだけど、家に誰もいないのに家の鍵忘れちゃって……
時間潰すためにウロウロしてたらことねっぽい人がいるなって」
なるほど。
私はようやくこうちゃんの状況を理解することが出来た。
そして何よりも私のことを覚えていてくれて、私だと思って声をかけてくれたことが嬉しかった。
「じゃあさ、うちくる?」
少し大胆なことを言ってしまったかな。
こうちゃんが少し驚いている気がする。
でもこれ以外にこうちゃんともう少し一緒にいれる方法がない気がしたから……
なんて意味もなく自分自身に言い訳をした。
「いいの?」
「今お母さんいなくて、でも連絡入れておくから大丈夫だよ」
そう言うとこうちゃんが笑顔になり、喜んでくれた。
お母さんには「友達が鍵忘れちゃったみたいで少しの間だけ家にあげるね」と連絡をした。
仕事中なので返事は期待していない。
私はすぐに携帯をしまった。
「おじゃましまーす」
こうちゃんが靴を綺麗に揃えて部屋に入った。
ここは週に1度しかこないお母さんの家なのに、まるで自分の部屋に招き入れたような気になり、緊張してきた。
本当に自分の部屋に招き入れる時は事前に掃除するんだろうな。
おじいちゃんおばあちゃんの家にある自分の部屋を思い浮かべながらそう考えた。
「あれ、これ学校の宿題?」
「え? あ……」
しまった。
学校の宿題を机の上に広げたまま公園に行ってしまい、その事をすっかり忘れていた。
こうちゃんが近くによって私の宿題を見ている。
間違ってるところとか、字が汚いとか、大丈夫かな。
「やっぱ学校は違ってもやってる範囲は同じなんだな」
「そうなの?」
「そうだよ」
そんなこと言われたらこれから授業を受ける度、この単元こうちゃんもやってるのかなとか考えてしまいそうだ。
「でも俺の方がちょっとだけ進んでるかも。
よかったら一緒にこの宿題やらない?
他にやることもないしさ」
私の宿題を、一緒に?
「いいの?」
「もちろん。ちゃっちゃと終わらせようぜ」
こうちゃんが張り切って宿題の前に座る。
なんか昔も今もこうちゃんに助けられてるなぁ……
私もこうちゃんの隣に座り、2人で宿題を始めた。
思っていたよりもこうちゃんの教え方が上手く、1人でやった時とは比べ物にならないスピードで宿題が進んだ。
もちろんこうちゃんが頭悪いとは思っていなかったけど、まさかそんなに頭良かったとは。
運動もできて勉強もできるなんて……いいなぁ。
運動が人並み以下で勉強はそこそこな私には少し羨ましかった。
その後は黙々と2人で宿題を進めた。
1時間ほどで私の宿題も無事に終わり、こうちゃんもそろそろお母さんが帰ってくる頃だと言うのでここまでだ。
せっかく久々にこうちゃんに会えたというのに。
もっと長く一緒にいたいという願いは届かないものなのか。
とはいえ、こうちゃんにまだ一緒にいようと言える勇気もないので仕方ない。
「じゃあ、またね」
私はこうちゃんをマンションの出口まで送った。
「ああ、また」
こうちゃんが軽く手を振ってから背を向けて歩き出す。
私はこうちゃんが見えなくなるまで見送ったが、こうちゃんは1度も振り返ることはなかった。
それからしばらくしてお母さんが帰ってきたが、こうちゃんを家に入れたことについて、特に聞かれることは無かった。
次の日には何事もなく元の家に戻った。
「ど、どうしたの?」
「え?」
全ての言葉を省略してそれだけ言ってしまった。
さすがにこれでは意味がわかるまい。
私がきちんと説明しようと考えていると、こうちゃんの方が先に口を開いた。
「今ちょうど部活から帰ってきたところだったんだけど、家に誰もいないのに家の鍵忘れちゃって……
時間潰すためにウロウロしてたらことねっぽい人がいるなって」
なるほど。
私はようやくこうちゃんの状況を理解することが出来た。
そして何よりも私のことを覚えていてくれて、私だと思って声をかけてくれたことが嬉しかった。
「じゃあさ、うちくる?」
少し大胆なことを言ってしまったかな。
こうちゃんが少し驚いている気がする。
でもこれ以外にこうちゃんともう少し一緒にいれる方法がない気がしたから……
なんて意味もなく自分自身に言い訳をした。
「いいの?」
「今お母さんいなくて、でも連絡入れておくから大丈夫だよ」
そう言うとこうちゃんが笑顔になり、喜んでくれた。
お母さんには「友達が鍵忘れちゃったみたいで少しの間だけ家にあげるね」と連絡をした。
仕事中なので返事は期待していない。
私はすぐに携帯をしまった。
「おじゃましまーす」
こうちゃんが靴を綺麗に揃えて部屋に入った。
ここは週に1度しかこないお母さんの家なのに、まるで自分の部屋に招き入れたような気になり、緊張してきた。
本当に自分の部屋に招き入れる時は事前に掃除するんだろうな。
おじいちゃんおばあちゃんの家にある自分の部屋を思い浮かべながらそう考えた。
「あれ、これ学校の宿題?」
「え? あ……」
しまった。
学校の宿題を机の上に広げたまま公園に行ってしまい、その事をすっかり忘れていた。
こうちゃんが近くによって私の宿題を見ている。
間違ってるところとか、字が汚いとか、大丈夫かな。
「やっぱ学校は違ってもやってる範囲は同じなんだな」
「そうなの?」
「そうだよ」
そんなこと言われたらこれから授業を受ける度、この単元こうちゃんもやってるのかなとか考えてしまいそうだ。
「でも俺の方がちょっとだけ進んでるかも。
よかったら一緒にこの宿題やらない?
他にやることもないしさ」
私の宿題を、一緒に?
「いいの?」
「もちろん。ちゃっちゃと終わらせようぜ」
こうちゃんが張り切って宿題の前に座る。
なんか昔も今もこうちゃんに助けられてるなぁ……
私もこうちゃんの隣に座り、2人で宿題を始めた。
思っていたよりもこうちゃんの教え方が上手く、1人でやった時とは比べ物にならないスピードで宿題が進んだ。
もちろんこうちゃんが頭悪いとは思っていなかったけど、まさかそんなに頭良かったとは。
運動もできて勉強もできるなんて……いいなぁ。
運動が人並み以下で勉強はそこそこな私には少し羨ましかった。
その後は黙々と2人で宿題を進めた。
1時間ほどで私の宿題も無事に終わり、こうちゃんもそろそろお母さんが帰ってくる頃だと言うのでここまでだ。
せっかく久々にこうちゃんに会えたというのに。
もっと長く一緒にいたいという願いは届かないものなのか。
とはいえ、こうちゃんにまだ一緒にいようと言える勇気もないので仕方ない。
「じゃあ、またね」
私はこうちゃんをマンションの出口まで送った。
「ああ、また」
こうちゃんが軽く手を振ってから背を向けて歩き出す。
私はこうちゃんが見えなくなるまで見送ったが、こうちゃんは1度も振り返ることはなかった。
それからしばらくしてお母さんが帰ってきたが、こうちゃんを家に入れたことについて、特に聞かれることは無かった。
次の日には何事もなく元の家に戻った。
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