犬友

有馬 優

文字の大きさ
7 / 14

8話 チワワ達の逆襲-1

しおりを挟む
 小さなチワワたちをチワバターの恵理子さんに見ていてもらい、私と雷子さんと関根さん、黒太郎さんとミーコさん、沖縄のルカさんに北海道のルルさんと九州の幸子さんもチワワ御殿の門の前に集まった。チワワ御殿の門は強固に閉まっている。

「おそらくセンサーも張り巡らしてあるから、周囲のフェンスもよじ登って中に入るのは困難でしょう。」

沖縄のルカさんが言った。ルカさんはIT関係などにも詳しい。

「確か、鳴海さんはセキュリティに力を入れていて、中でモニターできるとも言っていたわ。」

と、難しそうな顔をした。

「力技とか、フェンスを高飛びみたいにして飛び越えるとかも無理ね。何しろ私達だけじゃなくて、チワワたちも連れているんだし。」

ミーコさんが言った。行動派のミーコさんの意見は面白い。ミーコさんだけなら、きっとこのフェンスを飛び越えてしまいそうだ。

「あのね・・・娘の麻耶が風邪をひいて自室で寝ているはずなの。どうしているんだろう?きっとあれからベッドで寝て、朝起きて私がいないから心配しているわ。もしかして私や皆を探して御殿を歩き回っているかもしれない。」

皆が私を振り返った。

「優さん、娘さん大丈夫なのかしら。あの執事の黒井は、麻耶さんが人間の格好をしているから何もしないとは思うんだけど。」

私達を追い出した時の、鬼のような顔の黒井が浮かんだ。

「チワワの格好をした私達を追い出したようなことはしないと思うけど、良くもしてもらえてないと思うわ。何しろ、チワワを置き去りにした大人の子供と思われているだろうから。」

皆がブルッと身震いした。

「それより、携帯電話があったら娘と連絡をとって、とりあえずこの門を開けてもらうんだけどねぇ。それに、中に入ってもチワバターから人間に戻るのも機械操作がいるから、娘に鳴海さんに連絡を取ってもらうんだけど。」

私は自分の手ならぬ肉球を眺めながら言った。皆もため息をついた。チワワの格好じゃなにもできない、そう思ったからだ。すると雷子さんが胸をピッと張って声を張った。

「皆!私達には多くのチワワと人間の頭脳がある!総動員してこの逆境を乗り越えよ!」

皆が雷子さんを振り返った。まるで本当の仕官のようだ。

「皆!回れ右!森へ走る!ここに居ても何も進展しない。食料を集め、今日の糧を得てまた作戦を練るべし!それから、雨の匂いがするから、雨天の備え!」

雷子さんの指令に、人間のチワバターたちはいっせいに森に向きを変えて走り出した。そうだ、門の前にただ居ても黒井に見つかる危険があるだけだ。無力感に嘆いていても意味がない。

 黒太郎さんと奈良の春海さんが作った森の木立のテントまで走って着くと、黒太郎さんが眉にしわを寄せて言った。

「これから雨が降るって雷子さんが言っていたよね。雨対策しないと。」

「屋根の萱を増やすの?」

私が聞くと、

「それもあるけど、地面から水が入ってこないように、周囲に雨水を逃す溝を掘るんだ。よくキャンプなんかでもやるよね。」

さすが土木関係の黒太郎さんだ。私などはアウトドア派でないから、そこらへんは分からない。奈良の春海さんは既に萱の増量のために走っていった。私も中の葦の厚みを増すのに走った。雨ならなお冷えることを予想したからだ。ミーコさんは九州の幸子さんと、他のチワワを連れて食べ物探しをしに森の奥へ入った。恵理子さんはその間、臆病なチワワやまだ仔犬の子たちの面倒を見ていた。まるでそれはチワワ保育園みたいで、とても微笑ましい。急激な変化、恐ろしかった黒井、野宿。怖がっている者もいたが、恵理子さんはよくその不安を解消してくれているようだった。チワ友の間でも「あの人はすごくいい人だ」と言われるだけある。

「僕達も水を汲みに行ったりしたいよ!」

と、何匹かの小さいチワワが言ったが、恵理子さんはきちんと制止した。

「これから雨が降ったりして危ないから、ここにいて、大人の皆がちゃんと戻ってこられるように目印になろう!」

と、仔犬たちをまとめた。やがて昼を過ぎて少しすると雨の粒が鼻にあたった。

「雨だ。急がないと。」

黒太郎さんと桃子ちゃんをはじめとするチワワたちは溝をどんどん掘っていた。ポイントは、高低差をつけて雨水を逃すところだった。屋根の萱もどんどんと積まれていく。上から草のツルで巻いている。口と肉球の手で作っているとは考えられないようだ。私やガリレオコンビも、たくさんの草をテントの中に入れて、もぐりこめるようにしておいた。

