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優しくて真面目な先生だって私にかかれば
先生も私のものに
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01
その夜、パトリシア・レイランドは地元の青年団や猟友会に随行して害獣駆除の手伝いをしていた。
いや、厳密に言うと、主役はパトリシアというべきか。
「ではパトリシア嬢。お願いできますかな?」
「承知致しました」
猟師の一人の言葉に応じて、パトリシアは腰のさやから奏獣剣を抜くと、大きく深呼吸して演奏を始める。
単純なリズムの繰り返しだが、心に染み渡る音色が響く。
それに呼応して、夜空から巨大な影が降りてくる。
「シーザー。お疲れ様。
今日の夕餉はサトジカだよ」
パトリシアは、恐竜と見まがう巨体の生き物。ドラゴンに対して物怖じせず語りかける。
背中にコウモリに似た巨大な翼を持ち、口にはノコギリのような歯が並ぶ。頭頂部の立派な鶏冠が貫禄を持たせるのに一役買っている。
銀を基調として緑や黒などで彩られたオッサンホイホイなトリコロールカラー。
こんな怖ろしげな外見ではあるが、意外にも人間にとってそれほど危険な生き物ではない。
人間との決定的な対立を避けるためか、それとも口に合わないのか、人間は捕食しない。
社会性があって知能が高いため、うまく信頼関係を結べば協力させることもできる。
人間の言葉もある程度理解できるため、意思疎通のためにつけた名前が龍帝。
基本的にはシーザーと呼んでいる。
「さあ、あの林だよ。たんとお食べ」
龍帝は林の方を見てしばらく様子を伺う。
そして、翼を拡げて軽く上昇すると、獲物に襲いかかる。
サトジカは地球で言えばキョンによく似た鹿の仲間だ。
いわゆる特定外来生物で、観賞用、あるいは食用として持ち込まれたものが逃げ出した。
植物であればなんでも食う上に、明確な発情期に相当する期間がなく、年中交尾して繁殖が可能だったからたまらない。
たちまち増えに増えて、農作物に深刻な被害を与え始めたのだ。
(しかも、警戒心が強くカンが効く。ついでに索敵能力が高いだけに始末が悪い)
猟師が駆除しようにも、いち早く気配を察知して逃げてしまうのだ。
だが、その警戒能力も、龍帝の前では形無しだ。
マムシのように赤外線を感じることができる上に、空を自由に飛び回り、ホバリングまで可能。ついでに、音響兵器級の破壊力を持つ雄叫びで、小さな生き物であれば動けなくしてしまうことまでできる。
龍帝の規格外の身体能力の前には、サトジカもただ狩られるだけの存在だ。
サトジカの悲痛な悲鳴が、引っ切りなしに夜の林に響いている。
龍帝は意外に偏食ではあったが、サトジカは食べられるらしい。パトリシアはほっとしていた。
最近龍帝の主食であるノブタが、捕食によって減っていた。そのため新たなエサを確保するのに頭を悩ませていたのだ。
(まあ、偏食であるからこそ人間様が食われずにすんでいるかも知れないが…)
そう考えると複雑な気分だった。
「悪く思わないでくれ」
パトリシアはサトジカたちに詫びた。
彼らとて悪気があるわけではない。ただ生きているだけだ。
原因は、先のことを考えずに彼らをこの土地に連れてきた人間にある。
(どうか。来世では彼らに幸多きことを)
内心で祈りながら、パトリシアは奏獣剣を吹き続けた。
「一体何の騒ぎなの?
あら、パトリシアさんじゃないの」
満腹になった龍帝にデザートの瓜を上げていたパトリシアは、不意に後ろから声をかけられる。
「アリサ先生。どうしてここに?」
振り向くと、そこにいたのは肉感的な身体と褐色の肌、銀髪、そして笹穂耳が目を引く妖艶な美女だった。
学院の教師であるアリサ・セレッティだった。
学院での担当教科は魔法学。彼女自身も優秀な魔法の使い手でもある。
ダークエルフとは言っても、別に邪悪な種族というわけではない。
単に褐色の肌を持つエルフというだけでそう呼ばれているに過ぎない。
「あたしの家はこの近くなのよ。
なんだか不思議な笛の音がして、サトジカが騒いでいたから来てみたけど、あなただったの」
(そう言えば、ダークエルフは森林の中に居住するんだったか)
森林の住人であるエルフは、都会暮らしがあまり好きではない。森林の中に集落や村を作って住むと聞いたことがある。
ここは町からほど近い里山とはいえ、駅馬車や船便は多くなく通勤には不便だ。
にもかかわらずここに住んでいるのも、ダークエルフの習慣を考えれば納得できる。
「しかし、よくなついてるわね…」
そう言ったアリサは、緊張した面持ちで目の前の龍帝を見上げる。
(まあ、当然の反応か)
パトリシアは思う。
今でこそ龍帝とは信頼関係を築いているが、初めて声をかけたときは怖くて脚の震えが止まらなかったのを思い出す。
「でもパトリシアさん、もう時間も遅いわ。
早めに帰りなさい。
教師として、生徒が夜に出歩いているのは見逃せません」
パトリシアはむっとする。
自分とて夜遊びをしているわけではない。懇意にしている農家がサトジカの食害に悩んでいるというから、龍帝を引き連れて協力を申し出たのだ。
(頭ごなしに言われる筋合いじゃない)
「ご心配なく、先生。
青年団と猟友会の皆さんが一緒ですから。
それに、教師で大人の言うことだから無条件に従えと言われても難しいかなあ」
混ぜ返された言葉に、アリサが美しい顔を渋面にする。
「なんと言っても先だってのいじめ隠蔽事件で、教師という人たちがいざってときどれだけ頼りないか、信用できないか骨身に染みましたからね。
結局自分の身は自分で守るしかないってことも。
こういうときだけ偉そうにされるのはどうも…」
「言ってくれるわね…」
アリサが悔しそうな顔になる。
“弁護士に脅されるまでなにもしなかった学院の一部であるという意味では、あなたも共犯だ”
そう言外に付け加えられたのがわかったからだ。
(彼女たちにしてみれば、あたしもなにもできないし、なにもしない大人の一人か)
アリサは内心で歯がみする。
もちろん、アリサ自身はいじめを見て見ぬ振りをしていたわけではない。隠蔽など間違ってもしていない。
“だが、同じ教師が守るべき生徒より自分の保身を優先した事実に変わりなし”
パトリシアの目がそう言っていた。
生徒たちの中での教師の株が大暴落するのは、他ならぬ教師たち自身の責任だ。これから必死で名誉挽回に粉骨砕身しなければ、幻滅され馬鹿にされたままだ。
それはアリサもわかっていて然るべきではないか。そういうわけだ。
「あの件に関してはあたしも責任は感じているわ。
でも、それとこれとは別の話よ。
私は大人として、教師として節を曲げるつもりはない。
学院長に直訴でも、訴訟でもお好きにどうぞ。
とにかく、あなたが夜遅くに外出しているのは見逃せません」
パトリシアが「ほう」とばかりに少し感心した様子になる。アリサの教師としての矜持を少しはわかってくれたらしい。
だが、素直に応じるのはしゃくなのか、皮肉混じりに口を開く。
「頼もしいことですね。
その頼もしさを、ご自分たちのためでなく生徒のために使っていただけたら、いじめなんか起こらなかったとは思いませんか?」
パトリシアの皮肉に、アリサは困惑した顔になってしまう。
(彼女一体何者なの?)
アリサはパトリシアのことは教師として知っているつもりだった。
だが、今の大人めいた皮肉は、以前の彼女に言えるものではない。
(なにか別のものが、彼女の口を通して話しているみたい)
言いようのない違和感に包まれる。
(憎まれ口を叩いただけのつもりだったけど、傷つけちゃったかな?)
パトリシアはそんなことを思う。
だが、アリサの困惑の原因はそこではなかったらしい。
「ねえ、パトリシアさん…。
あなた最近なにかあったの?
以前のあなたはのんびりして、あまり積極的に動くタイプじゃなかった。
ましてドラゴンを操って害獣駆除なんてことは…」
パトリシアはぎくりとしてしまう。
前世の記憶が蘇ったなどとは、言っても信じてもらえないことだろう。
だが、自分は明らかに以前とは変わった自覚はあるのだ。
(しゃべりすぎたかな?)
ついでに言えば、今し方のアリサに対する皮肉は、前世で何年も社会に揉まれたおっさんのものだ。
まだ純粋さを残した学生のものでは絶対にない。
「やっぱり婚約を破棄されてなにか変わったのかしら?
最近女の子たちとも妙に仲がいいし…」
パトリシアはさらにぎくりとなる。
さすがに彼女たちと百合の関係にあり、調教までしているとは知らないだろう。
(でも、変に勘ぐられるとまずいね…)
パトリシアは思う。
ついでに言えば、アリサの勘の鋭さには舌を巻く。
自分が変わったのが、婚約破棄されたのと前後してだと見抜いただけでも油断ならない。
もし自分が百合ハーレムを作っているとアリサが知ったらどうなるか。
百合は個人の趣味趣向と理解を示しても、ハーレムは不道徳で不健全だと怒るかも知れない。
(こうなったら、予定を繰り上げて先生も百合ハーレムの一員になってもらうか)
パトリシアはそう決める。
改めてみると、アリサは女としてとても魅力的だ。
やや太めだが、肉感的な身体は素晴らしい。特に後ろ姿が。
アリサの巨大で美しい尻を、パトリシアはもともと狙っていたのだ。
(先生も私のものにしてあげる)
パトリシアはこっそり舌なめずりをした。
その夜、パトリシア・レイランドは地元の青年団や猟友会に随行して害獣駆除の手伝いをしていた。
いや、厳密に言うと、主役はパトリシアというべきか。
「ではパトリシア嬢。お願いできますかな?」
「承知致しました」
猟師の一人の言葉に応じて、パトリシアは腰のさやから奏獣剣を抜くと、大きく深呼吸して演奏を始める。
単純なリズムの繰り返しだが、心に染み渡る音色が響く。
それに呼応して、夜空から巨大な影が降りてくる。
「シーザー。お疲れ様。
今日の夕餉はサトジカだよ」
パトリシアは、恐竜と見まがう巨体の生き物。ドラゴンに対して物怖じせず語りかける。
背中にコウモリに似た巨大な翼を持ち、口にはノコギリのような歯が並ぶ。頭頂部の立派な鶏冠が貫禄を持たせるのに一役買っている。
銀を基調として緑や黒などで彩られたオッサンホイホイなトリコロールカラー。
こんな怖ろしげな外見ではあるが、意外にも人間にとってそれほど危険な生き物ではない。
人間との決定的な対立を避けるためか、それとも口に合わないのか、人間は捕食しない。
社会性があって知能が高いため、うまく信頼関係を結べば協力させることもできる。
人間の言葉もある程度理解できるため、意思疎通のためにつけた名前が龍帝。
基本的にはシーザーと呼んでいる。
「さあ、あの林だよ。たんとお食べ」
龍帝は林の方を見てしばらく様子を伺う。
そして、翼を拡げて軽く上昇すると、獲物に襲いかかる。
サトジカは地球で言えばキョンによく似た鹿の仲間だ。
いわゆる特定外来生物で、観賞用、あるいは食用として持ち込まれたものが逃げ出した。
植物であればなんでも食う上に、明確な発情期に相当する期間がなく、年中交尾して繁殖が可能だったからたまらない。
たちまち増えに増えて、農作物に深刻な被害を与え始めたのだ。
(しかも、警戒心が強くカンが効く。ついでに索敵能力が高いだけに始末が悪い)
猟師が駆除しようにも、いち早く気配を察知して逃げてしまうのだ。
だが、その警戒能力も、龍帝の前では形無しだ。
マムシのように赤外線を感じることができる上に、空を自由に飛び回り、ホバリングまで可能。ついでに、音響兵器級の破壊力を持つ雄叫びで、小さな生き物であれば動けなくしてしまうことまでできる。
龍帝の規格外の身体能力の前には、サトジカもただ狩られるだけの存在だ。
サトジカの悲痛な悲鳴が、引っ切りなしに夜の林に響いている。
龍帝は意外に偏食ではあったが、サトジカは食べられるらしい。パトリシアはほっとしていた。
最近龍帝の主食であるノブタが、捕食によって減っていた。そのため新たなエサを確保するのに頭を悩ませていたのだ。
(まあ、偏食であるからこそ人間様が食われずにすんでいるかも知れないが…)
そう考えると複雑な気分だった。
「悪く思わないでくれ」
パトリシアはサトジカたちに詫びた。
彼らとて悪気があるわけではない。ただ生きているだけだ。
原因は、先のことを考えずに彼らをこの土地に連れてきた人間にある。
(どうか。来世では彼らに幸多きことを)
内心で祈りながら、パトリシアは奏獣剣を吹き続けた。
「一体何の騒ぎなの?
あら、パトリシアさんじゃないの」
満腹になった龍帝にデザートの瓜を上げていたパトリシアは、不意に後ろから声をかけられる。
「アリサ先生。どうしてここに?」
振り向くと、そこにいたのは肉感的な身体と褐色の肌、銀髪、そして笹穂耳が目を引く妖艶な美女だった。
学院の教師であるアリサ・セレッティだった。
学院での担当教科は魔法学。彼女自身も優秀な魔法の使い手でもある。
ダークエルフとは言っても、別に邪悪な種族というわけではない。
単に褐色の肌を持つエルフというだけでそう呼ばれているに過ぎない。
「あたしの家はこの近くなのよ。
なんだか不思議な笛の音がして、サトジカが騒いでいたから来てみたけど、あなただったの」
(そう言えば、ダークエルフは森林の中に居住するんだったか)
森林の住人であるエルフは、都会暮らしがあまり好きではない。森林の中に集落や村を作って住むと聞いたことがある。
ここは町からほど近い里山とはいえ、駅馬車や船便は多くなく通勤には不便だ。
にもかかわらずここに住んでいるのも、ダークエルフの習慣を考えれば納得できる。
「しかし、よくなついてるわね…」
そう言ったアリサは、緊張した面持ちで目の前の龍帝を見上げる。
(まあ、当然の反応か)
パトリシアは思う。
今でこそ龍帝とは信頼関係を築いているが、初めて声をかけたときは怖くて脚の震えが止まらなかったのを思い出す。
「でもパトリシアさん、もう時間も遅いわ。
早めに帰りなさい。
教師として、生徒が夜に出歩いているのは見逃せません」
パトリシアはむっとする。
自分とて夜遊びをしているわけではない。懇意にしている農家がサトジカの食害に悩んでいるというから、龍帝を引き連れて協力を申し出たのだ。
(頭ごなしに言われる筋合いじゃない)
「ご心配なく、先生。
青年団と猟友会の皆さんが一緒ですから。
それに、教師で大人の言うことだから無条件に従えと言われても難しいかなあ」
混ぜ返された言葉に、アリサが美しい顔を渋面にする。
「なんと言っても先だってのいじめ隠蔽事件で、教師という人たちがいざってときどれだけ頼りないか、信用できないか骨身に染みましたからね。
結局自分の身は自分で守るしかないってことも。
こういうときだけ偉そうにされるのはどうも…」
「言ってくれるわね…」
アリサが悔しそうな顔になる。
“弁護士に脅されるまでなにもしなかった学院の一部であるという意味では、あなたも共犯だ”
そう言外に付け加えられたのがわかったからだ。
(彼女たちにしてみれば、あたしもなにもできないし、なにもしない大人の一人か)
アリサは内心で歯がみする。
もちろん、アリサ自身はいじめを見て見ぬ振りをしていたわけではない。隠蔽など間違ってもしていない。
“だが、同じ教師が守るべき生徒より自分の保身を優先した事実に変わりなし”
パトリシアの目がそう言っていた。
生徒たちの中での教師の株が大暴落するのは、他ならぬ教師たち自身の責任だ。これから必死で名誉挽回に粉骨砕身しなければ、幻滅され馬鹿にされたままだ。
それはアリサもわかっていて然るべきではないか。そういうわけだ。
「あの件に関してはあたしも責任は感じているわ。
でも、それとこれとは別の話よ。
私は大人として、教師として節を曲げるつもりはない。
学院長に直訴でも、訴訟でもお好きにどうぞ。
とにかく、あなたが夜遅くに外出しているのは見逃せません」
パトリシアが「ほう」とばかりに少し感心した様子になる。アリサの教師としての矜持を少しはわかってくれたらしい。
だが、素直に応じるのはしゃくなのか、皮肉混じりに口を開く。
「頼もしいことですね。
その頼もしさを、ご自分たちのためでなく生徒のために使っていただけたら、いじめなんか起こらなかったとは思いませんか?」
パトリシアの皮肉に、アリサは困惑した顔になってしまう。
(彼女一体何者なの?)
アリサはパトリシアのことは教師として知っているつもりだった。
だが、今の大人めいた皮肉は、以前の彼女に言えるものではない。
(なにか別のものが、彼女の口を通して話しているみたい)
言いようのない違和感に包まれる。
(憎まれ口を叩いただけのつもりだったけど、傷つけちゃったかな?)
パトリシアはそんなことを思う。
だが、アリサの困惑の原因はそこではなかったらしい。
「ねえ、パトリシアさん…。
あなた最近なにかあったの?
以前のあなたはのんびりして、あまり積極的に動くタイプじゃなかった。
ましてドラゴンを操って害獣駆除なんてことは…」
パトリシアはぎくりとしてしまう。
前世の記憶が蘇ったなどとは、言っても信じてもらえないことだろう。
だが、自分は明らかに以前とは変わった自覚はあるのだ。
(しゃべりすぎたかな?)
ついでに言えば、今し方のアリサに対する皮肉は、前世で何年も社会に揉まれたおっさんのものだ。
まだ純粋さを残した学生のものでは絶対にない。
「やっぱり婚約を破棄されてなにか変わったのかしら?
最近女の子たちとも妙に仲がいいし…」
パトリシアはさらにぎくりとなる。
さすがに彼女たちと百合の関係にあり、調教までしているとは知らないだろう。
(でも、変に勘ぐられるとまずいね…)
パトリシアは思う。
ついでに言えば、アリサの勘の鋭さには舌を巻く。
自分が変わったのが、婚約破棄されたのと前後してだと見抜いただけでも油断ならない。
もし自分が百合ハーレムを作っているとアリサが知ったらどうなるか。
百合は個人の趣味趣向と理解を示しても、ハーレムは不道徳で不健全だと怒るかも知れない。
(こうなったら、予定を繰り上げて先生も百合ハーレムの一員になってもらうか)
パトリシアはそう決める。
改めてみると、アリサは女としてとても魅力的だ。
やや太めだが、肉感的な身体は素晴らしい。特に後ろ姿が。
アリサの巨大で美しい尻を、パトリシアはもともと狙っていたのだ。
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