賢者転生〜世界最強の賢者、赤ん坊からやり直す〜

KAORUwithAI

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第42話 王立魔法学園、入学

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 それから数日後――
 ついに、その日がやって来た。

 王立魔法学園の入学式。

 ルークとミアは、世話になった宿の部屋で荷物をまとめ、簡単な挨拶を済ませて宿を引き払った。
 これから先は、学園の寮での生活になる。

「……いよいよ、学園だな」

 ルークが小さく呟くと、
 ミアは少し緊張した様子で頷いた。

「うん……なんか、実感わいてきた」

 二人は並んで学園へ向かう。

 朝の王都はいつも以上に人が多く、
 学園の正門前には、正装した新入生たちが集まっていた。



 入学式は、学園の大講堂で行われた。

 高い天井。
 整然と並ぶ座席。
 壇上には、学園長をはじめとした教員や来賓が並んでいる。

 厳かな空気の中、式が始まった。

 学園長エルドリヒ・ヴァルツァーの挨拶。
 来賓たちの祝辞。

 どれも長くはあったが、
 新入生たちは皆、真剣な表情で耳を傾けていた。

 そして――
 次に呼ばれた名前。

「生徒会長、セシリア」

 その瞬間、講堂がざわめいた。

 ルークは、思わず背筋を伸ばす。

 壇上へ向かうセシリアの姿は、
 宿で見せていた柔らかな表情とは違い、
 凛とした威厳に満ちていた。

 背筋を伸ばし、
 一礼してから、前に立つ。

「新入生の皆さん。
 本日は、王立魔法学園へのご入学、おめでとうございます」

 澄んだ声が、講堂に響く。

 近くから、ひそひそと声が聞こえてきた。

「……無詠唱の才女……」

「セシリア様だ……」

「……かっこいい……」

 だが、セシリアはそれを意に介することなく、
 新入生へ向けて、まっすぐ言葉を紡いでいく。

「この学園で過ごす日々は、
 決して楽なものばかりではありません」

「ですが――
 努力した分だけ、必ず力になります」

「どうか、自分自身の可能性を信じ、
 この学園で多くを学んでください」

 その姿を見ながら、
 ルークは小さく微笑んだ。

(……お姉ちゃん、すごい)

 挨拶を終え、
 セシリアが一礼して壇上を降りると、
 講堂には拍手が広がった。

 続いて、新入生代表の挨拶。
 その後も、式は滞りなく進み、
 入学式は無事に終了した。



 式の後、
 新入生たちは掲示板の前へ集まった。

 クラス分けの発表だ。

「……あった」

 ルークは、自分の名前を見つける。

「D組……か」

「……ルーク!」

 隣から、嬉しそうな声。

 ミアだった。

「同じクラスだよ!」

「……よかった」

 ほっとしたように答える。

 二人で教室へ向かい、
 D組の教室に入った。

 すでに何人かの生徒が席についており、
 ざわざわとした雰囲気が漂っている。

 ミアがルークの隣に来て、
 小声で言った。

「同じクラスで、ほんとによかった」

「……うん」

 その時――

「あ、あの……」

 後ろから、控えめな声がした。

 振り返ると、
 そこに立っていたのは、見覚えのある少女だった。

 王都へ来た初日。
 路地裏で助けた、あの女の子。

「……この前は」

「助けてくれて、ありがとうございました」

 深々と頭を下げる。

「……あれから、大丈夫だった?」

「はい。おかげさまで」

 少し緊張しながらも、
 少女は名乗った。

「あ、すみません……
 私、ニーナって言います」

「……ルーク」

「……ミアです」

「よろしくね」

 ミアがにこっと笑う。

「よ、よろしくお願いします」

 ニーナは、少し安心したように笑った。

 三人で軽く言葉を交わしていると、
 教室の扉が開いた。

「おーい、いつまでも立ってないで席に着け」

 入ってきたのは、
 やや無精ひげの男性教員だった。

「今年一年、
 お前らD組の担任になった、テオだ」

 そう名乗り、
 黒板の前に立つ。

「まずは、授業の進め方と学園の規則だ」

 テオは淡々と説明を続けていく。

 授業の構成。
 実技演習の注意事項。
 寮での生活ルール。

 その日はガイダンスのみで、
 授業は行われなかった。



 解散後。

 ルークは男子寮へ。
 ミアとニーナは女子寮へ向かう。

「……また、あした」

「うん。明日から、授業だね」

「……がんばろ」

 それぞれの道で別れ、
 寮の部屋へと入る。

 ベッドに腰を下ろし、
 ルークは天井を見上げた。

(……始まったな)

 学園生活。

 新しい仲間。
 新しい学び。

 期待と、不安が入り混じる中、
 新入生たちは、それぞれの思いを胸に、
 静かに眠りへと落ちていった。

 ――明日から始まる日々が、
 どんな未来へ繋がっていくのかを、
 まだ誰も知らずに。
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