「雨だよー!雨だよー!」

恵理子さんが見ている仔犬たちが叫びだした。急に雨脚が強くなってきた。食料グループはまだか・・・。

「ミーコさんや幸子さんが帰って来ない。とりあえず仔犬たちはテントの中へ。」

私は恵理子さんに仔犬たちをテントに雨宿りするように言った。しかしまるで自分達が目印になるんだと決めたように、仔犬たちは食料グループたちを呼び続ける。寄り添う恵理子さんにくっつきながらも、仔犬たちは叫び続けた。すると、森の中からガサガサと大きな音がして、ミーコさんや幸子さんのグループが帰ってきた。

「結構手間取ってしまったわ。しかも迷子になりそうだった。仔犬たちの声がしたから助かった!でも本当にみんな一口くらいしか割り当てがない食料だけど。」

テントの中に用意した大きな葉のお皿に食料は置かれ、ミーコさんたちは葦の布団に転がった。

「あー!疲れた!」

ミーコさんが伸びをした。いつも冷静な幸子さんもヘトヘトのようだ。屋根からは少しポツポツと雨粒が落ちるくらいで、肉球で作った屋根とは思えない完成度だ。そのうち、ざぁーっという音がして更に雨脚が強くなった。

「すごい雨だね。スコールみたいだ。水浸しにならないかな。」

レイちゃんがハチ平君と寄り添いながら言った。

「ある程度は大丈夫。テントの周囲には溝が掘ってあって、テントの中には入らずに低いところへ流れるようになっているから。黒太郎さんたちがやってくれたんだよ。」

と私が言うと、レイちゃんはビックリしたように、

「すごいな。チワワの形をしていても、チワワと一緒に努力してここまでできるんだね。」

と大きな目を更に大きくして言った。本当にその通りだ。皆が力を合わせて努力できなかったら、雨もしのげないし、きっと水浸しだったし、食べ物もなく冷え切っていただろう。

「大人たち、招集!」

雷子さんが突然大きな声を出した。弾かれたようにチワバターのメンバーが一つのテントに集まった。

「これから作戦会議を開く。『チワワの逆襲作戦』についてだ。」

雷子さんが言い放った言葉に皆がピリッときた。雷子さんはチワバターではなくて本物のチワワなのだが、まるで軍士官のようで皆をまとめてくれる。どうしてもチワバターたちはお互いの人間としての遠慮があるのか、キリッとした統制がとれない。

「チワワ御殿の門またはフェンスを攻略し、あの透明屋根のドッグランへ行くための作戦を練る。あそこへたどり着けば、おそらく飼い主たちは元の姿に戻れるはずだ。」

雷子さんはそう言うが、もちろんあの施設にたどりついたからといって、元に戻れるとは限らない。が、とりあえずここにいても元には絶対に戻れそうにないし、そこから始めるべきなのだろう。

「麻耶ちゃん、おそらくまだあそこに滞在しているだろう。もしかして黒井の正体を知って御殿のどこかに隠れている可能性もある。とりあえず、麻耶ちゃんを探して鳴海さんに連絡をとるグループと、なんとか自力でチワバターの施設で元に戻る努力をするグループに分かれよう。」

冷静な声がして振り返ると、そこにはペットホテルを経営している敦子さんがいた。飼っているチワワは、チワワなのになぜか名前が「ひよこちゃん」という面白いコンビだ。

「あれ、いらしてたんですか?なんか今まで目立たなかったような・・・」

皆が目を丸くした。

「いやぁ、チワワ御殿が素晴らしすぎて、うちのペットホテルがかすんじゃうなぁなんて思って、小さくなっていたんですよ。」

と敦子さんが言った。

「そんなことないでしょ。ペットホテルはペットホテル。チワワ御殿はチワワ御殿なんだから。」

と楠木さんが言っていた。皆も頷いている。敦子さんはチワワの知識も豊富で、育てる際で困ったことがあると相談したりしてきた。

「チワワは小さいから一匹では黒井に捕まったらどうにもならないけれど、チワワは家族や仲間をとても尊重するから統制が取れやすいでしょう。仔犬たちは私と恵理子さんで面倒を見るので、皆は分担して麻耶ちゃんや鳴海さんを探してチワバターを操作してください。」

なるほど、仔犬たちは確かにこの緊張感たっぷりのところでは思いがけずキャンキャン言ったり興奮して走り出して、万が一黒井に見つかると危険だ。恵理子さんだけでは面倒もみきれない。敦子さんのようなプロがいてくれると確かに助かる。

「ところで、浸入するにはどうするの?まずはそこじゃない?」

楠木さんが言った。

「そこは大丈夫。」

黒太郎さんが言った。黒太郎さんはニッコリして、

「実はこの木のテントを作りがてら、他のチワワ達には御殿のフェンスの下を掘らしておいたんだ。もちろん見つからないように木と草でカモフラージュしながらね。まだ貫通はしていないから、即明日行動というわけにはいかないし、蓋はしたはずだが、この雨で水が入っている可能性があるから・・・。」

