『ミッドナイトマート 〜異世界コンビニ、ただいま営業中〜』

KAORUwithAI

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日常編

第5話「先輩騎士のおすすめセット」

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 深夜0時、ミッドナイトマートの鈴がいつものように鳴った。

 「おぉ、今日もやっておるな!」

 堂々とした足音とともに、いつもの“鎧のお客様”がやってくる——が、今夜は少し様子が違った。

 その背後に、もう一人、若い騎士風の男が控えている。肩に小さなマントを羽織り、どこか緊張した様子で店内をきょろきょろと見渡していた。

 「こ、ここが例の……?」

 「うむ。“異界の補給所”——この世界で言うところの“コンビニ”だ。案ずるな、接客も清潔度も一流だぞ」

 カウンターからニナが「いらっしゃいませ」と頭を下げると、若い騎士はびくりと肩を揺らした。

 「だ、第一印象がすでに違います……!」

 「それでだな、先ほど申していた“夜食”だが……」
 鎧の男は後輩をホットスナックコーナーの前へと連れて行くと、真剣な目で商品を指差した。

 「お茶、それから“しゃけのおにぎり”。そして、これだ——“フライドチキン”。この三つで夜食は完璧だ」

 「まさか……この三つだけで……?」

 「うむ。茶は身体を温め、鮭は栄養価が高く、チキンは気力が蘇る。これが我が数多の戦場を乗り越えてきた黄金の三点セット……名付けて、“先輩のおすすめ”!」

 「そ、そんな名前まで……!」

 にわかには信じがたいという顔をしつつも、若い騎士は言われた通りに商品を手に取る。

 レジではニナが待ち構えていた。

 「えっと、おにぎりと……チキンと……お茶ですね。合計で420ストーになります」

 「……あ、あの、ナイポってその……」

 「後輩の分も、わしのカードで頼む。この若者も、いずれ立派な常連になるであろうからな!」

 「し、師匠……!」

 「師匠じゃない。せめて“先輩”と呼べ」

 なんだかんだと言い合いながら、仲良さそうに去っていく二人の背中を、レンとニナはカウンターから見送った。

 「騎士って……たぶん、ああいうのが“日常”なんだろうなぁ」

 「うん。でもちょっと、羨ましいかも」

 そんな会話を交わした後、二人は声を揃えて言った。

 「ありがとうございました。またお越し下さいませ」
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