新三国志<真曹操伝>

第1話曹阿瞞時代(前編)

私の一族は前漢の高祖劉邦に仕えた曹参の

末裔とは聞こえはいいが実際の所は今や

ただの宦官の一族に衰退したと言っても

過言じゃない

「阿瞞お前は相変わらず武を磨き続けて

いるのか…私達は宦官の一族だぞ!

政治学等を学べば良いものを｡」

相変わらず父曹嵩はそんな言葉ばかり

「父上この曹阿瞞武官となり政治学だけで

無く兵法･戦略･戦術に長けた人物になる

つもりだ!

宦官になる積りは毛頭はない!!」

私は曹阿瞞はいつか祖父曹騰等の腐敗の

元になった宦官勢力を倒してやると心に

誓った!!

「そうか…それを曹騰様の前で言うでは

ないぞ!!」

父は相変わらずである…高祖劉邦に仕えた

夏候嬰の末裔と聞こえはいいが所詮ただの

孫である俺を産ませる為に養子に出された

のだろう。

「ふん!あの爺さんは権力こそが全てと

言うがそれで民を養えないのに反乱を

止めることすら出来ずに高い所から

高嶺の見物か!!」

父は顔を顰めながら去っていった。

おそらく祖父の曹騰には頭が上がらず

言いなりになっているのだろう

「先祖は偉大だがその末裔と養子が

これではな…権力に溺れた爺と首輪に

繋がれた義息子かぁ…呆れるな｡」

俺は溜息しか出なかった。