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異世界の異変
第16話「地図の上の指」
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深夜。蛍光灯の白い光の下、ミッドナイトマートの店内には冷蔵庫の低い唸りだけが響いていた。
カラン――扉の音とともに、鎧の金具がわずかに鳴る。入ってきたのは警備隊の二人組だった。
彼らは飲料コーナーでしばらく物色したあと、カゴを片手にレジ横の小さなテーブルへ腰を下ろした。
片方が丸めていた地図を広げ、卓上に押し広げる。もう一人が身を寄せると、指先である地点を叩きながら低い声を漏らした。
「……明日ここまで行く。隊を二つに分ける」
短い言葉だが、その響きは夜の静寂にやけに重く感じられる。
レンはレジで商品の整理を装いながらも、耳だけは自然と二人の会話を追っていた。紙の上をなぞる指の動きが、命の行き先を決めるもののように思えてしまう。
「補給はどうする?」
「現地で合流だ。夜明けまでに……」
断片的に飛び込んでくる言葉のひとつひとつが、胸の奥をざわつかせる。
やがて二人は立ち上がり、缶コーヒーや乾パンをレジに並べた。
「これで夜通しでも持つな」
「眠気覚ましは助かる」
笑い合う声には、どこか強がりの響きが混じっていた。
レンはいつも通りに微笑んで会計を終える。
「ありがとうございました。またお越し下さいませ」
声色は変えずに保てたが、指先はほんのわずかに震えていた。
地図の上の指が示した場所――その先にあるのは、彼らの任務か、それとも不吉な予兆か。
扉が閉まり、静寂が戻ったあとも、レンの耳にはしばらく地図の紙擦れと低い声が残り続けていた。
カラン――扉の音とともに、鎧の金具がわずかに鳴る。入ってきたのは警備隊の二人組だった。
彼らは飲料コーナーでしばらく物色したあと、カゴを片手にレジ横の小さなテーブルへ腰を下ろした。
片方が丸めていた地図を広げ、卓上に押し広げる。もう一人が身を寄せると、指先である地点を叩きながら低い声を漏らした。
「……明日ここまで行く。隊を二つに分ける」
短い言葉だが、その響きは夜の静寂にやけに重く感じられる。
レンはレジで商品の整理を装いながらも、耳だけは自然と二人の会話を追っていた。紙の上をなぞる指の動きが、命の行き先を決めるもののように思えてしまう。
「補給はどうする?」
「現地で合流だ。夜明けまでに……」
断片的に飛び込んでくる言葉のひとつひとつが、胸の奥をざわつかせる。
やがて二人は立ち上がり、缶コーヒーや乾パンをレジに並べた。
「これで夜通しでも持つな」
「眠気覚ましは助かる」
笑い合う声には、どこか強がりの響きが混じっていた。
レンはいつも通りに微笑んで会計を終える。
「ありがとうございました。またお越し下さいませ」
声色は変えずに保てたが、指先はほんのわずかに震えていた。
地図の上の指が示した場所――その先にあるのは、彼らの任務か、それとも不吉な予兆か。
扉が閉まり、静寂が戻ったあとも、レンの耳にはしばらく地図の紙擦れと低い声が残り続けていた。
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