俺と犬

KAORUwithAI

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最終話 祝福の鐘としっぽ

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チャペルの中、静かに流れるオルガンの音。
春風がカーテンを揺らし、やわらかな光がバージンロードに差し込んでいた。

白いドレス姿の彼女とタキシードに身を包んだ主人は、神父の前に並び立っていた。
少し緊張した面持ちのふたりは、これから始まる人生に一歩踏み出そうとしていた。

「まもなく、指輪の交換に移ります」

その声に合わせて、チャペルの後方から小さな足音が響いた。

「わん!」
「きゅん!」

シバとポメちゃんが、首にリングの入った小箱をぶら下げて、バージンロードを歩いてくる。

参列者たちは思わず微笑んだ。
チャペルに響く足音は、堂々としたシバと、ちょこちょこと並んで歩くポメちゃんの息の合った歩調。

途中で一度、ポメちゃんが止まり、シバを見上げる。
「大丈夫、行こう」とでも言うように、シバがそっとポメちゃんの背を押すと、ふたりは再び歩き出した。

神父の前までたどり着くと、ふたりは主人と彼女の前でちょこんと座った。

「ありがとう、シバ」「ポメちゃんも、よく頑張ったね」

主人がやさしく頭を撫でると、シバは尻尾をふり、ポメちゃんは小さく鼻を鳴らした。

指輪を手に取った主人と彼女は、互いの手を取り合い、そっと薬指にはめる。

「……誓いますか?」

「はい、誓います」

静かなチャペルに響くその言葉のあと、鐘が鳴り響いた。

カラン、カラン――。

「わぉおおおん!」

シバが大きく遠吠えすると、それに続くようにポメちゃんも「きゅいーん」と鳴く。
まるでふたりの誓いを祝福するように。

拍手と笑顔に包まれながら、主人は彼女の手を取り、小さくつぶやいた。

「これからもずっと、一緒にいよう」
「うん。家族だもんね」

そしてシバとポメちゃんも、そっと見つめ合った。
どこか誇らしげに、そして――とても幸せそうに。

春の風が祝福の花びらを舞わせていた。
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