「よくそんなことを黒太郎さんなしでチワワ達ができたわね。」

と楠木さんが疑問に思っていると、敷いてある草の中からそっと顔を出したチワワが二匹いた。

「ボクとお姉です。」

「あ!番長!」

私は思わず声をあげた。どこに隠れていたんだろう?いつもチワネットでは面白いギャグで笑わせてくれるのに。

「すみませーん。チワワ御殿が豪華すぎて、くだらないギャグで滑っても仕方ないと思って。」

と、番長のお姉さんが言った。番長は本物のチワワで、番長のお姉さんというのが飼い主だ。通称番長のお姉と呼ばれている。

「私も土木関係は詳しいので、穴掘りは私が監督しました。番長や他の力自慢のチワワも一緒だったので、わりと進んでいます。この雨の多さは誤算だったけど。」

チワ友が一気に湧いた。誰もが思わず一発ギャグを期待してしまったが、実はそんな事態じゃないとすぐに気がついて自粛した。すると雷子さんが、

「では、明日の夜明けにフェンス下の穴を確認する。水が入っていなければ即貫通作業を続行して、まずは数匹の斥候を放つとしよう。」

と言った。

「え?皆で押しかけるんじゃないの?」

と私が言うと。

「中の様子を見もしないで多くのチワワを危険にさらすことはできない。斥候といっても、万が一捕まったところでその場で殺されたりはしないだろう。一匹や二匹なら残っていたのだろうと思ってつまみ出すだけだ。」

なるほど。しかし一体この雷子さんという人はどういうチワワなのだろうか?普通のアイドルチワワで、写真家の関根さんの被写体だけとは思えないようだ。チラリと関根さんを見ると、ニヤっと笑っている。

「皆良く休んで、夜明け前に召集!」

雷子さんの声に、思わずチワワもチワバターも海兵隊のような敬礼をした。



 夜は予想通り雨のせいで冷え込んだが、チワワもチワバターも草にもぐって寄り添い寒さをしのいだ。時々仔犬がクンクンというくらいで、皆はじっと飢えや寒さに耐えた。そして、朝日が昇る頃には雨が上がった。

「雨が上がったね。」

隣にいたガリレオコンビが言った。

「優さん、とうとう決行だね。麻耶ちゃんは大丈夫かな。」

ガリが言うと、私は、

「麻耶も小さい子供ではないし、何とか無事でいてくれるでしょう。私が戻らないことで事態を把握しようとしたと思うから、黒井の正体も知っているかもしれない。だとすれば、どこかに隠れているだろうから、探すのが大変かもね。」

と言った。するとレオが首をかしげて、

「なぜ探すのが大変なの?」

と言う。

「あの大きな御殿のどこかに隠れているのを、片っ端から探していたら黒井に見つかってしまうでしょ?」

と私が言うと、レオは更に首をかしげて、

「ボク、大好きな麻耶ちゃんの匂いなら、結構遠くでも分かるんだ。残っている匂いでもたどれる。あ、でも、麻耶ちゃんのだけね。大好きだから。」

私は唖然としてレオをみた。匂いを辿っていくなんて、まるで警察犬のようだ。麻耶限定というところが面白いが、確かにレオは仔犬の時分から麻耶がよく世話をしてきてなついている。

「優さん、フェンスの中に入ったら、レオを先頭に麻耶ちゃんを探そう。レオは周囲には注意があまり向けられないから、僕と優さんで護衛をしていこうよ。」

ガリがしっかりしたことを言う。この二匹は、こんなに頼もしかったっけ。

 朝日が完全に地平線から顔を出すと、雷子さんの召集がかかった。

「まずは、フェンス下の穴を確認に黒太郎さんと番長さんが行ってください。斥候は一番怪しまれないチワワに頼むことにします。」

一番怪しまれないチワワ?と思っていると、鳴海さんのチワワのシロコとクロコとチャコとクロチャタンがそっと顔を出した。

「あれ?!御殿に残っていなかったの?」

皆が今更のようにビックリした。

「はぁ、どさくさに紛れて、頭に血が上った黒井につまみだされてしまったんです。」

と、年長のシロコが言った。

「この4匹なら御殿に入ったところで怪しまれない。何しろ鳴海さんのチワワだからね。追い出したチワワの中に鳴海さんのチワワまで入っていたとは、おそらく黒井は気づいてもいないだろう。それに、中の様子を知るには、御殿の構造を知っている4匹は適任だ。」

雷子さんはチワワとも思えないほどスラスラとしゃべっていく。



 フェンスの前に集まると、黒太郎さんが穴の中を確認した。穴の入り口を上手に塞いでいたためか、中に水はたまっていない。桃子ちゃんや番長らチワワたちが穴を貫通させている間、黒太郎さんが地面に御殿の略図を書き、雷子さんはシロコたちに色々指示していた。しっかりと頷くチワワ達。

「あくまで斥候だから、無理はしないように。危なかったら隠れていて良いし、深入りせずに様子を知らせに帰ってくるように。」

チワワもチワバターもみんな背をピッと伸ばして顔を上げた。誰も怖がるものはいない。チワワは小さくて無力などではないのだ。みんなで力を合わせれば、きっと助かる。雄たけびを上げたいところだったが、見つかってしまうと仕方ないので、そっとみんなで目を合わせて頷いた。


しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

【完結】あなたに知られたくなかった

ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。 5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。 そんなセレナに起きた奇跡とは?

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

処理中です...