ゲイホストだったけど、異世界でカリスマ男妾になるから 外伝 愛しい子供たちは今日も美しく淫らです

ブラックウォーター

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第一章 王子様はみんなに愛されている

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 しばらくして。
「とおっ!はあっ!」
「なんの……まだだあっ!」
 例によって、アンドレイとハインツは立ち会っていた。だが、いつもと少し違う。
「すごい……。今ので決まりだと思ったのに……」「アンドレイ様……なんかいつもと違うな……」「こりゃもしかして……?」
 周囲で観戦している少年たちが息を呑む。
 てっきり、今日もハインツの圧勝と予測していた。が、アンドレイが予想以上に頑張る。踏み込みがいつもよりも積極的。それでいて、無駄な動きはむしろ少ない。立ち会いは互角ではないまでも、いい勝負と言えた。
(慌てるな……。待つんだ。必ず勝機は来る!)
 アンドレイはとにかく冷静に徹していた。最近ハインツの立ち会いを観戦して、弱点を分析することを続けていた。それは無駄ではなかった。彼は無意識にだが、己の体格とリーチの優位に頼りすぎている。押すでも引くでもない、中途半端に保留した間合いに入り込んでしまう。
「てえええいいっ!」
「くっ……しまった……」
 一瞬の隙を突かれ、ハインツが押し負ける。刀によるガードが間に合わず、肩口に斬撃が入ってしまう。
「それまで!」
 指導係の号令が響く。
「僕の勝ちだな」
「見事だった……。私の負けですね」
 練習場に割れんばかりの歓声が響く。常勝無敗、少年たちはもちろん、下手な大人でさえハインツには勝てない。その達人を、細っこく女の子のようと揶揄されていた少年が倒したのだ。
(ついにハインツに勝ったぞ。母様の助言のおかげだな)
 母に頼りすぎとは思いつつも、アンドレイはそんなことを思った。
『母様も、アンドレイくらいのころはずいぶん悩みましたのよ』その言葉は意外だった。自分や兄弟たちにとって優しく美しく強い、女神のような存在である母。彼女が悩み焦っていたときがあったなど。
 だがおかげで、思春期に悩み迷走するのは恥ずかしいことではないとわかった。自分の歩幅、自分のやり方で前に進んで行けばいいと。それを繰り返して、ついにハインツを破ることができた。少年は、また母を好きになっていた。
………………………………………………
 練習場に隣接した大浴場。アンドレイとハインツは身体を洗い、湯に浸かる。
(肌すごくきれいだな……。男にしておくにはもったいないくらい……)
 美しい付き人の裸に、つい見入ってしまう。彼の肌は白く、まるで絹のようにきめが細かっ経った。逞しいと思っていたが、裸になると意外に華奢で肉がついている。後ろ姿では、男か女かわからないほどだ。
(男に変な気分になるなんておかしいと思うけど……。我慢できないかも……)
 思い切って、ハインツのすぐ横に身を寄せてみる。彼は驚くが嫌がっている様子はない。
「なあハインツ、キス……しないか……?」
 物怖じせず切り出す。なにか根拠があるでもないが、拒まれない自信があった。
「いいですよ……♡」
 ハインツが目を閉じる。吸い込まれるように唇を重ねる。思春期の少年の股間は、興奮して猛り狂っていた。
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