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第4章 対 策
9. 二人を隔てるもの
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イルーシャ王女が気になっていたラルティスは、王都からの帰りの宿泊所として、実家のカルヴァン城へ寄った。
ただ、そうと決めてから少し気持ちが乱れているのを、無視することはできなかった。その原因についても認め始めていた。
今、自身の精神面や感情を最も支配しているのは、やはり無念にもまともに戦えないまま殺されていった隊員たちのことだが、その合間に、彼女のことがふと頭に浮かぶ。自分は、彼女のことがただ気になるだけでなく、ひょっとして好きになってしまったのかと。
しかし、そうだとしても、どうにもならないことだ・・・と割り切った。歳の差は十歳はあるだろうし、だいいち仮にも、彼女は敵国の王女だ。今後の彼女の身の振り方についても、問題が山ほどある。そんな時に、身勝手な恋愛感情を抱くなど・・・。ラルティスはそう自身を戒め、それ以上は考えないようにしていた。なんとも複雑な気持ちだった。
ラルティスは気を引き締めて、イルーシャ王女の部屋の前に立った。義姉さんから今はここにいると聞いた時、出て来るまで待っていようかと悩んだものの、そんな気の小さい自分が情けなくなり、思いきって会いに来た。
ここは、何年も前に嫁いでいった長女アヴェレーゼの部屋だ。上品な配色の内装に、衣装棚やドレッサー、年頃の女性に必要そうなものはだいたいそろっているまま、残されている。日当たりのよい角部屋で、南の吐き出し窓と、西の連窓につけられた薄紅色のカーテンが、今はタッセルで端に止めてある。柔らかい陽射しが部屋に射し込んで、室内を明るくしていた。
その中にいても、窓から見える澄みわたった秋空を眺めていても、イルーシャは物想いに沈んだ。こうして部屋に一人きりになると、大きな不安に襲われて、どうしようもなく悲しくなった。
この戦争の勝敗に関わらず、どういう形であれ、自分はきっと帰らされる。その場合、今の自分にとっては、この国が勝利する方がいいのかもしれない。
もしお父様が勝ったら・・・死のう。
そんなことを、イルーシャは真剣に考えるようになってしまったから。その度に目に涙がにじんだ。そして、痛切に彼に会いたくなる。彼は、見捨てはしないと、自分にとっていい方法を探すと言ってくれた。
けれども考えてみれば、彼でなければならない、ということはない。現に、彼の兄であるルファイアス騎士が、よく面倒を見てくれている。自分が帰ることになったら、その話し合いには彼(ルファイアス騎士)が出向いてくれ、きっと上手くいくだろう。お父様のもとへ戻った自分の身に、何が起こるかも知らないまま。
もし帰らされることになったら・・・やっぱり、死のう。どうやって・・・涙がわき出た。
ベッドに腰掛けているイルーシャは、両手に顔をうずめた。
と、そこへ。
ノックの音が響いて、イルーシャは、相手が名乗る前に「どうぞ。」と、涙をぬぐいながら返事をした。リディアか、彼女の使いで呼びに来た召使いだと思った。
すると、入ってきたのは男性だった。まず目に入ったのは、胸元がゆったり開いた黒シャツという気軽な服装。ラルドかしら。彼は腕の立つ戦士だが、ここでは兵士として暮らしていない。
それから顔を見て、驚きで息が止まった。
ラルティス総司令官!
