黄昏時にピーッちゃんがやってきた

海さとる

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黄昏時にピーッちゃんがやってきた(24)

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 真理子ちゃんのパパはとても有能です。なんせベトナムの大学からの是非とのオファーがあるくらいですから、東大でも力があるみたいです。
なんせ、あっという間に、隆君の復学の事務手続きがおわり、隆くんは晴れて東大の学生にもどることができました。
 役者の夢も、卒業時にまたかんがえるとのことです。今は卒業することだけ。
水穂もそれでなっとくしました。
 真理子ちゃんのパパは、

「うちの家内はここの長女の寛実さんにやっかいになっているし、娘の真理子は、登喜子さんのご家族全員に世話になっている。私が出来るだけのことをするのは当然の事です」

「ああ、なんて、心の広い方なのかしら、うちの夫とはおおちがいだわ」

夫は聞こえているのか、いないのか、ピーッちゃんを右肩から左肩に移動させたりしてあそんでいる。真理子ちゃんもてつだっておおよろこびだ。

 真理子ちゃんのパパの出現で登喜子はこの世の春のように、毎日があかるくなってきました。
 でも問題がすべて解決したわけではありません。水穂の結婚が延期のままなのです。4か月にはいった水穂のお腹はそろそろおおきくなりそうです。

登喜子は真理子ちゃんのパパにいいました。

「もしよかったら、真理子ちゃんは、奥さまが退院してすっかり元気になるまでうちで預かり、面倒をみます。そして、御主人様も日本にいる間はどうぞ、うちから大学にかよってください。真理子ちゃんもアッチコッチと移動すると、幼い心が落ち着きませんから。」

「それはありがたい。願ったりかなったりです。どうぞよろしくお願いいたします。」

古いながらも大きいだけが取り柄の登喜子の家だ。
部屋数はたくさんある。このぶんだと、真理子ちゃんのママが退院してきてもしばらくはゆっくり静養させてあげられそうだ

 登喜子は夫の両親もずっとこの家で世話をしてきて、最後は看取ってあげた。
うるさい夫の兄弟姉妹たちは、親から大枚出してもらい贅沢をしてきたくせに、いざとなると誰も同居をしてくれなかった。
 そこで、登喜子がスッと手を上げると、夫の両親は大喜びで田舎の家を処分して、この大きな家をたてて同居となったのである。

当時は大きすぎて、誰か下宿人でもとおもっていたが、こうドンドン娘たちの関係者が泊まるようになると、この家でよかったと本当におもう。
 そして、こんなに大きな家をのこしてくれた、夫の両親にだい感謝なのである。
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