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第2章 始めての育成を経て、危険人物として知れ渡る
48話 オークの村防衛戦5
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さて、ブレブも大丈夫そうだから次のオークはと。
中央で戦っていたゴウガとブレブの右側遠方に目を向けると、既に冒険者たちが転がっていた。
ああ、見る順番を間違えたか……。
さっき光の柱で結界に向けて放たれた攻撃魔法をかき消したのはあいつらだったか。
まあ終わってしまったものは仕方ない。
もう片方は……まだやってるな。
左側に向き直ると戦闘継続中のようだが、何やらあちらは冒険者の数が多く苦戦しているようだ。
結界側を前衛の冒険者たちに陣取られていて、森の方からは魔法の集中砲火を浴びている様子。
ゴウガとブレブはまだ目の前の冒険者を相手に忙しそうで手助けに行けなそうだし、右側の暇そうなオークをけしかけるついでに戦いを見させてもらうとするか。
「こちらは余裕でしたな兄者」
「そうだな弟よ」
戦闘の終わった右側にいるオークに近づくと、そんな声が聞こえてきた。
何やら辺りの地面が水浸しになっているが……。
「おや? 姿は見えませんがこの匂いはリア様が近くに?」
「確かに、リア様の匂いがするな」
すると、どうやら正確な位置はわからないながらも、姿を隠している俺の存在に気づいたようだ。
まさか『隠遁』を使っても匂いで近くにいるのがバレるとは……。
人間相手だと問題なく隠れられているが、クロエといい、オークといい、思ったよりも隠遁は万能ではないみたいだな……。
まあ、声の聞こえる範囲にいる冒険者は伸びているみたいだから、声を出しても問題はないか。
「ああ、今来たところなんだが、もう終わってしまったみたいだな」
「ええ、兄者が攻撃」
「弟が操作で」
「「華麗に勝利!」」
そう言って兄弟オークがポーズを決める。
そうだった、こいつらは最初に会った時もこんなんだったな……。
「そ、そうか。それで2人の活躍が見れてないのと、あっちが苦戦してるみたいだから手伝いに行ってくれ」
「あっち? ゴウガとブレブの方ですかな?」
「違うだろう弟よ。その奥だろう」
そうだった、存在がバレてたから普通に話してたけど、指をさしても見えないから分からなかったな。
「すまん見えてなかったな。それで、こことは反対側がどうやら冒険者の数が多いみたいでな。特に魔法を連射されているせいか、身動きが取れないみたいだ」
「それは」
「大変」
「「我らで救援!」」
そうして再び謎のポーズを行う兄弟オークに頭が痛くなってきた。
「いいから、早く行ってやれ……」
「そうですな。では森から攻めますので」
「リアさまは我らの勇姿を」
「「ご覧あれ!」」
早く行けよ……。
反応を返さないでいると、兄弟オークは互いに顔を見合わせて頷き合い、森の中へ進みだした。
いちいち相手をしてたらいつまでも進まないと思ったからな。
どうやら、それで正解だったようだ。
兄弟オークを追う形で森の中に入ると、先程と同じように辺りが水浸しになっている。
そこで魔法を唱えていただろう冒険者と見られる者たちが、背中を抑えて悶絶している様子だが……。
何をしたのか訊こうと口を開きかけたが、またあのやりとりを聞くことになる未来しか見えないのでやめた。
何が起きたかはすぐに分かるだろうしな。
それから森の中を進むと、衝撃で杖を近くに落としたと見られる魔法使いが鎧を着た冒険者と共に寝かされているのが見えた。
位置的に見て、ブレブが冒険者を投擲した先なんだろう。
少々やりすぎ感は否めないが、まあ鎧を着た冒険者はともかくとして、魔法の規模からしても上級の魔法使いたちのようだし、見たところ問題は見られない。
「呼吸もしているし、死人は出てないな」
あっ。
つい声に出してしまった。
「そうですな」
「ブレブも頼もしくなった」
んん?
もしかして自分たちのことじゃなければ、あれはやらないのか。
中央で戦っていたゴウガとブレブの右側遠方に目を向けると、既に冒険者たちが転がっていた。
ああ、見る順番を間違えたか……。
さっき光の柱で結界に向けて放たれた攻撃魔法をかき消したのはあいつらだったか。
まあ終わってしまったものは仕方ない。
もう片方は……まだやってるな。
左側に向き直ると戦闘継続中のようだが、何やらあちらは冒険者の数が多く苦戦しているようだ。
結界側を前衛の冒険者たちに陣取られていて、森の方からは魔法の集中砲火を浴びている様子。
ゴウガとブレブはまだ目の前の冒険者を相手に忙しそうで手助けに行けなそうだし、右側の暇そうなオークをけしかけるついでに戦いを見させてもらうとするか。
「こちらは余裕でしたな兄者」
「そうだな弟よ」
戦闘の終わった右側にいるオークに近づくと、そんな声が聞こえてきた。
何やら辺りの地面が水浸しになっているが……。
「おや? 姿は見えませんがこの匂いはリア様が近くに?」
「確かに、リア様の匂いがするな」
すると、どうやら正確な位置はわからないながらも、姿を隠している俺の存在に気づいたようだ。
まさか『隠遁』を使っても匂いで近くにいるのがバレるとは……。
人間相手だと問題なく隠れられているが、クロエといい、オークといい、思ったよりも隠遁は万能ではないみたいだな……。
まあ、声の聞こえる範囲にいる冒険者は伸びているみたいだから、声を出しても問題はないか。
「ああ、今来たところなんだが、もう終わってしまったみたいだな」
「ええ、兄者が攻撃」
「弟が操作で」
「「華麗に勝利!」」
そう言って兄弟オークがポーズを決める。
そうだった、こいつらは最初に会った時もこんなんだったな……。
「そ、そうか。それで2人の活躍が見れてないのと、あっちが苦戦してるみたいだから手伝いに行ってくれ」
「あっち? ゴウガとブレブの方ですかな?」
「違うだろう弟よ。その奥だろう」
そうだった、存在がバレてたから普通に話してたけど、指をさしても見えないから分からなかったな。
「すまん見えてなかったな。それで、こことは反対側がどうやら冒険者の数が多いみたいでな。特に魔法を連射されているせいか、身動きが取れないみたいだ」
「それは」
「大変」
「「我らで救援!」」
そうして再び謎のポーズを行う兄弟オークに頭が痛くなってきた。
「いいから、早く行ってやれ……」
「そうですな。では森から攻めますので」
「リアさまは我らの勇姿を」
「「ご覧あれ!」」
早く行けよ……。
反応を返さないでいると、兄弟オークは互いに顔を見合わせて頷き合い、森の中へ進みだした。
いちいち相手をしてたらいつまでも進まないと思ったからな。
どうやら、それで正解だったようだ。
兄弟オークを追う形で森の中に入ると、先程と同じように辺りが水浸しになっている。
そこで魔法を唱えていただろう冒険者と見られる者たちが、背中を抑えて悶絶している様子だが……。
何をしたのか訊こうと口を開きかけたが、またあのやりとりを聞くことになる未来しか見えないのでやめた。
何が起きたかはすぐに分かるだろうしな。
それから森の中を進むと、衝撃で杖を近くに落としたと見られる魔法使いが鎧を着た冒険者と共に寝かされているのが見えた。
位置的に見て、ブレブが冒険者を投擲した先なんだろう。
少々やりすぎ感は否めないが、まあ鎧を着た冒険者はともかくとして、魔法の規模からしても上級の魔法使いたちのようだし、見たところ問題は見られない。
「呼吸もしているし、死人は出てないな」
あっ。
つい声に出してしまった。
「そうですな」
「ブレブも頼もしくなった」
んん?
もしかして自分たちのことじゃなければ、あれはやらないのか。
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