俺と犬

KAORUwithAI

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第66話 川の日

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到着してドアを開けた瞬間、シバが勢いよく飛び出した。
すでにテンションが違う。
前回の海では一歩も動かなかったのに、今回は駐車場の時点でしっぽが千切れそうなくらい振れている。

「え、誰よりも先に水に行こうとしてない?」

運転席から降りてきた彼女が驚いたように笑う。
リードを持つ腕が引っ張られて、俺もつられて小走りになる。

川の水は冷たくて透明だった。
浅瀬に足を入れると気持ちよくて、彼女がサンダルを脱いでバシャバシャと歩き出す。

その横で、シバが全力で走る。
跳ねる。飛ぶ。滑る。
そして岩につまずいて、ずぶ濡れになった。

「大丈夫!?ていうか、楽しそうすぎるんだけど!」

笑いながら駆け寄る彼女の足元を、シバがくるくる回る。
バシャバシャと水がはねて、Tシャツまで濡れてしまっても、怒る気配はない。
むしろ笑い声が大きくなる。

「ほら、おいでってば、置いてくぞー」

先に行く二人の後ろで、水しぶきを跳ね上げながら走っていく柴犬の背中を見て、
俺もゆっくりと川に足を踏み入れた。

前回の海と同じくらいびしょ濡れになったけど――
たぶん今回は、全員分の“楽しい”が揃ってた。
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