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モブ令嬢イェーレ
11. そんなことで気を引こうとするとかドン引きだわ
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ダンスタイムに入ろうか、というタイミングでこちらに近づいてくる彼女に軽く頭を下げた。
彼女はにこりと微笑み軽く手を振るとエリザベスに声をかける。エリザベスは「ヴィクトリア」と微笑んだ。
ヴィクトリアの視線が私に向けられる。上から下、と見たヴィクトリアは目を瞬かせた。
「イェーレ、あなたドレスじゃないのね」
「はい、クランク嬢。私は只今フェーマス嬢の護衛の任を務めておりますゆえ」
「やだ、口調まで変わってない?いつも通りヴィクトリアで良くてよ」
「申し訳ありません。公私は分けなければなりませんから」
いまは任務中なので、いくら友人のヴィクトリアでも親しく接することはできない。
ヴィクトリアは少し納得がいかない様子で「そう」と呟く。そういえば、と私から視線を外してエリザベスへと視線を向けた。
「ところでエリザベス。あなた、今日は本当ならあそこで第二王子殿下と一緒のはずでしょう。どうしたの?まさか、妃教育をお休みしていることに関係があるの?」
そう。本来ならば第二王子の婚約者であるエリザベスは、第二王子のエスコートを受けながらあの王族たちと共に登壇するはずだったのだ。彼女は若い王族の唯一の婚約者だから。
王太子殿下は「イェーレ嬢を妃として迎えたいから、婚約者は選定しない」と両陛下に告げたとあっけらかんと、生徒会室で、私に報告してきた。固まる私に「早く君をエスコートしたい」と言われてジェマ様に「愛されてますわねぇ」なんて言われた私の心情。
なので、王太子殿下は基本、まだ婚約者を選定中のメリーベル王女のパートナーを務めている。今日もそうだ。
ああ、うん。つらつら考えてる場合じゃない。表向き婚約者であるエリザベスがあの場に登壇していないのは確かにおかしい。でも、もう噂は広まっているから皆、ある意味納得するだろう。
―― どうやらイーリス第二王子殿下は、フェーマス公爵令嬢との婚約を無効化し、ダンフォール伯爵令嬢と婚約するのだと、殿下主導で、ジェマ様やクォーク様にも協力してもらって、さり気なく社交界には噂が流されていた。
「私の方からご説明してもよろしいでしょうか?」
「…ええ、いいわ。イェーレ、説明してちょうだい」
「今回、国賓であるヴェラリオン皇国第一皇子殿下をお迎えするにあたり、国王陛下より本日は王族のみで対応するとのお達しがありました。理由は、まあ…」
最後まで言わずに視線をずらす。ヴィクトリアも見たのだろう、彼女から「…まぁ」と不機嫌を隠さない声が漏れた。
そこには、仲睦まじい様子の第二王子とレアーヌがいた。
レアーヌは黄色ベースに金の刺繍が入ったドレスを身にまとっており、オレンジレッドの髪は緩やかに巻かれて、首元にあるネックレスは遠目からでも分かる大振りのエメラルドがメインに据えられているものだった。
明らかに、第二王子の色合いだ。
…乙女ゲームで隠しキャラであるエルのルートに入るには、第二王子をある程度攻略する必要がある。第二王子の好感度が確定ルートに入る寸前まで上がっている状態で、イェーレを仲間に引き入れなければならない。
え?キスしたのに確定ルートに入っていないのかって?うん。そうなんだよ、そこが変。
第二王子ルートでエリザベスにキスを見られてしまうイベントは、第二王子の確定ルートに入ったことを意味する。そこから、第二王子ルートの悪役令嬢であるエリザベスからの猛烈な圧力がかかり始めるからだ。もうすでにそのイベントが発生しているにも関わらず、私に接触してきたりするのはちょっとおかしい。ゲームの記憶を持っているなら、余計に。
まあ、今は考えても仕方ない。
「…ご理解いただけましたでしょうか」
「ええ。それはもう。ありがとうイェーレ。それもそうよね。婚約者ではない令嬢を壇上にあげる可能性が否定できないなら、王族のみでお迎えした方が良いわよね」
周囲の様子を伺えば第二王子たちのことに気づいたか、私たちの会話を耳にしていたか。現役世代の貴人たちが面白そうに第二王子たちを眺めているようだった。
醜聞は社交界が好む話題のひとつだ。それが王族のものともなれば、面白くて仕方がないだろう。そういう裏を探るようなことは苦手だから、やっぱり騎士でありたい。
第二王子を見ながらぼんやりと考え事をしているエリザベスに、ヴィクトリアが心配そうに声をかける。我に返って大丈夫だと微笑むエリザベスを見て、内心ため息を吐いた。
身内贔屓かもしれないけど、エルだったらこんな表情はさせない。絶対に。むしろでろでろに甘やかしてどうにかするだろう。
そんなことを考えていると、ひととおり挨拶を終えたのか、エルと殿下がこちらに向かって歩いてきた。まるでモーセの海割りのごとく、人波が分かれて道が出来ていく。
私たちのような、デビュタントしてから数年しか経っていない人たちの中には表情が引きつっている者もいた。現役世代の貴人たちのうち、軍に関係する家門の人なんかは手が震えている。
所詮神話は神話なのに、と考えるのは、ヴェラリオン皇国と繋がりがある我が家門と、王族ぐらいだろう。
エリザベスがエルに最敬礼を表す、深いカーテシーをした。それに続いてヴィクトリアも。
最敬礼のカーテシーともなると、ヒールを履いた状態で姿勢は伸ばし足と腰を同時に深く下げて相手の胸よりも低い位置になることもある。これ以外と筋力必要だよね。尊敬するわ。
ちなみに私は現在の立場は騎士なので、男性と同様お辞儀である。
「あなたが、フェーマス卿のご息女かな」
「お目にかかれて光栄です。クリストフ・フェーマスが娘、エリザベス・フェーマスでございます」
「フェーマス卿から話を聞いて、少し話をしてみたかったんだ。急にごめんね。そこまでかしこまらなくていいよ、これから学友となるのだから。そちらは?」
「ヴィクトリア・クランクと申します」
「イェーレ・ライズバーグと申します」
「よろしくね」
公的には、我が家とヴェラリオン皇国の繋がりはないとされている。だから初対面として扱われるのは当然だ。
それにしても、エリザベスのエルを見つめるその表情といったら…淑女はアルカイックスマイルで通すのが常識なんだけど、それも取れちゃってる。恋する乙女。かわいいな。
ふと、エリザベスが周囲に視線を向けて、エルが自国の人間から向けられている感情に気づいたらしい。一気に表情が曇った。
「…君に悲しい顔は似合わないよ。ありがとう。私のこの容姿のことで、心を痛めてくれたんだね」
「あ…」
「大丈夫。もともと覚悟していたことだし、理解してくれているレオナルドも…君もいてくれるから」
「…え…で、殿下…」
エルは胸元に手を添えて、エリザベスに向けて微笑んだ。
うん。側だけ見ればイケメンだよね、エルって。さすが隠しキャラ。
「君に婚約者がいたことは知っている。ただ、まあ彼は彼で踊る相手がいるようだし、私はフェーマス嬢と踊りたい。良ければ、手を取ってもらえないかな?」
「わたくしで良ければ、喜んで」
殿下から視線で了承をもらったエリザベスは、エルの手を取った。
ほんのり色づいた頬に、柔らかな笑みを浮かべているエリザベスをエルがホール中央へとエスコートしていく。
その場に残ったのは、私とヴィクトリア、それから殿下だ。
「…本当だったのね」
ぽつりと呟いたヴィクトリアに、殿下が微笑みで答える。ヴィクトリアは扇子で顔を隠すと、呆れた眼差しを第二王子に向けた。
第二王子は、エリザベスとエルを見て驚愕したかのように瞳を大きく見開いている。それはレアーヌも同じだ。
「…そういえば、ドードゥリアン嬢から聞いたのだけれど」
不意に殿下が呟く。
それにつられて私とヴィクトリアが殿下の方を見れば、アルカイックスマイルで殿下は小さく告げた。
「…恋のスパイスとして協力してる立場なんだって」
「「は?」」
奇しくも私とヴィクトリアの声が重なった。恋のスパイス?は??
