87 / 131
サーモンやソーセージの手巻きクレープ
サーモンやソーセージの手巻きクレープ3
しおりを挟む
「そうしたら食べるだけだ」
ボリスの前を通っていたからその手がサッと上がったのが気になってアリシャが顔を向けるとボリスが口元を押さえていた。
「なに?」
アリシャの問いにボリスは目線だけ落として「アリシャにはわからないことをちょっと想像した」と口元を隠したまま答えた。
「えっと……」
戸惑うアリシャにボリスは、歩いて欲しいと顎で合図する。アリシャがボリスの前を過ぎると「卑猥なことだよ、今のは君が悪い」と後ろからついてきた。
その後はなんとなくギクシャクしながらマスを受け取り、宿屋に戻った。マスは半分をアヴリルに頼み燻製にしてもらうことにして、アヴリルはリアナとやると請け負いリアナを探しに出ていった。
アリシャはマスを丁寧に捌いていき、身とそれ以外に分けていく。いつもならマスを捌くくらい訳ないのに、今日は集中出来ずに指を切ってしまった。
(今日はツイてない日なんだわ)
エドが両親にアリシャの話をしてくれた事以外はまるで良くない。もし、その話がなかったらもう布団の中に入って一日を終わらせてしまいたいくらいだった。
(それになんだか胸のあたりがゾワゾワする。風邪かしら)
料理をするのは好きなのに、それすら気分が乗らなくて困っていた。
その頃、坑道の前で二人組の男が馬に跨がったままドナ村を見下ろしていた。
「小さな村だ」
若い男が言うと隣の男がはいと答えた。
「村人の数も僅か」
馬がブルルと声をあげると、若い男は馬の首筋に手をあてがった。
「イザク、お前は感じるかこれを」
「……いえ、何も」
若い男はさも可笑しそうに薄い唇の端を上げた。
「馬の方がずっと敏感だな。この溢れ出るような魔力。感じぬとはな」
最後に楽しみだと男は呟き、馬の横腹を蹴った。馬は合図を読み取り丘を下っていく。二人の艷やかな長髪が風に揺れていた。
鍛冶屋の整備を終えたジャンとウィンが川の方から村の中心に向けて歩いてくる最中だった。馬に乗った二人のうち片方に見覚えがあったウインが帽子を取り寄っていく。
「秋口にいらしていた方ですね?」
一見すると冷たそうにすら感じるツリ目を下げて柔らかい物腰でイザクは表情を和らげて答える。
「覚えてくれているとは。イザクだ。今回も宿を取りたいのだが」
ウィンはイザクの隣で黙って見下ろしている女と見紛うほど整った顔立ちをした男を見上げた。顎は細く顔は面長で、眉も鼻も唇すら細い。その癖切れ上がった目は大きく何事も見透かされているように感じた。
「こちらの方も個室でしょうか」
聞くまでもなくその佇まいは高貴な出だと物語っていた。
「私の主だ。個室を二つ」
イザクの答えにウィンがジャンの顔を見た。ジャンは「ボリスに部屋を空けてもらうのがいいだろう。うちに泊める」と、ウィンの戸惑いを読み取って言った。
「今、個室を空けてもらってきます。馬は家畜小屋に繋いでください。ジャン、済まないけど馬を」
イザクが主だと言った男がジャンにそれには及ばんと声を掛けた。
「脚がよくないのだろう、ご老人よ。家畜小屋は見えている。案内は不要だ」
ローブを着ているとはいえ足元は見えており、庶民は履かない先の尖った靴を履いていた。
「では繋いでくだされば、世話はしておきましょう」
ジャンの言葉に馬の二人はゆっくりと家畜小屋に向かっていく。
「ジャン、とにかく伝えてくるよ」
ウィンが宿屋に走っていくとジャンも家畜小屋へと脚を引き摺りながら歩いていく。
バタバタと広間に駆け込んできたウィンにたまたま薪を運んできたエドが何事かと顔を上げた。ボリスはカウンター近くの壁側に棚を作っている最中だった。
「ボリス居たのか、良かったよ。君の部屋を明け渡してくれないか? 個室を使いたいって御人がやって来たんだ」
「ウィン、それはひどくないか? ボリスだってしっかり金を払ってるんだ」
エドがウィンに文句を言うが、ボリスは二人を制して「構わない。宿屋に客が来るのはアリシャにとって良いことだ」と、持っていた板を壁に立て掛けた。
そこでレオが部屋から顔を覗かせる。レオも個室を使っているので気になったのか出てきた。
「個室が必要なのか? 私も退いても良いが」
皆の視線が集まりウィンが「二人で来ているので二部屋あればいいみたいだが」と言うと、ボリスが直ぐに自分が出ていくと答えた。
「二階に行っても構わないし」
「ジャンがうちに来てもいいと言っていたし、もちろん僕らのところでもいい。アヴリルが喜ぶよ」
ボリスはそれらを断って宿の二階に泊まると決めた。
「荷物の移動も楽だし、今は棚作りが主な仕事だから宿屋がいい」
そう言い残すと広げたままの荷物を片付けると個室に入っていった。
「じゃあ僕はアリシャに伝えてくるから」
ウィンは残った二人を置いてアリシャの居る料理部屋に入っていった。
アリシャは薄く伸ばした小麦粉の生地をせっせと焼いて重ねているところだった。
「アリシャ」
忙しなく動くアリシャだが「ウィンね。手が離せないの。なに?」と、背を向けたまま答えた。
「客が二人来てる。一人は前に泊まっていったイザクさんだ」
薄い生地は平らな鍋でまたたく間に焼けるらしく、鍋を二個並べで作業しているアリシャはてんてこ舞い状態だ。
「イザクさん、覚えているわ」
「アリシャ、それを一度止めることはできるかい?」
「わかった。これを焼いたら──はい! 終わり。お待たせ」
アリシャは焼き上がった薄い小麦粉の生地を重ねるとやっとウィンの方を見た。
ボリスの前を通っていたからその手がサッと上がったのが気になってアリシャが顔を向けるとボリスが口元を押さえていた。
「なに?」
アリシャの問いにボリスは目線だけ落として「アリシャにはわからないことをちょっと想像した」と口元を隠したまま答えた。
「えっと……」
戸惑うアリシャにボリスは、歩いて欲しいと顎で合図する。アリシャがボリスの前を過ぎると「卑猥なことだよ、今のは君が悪い」と後ろからついてきた。
その後はなんとなくギクシャクしながらマスを受け取り、宿屋に戻った。マスは半分をアヴリルに頼み燻製にしてもらうことにして、アヴリルはリアナとやると請け負いリアナを探しに出ていった。
アリシャはマスを丁寧に捌いていき、身とそれ以外に分けていく。いつもならマスを捌くくらい訳ないのに、今日は集中出来ずに指を切ってしまった。
(今日はツイてない日なんだわ)
エドが両親にアリシャの話をしてくれた事以外はまるで良くない。もし、その話がなかったらもう布団の中に入って一日を終わらせてしまいたいくらいだった。
(それになんだか胸のあたりがゾワゾワする。風邪かしら)
料理をするのは好きなのに、それすら気分が乗らなくて困っていた。
その頃、坑道の前で二人組の男が馬に跨がったままドナ村を見下ろしていた。
「小さな村だ」
若い男が言うと隣の男がはいと答えた。
「村人の数も僅か」
馬がブルルと声をあげると、若い男は馬の首筋に手をあてがった。
「イザク、お前は感じるかこれを」
「……いえ、何も」
若い男はさも可笑しそうに薄い唇の端を上げた。
「馬の方がずっと敏感だな。この溢れ出るような魔力。感じぬとはな」
最後に楽しみだと男は呟き、馬の横腹を蹴った。馬は合図を読み取り丘を下っていく。二人の艷やかな長髪が風に揺れていた。
