ひねくれぼっちが異世界転生したら雑兵でした。~時には独りで瞑想したい俺が美少女とイケメンと魔物を滅すらしい壮大冒険譚~

アオイソラ

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序章

pain is love①

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 異世界転生しても、42年DTでも、
 俺は魔法を使えなかったけど、
 (通算だとノーカンなのかな。24年だとまだ6年あるか……)
 同じくらい凄い力を手に入れたと思ってる。
 一人じゃないって、魔法みたいだ。

 辺りに闇が落ちて、焚き火の光や音が自己主張を強めていた。
 俺は、なんだか眠れそうにないといって、アセウスに先に寝てもらった。
 起きてこなければそのまま寝かせてやろう。
 隣で寝ているアセウスを眺めていると、ふと、ゴンドゥルのことが思い出された。


 そういえば……「形代」ってどういうことなんだろ。
 (なろう的)適応能力高過ぎくんで深く考えてなかったけど……
 これから聞きに行く、アセウスこいつの祖先に関係あるんだろうか……

 考えてみると、ゴンドゥルの髪もアセウスの髪もプラチナブロンドだ
 瞳の色は……アセウスはブルーグレーでゴンドゥルは深いブルー
 アセウスも美形だし、兄妹って言ってもおかしくはないな。
 同じ血が流れてるんだろうか……


「女の子でも良かったんだけどなぁ……」


 ボソリ……と俺の口から本音がこぼれ出た。

 はいっっ! ごめんなさいっ!! ホントごめんなさいっ!!
 少し前までの感動的なながれどこいった!! お前一生ぼっちでいろ!!
 て思ったな? (まー思うわな)
 大丈夫! (何が)  俺も思うから!! (最低かよおい)
 でも……もっともっと欲しいんじゃ~っ
 ゲスいって引かないでぇぇ~!! 
 
 だって、女の子だったら……

 俺は可愛かったゴンドゥルを思い浮かべた。
 白い肌、白金の髪、群青色の瞳。
 
 衣装はそう、ワルキューレもいいけど、海外アスリートにも人気の
 少女漫画原作アニメのヒロインの戦闘服とか見たいなぁ
 エロ仕様でへそとか露出多めにしてさ……うへへ

 セーラー服風のミニスカートの姿を思い描いて、似合うだろうなぁ、なんて妄想した。
 すると、横に座るアセウスの回りがキラキラと輝き始めた。

 あれ? 焚き火の火の粉でも飛んだかな?
 なんとなくアセウスの顔が可愛く見える。
 おいおい、それは流石にヤバいって。俺はそっち・・・には行かないよ。
 自分で突っ込んでついつい笑みが漏れる。
 はたから見たら怪しい奴だな俺(笑)。


「そんなに楽しいか?」


 可愛らしい声に問い掛けられる。


「え? まぁまぁね。……って、ぇええ?!」


 目の前に思い描いた通りのコスプレをしたツインテールのゴンドゥルがいて、俺の顔を覗き込んでいた。


「?!?!」


 俺は咄嗟に立ち上がって周囲を見回す。
 魔物の襲来はなさそうだ。ストーカーも見た感じ眠りに落ちている。
 アセウスは……やはり姿がない。


「(どーゆーことですかっっ?!)」

「汝が呼んだのであろう。奇妙な衣装だな。汝の国のものか?」


 立ち上がって、衣装や髪型を楽しそうに確認しているゴンドゥルは、声を潜めた俺に合わせて囁いた。
 (以下、俺のセリフはヒソヒソな)
 ずっきゅーーーーっっん
 その衣装で顔を寄せて囁くの、反則ですっっ!


「呼んでません! 呼んでませんよ!! ちょっと妄想はしましたけどっっ」


 何故か敬語になってる俺。
 自分で言って、ハッとする。


「……然り。呼ぶとは、言葉に出すことに限らぬ。声に出さずとも、汝の内で我への求めがあれば応じよう」

「みみみみ、耳元で囁くの止めてくださぃっっめっちゃエロいから……っ」

「えろいとは?」

「え……えぇと、それは……」

「そうだな……汝が国の言語を手に入れた方が良いかも知れぬ。それより、この程度のことで我を召喚して……良いのか?」


 ゴンドゥルはコスプレが気に入ったのか、嬉しそうにくるくる舞踏のような動きをした。


「?? あっそうです。教えてください。呼び出す方法はなんとなく解ったので、あなたを召喚する時のルールみたいなものを」

「あぁ、まだもたらしていなかったか……だが、既に来てしまったようだ・・・・・・・・・


 ドンッッッッッツ!!!!!
 一瞬で周囲に重苦しい魔力が満ちる。
 魔物モンスターだ。しかも数が多い。
 囲まれている……?!


 一体一体はそこまで強い魔力ではなさそうだが、20体以上はいそうだ……!!
 ゴンドゥルがいると分かっていても、気持ちの悪い汗が身体から出る。


『一つ、われを召喚している間は、形代に負荷がかかる。当然だ、人間ひと身体からだに半神を降ろすのだからな。形代の身体からだにその余力がなければわれを召喚することは出来ない』


 ゴンドゥルは肉体を使って話すことを止めたらしい。
 またあの恐ろしい声なき声・・・・が轟いた。
 暗闇の中から、背の低い、だが頑丈そうな体駆の生き物がその醜悪な姿を現してきた。


『一つ、召喚により、汝が使える能力ちからは、形代の精神こころ肉体からだに左右される。使える能力の上限はわれそれ自身、神の領域まで届こうが……人間ひとの形代ではその全てを使い得ることはなかろう』


 魔物やつらの姿が焚き火の炎で徐々に照らされていく。
 毛むくじゃらの身体、大きく伸びた耳、身体のあちらこちらを醜く飾る傷跡


『一つ、われが召喚される時、次元をつなぐ扉が開かれる。世界は均衡せたもたれねばならぬ。次元の歪みなき調和において、瑣末な汝がが召喚を成せば、世界は均衡へ回帰する。故に、われに反する魔力ちから存在ものも召喚される。くくく……この魔物も汝が呼び出したのだ・・・・・・・・・


なっっッッ! なんだってぇェェェェエ??!!


 間合いを見ながら周囲から目を離さないようにしていた俺は、つい顔ごと振り返る。
 魔物たちに対峙するように、自分の横に移動したゴンドゥルに、驚愕した顔を晒した。
 それが余程愉快だったのか、ツインテールのゴンドゥルは妖艶に微笑んだ。
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