誰のことを指しているか、なんて分かりきっている。レアーヌだ。ジェマ様がさり気なく聞いてくれたのだろう。
ヴィクトリアに至っては何かに気づいたようで、額に手を当てて眉根を寄せる。それから、衝撃的な発言をしたのだ。
「つまり、あのキスの噂も、実際にはやっていないと?嫉妬させようとしただけ?」
「……では、エリザベスが見たという光景は」
「フリだったそうだよ。まあ、エリザベス嬢も疲れてたからちょうど良かったんだよ。きっと」
「(ねぇイェーレ。ゲームのイェルクルートも、もしかして…)」
「(あり得る)」
つまり、第二王子はエリザベスが好き。
で、エリザベスに嫉妬してほしかったからあんな行動をしていたらしい。ふざけんな。
あーー、だからエリザベス宛にドレス贈ったのかあの野郎。いやもうドレスはエリザベスに内緒で送り返したけど。
ちなみにその事実はエリザベスには伝えられていない。
なんでも、第二王子の記録映像を見たフェーマス公爵が激怒されたようだ。まあ、最近の勉学に対する姿勢もあまりよろしくなかったそうだから、見限られたのだろうな。
よくよく観察すれば、第二王子は踊りながらチラチラとエルとエリザベスを気にしている。それはエルを狙っているレアーヌも同じで。
「踏めばいいのに」
「あら奇遇ね。わたくしもそう思ったわ」
ドン引きしながらぼそりと呟いた私たちに、殿下は苦笑いを浮かべるだけだった。
彼女はにこりと微笑み軽く手を振るとエリザベスに声をかける。エリザベスは「ヴィクトリア」と微笑んだ。
ヴィクトリアの視線が私に向けられる。上から下、と見たヴィクトリアは目を瞬かせた。
「イェーレ、あなたドレスじゃないのね」
「はい、クランク嬢。私は只今フェーマス嬢の護衛の任を務めておりますゆえ」
「やだ、口調まで変わってない?いつも通りヴィクトリアで良くてよ」
「申し訳ありません。公私は分けなければなりませんから」
いまは任務中なので、いくら友人のヴィクトリアでも親しく接することはできない。
ヴィクトリアは少し納得がいかない様子で「そう」と呟く。そういえば、と私から視線を外してエリザベスへと視線を向けた。
「ところでエリザベス。あなた、今日は本当ならあそこで第二王子殿下と一緒のはずでしょう。どうしたの?まさか、妃教育をお休みしていることに関係があるの?」
そう。本来ならば第二王子の婚約者であるエリザベスは、第二王子のエスコートを受けながらあの王族たちと共に登壇するはずだったのだ。彼女は若い王族の唯一の婚約者だから。
王太子殿下は「イェーレ嬢を妃として迎えたいから、婚約者は選定しない」と両陛下に告げたとあっけらかんと、生徒会室で、私に報告してきた。固まる私に「早く君をエスコートしたい」と言われてジェマ様に「愛されてますわねぇ」なんて言われた私の心情。
なので、王太子殿下は基本、まだ婚約者を選定中のメリーベル王女のパートナーを務めている。今日もそうだ。
ああ、うん。つらつら考えてる場合じゃない。表向き婚約者であるエリザベスがあの場に登壇していないのは確かにおかしい。でも、もう噂は広まっているから皆、ある意味納得するだろう。
―― どうやらイーリス第二王子殿下は、フェーマス公爵令嬢との婚約を無効化し、ダンフォール伯爵令嬢と婚約するのだと、殿下主導で、ジェマ様やクォーク様にも協力してもらって、さり気なく社交界には噂が流されていた。
「私の方からご説明してもよろしいでしょうか?」
「…ええ、いいわ。イェーレ、説明してちょうだい」
「今回、国賓であるヴェラリオン皇国第一皇子殿下をお迎えするにあたり、国王陛下より本日は王族のみで対応するとのお達しがありました。理由は、まあ…」
最後まで言わずに視線をずらす。ヴィクトリアも見たのだろう、彼女から「…まぁ」と不機嫌を隠さない声が漏れた。
そこには、仲睦まじい様子の第二王子とレアーヌがいた。
レアーヌは黄色ベースに金の刺繍が入ったドレスを身にまとっており、オレンジレッドの髪は緩やかに巻かれて、首元にあるネックレスは遠目からでも分かる大振りのエメラルドがメインに据えられているものだった。
明らかに、第二王子の色合いだ。
…乙女ゲームで隠しキャラであるエルのルートに入るには、第二王子をある程度攻略する必要がある。第二王子の好感度が確定ルートに入る寸前まで上がっている状態で、イェーレを仲間に引き入れなければならない。
え?キスしたのに確定ルートに入っていないのかって?うん。そうなんだよ、そこが変。
第二王子ルートでエリザベスにキスを見られてしまうイベントは、第二王子の確定ルートに入ったことを意味する。そこから、第二王子ルートの悪役令嬢であるエリザベスからの猛烈な圧力がかかり始めるからだ。もうすでにそのイベントが発生しているにも関わらず、私に接触してきたりするのはちょっとおかしい。ゲームの記憶を持っているなら、余計に。
まあ、今は考えても仕方ない。
「…ご理解いただけましたでしょうか」
「ええ。それはもう。ありがとうイェーレ。それもそうよね。婚約者ではない令嬢を壇上にあげる可能性が否定できないなら、王族のみでお迎えした方が良いわよね」
周囲の様子を伺えば第二王子たちのことに気づいたか、私たちの会話を耳にしていたか。現役世代の貴人たちが面白そうに第二王子たちを眺めているようだった。
醜聞は社交界が好む話題のひとつだ。それが王族のものともなれば、面白くて仕方がないだろう。そういう裏を探るようなことは苦手だから、やっぱり騎士でありたい。
第二王子を見ながらぼんやりと考え事をしているエリザベスに、ヴィクトリアが心配そうに声をかける。我に返って大丈夫だと微笑むエリザベスを見て、内心ため息を吐いた。
身内贔屓かもしれないけど、エルだったらこんな表情はさせない。絶対に。むしろでろでろに甘やかしてどうにかするだろう。
そんなことを考えていると、ひととおり挨拶を終えたのか、エルと殿下がこちらに向かって歩いてきた。まるでモーセの海割りのごとく、人波が分かれて道が出来ていく。
私たちのような、デビュタントしてから数年しか経っていない人たちの中には表情が引きつっている者もいた。現役世代の貴人たちのうち、軍に関係する家門の人なんかは手が震えている。
所詮神話は神話なのに、と考えるのは、ヴェラリオン皇国と繋がりがある我が家門と、王族ぐらいだろう。
エリザベスがエルに最敬礼を表す、深いカーテシーをした。それに続いてヴィクトリアも。
最敬礼のカーテシーともなると、ヒールを履いた状態で姿勢は伸ばし足と腰を同時に深く下げて相手の胸よりも低い位置になることもある。これ以外と筋力必要だよね。尊敬するわ。
ちなみに私は現在の立場は騎士なので、男性と同様お辞儀である。
「あなたが、フェーマス卿のご息女かな」
「お目にかかれて光栄です。クリストフ・フェーマスが娘、エリザベス・フェーマスでございます」
「フェーマス卿から話を聞いて、少し話をしてみたかったんだ。急にごめんね。そこまでかしこまらなくていいよ、これから学友となるのだから。そちらは?」
「ヴィクトリア・クランクと申します」
「イェーレ・ライズバーグと申します」
