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Episode14
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「ん……」
鷹夜に抱き付く俺の身体を抱き返した鷹夜は、そのまま俺の唇を奪い、息をする余裕もないくらいに深いキスをしてきた。
「ぁ……んん……」
久し振りの感触に、脳味噌が蕩けそうなくらいの甘い刺激が押し寄せてくる。
(キスってこんなに気持ちいいものだったんだ……)
これまでも、キスだけで充分に感じていたであろう俺だけど、鷹夜を好きだって自覚してからするキスはまた全然違う感じがする。唇が触れ合っているだけなのに、全身が満たされていく感じ……。
「んっ……ぁ、鷹夜ぁ……」
鷹夜からのキスに必死に応えながら、鷹夜に更に強く抱き付くと、鷹夜を好きって気持ちがどんどん大きくなっていくような感じがした。
そして、その好きな人と想いが通じ合っているということが嬉しくて、俺は泣きそうにもなってしまう。
「ぁ、ふ……んん……っ」
角度を変えて何度も重なる唇。そのたびに絡め取られて吸い上げられる舌に、俺の気持ちは徐々に昂っていった。
ほんと、キスだけでイっちゃいそう……。
キスの刺激だけで身体がもぞもぞと動いてしまう俺は、俺にキスの雨を降らせながら、器用に俺の服を取り除いていく鷹夜の手に、あっという間に一糸纏わぬ姿にされてしまった。
今までも服を脱がされたことはあるけれど、素っ裸にされたのは初めてで、さすがにちょっと恥ずかしい。ほぼほぼ全裸状態と、完全な全裸ではやっぱり少しニュアンスが違うっていうか……感じ方が違うって気がする。
「キスだけでもイけちゃいそうな顔してるね。ココももうぬるぬるだ」
「恥ずかしいから見ないでよ……」
俺の唇を解放した鷹夜は、自分の手で服を脱がせた俺の裸を、じっくり堪能するように眺めてきた。
そんなにまじまじと見られるような身体でもない俺は、鷹夜の視線が恥ずかしくて、思わず顔を背けてしまった。
いつも俺ばっかり恥ずかしいのはズルいよ。
「た……鷹夜は脱がないの?」
少しだけ鷹夜に視線を戻した俺は、まだ俺の前では一度も服を脱いだことのない鷹夜に聞いてみた。
もし、鷹夜が俺とセックスするつもりなら、今日は服を着たままってわけにもいかないよね。
「脱ぐよ」
そう言うが早いか、鷹夜はちょっとだけ身体を起こすと、俺の見ている前で、着ていたTシャツを脱ぎ捨てた。
たかがTシャツ一枚脱ぐという仕草だけなのに、その何気ない日常的な仕草にドキドキが止まらなかった。
特に鍛えているわけでもなさそうなのに、露わになった上半身は引き締まっていて、胸板なんかもしっかり厚い。腕の動きはしなやかで、男らしさを感じるし、服を脱ぐという行為自体がサマになっていると思う。
ただ服を脱ぐだけでも格好いいなんて……やっぱり鷹夜はズルいよ。おまけに、その脱いだ服の下の身体がこんなに男らしいのも反則。
この十三年間、俺と鷹夜にはどれほどの差があったっていうんだろう。同じ十三年間で、ここまでの体格差がついてしまう原因は何? 不公平過ぎる。
「ん? どうかした?」
「いや……なんでもない……」
まさか服を脱ぐ鷹夜に見惚れていたとは言えない。そして、初めて見る鷹夜の裸に、どうしようもなくドキドキしてしまうなんてことも。
「あ、そっか。由依は俺の裸見るのは初めてだったね。たいして自慢できるような身体もしてないけど」
「それ、俺の前で言う? 鷹夜に比べたら貧弱過ぎる俺の前で言うと、嫌味にしか聞こえないんだけど」
一般的に見て、充分過ぎる体格の持ち主である鷹夜は、自分が人から羨まれる肉体の持ち主であるとは思っていないようである。
そもそも、仮に鷹夜が痩せすぎの貧弱体型だったとしても、その長身だけで既に羨ましがられるものだ。スタイルだっていいし。足なんかも身体の半分を占めるくらいに長いんだから。
「由依は貧弱なんじゃなくて、小さくて可愛いんだよ」
「フォローになってないよっ!」
鷹夜との体格差に拗ねてしまう俺を、鷹夜がやんわりと宥めてきたけど、それはあまりフォローになっていなかった。
小さいって時点で、男としてはコンプレックスになるんだ。
でも、それって自分が男らしく見られたかったり、背が高い方が女の子に格好いいと思われるからだよね? 鷹夜と恋人同士になったのであれば、背が低いこともあまりコンプレックスに感じなくていいのかもしれない。
だって、鷹夜は俺の背が低くても、俺のことを可愛いって思ってくれるわけだし、好きって言ってくれるんだから。
「怒らないでよ。俺にとって由依は誰より可愛いし、誰よりもそそられる身体をしてるんだから」
