あかしや妖。

未知乃きより

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無人の街、無音の街

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どっかの茂みからクラスメイトが出てこないかと淡い期待を抱いてみたけれど出てくるはずもなく、虚しく時間だけが過ぎていった。

まあ、もしこれがクラスメイトのせいだったとして俺をこんな所まで運ぶってすごいよな。力ありすぎだろ、もっと別のことに使えよ。世界平和とかさ、どう使うかは知らないけど。

ってかそうならどんだけ嫌われてんだよ…。いや好かれてるのか?
いや待て、友達くらいいるよ?

あれ、いたっけ?なんだろ思い出せないな。
公園に放置プレイというこの状況がハード過ぎて混乱しているのか?

まあ、いい。それよりも考える事はまだあるだろう?俺。

誰かにここが何処かを聞いて家に帰らなければならない。
生憎今は夕方だ。いくら8月とはいえ夜は必ずやってくる。

さっき周りを見た限り、この辺に街頭らしきものはないからな。夜になれば真っ暗だろう。

今からやるのは人を探してここが何処なのかを聞くこと。そして家から遠い場所ならば安心して一泊できる場所を探す。
どこかの家に泊めてもらうのが一番だが、この際屋根があればなんでもいい。あと床、天然芝じゃない床。

さてさて、思いついたらすぐ行動しようじゃないか。
すくっと立ち上がり背伸びをしてとりあえず軽めの準備運動。腕を回したりアキレス腱を伸ばしたり。

「さあて、行きますかー。早く帰りたいしな、カラスが鳴くからかーえろって…な……カラス…?」

そう、カラス。

別に歌詞を間違えたとかじゃない、歌詞は合ってるはずだ。多分。

それよりも問題な事があった。否、疑問に思う事があった。

「…さっきから鳥見ねぇな。カラスだけじゃなく雀とかも。いや、鳥だけじゃない虫も見てない。だって今は夏だぜ?蝉はどうしたんだよ。 」

人だけでなく、鳥も虫もいなかった。

「それに、車の音も人の声も、生活音も、何も聞こえない…?」

1つ疑問に思ってしまえば次々と疑問が生まれてきた。
なぜもっと早くに気付かないのか。何が近所の公園だ、馬鹿じゃねぇの?

とても広い公園。その近くに建てられた家々。そして公園の前にある道路。

けれど、その家々から生活音は全く聞こえないし、人の気配もしない。出掛けているならまだ分かるがこうも一気に出掛けるのか?それに道路。車が通っていなければ自転車も通っていない。

なんなんだ、これじゃあまるで。

まるで、ハリボテの街じゃないか…。
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