そうと分かったとたん、イルーシャは混乱してちょっと腰を浮かした。それから、あとで恥ずかしくなるほど、あからさまに嬉しそうな顔になった。それで彼女は、サッとほてった顔に手をやった。それでも気持ちの混乱はおさまらず、きちんと立ち上がって迎えようとしたら失敗した。とにかく、あたふたと少し挙動不審になってしまった。
自分でドアを開けて入室したラルティスは、先に名乗るべきだったと反省し、彼女に手を差し伸べて、立ち上がるのを手助けした。そしてそのまま、ベッドにいる彼女を、壁際に寄せてあるソファーの方へさりげなく誘った。
二人はそこに並んで座った。
「ラルティス総司令官。」
ラルティスは苦笑いを浮かべ、「今更ですが、その呼び名は長いでしょう。よければ、ラルティスと。」
「では、私のこともイルーシャとそう呼んでください。」
それはちょっと・・・と思ったラルティスだが、考え直してうなずいた。彼女は、ここでは王女などと呼ばれたくはないだろうし、正体を知っている者たちも、それは禁句にしているはず。
「あの、今日はなぜ・・・。」
あなたのことが気になって。正直に答えればそうだが、彼は違う返事をした。
「王都からの帰りで、たまには親に顔を見せようと。わたしは、もう何年も南の基地にいて、この実家へは滅多に帰ってこないので。」
リディアの言葉が脳裏に浮かぶ。イルーシャは、彼の職務について全てを悟ったようにうなずいていた。それに、そうだ。そもそも、ここは彼の家なのだから、なんの不思議もない。
「ここの暮らしには慣れましたか。」
「ええ。皆さん、とても親切にしてくださるので。」
そのあとラルティスは、この町でどう過ごしたかをたずねた。
イルーシャは、リディアがいろいろと観光に連れて行ってくれること、それに彼女とどんな話をしたかを教えた。その会話の流れのままに、ラルティスはウィンダー王国の名所や特産物の話、それに兄弟のことや子供の頃の話をした。他愛ないことばかりを。
イルーシャの方は、彼の声をきちんと聞いてはいたが、ときどきその笑顔に見惚れて、うわの空になってしまうことも。
そしてある時、もう一時間はいるんじゃないかと気づいたラルティスは、窓の外を見ると慌てて言った。
「そろそろ行かないと。」
ぐっ・・・と腕をつかまれた。
ラルティスは彼女のその手を見下ろし、それから彼女の顔をうかがった。何か必死で、べそをかいたような顔をしている。今の行動は思わずしてしまったようだが、手はまだそのままだった。
「もう少し・・・お願いします。」
ラルティスは、返す言葉に迷った。そして、彼女は今どういう気持ちで哀願しているのだろう・・・と考えた。単に寂しさを紛らせたいだけか、それとも、一緒にいたいと思ってくれているのか。
すると、彼女が言った。
「あの・・・なんだか不安で・・・。」
イルーシャは胸が苦しくなり、つぶれてしまいそうだった。もう会えなくなる・・・そう思って。
そんな彼女を見つめていると、ラルティスはつい、確かめてみたくなった。己惚れたようなことを口にするのは抵抗がある・・・が、彼はそっときいてみた。
「私といると・・・安心できるのですか。」と。
「はい・・・とても。それに・・・。」
素直な声で、イルーシャは答えた。
まだ何か言いたそうにしていたし、気にもなったが、ラルティスは微笑んで言った。
「今夜、私はここに泊まります。あとで顔を見せるようにと、兄に呼ばれているだけですから。よければ、また来ます。」
ラルティスは、自分の腕から彼女の手を丁寧に下ろして、腰を上げた。
すると、イルーシャの瞳から涙が・・・。
「あ・・・ご、ごめんなさ・・・。」
ラルティスは驚いたが、この瞬間、何とも言えない感情と衝動が突き上げた。隣に座り直して手を伸ばし、彼女の肩を抱き寄せると、その滑らかな金色の髪を繰り返しなでた。それから、顔を近づけてキスをしていた。額でも頬でもなく、唇に。ほんの一瞬だった。いけない・・・と咄嗟に理性が働いて、すぐに顔を引き離したからだ。
「すみません・・・つい、出来心で。」
ラルティスは、まるで思春期の少年のようなっている自分が恥ずかしくなり、立ち去ろうとした。
ところが、彼女が胸に飛び込んできた。背中に両手を回してきて、まだ行かないで・・・というように。
「そんなこと・・・おっしゃらないでください。」
「イルーシャ・・・。」
ラルティスは戸惑った。そっと囁きかけると、イルーシャが頬を赤らめて、恥ずかしそうに顔を上げた。潤んだその瞳はとても綺麗で、か弱く、何より寂しそうに見えた。
ラルティスはたまらなくなり、両腕を回して彼女を抱きすくめた。彼女は何の抵抗もなく体を預けてくれる。視線がまた、どこか物欲しそうにしている唇にいく。胸が熱くなり、頭の中は情熱的に掻き乱された。一瞬のキスの感触がまだ残っていて、物足りない・・・と唇がうずく。もう一度、接吻したい、きちんと口を重ね合わせて。
ラルティスはまた、姫君の方へ少し屈んだ。
ああ・・・私は何を考えているんだ!
彼は急に、素っ気なく腕を解いた。そして、彼女の目を見た。気持ちの整理がつかないままに、ただ見つめ合った。言葉は何も出てこない。
だからせめて、傷つけないように、また取り繕うように、優しく彼女の頬に触れた。
イルーシャは、悲しそうに目を閉じた。たまっていた涙がこぼれて、彼のその手ににじんだ。そっと動いた彼の指が、その涙のあとを軽くなぞった。
ラルティスは無理に立ち上がった。一歩さがって、離れ辛そうに姫を見つめる。彼女の孤独な眼差しが胸に突き刺さる。それに耐えて彼は頭を下げると、ぎこちなく背中を向けた。
ただ、そうと決めてから少し気持ちが乱れているのを、無視することはできなかった。その原因についても認め始めていた。
今、自身の精神面や感情を最も支配しているのは、やはり無念にもまともに戦えないまま殺されていった隊員たちのことだが、その合間に、彼女のことがふと頭に浮かぶ。自分は、彼女のことがただ気になるだけでなく、ひょっとして好きになってしまったのかと。
しかし、そうだとしても、どうにもならないことだ・・・と割り切った。歳の差は十歳はあるだろうし、だいいち仮にも、彼女は敵国の王女だ。今後の彼女の身の振り方についても、問題が山ほどある。そんな時に、身勝手な恋愛感情を抱くなど・・・。ラルティスはそう自身を戒め、それ以上は考えないようにしていた。なんとも複雑な気持ちだった。
ラルティスは気を引き締めて、イルーシャ王女の部屋の前に立った。義姉さんから今はここにいると聞いた時、出て来るまで待っていようかと悩んだものの、そんな気の小さい自分が情けなくなり、思いきって会いに来た。
ここは、何年も前に嫁いでいった長女アヴェレーゼの部屋だ。上品な配色の内装に、衣装棚やドレッサー、年頃の女性に必要そうなものはだいたいそろっているまま、残されている。日当たりのよい角部屋で、南の吐き出し窓と、西の連窓につけられた薄紅色のカーテンが、今はタッセルで端に止めてある。柔らかい陽射しが部屋に射し込んで、室内を明るくしていた。
その中にいても、窓から見える澄みわたった秋空を眺めていても、イルーシャは物想いに沈んだ。こうして部屋に一人きりになると、大きな不安に襲われて、どうしようもなく悲しくなった。
この戦争の勝敗に関わらず、どういう形であれ、自分はきっと帰らされる。その場合、今の自分にとっては、この国が勝利する方がいいのかもしれない。
もしお父様が勝ったら・・・死のう。
そんなことを、イルーシャは真剣に考えるようになってしまったから。その度に目に涙がにじんだ。そして、痛切に彼に会いたくなる。彼は、見捨てはしないと、自分にとっていい方法を探すと言ってくれた。
けれども考えてみれば、彼でなければならない、ということはない。現に、彼の兄であるルファイアス騎士が、よく面倒を見てくれている。自分が帰ることになったら、その話し合いには彼(ルファイアス騎士)が出向いてくれ、きっと上手くいくだろう。お父様のもとへ戻った自分の身に、何が起こるかも知らないまま。
もし帰らされることになったら・・・やっぱり、死のう。どうやって・・・涙がわき出た。
ベッドに腰掛けているイルーシャは、両手に顔をうずめた。
と、そこへ。
ノックの音が響いて、イルーシャは、相手が名乗る前に「どうぞ。」と、涙をぬぐいながら返事をした。リディアか、彼女の使いで呼びに来た召使いだと思った。
すると、入ってきたのは男性だった。まず目に入ったのは、胸元がゆったり開いた黒シャツという気軽な服装。ラルドかしら。彼は腕の立つ戦士だが、ここでは兵士として暮らしていない。
それから顔を見て、驚きで息が止まった。
ラルティス総司令官!
