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「あ……あ…ん……」
熱いキスが、唇から首筋へと、激しい雨のように降り注ぐ……。
肌を強く吸われるたびに身も心も震え、抑えきれない声が美月の口をついて出る。
寺沢課長は、最後にまた唇に深く分け入るキスをくれて……。舌をからめて口の中を思うがままに浸食していく。
瞬く間に支配された口の中で彼が動き、濡れた音が耳に響いてくる。ただでさえ熱くされていた身体が、今まで感じたことのない甘い熱さにうかされていく。
「ん、ん……あぅ…」
(こんな熱くて激しいキス……。こんなの……私、知らない……。キス……だけなのに……こんな……)
裸にされて身体の隅々が暴かれていくように、みだらな熱いキス。
普段のクールな彼からは少しも想像できずに戸惑うけれど、唇も、腰に回る腕も、美月を逃がす様子はないし……逃げたくもない。
必死に彼にすがりつき、しびれるような快感を唇に受けて、溺れていく……。
そして――
甘い甘い余韻を残しながら、彼の顔がゆっくりと離れていった。
(あ……いや……。離れちゃう……)
彼の身体と距離が開き、ひやりとした空気が肌に触れる。
行き所がなくなった荒い息を吐いて、美月は言い知れない寂しさに苛まれた。
すると、クスリといたずらそうな笑みを浮かべ、寺沢課長が顔をのぞき込んでくる。
「……そんなに名残惜しそうな目をして……。まだ物足りないのか?」
そんな言葉に、美月の心臓がドキリと跳ねる。
「そっ、そんな……」
少し目を潤ませてはいるけれど、彼はいつもと変わらない、クールな物言いだ。
彼のキスで身体中を熱くして、何も言えなくなった美月とは大違いだった。
(……信じられない……)
心臓がバクバクとして止まらないまま、少し上目遣いで彼を見る。
ちょっと悔しい思いだった。
(あんなキスをしてきたのに、平然としてるなんて……。今までこんなキスで女性に手を出しまくってたんじゃ……)
そんな考えを脳内でぐるぐると巡らせる。
(どんな人だってメロメロになるよね……。あのキスをされたら……)
少し思い出すだけでも、頬が赤くなりそうだった。
(つづく・・・)
熱いキスが、唇から首筋へと、激しい雨のように降り注ぐ……。
肌を強く吸われるたびに身も心も震え、抑えきれない声が美月の口をついて出る。
寺沢課長は、最後にまた唇に深く分け入るキスをくれて……。舌をからめて口の中を思うがままに浸食していく。
瞬く間に支配された口の中で彼が動き、濡れた音が耳に響いてくる。ただでさえ熱くされていた身体が、今まで感じたことのない甘い熱さにうかされていく。
「ん、ん……あぅ…」
(こんな熱くて激しいキス……。こんなの……私、知らない……。キス……だけなのに……こんな……)
裸にされて身体の隅々が暴かれていくように、みだらな熱いキス。
普段のクールな彼からは少しも想像できずに戸惑うけれど、唇も、腰に回る腕も、美月を逃がす様子はないし……逃げたくもない。
必死に彼にすがりつき、しびれるような快感を唇に受けて、溺れていく……。
そして――
甘い甘い余韻を残しながら、彼の顔がゆっくりと離れていった。
(あ……いや……。離れちゃう……)
彼の身体と距離が開き、ひやりとした空気が肌に触れる。
行き所がなくなった荒い息を吐いて、美月は言い知れない寂しさに苛まれた。
すると、クスリといたずらそうな笑みを浮かべ、寺沢課長が顔をのぞき込んでくる。
「……そんなに名残惜しそうな目をして……。まだ物足りないのか?」
そんな言葉に、美月の心臓がドキリと跳ねる。
「そっ、そんな……」
少し目を潤ませてはいるけれど、彼はいつもと変わらない、クールな物言いだ。
彼のキスで身体中を熱くして、何も言えなくなった美月とは大違いだった。
(……信じられない……)
心臓がバクバクとして止まらないまま、少し上目遣いで彼を見る。
ちょっと悔しい思いだった。
(あんなキスをしてきたのに、平然としてるなんて……。今までこんなキスで女性に手を出しまくってたんじゃ……)
そんな考えを脳内でぐるぐると巡らせる。
(どんな人だってメロメロになるよね……。あのキスをされたら……)
少し思い出すだけでも、頬が赤くなりそうだった。
(つづく・・・)
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