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第五章 真実への道
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「ババンババンバンバン、ババンババンバンバン」
大浴場に浸かりながら、篤志が歌を歌っている。
「古いなあ……。っていうかさ、放送当時生まれてないはずなのになんで君が知ってるの……?」
横で速水が呆れる。自分でさえ小学生だったころの曲を、なぜ現役の高校生が歌っているのか。
「なあ、見てみなよ誠」
「ん……なんです……?」
修一が指さす先に、誠は目線を向ける。
(ニコライ君か……)
ニコライが身体を洗っている。
「やっぱり色っぽいよな……。肌きれいだし……」
修一が、美少年の裸に目を奪われている。
「先輩……まさかそういう趣味に目覚めちゃったとか……?」
誠は退き気味に相手をする。
「そうじゃあない。女湯覗けないなら、ニコライ君が女だって信じて眼で楽しもうじゃないか」
拳を握りながら、修一がとんでもない暴論を語る。
「んな無茶な……」
呆れるしかない。
「いや、俺は信じないぞ……。あそこにはち×ちんなんかついてない。胸もちょっと慎ましいだけなんだ!」
少年は力説する。
ここまで想像力が変な方向に豊かだと、むしろすがすがしい。
「はいはい。存分に堪能してくださいまし……」
嘆息しながら、再びニコライを見やる。ちょうど、身体を洗い終えたところだ。細く妖艶な身体が立ち上がる。
確かに、後ろ姿だけ見れば女に見えなくもない。腰が細いのにお尻が大きめ。太もももムッチリとしてまぶしい。スカートをはかせたら似合いそうだ。
(ん……。待てよ……? そういうことか……?)
誠の頭に、閃きが降りてくる。
この方法なら、犯人のアリバイは崩れる。ついでに、相馬が誤認したことの説明もつく。
(そうか……だから、夜の足下の悪い中、そんなかっこうをしなけりゃならなかった……。これも理にかなってるぞ……)
いくつもの糸が、するすると一本につながっていく。
(そして……足跡を消していなかったのは……。やっぱり見つけて欲しかったからだ……。間違いない……)
まだ多少不明な部分は多いが、とりあえず一つ謎は解けた。
(後は……ラバンスキーさんと同じお茶を飲んでも眠らなかったトリック。そして……犯人を特定する具体的な物証だけだ。必ず真実を暴いてみせる)
誠は決意を新たにする。
霧は、もう少しで晴れようとしていた。この大浴場の湯煙のように。
……………………………………………
「デカ長、裏取ってきました」
夕食後のロビー。篤志が耳打ちしてくる。
「誰がデカ長だ。まあいいや。それでどうだった?」
誠も小声で問う。
「一応、外出したことは認めました。けど、細かいことを聞くとよく覚えていないの一点張りで……」
篤志が、スマホのメモを見ながら説明する。
「ふむ……嘘をつく時に有効な手段だな……。総論としては認めるが、細かいところは覚えていない……。いろいろ口から出任せを言うとボロが出るのが怖い……」
誠が推理する。
篤志が聞き込みをした相手が、嘘をついている可能性は高い。だが、嘘だという証拠がない。
「誠、こっちもすんだよ」
今度は七美が声をかけてくる。
「おう、どうだった?」
「明日は日差しが強そうだから貸して欲しい、って頼んだら、すんなり貸してくれた。速水さんに渡してあるから、分析してくれるはずだよ」
七美もまた、周りに聞こえないよう小声で報告する。
「オーケー……。これで、アリバイトリックは崩せるはずだ……」
誠は、ノートにまとめた重要事項の一つに○をつける。
「よし、明日県警本部に行ってみよう。速水さんたちに頼んで、押収物を見せてもらうんだ。後必要なのは、ラバンスキーさんと山瀬さんを犯人が殺した物証。そして、紅茶のトリックの解決だけだ」
誠は立ち上がり、決然と言う。
「わかった。私も一緒に行くわ」
「僕は留守番してます。なにかあったら電話しますよ」
すっかり助手気取りの七美と篤志も、不敵な笑顔になった。
大浴場に浸かりながら、篤志が歌を歌っている。
「古いなあ……。っていうかさ、放送当時生まれてないはずなのになんで君が知ってるの……?」
横で速水が呆れる。自分でさえ小学生だったころの曲を、なぜ現役の高校生が歌っているのか。
「なあ、見てみなよ誠」
「ん……なんです……?」
修一が指さす先に、誠は目線を向ける。
(ニコライ君か……)
ニコライが身体を洗っている。
「やっぱり色っぽいよな……。肌きれいだし……」
修一が、美少年の裸に目を奪われている。
「先輩……まさかそういう趣味に目覚めちゃったとか……?」
誠は退き気味に相手をする。
「そうじゃあない。女湯覗けないなら、ニコライ君が女だって信じて眼で楽しもうじゃないか」
拳を握りながら、修一がとんでもない暴論を語る。
「んな無茶な……」
呆れるしかない。
「いや、俺は信じないぞ……。あそこにはち×ちんなんかついてない。胸もちょっと慎ましいだけなんだ!」
少年は力説する。
ここまで想像力が変な方向に豊かだと、むしろすがすがしい。
「はいはい。存分に堪能してくださいまし……」
嘆息しながら、再びニコライを見やる。ちょうど、身体を洗い終えたところだ。細く妖艶な身体が立ち上がる。
確かに、後ろ姿だけ見れば女に見えなくもない。腰が細いのにお尻が大きめ。太もももムッチリとしてまぶしい。スカートをはかせたら似合いそうだ。
(ん……。待てよ……? そういうことか……?)
誠の頭に、閃きが降りてくる。
この方法なら、犯人のアリバイは崩れる。ついでに、相馬が誤認したことの説明もつく。
(そうか……だから、夜の足下の悪い中、そんなかっこうをしなけりゃならなかった……。これも理にかなってるぞ……)
いくつもの糸が、するすると一本につながっていく。
(そして……足跡を消していなかったのは……。やっぱり見つけて欲しかったからだ……。間違いない……)
まだ多少不明な部分は多いが、とりあえず一つ謎は解けた。
(後は……ラバンスキーさんと同じお茶を飲んでも眠らなかったトリック。そして……犯人を特定する具体的な物証だけだ。必ず真実を暴いてみせる)
誠は決意を新たにする。
霧は、もう少しで晴れようとしていた。この大浴場の湯煙のように。
……………………………………………
「デカ長、裏取ってきました」
夕食後のロビー。篤志が耳打ちしてくる。
「誰がデカ長だ。まあいいや。それでどうだった?」
誠も小声で問う。
「一応、外出したことは認めました。けど、細かいことを聞くとよく覚えていないの一点張りで……」
篤志が、スマホのメモを見ながら説明する。
「ふむ……嘘をつく時に有効な手段だな……。総論としては認めるが、細かいところは覚えていない……。いろいろ口から出任せを言うとボロが出るのが怖い……」
誠が推理する。
篤志が聞き込みをした相手が、嘘をついている可能性は高い。だが、嘘だという証拠がない。
「誠、こっちもすんだよ」
今度は七美が声をかけてくる。
「おう、どうだった?」
「明日は日差しが強そうだから貸して欲しい、って頼んだら、すんなり貸してくれた。速水さんに渡してあるから、分析してくれるはずだよ」
七美もまた、周りに聞こえないよう小声で報告する。
「オーケー……。これで、アリバイトリックは崩せるはずだ……」
誠は、ノートにまとめた重要事項の一つに○をつける。
「よし、明日県警本部に行ってみよう。速水さんたちに頼んで、押収物を見せてもらうんだ。後必要なのは、ラバンスキーさんと山瀬さんを犯人が殺した物証。そして、紅茶のトリックの解決だけだ」
誠は立ち上がり、決然と言う。
「わかった。私も一緒に行くわ」
「僕は留守番してます。なにかあったら電話しますよ」
すっかり助手気取りの七美と篤志も、不敵な笑顔になった。
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