47 / 60
番外編Ⅱ
三回勝負する話
しおりを挟む「柊真さーんっ、オセロしません?」
彼女が下の名前で呼んでくれるようになってから数ヶ月が経って、相変わらず同棲は叶わぬまま、お互い隣同士の家を行ったり来たりしている。
「ん?オセロ?いいよ。」
結局、『柊真』と呼び捨てにしてくれたのはあの日だけで、『明石さん』に戻りそうな所を、お互いが譲歩して『柊真さん』に落ち着いたのである。
でも俺はまだ諦めてないよ、きぃちゃん。
「んで、それ勝ったらなんかあるの?」
一重なのにぱっちりとした目の瞳をキラキラと輝かせて、配達されたピザのような平べったい箱をガシャガシャと振っているのを見るに、ただゲームがしたいだけではないだろう。
何かして欲しい事があってのおねだりか、罰ゲームか。
「んふっ、『勝った人のお願いを何でも聞く』
っていう条件で、三回勝負。
勝った回数分お願いできます。」
顔の横で三本の指を立てて、自分が勝つことが決まっているかのような顔をするものだから、ついついからかいたくなってしまう。
「へぇー、三回もお願いできるの?
えぇ~、何してもらおっかなぁ。」
「あっ、ちょっとっ、
なんできぃが負ける前提なんっ。」
あはは、可愛い。
今みたいにタメ口になる事がたまにある彼女だが、それが無意識なのかワザとなのかは、柊真には判断出来ない。
いずれは常にタメ口で話して欲しいけれど、彼女は自分との年の差に萌えを感じている節があるようで、それを柊真のわがままで取り上げるのもどうかと思って、なかなか言えずにいる。
「まぁまぁ、
こういうのは先に決めといた方がやる気出るでしょ?
きぃちゃんは何にするか決めた?」
「う~ん、まだ悩んでます。
あ、でも勝つまで内緒ですよ。
じゃないと面白くないですからね。」
まだお願い決まってないのに、そんなに張り切ってんの?
なにそれ可愛い。
「わかった。
……よしっ、じゃあ真剣勝負といきますか。」
かくして、柊真と季衣は、相手にお願いする権利をかけて、オセロ勝負をすることとなった。
1
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる