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第41話 変わらない距離、変わった立場
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セシリアは、くすっと笑った。
「立ち話もなんだし、
どこかで話そうか?」
ルークは少し考え、
「……一階の食堂で......」
そう言いかけたところで、
セシリアが首を傾げる。
「え? ルークの部屋でいいじゃない」
「……え、いや……でも……」
歯切れの悪い返事。
セシリアは、じっとルークを見つめた。
「……なに?」
「私に見られたくないものでも、あるの?」
「いや、そんなことは……」
言葉を濁すルークに、
セシリアはにこりと笑う。
「じゃあ、決まりね」
「部屋で話しましょ」
「……わかった」
観念したように頷き、
三人は部屋へ向かった。
*
扉を開けた瞬間、
セシリアは部屋の中を見回した。
そして――
すぐに、違和感に気づく。
「……あれ?」
「なんで、ミアの荷物がここにあるの?」
「自分の部屋に置けばいいじゃん」
ルークは、額にじわりと汗を滲ませる。
「……えっと……」
セシリアは、にっこりと微笑んだまま、
核心を突く。
「まさか……一緒の部屋?」
「……そんなわけ、ないよね?」
「……そうだよね」
ルークは、必死に頷いた。
「じゃあ、ミアの部屋はどこ?」
「……えっと……どこだったかな……?」
誤魔化すように視線を逸らす。
その瞬間、
セシリアはミアを見る。
ミアは、ぷいっと目を逸らした。
「……はぁ」
セシリアは、大きくため息を吐いた。
「やっぱり、一緒の部屋だったのね」
「……ごめん」
ルークが、素直に頭を下げる。
セシリアは、少しむくれた。
すると、ミアが慌てて前に出る。
「ち、違うの!」
「私が、ルークと一緒の部屋がいいって言ったの!」
「一人じゃ、ちょっと怖かったし……」
セシリアは、ミアを見てから、
ルークを見る。
「はぁ……そういうことなら」
「ちゃんと、そう言えばいいのに」
そして、肩をすくめた。
「……まぁ、いいわ」
そう言って、柔らかく微笑む。
「二人とも――
合格、おめでとう」
「ありがとう」
「……ありがとう、ございます」
ミアも、ぺこりと頭を下げた。
*
「それで?」
セシリアは、すぐに話題を切り替える。
「学園長に呼ばれたんでしょ?」
「何の話だったの?」
ルークは、頷いた。
「……無詠唱魔法の、研究を」
「作って欲しいって」
その言葉に、
セシリアの目が、ぱっと輝く。
「すごいじゃない!」
「研究を作れるのは、
成績優秀者だけよ?」
「……へぇ」
「それで、顧問は?」
「……アイン先生」
「……あぁ、あれか」
あっさりした反応。
「……あれって?」
ルークが首を傾げる。
「だってさ」
「無詠唱、教えろ教えろって
うるさいんだもん」
「ルークに教えてもらったものだし」
「勝手に人に教れないでしょ?」
そして、胸を張る。
「教えるなら、
ルークの方が、絶対いいもん」
「……そっか」
ルークは、少し照れながら言った。
「……ありがとう」
*
ふと、ルークは思い出した。
「……そういえば」
「さっき……」
「……会長って、呼ばれてた」
「なんの、会長?」
セシリアは、一瞬きょとんとし――
次の瞬間、誇らしげに笑った。
「私?」
「学園の――
生徒会長」
「……え」
「……ええ!?」
ルークとミアは、揃って驚く。
セシリアは、嬉しそうに胸を張った。
「頑張ったんだから」
「……すごいね」
「頑張ったんだね」
「約束だったからね」
セシリアは、少しだけ照れながら言う。
「……ルークに」
「強くなるって」
*
少し間を置いて、
セシリアは小さな声で言った。
「……ねぇ、ルーク」
「……ぎゅって、してほしい」
ルークは、迷わず一歩近づき、
セシリアを抱き寄せる。
ぎゅっ。
セシリアも、腕を回した。
「……ありがとう」
そう言って、そっと離れる。
*
「……ねぇ」
「私も、その研究に入っていい?」
ルークは少し考え、
「……分からないけど」
「……アイン先生に、聞いてみる」
「……でも」
「生徒会長もあるし大変じゃない?」
セシリアは、胸を張る。
「大丈夫!」
*
三人は、それぞれの成果を話し始めた。
「……わたし」
「上級と、合成魔法、できるようになったよ」
「ミアも、頑張ったね」
「……お姉ちゃんは?」
「上級は問題ないわ」
「合成は……少しだけ」
「詠唱もないし、
イメージだけじゃ難しくて」
「……じゃあ」
「……今度一緒にやろ」
「……うん!」
嬉しそうに頷くセシリア。
*
その時――
――コンコン。
ノックの音が響いた。
扉を開けると、
そこにはエミリが立っていた。
「……こんなところまで?」
セシリアが言う。
「会長が会議を抜け出すからです」
冷静な返答。
「だって……」
「ルークと話したかったんだもん……」
口を尖らせるセシリア。
「議題はほぼ終わりました」
「後は、会長の仕事です」
エミリは、手を取る。
「行きますよ」
「……またね!」
「入学式で会おう!」
そう言い残し、
セシリアは引きずられていった。
扉が閉まる。
*
静かになった部屋で、
ルークとミアは顔を見合わせた。
「……大変そうだね」
「……でも」
二人は、同時に小さく笑った。
変わらない距離。
変わった立場。
それでも、
また一緒に歩いていける。
そんな確信が、
静かに胸に残っていた。
「立ち話もなんだし、
どこかで話そうか?」
ルークは少し考え、
「……一階の食堂で......」
そう言いかけたところで、
セシリアが首を傾げる。
「え? ルークの部屋でいいじゃない」
「……え、いや……でも……」
歯切れの悪い返事。
セシリアは、じっとルークを見つめた。
「……なに?」
「私に見られたくないものでも、あるの?」
「いや、そんなことは……」
言葉を濁すルークに、
セシリアはにこりと笑う。
「じゃあ、決まりね」
「部屋で話しましょ」
「……わかった」
観念したように頷き、
三人は部屋へ向かった。
*
扉を開けた瞬間、
セシリアは部屋の中を見回した。
そして――
すぐに、違和感に気づく。
「……あれ?」
「なんで、ミアの荷物がここにあるの?」
「自分の部屋に置けばいいじゃん」
ルークは、額にじわりと汗を滲ませる。
「……えっと……」
セシリアは、にっこりと微笑んだまま、
核心を突く。
「まさか……一緒の部屋?」
「……そんなわけ、ないよね?」
「……そうだよね」
ルークは、必死に頷いた。
「じゃあ、ミアの部屋はどこ?」
「……えっと……どこだったかな……?」
誤魔化すように視線を逸らす。
その瞬間、
セシリアはミアを見る。
ミアは、ぷいっと目を逸らした。
「……はぁ」
セシリアは、大きくため息を吐いた。
「やっぱり、一緒の部屋だったのね」
「……ごめん」
ルークが、素直に頭を下げる。
セシリアは、少しむくれた。
すると、ミアが慌てて前に出る。
「ち、違うの!」
「私が、ルークと一緒の部屋がいいって言ったの!」
「一人じゃ、ちょっと怖かったし……」
セシリアは、ミアを見てから、
ルークを見る。
「はぁ……そういうことなら」
「ちゃんと、そう言えばいいのに」
そして、肩をすくめた。
「……まぁ、いいわ」
そう言って、柔らかく微笑む。
「二人とも――
合格、おめでとう」
「ありがとう」
「……ありがとう、ございます」
ミアも、ぺこりと頭を下げた。
*
「それで?」
セシリアは、すぐに話題を切り替える。
「学園長に呼ばれたんでしょ?」
「何の話だったの?」
ルークは、頷いた。
「……無詠唱魔法の、研究を」
「作って欲しいって」
その言葉に、
セシリアの目が、ぱっと輝く。
「すごいじゃない!」
「研究を作れるのは、
成績優秀者だけよ?」
「……へぇ」
「それで、顧問は?」
「……アイン先生」
「……あぁ、あれか」
あっさりした反応。
「……あれって?」
ルークが首を傾げる。
「だってさ」
「無詠唱、教えろ教えろって
うるさいんだもん」
「ルークに教えてもらったものだし」
「勝手に人に教れないでしょ?」
そして、胸を張る。
「教えるなら、
ルークの方が、絶対いいもん」
「……そっか」
ルークは、少し照れながら言った。
「……ありがとう」
*
ふと、ルークは思い出した。
「……そういえば」
「さっき……」
「……会長って、呼ばれてた」
「なんの、会長?」
セシリアは、一瞬きょとんとし――
次の瞬間、誇らしげに笑った。
「私?」
「学園の――
生徒会長」
「……え」
「……ええ!?」
ルークとミアは、揃って驚く。
セシリアは、嬉しそうに胸を張った。
「頑張ったんだから」
「……すごいね」
「頑張ったんだね」
「約束だったからね」
セシリアは、少しだけ照れながら言う。
「……ルークに」
「強くなるって」
*
少し間を置いて、
セシリアは小さな声で言った。
「……ねぇ、ルーク」
「……ぎゅって、してほしい」
ルークは、迷わず一歩近づき、
セシリアを抱き寄せる。
ぎゅっ。
セシリアも、腕を回した。
「……ありがとう」
そう言って、そっと離れる。
*
「……ねぇ」
「私も、その研究に入っていい?」
ルークは少し考え、
「……分からないけど」
「……アイン先生に、聞いてみる」
「……でも」
「生徒会長もあるし大変じゃない?」
セシリアは、胸を張る。
「大丈夫!」
*
三人は、それぞれの成果を話し始めた。
「……わたし」
「上級と、合成魔法、できるようになったよ」
「ミアも、頑張ったね」
「……お姉ちゃんは?」
「上級は問題ないわ」
「合成は……少しだけ」
「詠唱もないし、
イメージだけじゃ難しくて」
「……じゃあ」
「……今度一緒にやろ」
「……うん!」
嬉しそうに頷くセシリア。
*
その時――
――コンコン。
ノックの音が響いた。
扉を開けると、
そこにはエミリが立っていた。
「……こんなところまで?」
セシリアが言う。
「会長が会議を抜け出すからです」
冷静な返答。
「だって……」
「ルークと話したかったんだもん……」
口を尖らせるセシリア。
「議題はほぼ終わりました」
「後は、会長の仕事です」
エミリは、手を取る。
「行きますよ」
「……またね!」
「入学式で会おう!」
そう言い残し、
セシリアは引きずられていった。
扉が閉まる。
*
静かになった部屋で、
ルークとミアは顔を見合わせた。
「……大変そうだね」
「……でも」
二人は、同時に小さく笑った。
変わらない距離。
変わった立場。
それでも、
また一緒に歩いていける。
そんな確信が、
静かに胸に残っていた。
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