「ん……」
ほっぺたを膨らませ、恨めしそうな目で鷹夜を見上げてしまう俺に、鷹夜がキスを落としくれる。
「俺に由依以外の人間は抱けないよ。たとえ目の前で裸になられたとしても、相手が由依じゃなきゃ勃ちもしない」
俺の機嫌を直すためなのか、事実なのかがよくわからないところだ。そこまで言ってもらえるのは嬉しいけど。
だけど、目の前で裸になられたとしても……だなんて。そんなことがあるんだろうか。それが事実なら、世の男子を数多く救ってくれるAVも、鷹夜には全く無意味なものってことになっちゃうじゃん。
俺以外の人間に興味がないと言う鷹夜は、AVも見たことないんだろうか。それなのに、俺にエッチなことをしてくる時の手慣れた手つきというか、人を気持ち良くさせるテクニックはどこから得たものなの? 俺なんか、AVを見たことがあってもよくわかっていないのに。
「そ……それは言い過ぎだよ。鷹夜だって、エッチな身体してる女の子の裸を見たら、絶対ムラッとしちゃうよ」
「しないよ。しない自信がある。俺、今までの人生の中で、一度も女の子に欲情したことないから」
「一度も……」
男として欲しいものは全て持っているのにもったいない話だ。
哲輝が
『仮に香澄に迫られたとしても、鷹夜が香澄に手を出すことはないってわかってるからさ』
と言ったのも、鷹夜がこういう人間だとわかっているからなんだろうな。
実際、美少女と形容する以外にない香澄と一緒にいても、鷹夜は一度も香澄に靡いたことがない姿も見ているんだろう。俺だったら、あんな可愛い子が同じクラスにいたら、好きになれていたんじゃないか……って思うのに。
「そうだよ。俺はずっと由依だけ。もう何度も言ったけど、由依以外には本当に興味がないんだよ」
少し雑談モードになってしまっていたけれど、服を脱いだ鷹夜がゆっくり俺の上に覆い被さってくると、俺達の間に流れていた空気が変わったように感じた。
「由依だけが好きだよ」
鼻先がぶつかりそうなほどの至近距離で囁かれると、胸がキュンとなる。
正直、自分には鷹夜がここまで想ってくれるほどの何があるんだろうって不思議になるけれど、好きな人にここまで想ってもらえるのは幸せ以外の何物でもないと思う。
だから、俺も返したい。鷹夜みたいに上手に愛情表現はできないかもしれないけど、鷹夜も俺に愛されてるって感じて欲しい。
「俺も鷹夜が好き。鷹夜だけが好き……」
言い慣れない言葉だから、口にすると途端に恥ずかしくなってしまうけど、俺が鷹夜にそう返すと、鷹夜が本当に嬉しそうに微笑むから
「大好きだよ、鷹夜」
そんな鷹夜の顔を見た俺も嬉しくなって微笑んだ。
遮るものは何もなく、肌と肌が触れ合う感触は想像以上に気持ち良くて、俺は思わずうっとりしてしまいそうだった。
鷹夜が俺を抱き締めてきてくれたから、俺も鷹夜の身体を抱き返すと、今までよりも更に近くに鷹夜を感じられた。
(好き好き好き好き……大好き……)
ただ抱き合っているだけなのに、幸せな気持ちがどんどん溢れてくるし、鷹夜を好きだって気持ちも高まっていく。
俺の中にはこんなにも鷹夜が好きって気持ちがあったんだ。よく今まで気付かなかったものだよね。我ながら鈍感過ぎる。
「今日は一緒に気持ち良くなろうね」
「うん」
鷹夜が好きって気持ちに支配されつつある俺は、今からすることへの不安がすっかりなくなってしまっていた。
鷹夜に全てを曝け出すことも、おそらく、今日は最後までするであろうセックスも……。
「由依……」
お互い裸で抱き合う感覚に酔いしれていた俺は、鷹夜に名前を呼ばれて目を上げた。
それが、まるで合図でもあるように……。
「あっ、ん……んん……」
最初に触れるだけのキスを唇に落とされたかと思うと、鷹夜の唇が、手が、俺の身体を優しく愛撫し始めて、俺は小さく息を詰めた。
既に気持ちが昂ぶっているからか、身体のどこにキスをされても感じるし、鷹夜の大きな手に触れられる場所は、触れられるそばから溶けてなくなりそうなくらいに熱くなった。
「ぁん……ぁ、ゃあ…ん……」
鷹夜の唇が胸元の小さな膨らみに吸い付いてくると、声が一気に甘くなり、背中ももどかしそうに撓った。
今までは、こういう声が出るのを恥ずかしいと思っていたけれど、今はもうそう思わない。
そりゃ、多少は恥ずかしいって気持ちもまだあるけれど、鷹夜に触れられて気持ちいいんだよってことを伝えてあげたい。
「相変わらず乳首が弱いね。声が一気に甘くなった」
「んんっ……気持ちいいの……気持ちいいからぁ……」
久し振りに弄られても、俺が乳首で感じてしまうとわかった鷹夜は、片方を唇で愛撫する傍ら、もう片方も指でキュッと摘んできた。
「あんんっ……やっ、ぁあ……」
左右で違う刺激を与えられるけど、そのどっちも気持ち良すぎてどうにかなっちゃうそう。
この二ヶ月間、鷹夜に刺激を与えてもらえなかった身体は、鷹夜から与えられる刺激を待ち侘びていたようだ。鷹夜の指に乳首を上下に擦られたり、舌先で押し潰されたりするだけで、その刺激が勃ち上がっているアレにも伝わって、俺は何度もイきそうになってしまった。
「ぃやっ……ぁんっ……ぁっ、んん……」
「ん? 嫌なの?」
「違っ……嫌じゃな……やぁっ、ん……」
口では嫌って言っちゃうけど嫌じゃない。それを伝えたいんだけど、どうしても嫌って言葉が出てしまうから、俺は首を横に振って伝えようとした。
「なるほど。由依の嫌は気持ちいいって意味なんだね」
「んっ……」
今度は首を縦に振って頷くと
「了解。心得た」
鷹夜は嬉しそうに笑って、俺の乳首に更に刺激を与えてきた。
「あんんっ……ぁ、んっ……ゃんっ……」
強くなった刺激に身体を仰け反らせてしまう俺は、咄嗟に手元のシーツをギュッと握り締め、イきそうになる感覚をどうにかやり過ごそうとした。
もともと鷹夜から与えられる刺激には弱くて、堪え性もない俺だけど、いくら久し振りだからといって、愛撫が始まって早々にはイきたくない。それなのに……。
「やぁんっ! ……ダメっ……ダメぇ……っ」
鷹夜は俺の乳首を愛撫しながら、空いてる手で勃ち上がった俺を撫でてくるから、鷹夜に触れられた俺はビクビクっと震えてしまった。
「イきそうになっちゃったね。かわい」
「ダメ……まだダメ……」
「まだイきたくないの?」
「うんっ……まだやだぁ……」
俺の出してしまった透明な蜜を先端の小さな孔に塗り込めるように動く指に、俺は甘えた声になって鷹夜に懇願した。
「イきたかったらイっていいんだよ? 今日は由依をいっぱいイかせてあげたい」
早々にイってしまいたくない俺と、いっぱいイかせたいから、イきたいならイっていいと言う鷹夜。
この場合、どちらの希望が通るかなんて、考えなくてもわかりそうなものである。
「我慢しなくていいよ。まだまだ先は長いんだから」
俺と違って余裕のありそうな鷹夜は、既に余裕なんてものはなく、いつイってしまってもおかしくない俺を気遣っている風でもある。
まだまだ先は長いってことは、この気持ちいいのがずっと続くってことだよね? だとしたら、確かに一回イくだけじゃ済まないのかもしれない。
俺はこの二ヶ月間、自慰行為でもあまり気持ち良くなれなかったから快楽に飢えているし、久し振りに鷹夜から与えられる刺激にも敏感になっている。
「それに、由依はイった後の方が感じやすくなるでしょ? もっと気持ち良くなりたいんじゃない?」
「うん……」
あっさりと言い包められてしまう俺。でも、この後セックスするつもりなら、身体が感じやすくなっていた方がいい気もする。
だってほら、男同士のセックスってアソコを使うんだよね? ちゃんと感じられないと、物凄く痛そうだし……。
「あの……鷹夜……」
「うん?」
俺がどうしたいのかを聞くまでは、鷹夜の愛撫も少し戯れのようになっていた。
俺はおずおずと口を開くと
「イきたい……イかせて……」
本当なら、もう一回イっていてもおかしくない身体の疼きを素直に、受け入れることにした。
「ほんと……由依は可愛いね」
ちゃんと鷹夜にお願いすることができた俺を、鷹夜は褒めるように撫でてくる。
そして、一度手を離した俺を大きな手で包み込むと、自分の零した蜜でぬるぬるになっている俺を、ゆっくりとした動きで扱き始めた。
「ぁんっ……んっ、んっ……あぁ、っ……」
俺を扱きつつ、ちゃんと乳首も弄ってくる鷹夜に、俺はあっという間に追い詰められてしまう。
「ゃんっ……んっ……気持ちい……イっちゃいそ……」
「そうみたいだね。俺の手の中で、由依が気持ちいいよってピクピクしてる」
「んんっ……ぁん……んんっ……」
俺をイかせるつもりはあるんだろうけど、鷹夜の手の動きはまだ優しくて、イきそうなんだけどイけないのが続く。
ずっと気持ちいいのが続くと、もどかしくて変になっちゃいそう。
「鷹夜っ……もっと……もっと強くしてよ……ぁんん……」
「感じてる由依の顔が可愛いから、もうちょっと見てたい」
「やだ……意地悪……意地悪ぅ……」
「そういう反応も全部可愛いんだよ」
鷹夜は俺の反応を楽しみながら、少しずつ手の動きを速めていった。
「ぁ、あっ……ぁんっ……んっ……」
くちゅくちゅと濡れた音が立つほどに強く擦られる頃には、鷹夜の手の動きに合わせて勝手に腰が揺れ、先端の小さな窪みからは、ひっきりなしに透明な蜜を滴らせるようになっていた。
やっぱり鷹夜の手にされる方が断然気持ちいい。自分の手でするよりも、鷹夜にしてもらう方が何倍も気持ち良く感じちゃう。
これも、俺が鷹夜を好きだからこそなのかな。
「ぁん……ぁん……鷹夜……気持ちいぃ……イっちゃぅ……」
「かわい……いいよ、イって」
「んっ…ぁ……あっ…あっ……あぁぁんっ!」
乳首を意地悪くきゅぅっと摘まみながら擦り上げられた瞬間、俺は我慢できずに射精してしまった。
「あ……あー……」
射精すると同時に、意識が飛びそうなくらいの強い快感が襲ってきて、イった後も何度か俺を扱き上げる鷹夜の手に、俺の身体は痙攣するみたいに震えた。
「いっぱい出たね。俺にエッチなことされてない間、由依は一人でしてなかったの?」
「ううん……してたけど……あんまり気持ち良くなれなくて……」
残滓を搾り取った後の鷹夜に聞かれ、ぼーっとしたまま聞かれるままに答えると
「自分でするより、俺にされる方が気持ちいいってこと?」
更に質問を重ねられた。
「うん……鷹夜にしてもらう方が気持ちいい……」
これにも素直に答えると、鷹夜は感極まったような顔になり、俺をぎゅぅって抱き締めてきた。
鷹夜の方が気持ちいいって言われたことが、どうやら物凄く嬉しかったらしい。
「あー……もう、可愛すぎる。ほんと、どうにかなっちゃいそう」
「ん……」
俺を抱き締めたまま、顔中にキスしてくる鷹夜の唇が擽ったい。
でも、喜ぶ鷹夜の姿を見るのは嬉しいから、俺はあんまり力の入らない腕で、鷹夜をギュッと抱き返した。
「鷹夜にしてもらうのが好き。だから、いっぱい気持ち良くして」
「由依……」
射精の余韻に包まれる俺は、鷹夜と二人っきりの空間にも酔っているのかもしれない。通常の意識だったら絶対に言えないような言葉も、驚くほどすんなりと出てくるから、自分でもちょっとびっくりしてしまった。
だけど、きっとこれが本心ってやつなんだろうな。こうやって理性が失われた時に、人の本心って現れるものなんだ。
「なんか幸せ過ぎて夢みたいだ。由依がいれば、俺はどこでだって幸せになれるよ」
耳に心地良く響く鷹夜の甘い言葉は、俺の脳を蕩けさせ、俺の心も満たしてくれる。
俺も鷹夜同様、鷹夜といればどこでだって幸せになれるって気がしてくる。
「由依。今日は最後までしたいんだけど……いい?」
改まった顔になって確認してくる鷹夜にも、俺は自然と笑みが零れていた。
今更そんな確認をしてこなくても、俺はとっくにそのつもりになっている。
「うん」
俺が小さく頷くのを確認した鷹夜は、俺の唇に啄むようなキスをしてきながら、俺の脚を大きく開かせてきた。
お尻が浮いちゃうくらいに左右に脚を開かされる格好は恥ずかしかったけど、これも覚悟の上。経験はなくても、知識なら少しある俺は、体位というか、どういう格好を取らされるものなのかを、多少なりとも知っている。知っているけど……。
「や……この格好……恥ずかしい……」
全てを曝け出す覚悟ができていても、自分では見えない場所まで全部鷹夜の前に晒すことになるのはやっぱり恥ずかしくなってしまう。
「大丈夫。これからもっと恥ずかしいことするんだから」
俺を宥める気はないのか、鷹夜のセリフは俺を益々恥ずかしくさせるだけだった。
既に恥ずかしいと言っている相手に、これからもっと恥ずかしいことするから大丈夫だなんて……。それのどこが大丈夫って言うんだろうか。
「由依のお尻は小さいね。でも、弾力があって綺麗なお尻だ。すべすべだし」
太腿を撫でるようにしてお尻まで這ってきた鷹夜の手は、俺のお尻をむにゅって掴むと、そのままいやらしい手つきで俺のお尻を揉んできた。
「ぁんん……やぁ……」
幸い、これまでの人生でお尻を揉まれるという経験のない俺は、身体の中で最も肉厚ともいえるお尻を揉まれ、なんだか変な気分である。
だけど、お尻全体を丹念に揉まれ、時々左右に開くように引っ張られているうちに、段々エッチな気分になってきた。
「ん? お尻で感じるようになってきた? また勃ちそうになってるよ?」
「んっ……んんっ……」
うぅ……言わないで欲しかったのに……。鷹夜の大きな手にお尻を揉まれているうちに、それが気持ちいいと感じるようになってきた俺は、少し前に射精して萎えてしまったアレが、再び勃ち上がりかけていることに気付いていた。
「由依はすぐ感じちゃうね。こんなに感じやすい身体をしてるなら、もう誰にも由依を触らせちゃダメってことだね」
「誰でも感じるわけじゃないもん……鷹夜だから感じちゃうんだ……」
掴まれたお尻をむにゅぅ~って左右に開かれると、その奥の蕾も開かれる感じがして、そこに今から鷹夜が挿入ってくるのかと思うと、心臓が激しく鼓動し始めた。
本当にここに鷹夜が挿入るんだろうか……。そう言えば俺、鷹夜の上半身ばかりに気を取られ、下半身はまだ見ていなかった。鷹夜のってどうなってるんだろう。ここまで体格差があるってことは、当然アレも大きいのかな?
