きぃちゃんと明石さん

うりれお

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この先、イチャつくだけです(番外編Ⅰ?)

①〇〇〇〇〇なんて聞いてません!

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「ただいまー。」

玄関から柊真の声が聞こえて、コンロの火を止めてからパタパタと出迎えに行く。

今日は日曜日。
明石さんは先週の水曜日から東京に出張で、土日は実家で過ごす予定だった。
しかし、月曜日に有休を取ったにも関わらず、私に会えないのが寂しいと言って、前倒しで帰って来たのである。
昨日の夜に連絡が来て、金・土と美沙の家に泊まっていた季衣がはしゃぎまくって、美沙に怒られたのは言うまでもない。

「明石さん、おかえりなさーいっ」

はわっ、スーツ姿の明石さん、
何回見てもかっこいい……。
なんていうか、私の性癖にぶっ刺さってくる感じ。
たまんない。
いつか着たまま……とかしてくれへんかなぁ。
あかん、お願いするのが恥ずかし過ぎる。

「きぃちゃん、おいで。」

デレデレした顔を隠す気もなく出迎えると、
明石さんが腕を広げて待っている。
明石さんの匂いが好きだとバレてから、こうやってたまにハグさせてくれるようになった。

恋人になった今は遠慮する理由もないので勢いよく抱きついて、鼻をシャツにうずめながらすぅーはぁーと堪能させてもらう。
やってる事、変態やんって?
最近は明石さんも私のうなじをよく嗅いでる気がするから、おあいこだと思うんだ。
あぁー、やっぱりこの匂いが一番安心する。

「四日ぶりのきぃちゃん癒されるなぁ。」

ふわっと抱きしめてくれる明石さんが珍しく体重を少しこちらに預けて甘えてきた。

「寂しかった?」

「うん……。
  もう俺きぃちゃんいないと寝れないかも。
  なんていうか……寝れるんだけど、疲れが全然  
  取れないんだよね。
  四日なんてすぐだと思ってたし、電話も出来
  るから大丈夫だと思ってたんだけど、めちゃ
  くちゃ時間が長く感じて、声聞いたらたら余
  計会いたくなっちゃった。」

かあぁわいぃいぃ~っ。

いつもしっかりしてるのに、私がいないと無理発言とかこっちの心臓が無理です。
大型犬みたいにわしゃわしゃ撫でてあげたい気分。

「私も寂しかったです。
  寂し過ぎて金曜日まで明石さんのベッドで寝   
  ちゃうぐらい。
  美沙の家に泊まりに行ったのも、寂しいの紛
  らわすためやし……。」

季衣も季衣とて、自分の家のベッドに入って目を閉じるも眠れないことに気づき、合鍵を使って明石さんの家にお邪魔して、明石さんの匂いが付いた布団にくるまって寝る日々を過ごした。
それでも耐えきれなくて、美沙に頼る羽目になったのだが。

「でも早く帰ってきちゃって良かったんですか?
  久しぶりの里帰りやったのに。」

「いやぁー、
  母さんの小言がちょっと多くてさ……。
  実家なのに全然リラックス出来なくて。
  ちょうど妹も帰って来てたから、ダブル攻撃
  に合ってたんだよね。」

「そっか。それは精神的に疲れるやつですねぇ。
  お風呂湧いてますけど、先入っちゃいますか?」

明石さんがどんな小言を言われたのかは何となく想像出来た。

多分、結婚とか、そういう系。

愛されてる自信が無いわけではないけど、なんて答えたんだろうと続きを聞くのが少し怖くなって、話題を変えてしまう。

「うん。先に入ってくるよ。
  ……もしかして、ご飯作ってくれてる?」

「へへっ、美沙の家で明石さんが教えてくれた
  オムライスの特訓したんです。
  デミグラスソースは流石に無理やけど。」

あの日食べたオムライスが忘れられなくて、作り方を教えてもらった。
泊まっている間美沙に試食してもらって、そこそこ美味しく出来るようになったと思う。

「いやぁー嬉しいなぁ。楽しみにしてるね。」

そう言って季衣の頭をポンポンしてくれるから、俄然やる気が出てきた。

「はいっ。頑張ってきます!」

これからお風呂に入る明石さんを後に、季衣は再びパタパタとキッチンに戻った。














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