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敵の正体編
第67話「冒険者の警告」
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深夜――。
カラン、と鈴が鳴り、店内に冷たい夜気と共に、顔なじみの冒険者が入ってきた。
いつもなら気さくに冗談を飛ばす彼だが、この夜は違った。肩にかけた革鎧は泥に汚れ、髪は乱れ、表情には張り詰めたものがあった。
飲料コーナーで水袋を取り、ホットスナックから串カツを一つ、さらに保存食を数点かごに放り込む。その仕草も、どこか落ち着きがなく荒っぽい。
やがてレジへ来ると、視線を落としたまま小声で言った。
「……レンさん。夜間は……一人で外に出ない方がいい」
唐突な言葉に、レンの手がわずかに止まった。だが彼はいつもの微笑を崩さず、聞き返す。
「何か……あったんですか?」
冒険者は深く息を吐き、かすれた声で続けた。
「“影の連中”の目撃が増えてる。誰も正体を掴めちゃいない。けど――共通してるんだ。襲われたのは、夜にひとりで歩いてた人間ばかり」
ニナは袋詰めの手をぎゅっと握りしめた。視線を上げると、冒険者の瞳の奥に隠しきれない恐怖が揺れているのが見える。
「……本当に、人じゃないんですね」
小声でこぼした言葉は、本人の耳にすらかすかに届くほどだった。
レンは呼吸を整え、再び笑顔を作る。
「ご忠告、ありがとうございます。気をつけます」
会計を済ませ、袋を受け取った冒険者は、わずかに頷いて踵を返す。
カラン――。鈴の音と共に扉が閉まり、背中は闇の中に溶けていった。
残された店内に静けさが戻る。
だが、背筋に走った冷たいものは、まだ消えなかった。
「……レンさん」
ニナの声はかすかに震えていた。
「もし、本当に“影”が町に入ってきたら……」
レンは答えず、袋を整える手を止め、扉の方をじっと見つめた。
「ありがとうございました。またお越し下さいませ」
その声は客のいなくなった空間に、ひどく頼りなく響いた。
カラン、と鈴が鳴り、店内に冷たい夜気と共に、顔なじみの冒険者が入ってきた。
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飲料コーナーで水袋を取り、ホットスナックから串カツを一つ、さらに保存食を数点かごに放り込む。その仕草も、どこか落ち着きがなく荒っぽい。
やがてレジへ来ると、視線を落としたまま小声で言った。
「……レンさん。夜間は……一人で外に出ない方がいい」
唐突な言葉に、レンの手がわずかに止まった。だが彼はいつもの微笑を崩さず、聞き返す。
「何か……あったんですか?」
冒険者は深く息を吐き、かすれた声で続けた。
「“影の連中”の目撃が増えてる。誰も正体を掴めちゃいない。けど――共通してるんだ。襲われたのは、夜にひとりで歩いてた人間ばかり」
ニナは袋詰めの手をぎゅっと握りしめた。視線を上げると、冒険者の瞳の奥に隠しきれない恐怖が揺れているのが見える。
「……本当に、人じゃないんですね」
小声でこぼした言葉は、本人の耳にすらかすかに届くほどだった。
レンは呼吸を整え、再び笑顔を作る。
「ご忠告、ありがとうございます。気をつけます」
会計を済ませ、袋を受け取った冒険者は、わずかに頷いて踵を返す。
カラン――。鈴の音と共に扉が閉まり、背中は闇の中に溶けていった。
残された店内に静けさが戻る。
だが、背筋に走った冷たいものは、まだ消えなかった。
「……レンさん」
ニナの声はかすかに震えていた。
「もし、本当に“影”が町に入ってきたら……」
レンは答えず、袋を整える手を止め、扉の方をじっと見つめた。
「ありがとうございました。またお越し下さいませ」
その声は客のいなくなった空間に、ひどく頼りなく響いた。
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