鍛冶屋の整備を終えたジャンとウィンが川の方から村の中心に向けて歩いてくる最中だった。馬に乗った二人のうち片方に見覚えがあったウインが帽子を取り寄っていく。
「秋口にいらしていた方ですね?」
一見すると冷たそうにすら感じるツリ目を下げて柔らかい物腰でイザクは表情を和らげて答える。
「覚えてくれているとは。イザクだ。今回も宿を取りたいのだが」
ウィンはイザクの隣で黙って見下ろしている女と見紛うほど整った顔立ちをした男を見上げた。顎は細く顔は面長で、眉も鼻も唇すら細い。その癖切れ上がった目は大きく何事も見透かされているように感じた。
「こちらの方も個室でしょうか」
聞くまでもなくその佇まいは高貴な出だと物語っていた。
「私の主だ。個室を二つ」
イザクの答えにウィンがジャンの顔を見た。ジャンは「ボリスに部屋を空けてもらうのがいいだろう。うちに泊める」と、ウィンの戸惑いを読み取って言った。
「今、個室を空けてもらってきます。馬は家畜小屋に繋いでください。ジャン、済まないけど馬を」
イザクが主だと言った男がジャンにそれには及ばんと声を掛けた。
「脚がよくないのだろう、ご老人よ。家畜小屋は見えている。案内は不要だ」
ローブを着ているとはいえ足元は見えており、庶民は履かない先の尖った靴を履いていた。
「では繋いでくだされば、世話はしておきましょう」
ジャンの言葉に馬の二人はゆっくりと家畜小屋に向かっていく。
「ジャン、とにかく伝えてくるよ」
ウィンが宿屋に走っていくとジャンも家畜小屋へと脚を引き摺りながら歩いていく。
バタバタと広間に駆け込んできたウィンにたまたま薪を運んできたエドが何事かと顔を上げた。ボリスはカウンター近くの壁側に棚を作っている最中だった。
「ボリス居たのか、良かったよ。君の部屋を明け渡してくれないか? 個室を使いたいって御人がやって来たんだ」
「ウィン、それはひどくないか? ボリスだってしっかり金を払ってるんだ」
エドがウィンに文句を言うが、ボリスは二人を制して「構わない。宿屋に客が来るのはアリシャにとって良いことだ」と、持っていた板を壁に立て掛けた。
そこでレオが部屋から顔を覗かせる。レオも個室を使っているので気になったのか出てきた。
「個室が必要なのか? 私も退いても良いが」
皆の視線が集まりウィンが「二人で来ているので二部屋あればいいみたいだが」と言うと、ボリスが直ぐに自分が出ていくと答えた。
「二階に行っても構わないし」
「ジャンがうちに来てもいいと言っていたし、もちろん僕らのところでもいい。アヴリルが喜ぶよ」
ボリスはそれらを断って宿の二階に泊まると決めた。
「荷物の移動も楽だし、今は棚作りが主な仕事だから宿屋がいい」
そう言い残すと広げたままの荷物を片付けると個室に入っていった。
「じゃあ僕はアリシャに伝えてくるから」
ウィンは残った二人を置いてアリシャの居る料理部屋に入っていった。
アリシャは薄く伸ばした小麦粉の生地をせっせと焼いて重ねているところだった。
「アリシャ」
忙しなく動くアリシャだが「ウィンね。手が離せないの。なに?」と、背を向けたまま答えた。
「客が二人来てる。一人は前に泊まっていったイザクさんだ」
薄い生地は平らな鍋でまたたく間に焼けるらしく、鍋を二個並べで作業しているアリシャはてんてこ舞い状態だ。
「イザクさん、覚えているわ」
「アリシャ、それを一度止めることはできるかい?」
「わかった。これを焼いたら──はい! 終わり。お待たせ」
アリシャは焼き上がった薄い小麦粉の生地を重ねるとやっとウィンの方を見た。
55
あなたにおすすめの小説
【完結】追放された生活錬金術師は好きなようにブランド運営します!
