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第28話トンデモ推理と助手のツッコミ
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その日の夕方、探田探偵事務所では事件会議が開かれていた。
といっても、机の上にコンビニのおにぎりと犬の形をしたクッキーが並び、
マヨイはポチクッキーを一口かじりながら眉間にしわを寄せていた。
「うーむ……事件の構図は見えてきたぞ」
「見えてない顔してますよ。完全に“ヒントまだかな~”の顔ですよそれ」
「助手殿、静粛に。わしの迷──名推理が冴える音が聞こえんではないか」
「いや、絶対音出てません。せいぜいポリポリ言ってます」
マヨイは椅子から立ち上がり、ホワイトボードにポチの名前を殴り書きした。
「まず、犬がいなくなった」
「それは事実です」
「次に、首輪だけが庭に残されていた」
「これも確認済みですね」
「そして……ポチは最後、新築アパートの前にいた!」
「はい、そこまでが“事実”ですね。で、ここからが怪しいんですよね? “推理”が」
マヨイが勢いよくホワイトボードに丸を書き始めた。
「わしの推理によれば、ポチはあのアパートにいる“何者か”に恋をしたのじゃ!」
「えっ、恋!?」
「そうじゃ! すなわち、“犬の恋心が引き起こした失踪事件”じゃ!」
「いや待ってください、ポチ、オスですよね?」
「それが何じゃ。恋に性別は関係ない!」
「いやまあ……そうですけども! じゃあお相手は誰なんですか!?」
「犬……とは限らん!」
「やめて!? そこはせめて犬にして!? 人間相手はややこしいから!!」
マヨイは両手で双眼鏡を作って空中を見つめる。
「ポチは思ったのじゃ……“あの人のところに行きたい”と。
そして柵を乗り越え、足あとを残し、扉の前に……」
「なんでそんなロマンチックな語り口!? いやそれほんとに恋!?」
「しかも、恋が実らず、帰るに帰れず、そして
“今どこかで、さみしくワンと泣いておる”のじゃ……!」
「やめて! 涙ぐむのやめて! 自分で作った話で感動しないで!!」
ミナはホワイトボードに向かい直し、冷静に書き加える。
「事実ベースでいくと
・ポチは誰かを待っていた様子
・アパートの前にいた
・そのアパートには住人がいる
つまり、可能性として“アパートの住人が関与している”ことは否定できません」
「むむむ……つまり助手殿は、恋愛説を否定するのじゃな……?」
「“恋愛説”が最初から疑問なんです!!」
その時、絵美からのメッセージが届いた。
『夕方、アパートの近くで見たって人がいたみたいです』と。
「おお……これは来ておる。足あとじゃなく、“証言の道”が開かれておる!」
「いいから早く行きましょう! 推理の道がどこか曲がってる前に!!」
こうして、
恋なのか、事件なのか、それともただの迷子か。
迷探偵と助手のテンション差はそのままに、
次なる証言者を求め、現場へと向かうのであった。
といっても、机の上にコンビニのおにぎりと犬の形をしたクッキーが並び、
マヨイはポチクッキーを一口かじりながら眉間にしわを寄せていた。
「うーむ……事件の構図は見えてきたぞ」
「見えてない顔してますよ。完全に“ヒントまだかな~”の顔ですよそれ」
「助手殿、静粛に。わしの迷──名推理が冴える音が聞こえんではないか」
「いや、絶対音出てません。せいぜいポリポリ言ってます」
マヨイは椅子から立ち上がり、ホワイトボードにポチの名前を殴り書きした。
「まず、犬がいなくなった」
「それは事実です」
「次に、首輪だけが庭に残されていた」
「これも確認済みですね」
「そして……ポチは最後、新築アパートの前にいた!」
「はい、そこまでが“事実”ですね。で、ここからが怪しいんですよね? “推理”が」
マヨイが勢いよくホワイトボードに丸を書き始めた。
「わしの推理によれば、ポチはあのアパートにいる“何者か”に恋をしたのじゃ!」
「えっ、恋!?」
「そうじゃ! すなわち、“犬の恋心が引き起こした失踪事件”じゃ!」
「いや待ってください、ポチ、オスですよね?」
「それが何じゃ。恋に性別は関係ない!」
「いやまあ……そうですけども! じゃあお相手は誰なんですか!?」
「犬……とは限らん!」
「やめて!? そこはせめて犬にして!? 人間相手はややこしいから!!」
マヨイは両手で双眼鏡を作って空中を見つめる。
「ポチは思ったのじゃ……“あの人のところに行きたい”と。
そして柵を乗り越え、足あとを残し、扉の前に……」
「なんでそんなロマンチックな語り口!? いやそれほんとに恋!?」
「しかも、恋が実らず、帰るに帰れず、そして
“今どこかで、さみしくワンと泣いておる”のじゃ……!」
「やめて! 涙ぐむのやめて! 自分で作った話で感動しないで!!」
ミナはホワイトボードに向かい直し、冷静に書き加える。
「事実ベースでいくと
・ポチは誰かを待っていた様子
・アパートの前にいた
・そのアパートには住人がいる
つまり、可能性として“アパートの住人が関与している”ことは否定できません」
「むむむ……つまり助手殿は、恋愛説を否定するのじゃな……?」
「“恋愛説”が最初から疑問なんです!!」
その時、絵美からのメッセージが届いた。
『夕方、アパートの近くで見たって人がいたみたいです』と。
「おお……これは来ておる。足あとじゃなく、“証言の道”が開かれておる!」
「いいから早く行きましょう! 推理の道がどこか曲がってる前に!!」
こうして、
恋なのか、事件なのか、それともただの迷子か。
迷探偵と助手のテンション差はそのままに、
次なる証言者を求め、現場へと向かうのであった。
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