そうと分かったとたん、イルーシャは混乱してちょっと腰を浮かした。それから、あとで恥ずかしくなるほど、あからさまに嬉しそうな顔になった。それで彼女は、サッとほてった顔に手をやった。それでも気持ちの混乱はおさまらず、きちんと立ち上がって迎えようとしたら失敗した。とにかく、あたふたと少し挙動不審になってしまった。
自分でドアを開けて入室したラルティスは、先に名乗るべきだったと反省し、彼女に手を差し伸べて、立ち上がるのを手助けした。そしてそのまま、ベッドにいる彼女を、壁際に寄せてあるソファーの方へさりげなく誘った。
二人はそこに並んで座った。
「ラルティス総司令官。」
ラルティスは苦笑いを浮かべ、「今更ですが、その呼び名は長いでしょう。よければ、ラルティスと。」
「では、私のこともイルーシャとそう呼んでください。」
それはちょっと・・・と思ったラルティスだが、考え直してうなずいた。彼女は、ここでは王女などと呼ばれたくはないだろうし、正体を知っている者たちも、それは禁句にしているはず。
「あの、今日はなぜ・・・。」
あなたのことが気になって。正直に答えればそうだが、彼は違う返事をした。
「王都からの帰りで、たまには親に顔を見せようと。わたしは、もう何年も南の基地にいて、この実家へは滅多に帰ってこないので。」
リディアの言葉が脳裏に浮かぶ。イルーシャは、彼の職務について全てを悟ったようにうなずいていた。それに、そうだ。そもそも、ここは彼の家なのだから、なんの不思議もない。
「ここの暮らしには慣れましたか。」
「ええ。皆さん、とても親切にしてくださるので。」
そのあとラルティスは、この町でどう過ごしたかをたずねた。
イルーシャは、リディアがいろいろと観光に連れて行ってくれること、それに彼女とどんな話をしたかを教えた。その会話の流れのままに、ラルティスはウィンダー王国の名所や特産物の話、それに兄弟のことや子供の頃の話をした。他愛ないことばかりを。
イルーシャの方は、彼の声をきちんと聞いてはいたが、ときどきその笑顔に見惚れて、うわの空になってしまうことも。
そしてある時、もう一時間はいるんじゃないかと気づいたラルティスは、窓の外を見ると慌てて言った。
「そろそろ行かないと。」
ぐっ・・・と腕をつかまれた。
ラルティスは彼女のその手を見下ろし、それから彼女の顔をうかがった。何か必死で、べそをかいたような顔をしている。今の行動は思わずしてしまったようだが、手はまだそのままだった。
「もう少し・・・お願いします。」
ラルティスは、返す言葉に迷った。そして、彼女は今どういう気持ちで哀願しているのだろう・・・と考えた。単に寂しさを紛らせたいだけか、それとも、一緒にいたいと思ってくれているのか。
すると、彼女が言った。
「あの・・・なんだか不安で・・・。」
イルーシャは胸が苦しくなり、つぶれてしまいそうだった。もう会えなくなる・・・そう思って。
そんな彼女を見つめていると、ラルティスはつい、確かめてみたくなった。己惚れたようなことを口にするのは抵抗がある・・・が、彼はそっときいてみた。
「私といると・・・安心できるのですか。」と。
「はい・・・とても。それに・・・。」
素直な声で、イルーシャは答えた。
まだ何か言いたそうにしていたし、気にもなったが、ラルティスは微笑んで言った。
「今夜、私はここに泊まります。あとで顔を見せるようにと、兄に呼ばれているだけですから。よければ、また来ます。」
ラルティスは、自分の腕から彼女の手を丁寧に下ろして、腰を上げた。
すると、イルーシャの瞳から涙が・・・。
「あ・・・ご、ごめんなさ・・・。」
ラルティスは驚いたが、この瞬間、何とも言えない感情と衝動が突き上げた。隣に座り直して手を伸ばし、彼女の肩を抱き寄せると、その滑らかな金色の髪を繰り返しなでた。それから、顔を近づけてキスをしていた。額でも頬でもなく、唇に。ほんの一瞬だった。いけない・・・と咄嗟に理性が働いて、すぐに顔を引き離したからだ。
「すみません・・・つい、出来心で。」
ラルティスは、まるで思春期の少年のようなっている自分が恥ずかしくなり、立ち去ろうとした。
ところが、彼女が胸に飛び込んできた。背中に両手を回してきて、まだ行かないで・・・というように。
「そんなこと・・・おっしゃらないでください。」
「イルーシャ・・・。」
ラルティスは戸惑った。そっと囁きかけると、イルーシャが頬を赤らめて、恥ずかしそうに顔を上げた。潤んだその瞳はとても綺麗で、か弱く、何より寂しそうに見えた。
ラルティスはたまらなくなり、両腕を回して彼女を抱きすくめた。彼女は何の抵抗もなく体を預けてくれる。視線がまた、どこか物欲しそうにしている唇にいく。胸が熱くなり、頭の中は情熱的に掻き乱された。一瞬のキスの感触がまだ残っていて、物足りない・・・と唇がうずく。もう一度、接吻したい、きちんと口を重ね合わせて。
ラルティスはまた、姫君の方へ少し屈んだ。
ああ・・・私は何を考えているんだ!
彼は急に、素っ気なく腕を解いた。そして、彼女の目を見た。気持ちの整理がつかないままに、ただ見つめ合った。言葉は何も出てこない。
だからせめて、傷つけないように、また取り繕うように、優しく彼女の頬に触れた。
イルーシャは、悲しそうに目を閉じた。たまっていた涙がこぼれて、彼のその手ににじんだ。そっと動いた彼の指が、その涙のあとを軽くなぞった。
ラルティスは無理に立ち上がった。一歩さがって、離れ辛そうに姫を見つめる。彼女の孤独な眼差しが胸に突き刺さる。それに耐えて彼は頭を下げると、ぎこちなく背中を向けた。
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