「よろしくね」
公的には、我が家とヴェラリオン皇国の繋がりはないとされている。だから初対面として扱われるのは当然だ。
それにしても、エリザベスのエルを見つめるその表情といったら…淑女はアルカイックスマイルで通すのが常識なんだけど、それも取れちゃってる。恋する乙女。かわいいな。
ふと、エリザベスが周囲に視線を向けて、エルが自国の人間から向けられている感情に気づいたらしい。一気に表情が曇った。
「…君に悲しい顔は似合わないよ。ありがとう。私のこの容姿のことで、心を痛めてくれたんだね」
「あ…」
「大丈夫。もともと覚悟していたことだし、理解してくれているレオナルドも…君もいてくれるから」
「…え…で、殿下…」
エルは胸元に手を添えて、エリザベスに向けて微笑んだ。
うん。側だけ見ればイケメンだよね、エルって。さすが隠しキャラ。
「君に婚約者がいたことは知っている。ただ、まあ彼は彼で踊る相手がいるようだし、私はフェーマス嬢と踊りたい。良ければ、手を取ってもらえないかな?」
「わたくしで良ければ、喜んで」
殿下から視線で了承をもらったエリザベスは、エルの手を取った。
ほんのり色づいた頬に、柔らかな笑みを浮かべているエリザベスをエルがホール中央へとエスコートしていく。
その場に残ったのは、私とヴィクトリア、それから殿下だ。
「…本当だったのね」
ぽつりと呟いたヴィクトリアに、殿下が微笑みで答える。ヴィクトリアは扇子で顔を隠すと、呆れた眼差しを第二王子に向けた。
第二王子は、エリザベスとエルを見て驚愕したかのように瞳を大きく見開いている。それはレアーヌも同じだ。
「…そういえば、ドードゥリアン嬢から聞いたのだけれど」
不意に殿下が呟く。
それにつられて私とヴィクトリアが殿下の方を見れば、アルカイックスマイルで殿下は小さく告げた。
「…恋のスパイスとして協力してる立場なんだって」
「「は?」」
奇しくも私とヴィクトリアの声が重なった。恋のスパイス?は??
誰のことを指しているか、なんて分かりきっている。レアーヌだ。ジェマ様がさり気なく聞いてくれたのだろう。
ヴィクトリアに至っては何かに気づいたようで、額に手を当てて眉根を寄せる。それから、衝撃的な発言をしたのだ。
「つまり、あのキスの噂も、実際にはやっていないと?嫉妬させようとしただけ?」
「……では、エリザベスが見たという光景は」
「フリだったそうだよ。まあ、エリザベス嬢も疲れてたからちょうど良かったんだよ。きっと」
「(ねぇイェーレ。ゲームのイェルクルートも、もしかして…)」
「(あり得る)」
つまり、第二王子はエリザベスが好き。
で、エリザベスに嫉妬してほしかったからあんな行動をしていたらしい。ふざけんな。
あーー、だからエリザベス宛にドレス贈ったのかあの野郎。いやもうドレスはエリザベスに内緒で送り返したけど。
ちなみにその事実はエリザベスには伝えられていない。
なんでも、第二王子の記録映像を見たフェーマス公爵が激怒されたようだ。まあ、最近の勉学に対する姿勢もあまりよろしくなかったそうだから、見限られたのだろうな。
よくよく観察すれば、第二王子は踊りながらチラチラとエルとエリザベスを気にしている。それはエルを狙っているレアーヌも同じで。
「踏めばいいのに」
「あら奇遇ね。わたくしもそう思ったわ」
ドン引きしながらぼそりと呟いた私たちに、殿下は苦笑いを浮かべるだけだった。
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