「鷹……夜……」
見たいような、見たくないような……興味はあるけど恐怖も感じてしまう俺は、鷹夜にお尻を揉まれながら、そっと鷹夜の下半身へと手を伸ばしてみた。
直視するのは躊躇われたから、まずは触った感触で確かめようとしたわけである。
「っ……」
俺が下に向かっていっぱいまで伸ばした手が、ようやく鷹夜に触れたと感じた瞬間、鷹夜は俺のお尻を揉む手を一瞬止めて、小さく息を詰めたりした。
指先に少し触れただけだったけど、それだけでも充分にその大きさが伝わってくる。
「由依……いきなりそれはナシだよ」
「だ……だって……」
鷹夜はやんわりと俺を叱ってきたけれど、俺が鷹夜に触っちゃいけないってルールはないし、ナシって言ったら、そんな立派なモノを今までずっと隠していた鷹夜の方がナシだよ。
俺は視線を鷹夜の下半身に向けると、いつからなのか、しっかり勃ち上がっている鷹夜を見て、思わず声を上げそうになった。
嘘……鷹夜のってこんなに大きいの? こんなのが俺の中に挿入るもの? どう考えても無理だと思うんだけど。
「鷹夜の……凄くおっきいんだけど……」
「今までいっぱい我慢してたからね。我慢したぶん大きくなったのかもね」
「えぇっ⁈」
そんな理由でここまで大きくなるもの? だったら、そんなに我慢なんかしないで欲しかった。
鷹夜が我慢していたのは俺のせいだし、今更言っても仕方がないことかもしれないけど。
「ほんとは今にもイきそうなんだよ。だから、勝手に触っちゃダメ。由依の前でイく時は、由依の中でって決めてるんだから」
「そんなのズルいよ……」
そんなことを勝手に決められても……だ。だから、鷹夜は今まで俺の前で服を脱がなかったってこと?
俺は散々イかされて、鷹夜にイくとこいっぱい見られたのに。
「そんなわけだから、実は余裕もないんだけど、由依のお尻は小さいから、ちゃんと解してあげないと」
「あ……」
言い終わるや否や、お尻を揉むのを再開されたかと思ったら、鷹夜の指がお尻の奥の小さな入り口に触れてきて、まだキュッと閉じている入り口の周りを、円を描くように撫でてきた。
「ん……んん……ん……」
さっきイった時に出した俺の精液を絡めた指でソコを撫でられると、どうしてもくぐもった声が出てしまう。
こんなとこ、人に触られるのはもちろんだけど、自分で触ったこともないよ。
「力抜いててね。痛かったら言って」
「ん……うん……」
鷹夜は俺の反応を窺いながら、少しだけ中に指先を埋めてきた。その瞬間、思わず力が入ってしまい、鷹夜の指を締め付けてしまったけれど、俺はどうにか力を抜こうと、何度も大きな息を吐いた。
ちょっとずつ力が抜けていくと、鷹夜の指も少しずつ奥へと突き進んでくる。
「痛い?」
「ん……わかんない……痛くないと思う……」
初めての感覚だから、痛いのか痛くないのかもよくわからなかったけど、痛いとは感じなかったから痛くはないんだと思う。
「もう少し滑りがあった方がいいね。ちょっと待ってて」
「ん……」
痛くはないんだけど、中が引き攣れる感じがして気持ち良くなれない俺の顔を見た鷹夜は、一度俺の中から指を引き抜くと、ベッドの傍の引き出しに手を伸ばし、中から何かを取り出してきた。
「何? それ」
薄い水色の容器の蓋を開け、中身を手のひらに垂らす鷹夜に恐る恐る聞いてみると
「ローションだよ。由依に使う日が来るといいなと思って買っておいたんだ。買ってて正解」
という返事。
俺の気持ちを聞く前に、既にそこまでの用意をしている鷹夜に恐れ入る。
こんなものまで購入済みだったのなら、俺はいつ鷹夜に、最後までしよう、と促されてもおかしくなかったのかもしれない。
「これで大丈夫だと思うよ」
ローションを手に塗り込めた鷹夜が、再度俺の中に指を突き入れてくると、今度はさっきよりもすんなりと鷹夜の指が俺の中に挿入ってきた。
「ぁっ、ん……んっ……」
そのまま何度か指を抜き差しされたけど、ローションのおかげで引き攣れる感じはなく、中で滑らかに動く鷹夜の指を、少しずつ気持ち良く感じるようになってきた。
「問題なさそうだね。じゃあ、もう一本指を増やしてみるね」
「んんぅ……」
入り口のギリギリのところまで引き抜かれた指が、今度は二本になって中へと戻ってくる。
二本に増やされた指で中を擦られたり、押し広げられているうちに、俺の息は荒くなり、身体もどんどん熱くなってきた。
「あっ……ぁんっ……やっ……ゃん……そんなに動かしちゃ……」
ぐちゅぐちゅと音を立てて掻き回される中に、次第に甘い声も漏れちゃって……。初めてなのにこんなにすぐ気持ち良くなってしまう自分が浅ましいとも思ってしまう。
