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日常編
第78話「姫様と友人」
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カラン……と、ドアベルが澄んだ音を立てた。
その瞬間、レンとニナの目に飛び込んできたのは、以前にも来店したあの国王の娘──姫様だった。今日は同年代の女性を伴い、さらに後方には屈強な護衛騎士二人がきっちりと付き従っている。
「ほら、ここが例の“異界のコンビニ”よ!」
姫様は胸を張り、友人に向けて誇らしげに言った。
友人はキョロキョロと店内を見回し、棚に並ぶ商品一つひとつに目を輝かせている。
「……本当に、不思議な物ばかり。まるで宝物庫みたい」
まず二人が足を止めたのは化粧品コーナーだった。
姫様はピンク色のボトルを手に取り、
「これ、髪が信じられないくらいサラサラになるの。魔法みたいでしょう?」
と笑顔で説明し、キャップを外して友人に香りを嗅がせる。
「……いい香り。花畑の中にいるみたい」
友人はうっとりと目を細め、早速カゴへと入れた。
続いて向かったお菓子コーナーでは、色とりどりの包装が二人を迎える。
姫様は小箱入りのチョコレートを手に取り、
「このチョコ、口の中でとろけるの。とっても贅沢な味なのよ」
と勧める。友人は興味津々でそれもカゴに追加した。
護衛の一人が後ろで控えているが、その視線は常に姫様に注がれ、何かあればすぐにでも動ける体勢だ。
やがてレジ前に来ると、姫様は待っていましたと言わんばかりに小さなカードを取り出した。
「見て、これが“ナイポ”よ。ポイントが溜まると特別な物と交換できるの」
レンが受け取りながら微笑むと、友人が不思議そうに尋ねる。
「それは……誰でも作れるの?」
「もちろんです」レンが即答すると、姫様はすかさず友人の背を押し、
「あなたも作っておきなさいな。絶対便利よ」
友人は少し恥ずかしそうに笑い、「じゃあ……」と申し込み用紙に記入する。
カードを受け取った友人は、まるで小さな宝物を手にしたように大事そうに握りしめた。
買い物袋を受け取り、姫様は得意げに微笑む。
「また来るわね! 次はもっとゆっくり見て回るつもりよ」
「ありがとうございました。またお越し下さいませ」
レンとニナの声に送られ、二人は護衛と共に夜の街へ消えていった。
扉が閉まり、静けさが戻った店内には、姫様が纏っていた優雅な香りだけがふわりと残っていた。
その瞬間、レンとニナの目に飛び込んできたのは、以前にも来店したあの国王の娘──姫様だった。今日は同年代の女性を伴い、さらに後方には屈強な護衛騎士二人がきっちりと付き従っている。
「ほら、ここが例の“異界のコンビニ”よ!」
姫様は胸を張り、友人に向けて誇らしげに言った。
友人はキョロキョロと店内を見回し、棚に並ぶ商品一つひとつに目を輝かせている。
「……本当に、不思議な物ばかり。まるで宝物庫みたい」
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「これ、髪が信じられないくらいサラサラになるの。魔法みたいでしょう?」
と笑顔で説明し、キャップを外して友人に香りを嗅がせる。
「……いい香り。花畑の中にいるみたい」
友人はうっとりと目を細め、早速カゴへと入れた。
続いて向かったお菓子コーナーでは、色とりどりの包装が二人を迎える。
姫様は小箱入りのチョコレートを手に取り、
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と勧める。友人は興味津々でそれもカゴに追加した。
護衛の一人が後ろで控えているが、その視線は常に姫様に注がれ、何かあればすぐにでも動ける体勢だ。
やがてレジ前に来ると、姫様は待っていましたと言わんばかりに小さなカードを取り出した。
「見て、これが“ナイポ”よ。ポイントが溜まると特別な物と交換できるの」
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「それは……誰でも作れるの?」
「もちろんです」レンが即答すると、姫様はすかさず友人の背を押し、
「あなたも作っておきなさいな。絶対便利よ」
友人は少し恥ずかしそうに笑い、「じゃあ……」と申し込み用紙に記入する。
カードを受け取った友人は、まるで小さな宝物を手にしたように大事そうに握りしめた。
買い物袋を受け取り、姫様は得意げに微笑む。
「また来るわね! 次はもっとゆっくり見て回るつもりよ」
「ありがとうございました。またお越し下さいませ」
レンとニナの声に送られ、二人は護衛と共に夜の街へ消えていった。
扉が閉まり、静けさが戻った店内には、姫様が纏っていた優雅な香りだけがふわりと残っていた。
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