人骨トンネル

yukitaka.yamada

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囁き散る私は

忘れ物

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「あれから数年…」

私はフラフラと生き続けて専門学生になった。特に夢もなくなりたい職業もなく。ただ昔できてたことを活かしたいと思いながらデザイン関係の学校に入って遊んでいた。
だけど就職活動に入ってから大手のデザイナーだのイラストレーターだのに就き始め自分も焦っていた。

先生「歩さんそろそろどこにいきたいか決めてください。就活も迫っているので。」

専門学校に入ってからあか先生とは何かと縁がある。
でも私の面接練習だけ褒めようとしてくれない。

みんなは赫先生が私に酷い事をしてると言っているが。理由はわかる気がする。クラスの中で私が一番浮いているからだ。
つまり、みんなとの学歴の違い。簡単に言うとついていけなかった。

歩「私にはやりたいことなんてないです…」

赫先生「なら就職は普通企業ならいっぱいあるわよ。」

歩「私は…デザインの会社に就きたいんです…」

赫先生は近くの年収のいい募集などをかき集めて来てくれた。私は今そこまでに墜ちているのか…このクラスの中で…

赫先生「理想と現実は違うのよ。体験入学の時は入りたいっていっても、実力が伴わなければ辞めちゃうのが現実。」

赫先生「すべての授業ができる子なんていないけど今どきアナログしか書けない子なんて…採用会社なんてあんまりいないわ。」

歩「…そうですね」

ここに入ってから私は絵画とデッサンしか出来ていない。機械類は苦手だ…みんなと同じようになるのができなかったな。

赫先生「…私、あなたの絵は好きなのよ。ただそれが就職に活かせないだけ。今の時代に漫画家とか画家とか収入も不安定なのよ。」

慰めるように私に言いかけた。

歩「…償わなければならないことなら昔があったような気がします。」

赫先生「どんな事?」

歩「私の絵で友達が殺したことです。」

やばい…何いってんだ…私…でも昔あるべき真実を話したまでだ。

先生は戸惑いながらもこう答えた。

赫先生「それが嘘だとしても、私は教師として指導しなければなりません。詳しく話しなさい。」

…と言ってくれた。
赫先生はもうすぐ辞めるというのに最後まで心配してくれる…
優しい先生だ。

赫先生に全てを話したトンネルのこと…
蒼のこと…
そして、自分が描いた絵のこと…

赫先生「…それがどうしたの?」

歩「え?」

赫先生「可哀想にとは思ったけど実際にあなたの絵を見て吸い込まれたことはないわ。就職とも関係がないし。昔のことなんて忘れなさい。」

歩「…はい。」

まぁそれが普通だ。私は急に恥ずかしくなり、適当に選んだ会社に指を指し、赫先生に言った。

歩「これなんていいですね!面白そうで!」

赫先生「ここ介護職だけど大丈夫なの?給料も安いし…」

うわ‥本当だ…
私はそっと先生が選んでくれた企業用のプリントを手元に置いた。

歩「…よく見てなかったです…」

赫先生「あのそのトンネルさ…」

歩「え?」

トンネルの話に戻してくれた?

赫先生「うちの娘も行ったんだよね。あんまりこういう私情を生徒に言うのはどうかと思うけど。」

歩「私はなにも言えなかった。」

赫先生「言ってることめちゃくちゃだと思うけど…あなたがそのもし…トンネルが描けるなら私が辞める前に描いてほしい。」


歩「えっ!?」

あまりの衝撃で手が震えた。

赫先生「私の勝手かもしれないけどあなたの絵で娘のとこに連れて行ってほしい。」

歩「む、無理です!」

私は即答で回答を拒んだ。

赫先生「そうね。ごめんね。」

歩「…先生に娘さんいたんですね。」

赫先生「あぁ…昔ね…年齢だと幼稚園児だからちょうど今だとあなたぐらいになるかな。」

その日の先生との面談は少し、気まずい雰囲気で終わった。
私はもう描きたくない。私の絵で人が死ぬんだったら、私が蒼と一緒にトンネルに行くべき選択もあったはずだ。
…それともあのとき蒼は何か別のことを考えていたのかな。
夕焼け空が私を包み込むように照らし帰り道を彩っていた。

その時だった。帰り道にトンネルがあるのに気づいた。
いつもはこんなトンネルなかったのにな。

帰り道、私は誰かと一緒にいるべきだったかな。
好奇心こうきしんというものは抑えられないものだった。

歩「もしこれがみんなが言ってる人骨トンネルだったら…」

私はゆっくり一歩一歩…進んでいった。


↑専門学校2年作品
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