「だいぶ柔らかくなってきたよ。由依の身体は本当に感じやすくて助かるね」
「ゃんっ……ぁっ、ん……あっ……」
二本の指を根元までしっかり埋めた鷹夜は、より深い部分まで指を押し込んできて、何かを探るような動きをした。
その指が、グイっと中を押すように折り曲げられた途端、俺の身体はビクンっと大きく跳ね上がり、背中が弓なりに撓るくらいに仰け反った。
「やぁぁんっ……ぁ、な……何?」
一体自分の身体に何が起こったのかわからなくて、びっくりした目で鷹夜を見上げると、鷹夜はにやりと小さく笑い
「ココ?」
もう一度その場所を指で強く押してきた。
「あぁっ、ん……ゃ……ダメぇ……」
そこを押されちゃうと、身体が勝手にビクビク震えて、何がなんだかわからなくなっていく一方だった。
「ダメ……ダメ……そこ……いやぁ……」
ダメって言ってるのに、鷹夜はそこばっかり狙って押してくる。
「由依のいいトコ見つけた。ココ押されると気持ちいいんでしょ? 由依の中、凄く柔らかくなったよ」
「ぁんん……ぁんっ……ぁっ……」
最初はよくわからなかったけど、何度もそこを押されると、鷹夜の言うように気持ち良かった。
前を弄られている時とは違った感覚。違う快感だった。今まで感じたことのない快感は、自分の中では処理できないくらい、俺を戸惑わせてくる。
「や、ん……なんか変……変だよぉ……」
「心配しないで。ココが由依の気持ちいいところなんだよ。ほら、ココを弄ってあげると、由依からいっぱい蜜が溢れてくる」
「やぁっ、ん……ダメ……ぃやっ……そんなにいっぱい……しちゃダメだよぉ……」
中を指で掻き回しながら、ローションのついた手で勃ち上がった前も弄られちゃうと、身体中の力が抜けちゃうくらいに気持ち良くなっちゃう。
前も後ろも濡れた音を立てながら攻められて、身体の中では快感の波が荒れ狂っているみたい。こんなに気持ちいいのなんて知らないよぉ。
「あぁ……ぁん……あー……ん……イ、く……またイっちゃう……」
「そんなに気持ちいいの? でも、せっかくだから後ろだけでもっと気持ち良くなれるようになろうね」
「あ、ン……」
鷹夜の手の中でビクビクする俺から手を離した鷹夜は、乱暴にされても気持ち良くしかならない中をいっぱい擦ってきて、俺は腰から下が溶けそうになってしまった。
「気持ちいい……気持ちいいよぉ……」
「初めてなのに後ろだけで気持ち良くなれるなんて。由依の身体は本当に俺を喜ばせてくれるね」
「だって……だって……」
鷹夜にされると全部気持ちいいになっちゃうんだもん。俺だって、自分の身体がこんなに順応性があるなんて思ってなかったよ。
「あ……」
このまま鷹夜に中を弄られているだけでもイけそうになってきた俺は、ふいに手の動きを止められてしまい、戸惑いながら鷹夜を見上げた。
なんでやめちゃうの? って思っているうちに、身体の奥から物足りないって感情が湧き上がってきて、ジッとしていられなくなってしまう。
「ん……鷹夜ぁ……」
気付けば自分から腰を揺らして鷹夜に催促する俺は、自分で腰を動かすことで、鷹夜の指を抜き差しさせるようになっていた。
「自分から腰を振って気持ち良くなってるの? 由依はエッチだね」
「んん……鷹夜のせいだもん……鷹夜がエッチなことばっかりするから、俺がエッチになっちゃったんだ……」
「もう後ろだけで気持ち良くなれるようになったの?」
「ぅん……うん……」
さっきの刺激が欲しくて、一生懸命腰を揺らしてみるんだけど、やっぱり鷹夜がしてくれないと全然物足りない。
「鷹夜……してよぉ……さっきみたいに……」
お願いしながら腰を揺らすと、鷹夜はクスッと笑い、俺の中から指を引き抜いた。
「ぁん……なんで抜いちゃうの?」
思わず不服そうな声を漏らす俺に、鷹夜は相変わらずにこにこしたまま、俺のおでこやほっぺたにキスを落としてくる。
「さっきも言ったでしょ? 余裕ないって。由依が後ろで感じられるようになったんなら……ね?」
「あ……」
身体を起こし、俺の上に覆い被さってくる鷹夜のアレは、お腹につきそうなくらいに勃ち上がっていて、それを見た俺は、心臓がドクンッと大きく脈打ったのを感じた。
「由依の中、もう充分とろとろになってるから大丈夫だよね?」
「う、ん……」
正直、鷹夜の指と勃ち上がったアレじゃ、大きさも質量も全然違うから、大丈夫かどうなのかなんてわからない。
でも、指を引き抜かれてしまったことが物足りなくてしょうがない俺は、指よりもっと大きくて太い鷹夜に中を突かれることに、期待する気持ちしかなかった。
「ここからは一緒に気持ち良くなろうね」
「うん」
一緒に……。その言葉が凄く嬉しかった。今まで俺は鷹夜に気持ち良くしてもらうばかりで、鷹夜と一緒に気持ち良くなることがなかった。
ずっと、俺ばっかり……って不満に思ってたけど、今日はもうそうじゃないんだ。
「あ……ん……」
鷹夜の手が太腿の後ろに差し込まれ、俺のお尻がベッドから浮き上がるくらいに持ち上げたところに、熱くなった鷹夜が押し付けられた。
本当にセックスしちゃうんだ……と思うと、ドキドキが止まらないし、胸が切なくなるような感じもする。
今までは鷹夜にエッチなことをされることに対して、ただいやらしくて、いけないことをしているように感じていたけど、こうして両想いになって、一つになるため行為だと思うと神聖なものにさえ感じられた。
好きな人と心も身体も一つになって、一緒に気持ち良くなる。それがセックスなんだよね。
「あぁっ…んん……っ」
鷹夜との距離がグッと近くなったと感じると同時に、鷹夜が俺の中を押し広げながら挿入ってきた。
指とは比べ物にならないくらいの熱を帯びた鷹夜が挿入ってくる感覚は想像以上の衝撃で、俺は目を大きく見開くと、腰にぎゅぅっと力が入ってしまった。
「由依……力抜いて……」
「んん……うん……」
言われた通りに力を抜こうとするんだけど、なかなか上手くいかなかった。
どうしていいかわからないでいると、鷹夜の手が勃ち上がった俺を擦ってきて、その刺激に気持ち良くなった隙を衝き、少しずつ、ゆっくりと俺の中に突き進んでくる。
「あ、ん……んっ……鷹夜っ……」
「っ……由依……」
名前を呼ばれ、ギュッと閉じてしまっていた目をうっすら開けてみると、少し汗が滲み、苦しそうな表情の鷹夜が瞳に映り、俺の胸はいっぱいになった。
(大変なのは俺だけじゃないんだ……)
そう思うと、鷹夜と同じ気持ちでいるこの瞬間さえも愛しく感じられて、俺は鷹夜にぎゅぅっとしがみついた。
俺の腕が鷹夜の首に巻き付くと、鷹夜は俺の唇にいっぱいキスをしてきてくれて、その感覚を追っているうちに、鷹夜が俺の中に全部挿入ったようだった。
「由依……大丈夫? 痛くない?」
「うん……ちょっと苦しいけど……痛くない……」
「由依の中、熱くて凄く気持ちいい……」
「ん……俺と鷹夜、今一つになってるんだよね?」
「そうだよ」
最初は無理だと思ったのに。俺達、こうして一つになれたんだ。なんかちょっと感動しちゃう。
「ほんと、想像以上に気持ち良すぎてすぐにイっちゃいそうだ」
「鷹夜がイくなんてちょっと想像できない。いつも俺ばっかりイかされてたから」
「言ったでしょ? 我慢してたんだって。好きな子とエッチしてるのに、イかない男なんていないよ」
「それもそうだね」
鷹夜が今までどうやって我慢していたのかは知らないけど、俺だけ気持ち良くイっちゃった後、鷹夜は鷹夜で自己処理とかしてたのかな?
そう思うと少し可哀想だけど、俺のためにずっと我慢してくれていた鷹夜に愛しさが込み上げてもくる。
「由依……動いてもいい?」
「ん……うん……」
珍しく切羽詰まったような声で言う鷹夜に頷くと、鷹夜は僅かに腰を揺らし、俺の反応を窺った。
「あぁん……あ……」
俺の中で擦れる鷹夜の感触に、俺の口からは上擦った声が自然と上がった。
さっき指で掻き回されていた時の快感が蘇ってくる感じがして、自分の中が少しだけ柔らかくなったのがわかる。
「ん……由依の中……俺に絡みついてきて気持ちいい……」
「ぁんん……鷹夜も……鷹夜も熱くて気持ちいいよ……」
俺が痛がらないことを確認すると、鷹夜は俺の脚を担ぎ直し、ゆっくりと腰を送り始めた。
「あっ……やっ……ソコ……ソコはダメぇ……」
鷹夜の言う、俺のいいところを先端で突かれると、泣いてるみたいな甘い声が上がった。
それに、奥をズンッて突かれると、その度に身体が揺さぶられて、セックスしてるんだって実感もしてしまう。
「由依っ……気持ちいい?」
「んっ……うんっ……気持ちいい……」
「凄いね。初めてでも気持ち良くなるなんて……でも、俺も気持ちいいよ……」
「ぁんっ……ん……俺……変なのかな……」
「全然変じゃないよ。凄く可愛い。もっと気持ち良くなっていいんだよ」
「んんっ……ぁっ、ん……あっ……あぁんっ……奥っ……」
「ん? 奥がいいの?」
「んんっ……ぃ、い……気持ちいい……」
少しずつ大きく大胆になっていく鷹夜の腰の動きは、俺の一番感じるところを何度も何度も突き上げてくるようになり、いいところを突き上げられる俺は、感じすぎて涙が零れてしまうほどだった。
「鷹夜……鷹夜っ……」
「ん……由依っ……」
必死に鷹夜にしがみ付く俺の身体を鷹夜が抱き返してくれて、隙間なく鷹夜と抱き合った俺は、俺を突き上げながらキスしてくれる鷹夜に、泣きたいわけじゃないのに涙が止まらなくなってしまった。
「鷹夜っ……鷹夜……」
甘えた声で鷹夜の名前を呼び続けていると、俺の中の鷹夜が大きくなった。今までよりも大きくなった鷹夜にいっぱい中を擦られると、もっともっと気持ち良くなってしまう。
「鷹夜……ぁんっ……鷹夜……好き……」
「由依っ……可愛い……大好きだよ……」
好きって言った瞬間、中がきゅぅってなって鷹夜を締め付けてしまった。
「っ……ヤバ……持ってかれそ……」
「ごめん……ぁっ、ん……鷹夜……好きぃ……」
俺と同じくらい息が上がってきた鷹夜の動きが徐々に速くなる。
鷹夜の熱を感じながらその感覚を追っていると、なんだか大きな快感の波が押し寄せてきて、自分の中がもっと鷹夜を締め付けていくのがわかった。
「ぁんっ、あんっ……なんかきちゃうっ……きちゃうよぉ……あぁぁんっ!」
ガクガクと揺れる腰を掴まれ、更に大きく穿たれた俺は、強すぎる快感に意識を失いそうだった。
そして、一番感じるところを擦りながら、一際大きく突き上げられた瞬間、快感の波が決壊するのを感じた俺は、ビクビク震えながら射精してしまった。
射精しながら中の鷹夜を思い切り締め付けちゃったけど、それが鷹夜にとっては耐えられない刺激だったみたいで、俺がイったのとほぼ同時に、鷹夜も俺の中で弾けた。
「ぁ、んん……」
じんわりと中があったかくなる感触にも感じた俺は、俺の腰を掴んだまま、何度か腰を打ち付ける鷹夜に半分意識を失っていたけれど、全てを出し切り、俺に覆い被さってくる鷹夜を受け止めると、しばらくは言葉もないまま、射精の余韻に浸っていた。
言葉はなかったけど、俺をぎゅぅって抱き締めてくる鷹夜の腕から、鷹夜の気持ちが全部伝わってくる感じがして、それが俺には嬉しかったし幸せに思えた。
「由依……大丈夫?」
「うん……平気だよ。むしろ、なんか凄く嬉しいし、幸せな気分……」
ほんの少しだけ身体を起こした鷹夜が、俺を気遣う声で聞いてきたから、まだ息は乱れたままだったけど、俺はこくんと頷いた。
「そう……じゃあもう一回ね」
「え……?」
まさか……もう一回って……え……?
「今度はもっとゆっくりするね」
「いや……ちょっと……」
まさかとは思ったけど、俺の中の鷹夜はイったばかりだというのにまだ熱くて、硬度も失っていなかったから慌てた。
(ぜ……絶倫?)
俺は初めてのセックスに一回だけでもくたくたなのに、まだまだ全然元気な鷹夜には絶句してしまう。
「次はちょっと余裕もあるから。由依のこといっぱい気持ち良くしてあげるね。俺も由依をいっぱい感じたいし」
「あ……ぅ……」
どう返していいのかわからなくて、口をパクパクさせてしまう俺は、その口を鷹夜の塞がれ、再び俺の中をゆっくり突き始めた鷹夜に、ただ喘ぐ以外に方法がなかった。
最初に、「今日は由依をいっぱいイかせてあげたい」って言ったのは嘘じゃなかったんだ。でも、もう二回もイっちゃった俺は、既に充分気持ち良くしてもらったし、いっぱいイったって気もする。
一体、鷹夜のいっぱいって何回イくことを言うの? 二回イっただけでもへとへとなのに、三回も四回もイかされたりなんかしたら、明日は足腰立たなくなっちゃうよ。
「ぁ、ん……あぁん……もういい……もういいよぉ……」
「ダーメ。俺はまだ全然足りないよ? ほら、由依だって」
「ゃんっ……やぁっ……ダメ……ダメぇ……」
鷹夜の出した精液で、更に滑りが良くなった中を擦られると、身体が勝手に反応して、腰が小さく跳ねてしまう。
おとなしくなっていたアレも、鷹夜に突き上げられるにつれ、ピクピク震えながら勃ち上がってきた。
「やぁん……もうダメ……ダメなのにぃ……」
「ダメじゃないでしょ? こうしてちゃんと感じちゃう癖に」
「んんっ……あ、ン……あー……」
イったばかりで力の抜けきった身体は、もう何をされても、どう動かれても気持ち良くしか感じないみたいで、その快感を止めることはできなかった。
ほんとにもう……俺の身体がこうなったのは、全部鷹夜のせいなんだからね。
「愛してるよ、由依……」
鷹夜に与えられる刺激に感じることしかできない俺は、そんな甘い言葉を囁く鷹夜に抱き付くと、返事を返す代わりに鷹夜にキスをした。
十三年振りに実った初恋の夜は、終わりなんてないんじゃないかと思ってしまうくらい、甘く深く溶けていった。
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