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敵の正体編
第74話「討伐隊の結成」
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深夜の空気は冷え込み、コンビニの蛍光灯の明かりがやけに頼りなく感じられる。
カラン、と扉の鈴が鳴り、常連の騎士が姿を見せた。
いつもと同じ鎧姿――だが、その音はどこか重く、歩みに迷いがない。店内に足を踏み入れた瞬間、漂う空気が張り詰め、レンもニナも無言で顔を上げた。
騎士は鮭のおにぎりとお茶、そしてホットスナックのチキンを籠に入れる。
普段ならゆっくりと吟味する彼が、今夜は迷いなく手に取り、早足でレジへと向かう。その背中からは、ただならぬ緊張が伝わってくる。
会計の際、彼は小さく息を吐き、短く言葉を落とした。
「……明日から、俺はシャドウ討伐隊に加わる」
ニナの指が紙袋を握りしめる音が聞こえた。
「討伐隊……」と繰り返した声は、かすかに震えていた。
騎士は淡々と続ける。
「領都の決断だ。各地の部隊が招集され、俺たちもその一員になる。……正直、何が待っているか分からん。ただ、誰かがやらなければならない」
レンはレジを打つ手を止めず、いつもの笑みを浮かべたまま深く頷いた。
その笑顔の奥で――あの赤い目と影の群れを思い出し、背筋に冷たいものが走る。
商品を受け取った騎士は、ふっと息を整え、ほんの一瞬だけ柔らかな笑みを見せた。
「……この店の飯で、随分と力をもらったよ。帰って来れたら、また寄らせてもらう」
ニナは胸を詰まらせ、必死に声を絞り出した。
「どうか……ご無事で」
レンは深く頭を下げ、言葉を送る。
「ありがとうございました。またお越し下さいませ」
その声には、ただの挨拶以上の祈りが込められていた。
扉の鈴が再び鳴り、騎士の背中が夜の闇に消えていく。
店内に残されたのは、冷蔵ケースの低い駆動音と、胸の奥に広がる重苦しい沈黙だけだった。
カラン、と扉の鈴が鳴り、常連の騎士が姿を見せた。
いつもと同じ鎧姿――だが、その音はどこか重く、歩みに迷いがない。店内に足を踏み入れた瞬間、漂う空気が張り詰め、レンもニナも無言で顔を上げた。
騎士は鮭のおにぎりとお茶、そしてホットスナックのチキンを籠に入れる。
普段ならゆっくりと吟味する彼が、今夜は迷いなく手に取り、早足でレジへと向かう。その背中からは、ただならぬ緊張が伝わってくる。
会計の際、彼は小さく息を吐き、短く言葉を落とした。
「……明日から、俺はシャドウ討伐隊に加わる」
ニナの指が紙袋を握りしめる音が聞こえた。
「討伐隊……」と繰り返した声は、かすかに震えていた。
騎士は淡々と続ける。
「領都の決断だ。各地の部隊が招集され、俺たちもその一員になる。……正直、何が待っているか分からん。ただ、誰かがやらなければならない」
レンはレジを打つ手を止めず、いつもの笑みを浮かべたまま深く頷いた。
その笑顔の奥で――あの赤い目と影の群れを思い出し、背筋に冷たいものが走る。
商品を受け取った騎士は、ふっと息を整え、ほんの一瞬だけ柔らかな笑みを見せた。
「……この店の飯で、随分と力をもらったよ。帰って来れたら、また寄らせてもらう」
ニナは胸を詰まらせ、必死に声を絞り出した。
「どうか……ご無事で」
レンは深く頭を下げ、言葉を送る。
「ありがとうございました。またお越し下さいませ」
その声には、ただの挨拶以上の祈りが込められていた。
扉の鈴が再び鳴り、騎士の背中が夜の闇に消えていく。
店内に残されたのは、冷蔵ケースの低い駆動音と、胸の奥に広がる重苦しい沈黙だけだった。
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