加藤伊織
ファンタジー
(全151話予定)世界からは魔法が消えていっており、錬金術師も賢者の石や金を作ることは不可能になっている。そんな中で、生活に必要な細々とした物を作る生活錬金術は「小さな錬金術」と呼ばれていた。
カモミールは師であるロクサーヌから勧められて「小さな錬金術」の道を歩み、ロクサーヌと共に化粧品のブランドを立ち上げて成功していた。しかし、ロクサーヌの突然の死により、その息子で兄弟子であるガストンから住み込んで働いていた家を追い出される。
落ち込みはしたが幼馴染みのヴァージルや友人のタマラに励まされ、独立して工房を持つことにしたカモミールだったが、師と共に運営してきたブランドは名義がガストンに引き継がれており、全て一から出直しという状況に。
そんな中、格安で見つけた恐ろしく古い工房を買い取ることができ、カモミールはその工房で新たなスタートを切ることにした。
器具付き・格安・ただし狭くてボロい……そんな訳あり物件だったが、更におまけが付いていた。据えられた錬金釜が1000年の時を経て精霊となり、人の姿を取ってカモミールの前に現れたのだ。
失われた栄光の過去を懐かしみ、賢者の石やホムンクルスの作成に挑ませようとする錬金釜の精霊・テオ。それに対して全く興味が無い日常指向のカモミール。
過保護な幼馴染みも隣に引っ越してきて、予想外に騒がしい日常が彼女を待っていた。
これは、ポーションも作れないし冒険もしない、ささやかな錬金術師の物語である。
彼女は化粧品や石けんを作り、「ささやかな小市民」でいたつもりなのだが、品質の良い化粧品を作る彼女を周囲が放っておく訳はなく――。
毎日15:10に1話ずつ更新です。
この作品は小説家になろう様・カクヨム様・ノベルアッププラス様にも掲載しています。
悪役令嬢に転生したので、ゲームを無視して自由に生きる。私にしか使えない植物を操る魔法で、食べ物の心配は無いのでスローライフを満喫します。
向原 行人
ファンタジー
死にかけた拍子に前世の記憶が蘇り……どハマりしていた恋愛ゲーム『ときめきメイト』の世界に居ると気付く。
それだけならまだしも、私の名前がルーシーって、思いっきり悪役令嬢じゃない!
しかもルーシーは魔法学園卒業後に、誰とも結ばれる事なく、辺境に飛ばされて孤独な上に苦労する事が分かっている。
……あ、だったら、辺境に飛ばされた後、苦労せずに生きていけるスキルを学園に居る内に習得しておけば良いじゃない。
魔法学園で起こる恋愛イベントを全て無視して、生きていく為のスキルを習得して……と思ったら、いきなりゲームに無かった魔法が使えるようになってしまった。
木から木へと瞬間移動出来るようになったので、学園に通いながら、辺境に飛ばされた後のスローライフの練習をしていたんだけど……自由なスローライフが楽し過ぎるっ!
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。
異世界リナトリオン〜平凡な田舎娘だと思った私、実は転生者でした?!〜
青山喜太
ファンタジー
ある日、母が死んだ
孤独に暮らす少女、エイダは今日も1人分の食器を片付ける、1人で食べる朝食も慣れたものだ。
そしてそれは母が死んでからいつもと変わらない日常だった、ドアがノックされるその時までは。
これは1人の少女が世界を巻き込む巨大な秘密に立ち向かうお話。
小説家になろう様からの転載です!
【完結】没落令嬢、異世界で紅茶店を開くことにいたしました〜香りと静寂と癒しの一杯をあなたに〜
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
夜会で父が失脚し、家は没落。屋敷の裏階段で滑り落ち、気づけば異世界――。
王国貴族だったアナスタシアが転移先で授かったのは、“極上調合”という紅茶とハーブのスキルだった。
戦う気はございませんの。復讐もざまぁも、疲れますわ。
彼女が選んだのは、湖畔の古びた小屋で静かにお茶を淹れること。
奇跡の一杯は病を癒やし、呪いを祓い、魔力を整える力を持つが、
彼女は誰にも媚びず、ただ静けさの中で湯気を楽しむのみ。
「お代は結構ですわ。……代わりに花と静寂を置いていってくださる?」
騎士も王女も英雄も訪れるが、彼女は気まぐれに一杯を淹れるだけ。
これは、香草と紅茶に囲まれた元令嬢の、優雅で自由な異世界スローライフ。
異世界着ぐるみ転生
こまちゃも
ファンタジー
旧題:着ぐるみ転生
どこにでもいる、普通のOLだった。
会社と部屋を往復する毎日。趣味と言えば、十年以上続けているRPGオンラインゲーム。
ある日気が付くと、森の中だった。
誘拐?ちょっと待て、何この全身モフモフ!
自分の姿が、ゲームで使っていたアバター・・・二足歩行の巨大猫になっていた。
幸い、ゲームで培ったスキルや能力はそのまま。使っていたアイテムバッグも中身入り!
冒険者?そんな怖い事はしません!
目指せ、自給自足!
*小説家になろう様でも掲載中です
異世界でのんびり暮らしてみることにしました
松石 愛弓
ファンタジー
アラサーの社畜OL 湊 瑠香(みなと るか)は、過労で倒れている時に、露店で買った怪しげな花に導かれ異世界に。忙しく辛かった過去を忘れ、異世界でのんびり楽しく暮らしてみることに。優しい人々や可愛い生物との出会い、不思議な植物、コメディ風に突っ込んだり突っ込まれたり。徐々にコメディ路線になっていく予定です。お話の展開など納得のいかないところがあるかもしれませんが、書くことが未熟者の作者ゆえ見逃していただけると助かります。他サイトにも投稿しています。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/793391534/466596284/episode/5320962
https://www.alphapolis.co.jp/novel/793391534/387029553/episode/10775138
https://www.alphapolis.co.jp/novel/793391534/84576624/episode/5093144
https://www.alphapolis.co.jp/novel/793391534/786307039/episode/2285646
出来損ないと呼ばれた伯爵令嬢は出来損ないを望む
家具屋ふふみに
ファンタジー
この世界には魔法が存在する。
そして生まれ持つ適性がある属性しか使えない。
その属性は主に6つ。
火・水・風・土・雷・そして……無。
クーリアは伯爵令嬢として生まれた。
貴族は生まれながらに魔力、そして属性の適性が多いとされている。
そんな中で、クーリアは無属性の適性しかなかった。
無属性しか扱えない者は『白』と呼ばれる。
その呼び名は貴族にとって屈辱でしかない。
だからクーリアは出来損ないと呼ばれた。
そして彼女はその通りの出来損ない……ではなかった。
これは彼女の本気を引き出したい彼女の周りの人達と、絶対に本気を出したくない彼女との攻防を描いた、そんな物語。
そしてクーリアは、自身に隠された秘密を知る……そんなお話。
設定揺らぎまくりで安定しないかもしれませんが、そういうものだと納得してくださいm(_ _)m
※←このマークがある話は大体一人称。
平民に転落した元令嬢、拾ってくれた騎士がまさかの王族でした
タマ マコト
ファンタジー
没落した公爵令嬢アメリアは、婚約者の裏切りによって家も名も失い、雨の夜に倒れたところを一人の騎士カイルに救われる。
身分を隠し「ミリア」と名乗る彼女は、静かな村で小さな幸せを見つけ、少しずつ心を取り戻していく。
だが、優しくも謎めいたカイルには、王族にしか持ちえない気品と秘密があり――
それが、二人の運命を大きく動かす始まりとなるのであった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる