8 / 73
質屋
質屋2
しおりを挟む
三人は揃って馬車に乗り、街へとやって来た。幌馬車でもなくただの荷馬車だが、これでも維持するのが精一杯なのだ。
現在住んでいるルードリル地区から街に行くには馬車で三十分かかる。それほど掛からない方だが、帰りに荷物を持って帰るには荷馬車がないと困る。
「欲しいものが揃うといいわね」
ソフィアは膝の上に置いた箱に手を乗せて、明るい口調で言った。本当は寒さで顔が強張って話しにくいが、こういうときほど話したほうがいいと知っていた。寒いときはじっとしてるとますます寒くなる。
「毛織物と、毛糸と、香辛料、それから紅茶も欲しいわ」
キャサリンがソフィアにそう返すと「鶏を二羽買ったらどうだろう」と、ベンジャミンが言う。
「そうね。つがいで飼いましょう。そうしたら卵も手に入るし、いずれは肉にも困らなくなるもの」
キャサリンが嬉しそうにベンジャミンに話しかけるのを見て、ソフィアはそれだけで温かい気持ちになった。二人が楽しそうにしてくれているのは救いだ。
(大事にすると誓ったのにネックレスを手放してしまうのはさすがに気が重いわ……)
箱に置いている手が自然と箱を慈しむように動いていた。それでも二人にこれ以上迷惑はかけられないのだから、こうするほかない。
そんなふうに心を決めて質屋に行ったのだが、中年の店主はソフィアのネックレスを見て首を振った。
「こりゃあ、高価すぎますよ。うちじゃ扱えませんねぇ」
ソフィアは当てにしていた手前たじろいだが、食い下がった。
「そこをなんとかお願いいたします。今日はお金を借りて買い物をしないとならないですし、そうしないと冬を越せません」
うーんと唸った店主がソフィアの顔をまじまじ眺めた。
「あなた様は侯爵令嬢だと聞いてますよ。なぜにこんな片田舎に……いやまぁ、居てもいいんですがね。確かバトラー男爵の元に嫁に来たとか。バトラー家の皆さんはこのあたりには住んでおられんでしょう」
これが単なる好奇心なのか、ソフィアが本当にバトラー家の嫁かどうか怪しんでいるのか、ソフィアはどう答えたらいいのか困った。そこは後ろに控えていたキャサリンがグイッと前に歩み出て店主を睨みつけた。
「何が言いたいのかしら! ソフィア様は本物の侯爵令嬢でありましたし、今はバトラー男爵様の家に嫁いでおります。その証拠がそのネックレスだとおわかりでしょう?」
並のネックレスではないのは一目瞭然で、特に大きな真紅のルビーは相当金に余裕がなければ手が出せないものだ。
「いやいや、でもなんだってこんな所に住んで居るのか気になるところでしょうよ」
店主がまだそんなことを言うのでキャサリンもフンと鼻息荒くそっぽを向く。
「ヴィンセント様に恋人がいらっしゃるのは周知の事実。そんなことソフィア様の前で言わせるなんて、失礼にもほどがあるわ。この方はね、侯爵令嬢であるのに文句一つ言わずにあばら家で暮らしているんです! ヴィンセント様が恋人にうつつを抜かしまるで省みないから!」
ソフィアは気まずかった。店主の憐れみを持った眼差しを感じながらもう一度交渉しなければならなかったのだから。
「あの、そういうわけでどうしてもお金が必要なのです。分割でも構いませんので質にとってくださいませんか?」
ソフィアが懇願したところで、店の奥から女性が顔を出した。
「あんた、どうにでもやりようがあるだろ」
店主は茶色の髪を一束ねにしたその女性を妻だと紹介した。
「初めてお目にかかります、ソフィア様だったかしら。それにしても、ご苦労されているのですね。とは言っても実際、この店ではあまりに高価なネックレスに対して対価を出せるほどお金を置いてはいません。ただ、こうしたらどうでしょうね。主人に首都までこれを持って行かせて、質屋に入れさせる。そうすりゃ金は用意できるでしょ。だから、今日はツケで買い物をするってことでどうでしょう。あとからうちの主人にそのツケを支払ってもらえば万事解決ってもんです。手数料は貰いますけどね」
それはありがたい提案だが、問題は既にツケが溜まっていてもう商品を売ってもらえないかもしれないのだ。
「既にあちこちツケにしているもので……むしろもうお金を支払って欲しいと言われているのです。だから、これ以上はツケにしてもらえないのではないかと──」
ソフィアは言いながら、どこまで恥をさらさなければならないのかと頬を赤らめていた。
店主の妻は店主を肘で突いて「それは本物だろ?」と問い、「そこは間違いない」という答えを得た。
「じゃあ、その買い物にアタシが同行いたしましょう。アタシがとにかく一旦支払って、うちのツケにしとけばいいのさ」
今度はキャサリンが「それは本当に有り難いのですけど、実は家の修繕費も払わなくてはならなくて金額が大きいのもあるのです」と付け加えた。
「じゃあ、そこにも行ってうちが保証するからもう少し待って欲しいと言ってあげましょ」
店主の妻の男気に、店主とソフィアたち三人が唖然としていた。すると、妻はソフィアを見てウィンクする。
「アタシはね、お飾りの妻を娶る男なんて大嫌いなんですよ。しかもさ、その妻にこんな思いをさせて男の風上に置けないやつだと思っちゃってね。ね、そうだろアンタ」
急に話を振られた店主は慌てて「そ、そうだな」と答えた。主人はともかく、妻の方はソフィアの立場を理解し、応援してくれるらしいのだ。ソフィアはジンと心に感動が湧いてきて、体中に行き渡る気がした。
「ありがとうございます。私、このような親切を受けるのは初めてで、本当に嬉しく思います」
妻はカウンターの向こう側から出てきて「噂は耳にしていましたし、なによりそんなに寒そうなドレスを着て、嘘をついてるなんて思わないですもの。苦しい時はお互い様ってやつなんです」と、自分の肩にショールを掛けた。本当に買い物に同行してくれるのだとわかり、ソフィアはただただ深く感動していた。
現在住んでいるルードリル地区から街に行くには馬車で三十分かかる。それほど掛からない方だが、帰りに荷物を持って帰るには荷馬車がないと困る。
「欲しいものが揃うといいわね」
ソフィアは膝の上に置いた箱に手を乗せて、明るい口調で言った。本当は寒さで顔が強張って話しにくいが、こういうときほど話したほうがいいと知っていた。寒いときはじっとしてるとますます寒くなる。
「毛織物と、毛糸と、香辛料、それから紅茶も欲しいわ」
キャサリンがソフィアにそう返すと「鶏を二羽買ったらどうだろう」と、ベンジャミンが言う。
「そうね。つがいで飼いましょう。そうしたら卵も手に入るし、いずれは肉にも困らなくなるもの」
キャサリンが嬉しそうにベンジャミンに話しかけるのを見て、ソフィアはそれだけで温かい気持ちになった。二人が楽しそうにしてくれているのは救いだ。
(大事にすると誓ったのにネックレスを手放してしまうのはさすがに気が重いわ……)
箱に置いている手が自然と箱を慈しむように動いていた。それでも二人にこれ以上迷惑はかけられないのだから、こうするほかない。
そんなふうに心を決めて質屋に行ったのだが、中年の店主はソフィアのネックレスを見て首を振った。
「こりゃあ、高価すぎますよ。うちじゃ扱えませんねぇ」
ソフィアは当てにしていた手前たじろいだが、食い下がった。
「そこをなんとかお願いいたします。今日はお金を借りて買い物をしないとならないですし、そうしないと冬を越せません」
うーんと唸った店主がソフィアの顔をまじまじ眺めた。
「あなた様は侯爵令嬢だと聞いてますよ。なぜにこんな片田舎に……いやまぁ、居てもいいんですがね。確かバトラー男爵の元に嫁に来たとか。バトラー家の皆さんはこのあたりには住んでおられんでしょう」
これが単なる好奇心なのか、ソフィアが本当にバトラー家の嫁かどうか怪しんでいるのか、ソフィアはどう答えたらいいのか困った。そこは後ろに控えていたキャサリンがグイッと前に歩み出て店主を睨みつけた。
「何が言いたいのかしら! ソフィア様は本物の侯爵令嬢でありましたし、今はバトラー男爵様の家に嫁いでおります。その証拠がそのネックレスだとおわかりでしょう?」
並のネックレスではないのは一目瞭然で、特に大きな真紅のルビーは相当金に余裕がなければ手が出せないものだ。
「いやいや、でもなんだってこんな所に住んで居るのか気になるところでしょうよ」
店主がまだそんなことを言うのでキャサリンもフンと鼻息荒くそっぽを向く。
「ヴィンセント様に恋人がいらっしゃるのは周知の事実。そんなことソフィア様の前で言わせるなんて、失礼にもほどがあるわ。この方はね、侯爵令嬢であるのに文句一つ言わずにあばら家で暮らしているんです! ヴィンセント様が恋人にうつつを抜かしまるで省みないから!」
ソフィアは気まずかった。店主の憐れみを持った眼差しを感じながらもう一度交渉しなければならなかったのだから。
「あの、そういうわけでどうしてもお金が必要なのです。分割でも構いませんので質にとってくださいませんか?」
ソフィアが懇願したところで、店の奥から女性が顔を出した。
「あんた、どうにでもやりようがあるだろ」
店主は茶色の髪を一束ねにしたその女性を妻だと紹介した。
「初めてお目にかかります、ソフィア様だったかしら。それにしても、ご苦労されているのですね。とは言っても実際、この店ではあまりに高価なネックレスに対して対価を出せるほどお金を置いてはいません。ただ、こうしたらどうでしょうね。主人に首都までこれを持って行かせて、質屋に入れさせる。そうすりゃ金は用意できるでしょ。だから、今日はツケで買い物をするってことでどうでしょう。あとからうちの主人にそのツケを支払ってもらえば万事解決ってもんです。手数料は貰いますけどね」
それはありがたい提案だが、問題は既にツケが溜まっていてもう商品を売ってもらえないかもしれないのだ。
「既にあちこちツケにしているもので……むしろもうお金を支払って欲しいと言われているのです。だから、これ以上はツケにしてもらえないのではないかと──」
ソフィアは言いながら、どこまで恥をさらさなければならないのかと頬を赤らめていた。
店主の妻は店主を肘で突いて「それは本物だろ?」と問い、「そこは間違いない」という答えを得た。
「じゃあ、その買い物にアタシが同行いたしましょう。アタシがとにかく一旦支払って、うちのツケにしとけばいいのさ」
今度はキャサリンが「それは本当に有り難いのですけど、実は家の修繕費も払わなくてはならなくて金額が大きいのもあるのです」と付け加えた。
「じゃあ、そこにも行ってうちが保証するからもう少し待って欲しいと言ってあげましょ」
店主の妻の男気に、店主とソフィアたち三人が唖然としていた。すると、妻はソフィアを見てウィンクする。
「アタシはね、お飾りの妻を娶る男なんて大嫌いなんですよ。しかもさ、その妻にこんな思いをさせて男の風上に置けないやつだと思っちゃってね。ね、そうだろアンタ」
急に話を振られた店主は慌てて「そ、そうだな」と答えた。主人はともかく、妻の方はソフィアの立場を理解し、応援してくれるらしいのだ。ソフィアはジンと心に感動が湧いてきて、体中に行き渡る気がした。
「ありがとうございます。私、このような親切を受けるのは初めてで、本当に嬉しく思います」
妻はカウンターの向こう側から出てきて「噂は耳にしていましたし、なによりそんなに寒そうなドレスを着て、嘘をついてるなんて思わないですもの。苦しい時はお互い様ってやつなんです」と、自分の肩にショールを掛けた。本当に買い物に同行してくれるのだとわかり、ソフィアはただただ深く感動していた。
546
あなたにおすすめの小説
私を裏切った夫が、後悔しているようですが知りません
藤原遊
恋愛
政略結婚として、公爵家に嫁いだ私は
愛のない夫婦関係を「仕事」だと思い、正妻の役目を果たしてきた。
夫が愛人を持つことも、
その子を屋敷に迎え入れることも、黙って受け入れてきた。
けれど――
跡取りを、正妻の子ではなく愛人の子にする。
その言葉を、人前で軽く口にした瞬間。
私は悟ったのだ。
この家では、息子を守れないと。
元々、実家との間には
「嫡子以外の子は実家の跡取りにする」という取り決めがあった。
ならば話は簡単だ。
役目を終えた私は、離縁を選ぶ。
息子と共に、この家を去るだけ。
後悔しているようですが――
もう、私の知るところではありません。
侯爵家の婚約者
やまだごんた
恋愛
侯爵家の嫡男カインは、自分を見向きもしない母に、なんとか認められようと努力を続ける。
7歳の誕生日を王宮で祝ってもらっていたが、自分以外の子供を可愛がる母の姿をみて、魔力を暴走させる。
その場の全員が死を覚悟したその時、1人の少女ジルダがカインの魔力を吸収して救ってくれた。
カインが魔力を暴走させないよう、王はカインとジルダを婚約させ、定期的な魔力吸収を命じる。
家族から冷たくされていたジルダに、カインは母から愛されない自分の寂しさを重ね、よき婚約者になろうと努力する。
だが、母が死に際に枕元にジルダを呼んだのを知り、ジルダもまた自分を裏切ったのだと絶望する。
17歳になった2人は、翌年の結婚を控えていたが、関係は歪なままだった。
そんな中、カインは仕事中に魔獣に攻撃され、死にかけていたところを救ってくれたイレリアという美しい少女と出会い、心を通わせていく。
全86話+番外編の予定
【完結】優しいあなたに、さようなら。二人目の婚約者は、私を殺そうとしている冷血公爵様でした
ゆきのひ
恋愛
伯爵令嬢であるディアの婚約者は、整った容姿と優しい性格で評判だった。だが、いつからか彼は、婚約者であるディアを差し置き、最近知り合った男爵令嬢を優先するようになっていく。
彼と男爵令嬢の一線を越えた振る舞いに耐え切れなくなったディアは、婚約破棄を申し出る。
そして婚約破棄が成った後、新たな婚約者として紹介されたのは、魔物を残酷に狩ることで知られる冷血公爵。その名に恐れをなして何人もの令嬢が婚約を断ったと聞いたディアだが、ある理由からその婚約を承諾する。
しかし、公爵にもディアにも秘密があった。
その秘密のせいで、ディアは命の危機を感じることになったのだ……。
※本作は「小説家になろう」さん、カクヨムさんにも投稿しています
※表紙画像はAIで作成したものです
寵愛のいる旦那様との結婚生活が終わる。もし、次があるのなら緩やかに、優しい人と恋がしたい。
にのまえ
恋愛
リルガルド国。公爵令嬢リイーヤ・ロイアルは令嬢ながら、剣に明け暮れていた。
父に頼まれて参加をした王女のデビュタントの舞踏会で、伯爵家コール・デトロイトと知り合い恋に落ちる。
恋に浮かれて、剣を捨た。
コールと結婚をして初夜を迎えた。
リイーヤはナイトドレスを身に付け、鼓動を高鳴らせて旦那様を待っていた。しかし寝室に訪れた旦那から出た言葉は「私は君を抱くことはない」「私には心から愛する人がいる」だった。
ショックを受けて、旦那には愛してもられないと知る。しかし離縁したくてもリルガルド国では離縁は許されない。しかしリイーヤは二年待ち子供がいなければ離縁できると知る。
結婚二周年の食事の席で、旦那は義理両親にリイーヤに子供ができたと言い出した。それに反論して自分は生娘だと医師の診断書を見せる。
混乱した食堂を後にして、リイーヤは馬に乗り伯爵家から出て行き国境を越え違う国へと向かう。
もし、次があるのなら優しい人と恋がしたいと……
お読みいただき、ありがとうございます。
エブリスタで四月に『完結』した話に差し替えいたいと思っております。内容はさほど、変わっておりません。
それにあたり、栞を挟んでいただいている方、すみません。
白い結婚の末、離婚を選んだ公爵夫人は二度と戻らない』
鍛高譚
恋愛
白い結婚の末、「白い結婚」の末、私は冷遇され、夫は愛人を溺愛していた――ならば、もう要らないわ」
公爵令嬢 ジェニファー・ランカスター は、王弟 エドワード・クラレンス公爵 のもとへ政略結婚として嫁ぐ。
だが、その結婚生活は冷たく空虚なものだった。夫は愛人 ローザ・フィッツジェラルド に夢中になり、公爵夫人であるジェニファーは侮辱され、無視され続ける日々。
――それでも、貴族の娘は耐えなければならないの?
何の愛もなく、ただ飾り物として扱われる結婚に見切りをつけたジェニファーは 「離婚」 を決意する。
しかし、王弟であるエドワードとの離婚は容易ではない。実家のランカスター家は猛反対し、王宮の重臣たちも彼女の決断を 「公爵家の恥」 と揶揄する。
それでも、ジェニファーは負けない。弁護士と協力し、着々と準備を進めていく。
そんな折、彼女は北方の大国 ヴォルフ公国の大公、アレクサンダー・ヴォルフ と出会う。
温かく誠実な彼との交流を通じて、ジェニファーは 「本当に大切にされること」 を知る。
そして、彼女の決断は、王都の社交界に大きな波紋を呼ぶこととなる――。
「公爵夫人を手放したことを、いつか後悔しても遅いわ」
「私はもう、あなたたちの飾り人形じゃない」
離婚を巡る策略、愛人の凋落、元夫の後悔――。
そして、新たな地で手にした 「愛される結婚」。
私を幽閉した王子がこちらを気にしているのはなぜですか?
水谷繭
恋愛
婚約者である王太子リュシアンから日々疎まれながら過ごしてきたジスレーヌ。ある日のお茶会で、リュシアンが何者かに毒を盛られ倒れてしまう。
日ごろからジスレーヌをよく思っていなかった令嬢たちは、揃ってジスレーヌが毒を入れるところを見たと証言。令嬢たちの嘘を信じたリュシアンは、ジスレーヌを「裁きの家」というお屋敷に幽閉するよう指示する。
そこは二十年前に魔女と呼ばれた女が幽閉されて死んだ、いわくつきの屋敷だった。何とか幽閉期間を耐えようと怯えながら過ごすジスレーヌ。
一方、ジスレーヌを閉じ込めた張本人の王子はジスレーヌを気にしているようで……。
◇小説家になろう、ベリーズカフェにも掲載中です!
◆表紙はGilry Drop様からお借りした画像を加工して使用しています
白い結婚で結構ですわ。愛人持ちの夫に興味はありません
鍛高譚
恋愛
公爵令嬢ルチアーナは、王太子アルベルトとの政略結婚を命じられた。だが彼にはすでに愛する女性がいた。そこでルチアーナは、夫婦の義務を果たさない“白い結婚”を提案し、お互いに干渉しない関係を築くことに成功する。
「夫婦としての役目を求めないでくださいませ。その代わり、わたくしも自由にさせていただきますわ」
そうして始まった王太子妃としての優雅な生活。社交界では完璧な妃を演じつつ、裏では趣味の読書やお茶会を存分に楽しみ、面倒ごととは距離を置くつもりだった。
——だが、夫は次第にルチアーナを気にし始める。
「最近、おまえが気になるんだ」
「もっと夫婦としての時間を持たないか?」
今さらそんなことを言われても、もう遅いのですわ。
愛人を優先しておいて、後になって本妻に興味を持つなんて、そんな都合の良い話はお断り。
わたくしは、自由を守るために、今日も紅茶を嗜みながら優雅に過ごしますわ——。
政略結婚から始まる痛快ざまぁ! 夫の後悔なんて知りませんわ
“白い結婚”を謳歌する令嬢の、自由気ままなラブ&ざまぁストーリー!
さようなら、お別れしましょう
椿蛍
恋愛
「紹介しよう。新しい妻だ」――夫が『新しい妻』を連れてきた。
妻に新しいも古いもありますか?
愛人を通り越して、突然、夫が連れてきたのは『妻』!?
私に興味のない夫は、邪魔な私を遠ざけた。
――つまり、別居。
夫と父に命を握られた【契約】で縛られた政略結婚。
――あなたにお礼を言いますわ。
【契約】を無効にする方法を探し出し、夫と父から自由になってみせる!
※他サイトにも掲載しております。
※表紙はお借りしたものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる