終末から始める異世界タイムトラベル 〜世界は終わったけど、引き継ぎロードで解決します〜

時計指すU

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1−1−06 残念、そいつは一方通行だ

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「うおっ」

 さっき受け取った四角いやつから、急に音声が流れてきたぞ?
 どうなってんだこれ、まるで無線機じゃないか。

「はい、今行きます」

「やあねえ、こっちの声はあっちに届かないわよ」

 って、これ一方通行なのかよ恥ずかしい。

「文字もわからんみたいだし、コハクはどっかの秘境からでも出てきたのか?」

 どうも、異世界人です。

「トウケイみたいよ。まああそこも、そういう場所があるにはあるからね」

「そうなのか、とりあえず先に行ってこいコハク。俺たちはここで待ってるからよ!」

「あ、ああ。行ってくるよ」

 結局、精霊そうしゃについては聞けずじまいか。

 リィン。

 受付の列へと並んで、順番が回ってくると、さっきのお姉さんと再び顔を合わせることに。

 よっこいせっと。
 さっきぶりにお姉さんの顔が目の前に。
 本当にこれぞエルフって思うよ、やらかしたりしなければだけどな!

「コハク様、お待たせいたしました。これから冒険者で活動する上での説明をさせていただきます。それでは、まずこちらを」

 そう言って、革紐みたいなものと、おそらく紐を通すための穴が開けられている、色の違うタグを2枚見せられる。
 それから、革紐のようなものと青銅色のタグを先に目の前に置かれる。

「こちらの青銅色の物は冒険者であることを証明するタグとなっており、コハク様は青銅級からのスタートになります。さらに階級は銅2級、1級と続き、次に銀2級といったように、全部で7段階ございます」

 ラノベでもよくある階級制みたいだな。

「これらは依頼の達成状況で上下いたしますので、ご注意ください」

 ふむ、この世界はクエストじゃなくて依頼って言うんだな。
 達成状況ってことは、依頼をこなしていけば階級が上がっていく感じか?
 それに、下がることもあるみたいだが。

「下がるってのは全然依頼を受けなかったり、失敗しすぎると下がるってのであってる?」

 お姉さんは頷いて答える。

「はい、半年間の依頼報告が無い場合と、依頼失敗回数が規定以上の場合に行われる点にご注意ください。また、依頼の受諾と達成時にはタグの提出をお願いします」

 オッケー把握した。

「タグを紛失した場合は、ペナルティ及び、再発行費用が発生しますのでご了承ください」

「わかった」

 そうしてもう片方の白いタグも目の前に置かれる。

「こちらは無系統の精霊操者を示すもので、特定の場所への通行証として使える場合があります」

「特定の場所というと?」

「国の施設や、近場ですと始まりの森などがございます」

「それって南にあるやつ?」

 聞いた方角で合っていればだが。
 まあ、違うなら訂正してくれるだろ。

「はい、そうですね」

 どうやら合っていたようだ。
 もしかして、森に入る邪魔をしてきた蔓は結界みたいなものだったのか?
 つまり、今なら通れると。

「また、そのタグをお持ちの方の同行者であれば、同様の場所への通行が許可されています。ここまではよろしいでしょうか」

「ああ、問題ない」

 依頼とか階級なんかは大体ラノベと一緒だしな。
 そんなに、新しく覚えることはないみたいだな。

「では次に、依頼と階級の昇級条件についてお話します。ますはあちらをご覧ください」

 お姉さんは掲示板を示す。
 3つに区切られた大きなボードに、階級を示していると思われる金銀銅のプレートが上についていて、その下に貼ってあるのは読めないから多分だけど、依頼書だ。

「あちらに階級ごとに分けられた依頼が貼られており、それぞれ上のものが1級、下のものが2級となっているので、受けたい依頼のものを受付までお持ちいただくことで依頼の受注を行なうことができます」

 だが、青銅の依頼は無いみたいだが。

「一番下の青銅だったか。それは?」

「はい。お気づきの通り、青銅級の物はあちらにはございません。青銅級はいわゆる、見習いの冒険者として扱われており、ギルド側から出される討伐依頼を達成することで、銅2級への昇級となります」

 つまりは駆け出し用の依頼ってところだな。

「内容を頼む」

「はい、こちらです。内容を読みますね」

 お姉さんから聞いた依頼は、ウルフの討伐。
 銅1級以上の冒険者の同行が必要で、討伐証明としてウルフの毛皮を持ってくること。
 報酬は1匹あたり2シルで、魔獣対策として3匹までの討伐に抑えろと。

「分かった」

 討伐証明と、狩っていいのが3匹までなのだけはな!
 まず、2シルは金の単位みたいだが価値がわからん。

 あと言い方的に、ウルフは魔獣じゃないのか?
 既に秘境民認定されてるし、パーティーの2人にあとで聞けばいいか。

「同行者は対象が複数居た場合など、緊急時以外は手を出さない監督役となりますので、きちんとご自分で討伐したものを提出なさるようお願いします。依頼について不明な点は、同行する冒険者の方にお聞きください」

 どうやら、冒険者に丸投げスタイルらしいな。
 お姉さんには下手に聞けない分、逆に助かるが。

「こちらは失敗してもペナルティ等ございませんので、無理はなさらないようお願いします。ちなみに、パーティには既に加入済みでしょうか。よろしければ、こちらで選定した冒険者の方を紹介いたしますが」

「もう決めてあるから大丈夫」

 むしろ、周りの冒険者の反応を見る限り、今のパーティーを断ったりなんかしたら、全員拒否まであり得るな。

「承知いたしました。では、依頼達成時はこちらで確認を行いますので、その時は監督役と共に受付までお越しください」

「監督役と来ればいいんだな、分かった」

 受け取った冒険者を証明するタグを首にかけて、受付をあとにする。
 カマさんとゴランがいるテーブルへと戻ると、2人はテーブルを挟んで座っていた。
 つまり、どちらかの隣に座ることになる。

「帰ってきたな」

「おかえりなさい、依頼はちゃんと受けてきた?」

「ん、ウルフだとさ」

 俺は迷うことなくゴランの隣の椅子に滑り込んで、読めない依頼書をテーブルの真ん中に置く。

「うん、いつも通りの依頼ね」

「どうする、コハクはすぐ行けんのか?」

「行けるはいけるんだが、いくつか聞いてもいいか?」

 依頼のことと、金についてだな。
 あまりにもこの世界のことを知らなすぎるから、出来る時に情報収集しておかないとな。

「分かることならいいわよ」

「ああ、遠慮せずに何でも聞いてくれ」

 そういうことなら遠慮なく行かせてもらおう。

「なら、とりあえず1シルの価値について教えてくれ」

 すると、2人は俺を見てから机に置きっぱなしにしていた、読み書きの本へと視線を移すなり。

「「マジか……」」

 そう呟やいた声が聞こえてきた。
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