自衛隊戦国恋花 ブロッサムオブジパングトルーパーズ

ブラックウォーター

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02 勢力伸長編

杉原父になる 長坊に立ち込める不穏

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02

 話は5ヶ月前、毛利勢と陸自が備後の制圧に乗り出した時に遡る。
 尼子勢はちりぢりになり、もはや備後を防衛するどころではなかった。それまで尼子に従っていた備後の国人たちも、月山富田城の戦いの結果を見て毛利に従い始めた。
 少なくとも備後においては、毛利は戦わずして勝利しつつあった。大きな戦闘は起こることがなく、陸自も比較的穏やかに過ごしていた。
 非番で暇をもてあました杉原は、小銃で最低限武装すると、単独で周囲の山を散策することとしたのだ。
 盗賊や野生動物に襲われるなどの危険はあったが、毛利勢の侵攻でむしろ治安は安定しつつある。万一のことを考えて無線と発信器を携行し、部隊にも行き先を告げておけば、大して危険はないはずだった。
 周囲はなかなか景色も良く、ピクニック気分だった。が…。
 「あああ、ああああ」
 女の艶めかしく黄色い声が聞こえた気がして、杉原は耳を澄ました。
 「あああ!そこは…ま…待って…」
 今度ははっきりと聞こえた。
 杉原は好奇心を抑えられず、声の元に向かってみることにした。
 「ああ…あああああっ!奥が…奥が突かれて…!」
 てっきりカップルが屋外で愛し合っているものだと思っていたが、杉原の目に入ったのは女一人だった。
 女と言っても体は小さく、顔つきも幼い。金髪が美しく、どこかノーブルな感じはある。胸の膨らみが意外とあるトランジスタグラマーだが、どうやらまだ少女と言える年齢のようだ。
 それにしても妙だった。他に誰もいる様子がないのに、少女は四つん這いになってまるで男の性運動のように腰を振っている。
 「…?」
 杉原はもしやと思い、よく目をこらす。するとぼんやりとだが見えた。
 少女の女の部分に、蛇かうなぎのように細長い生き物が入り込んで、まるで男がピストンをするように荒々しくバックから突いているのだ。
 (これが噂に聞く姦魚か…?)
 姦魚と呼ばれる妖怪のことは事前に聞いていた知識で知ってはいるが、実物を見るのは初めてだった。
 経産婦の女の部分に入り込み、精と卵を内部でぶちまける。そうして中出しをされた女は、数十秒から数分で大量の姦魚の稚魚を妊娠することになる。
 そして、姦魚を産み落とすのだ。産み落とすときの快感たるや想像を絶するもので、やみつきになって何度も生みまくっている女もいると聞く。
 加えて、姦魚を受け入れて妊娠、出産することは、恥ずかしい以外には特に害はない。
 むしろ、生理が順調になる、肩や腰の疲れが取れる、冷え性が改善する、便秘が治る、肌がきれいになるなど、いいことずくめであるという。
 恥ずかしい事さえ我慢すれば、姦魚とは双利共生が可能。女にとっては素晴らしい快感を得られる上、アンチエイジングにもなる。ウィンウィンと言えるのだ。
 (まてよ、てことはあの少女経産婦か?若いうちに子供を産んだのか?)
 姦魚に突かれながら悶え狂う少女を見て、ふと杉原は疑問を感じる。顔つきも幼く体つきも華奢な少女が妖怪と交わってあえいでいる姿は犯罪的だ。
 姦魚は経産婦しか襲わないと聞くから、少女は幼いにもかかわらず、出産の経験があることになる。
 (まあ、そういうこともあるか。考えてみれば童顔なだけで本当は大人という可能性もあるしな)
 納得した杉原は、せっかくなので難しく考えず少女の媚態を楽しむことにする。
 「あっあっあっ…あああああああああああーーーーーーーーーっ!」
 少女が四つん這いのままぐっと仰け反って硬直する。どうやら絶頂を迎えたらしい。
 同時に、姦魚がぶるんぶるんと震える。どうやら中出しをしているようだ。
 「ああ…また来る…んん…!何度も来ちゃう…」
 少女は、姦魚が自分の中で震える度に小さな絶頂に押し上げられているようだ。
 満足したらしい姦魚は、女の部分からずるりとぬけると、半透明だった体がいよいよ見えなくなる。
 後に残されたのは、四つん這いのまま荒い息をつく少女だけだった。
 「ああああ…!来た…お…お腹が…!」
 杉原は見た。ぺたんこだった少女のお腹がみるみる膨らんでいく。
 やがて、少女のお腹は臨月の妊婦のように大きくなっていた。
 「やだあ…!だめだめ…生まれそうっ!」
 杉原は、おぞましくも淫らで美しい光景に目を奪われた。
 まだ幼く見える美少女が妊娠して、今にも出産しようとしている姿。
 杉原は自分にはロリコンや妊婦萌えの趣向はないと思っていたが、少女の倒錯した姿から目が離せなくなり、股間は荒々しく屹立していた。
 (それにしても、あの体勢のまま生むのか?)
 少女はいわゆるM字開脚ではなく、四つん這いのまま力んでいた。フリースタイル分娩というのは聞いたことがあるが、四つん這いで出産するというのはあまり聞かない。
 「だめえええーーーっ!ああああっ…生まれてくるうううーーーーーっ!」
 破水したのか、少女の女の部分からばしゃばしゃと透明な液体が溢れてくる。
 杉原にはわかった。少女の顔に浮かんでいるのは、ほんの少しの苦痛と、大きな快感と歓喜だった。
 「だめええええーーーっ!いやあああああああああああーーーーー!」
 少女のちょこんとした慎ましやかな女の部分が大きく拡がる。そして、何匹もの姦魚がずるずるとものすごい勢いで産み落とされてくる。
 少女はそのまま仰け反って硬直する。産み落とした瞬間大きな絶頂を迎えたらしい。
 「ああああああ…きもひいい…!生まれてくるよおお…!」
 ばしゃばしゃと水音を立てて、トコロテンのように姦魚を産み落としながら、少女はだらしなく顔を緩ませていた。
 姦魚を産み落とす度に、少女は小さな絶頂に小刻みに達しているようだった。
 (やばい…すごくエロい…)
 杉原は自分でも驚くほど興奮していた。
 いい年をして独身で、結婚や恋愛そのものに対して興味がなく、セックスはたまに風俗に行く程度で充分。そんな枯れた価値観の持ち主だった。
 が、今は目の前で妖怪の稚魚を産み落としながら恍惚とする少女の姿を見て、理性が跳びそうになっている。こんなに興奮したのはいつ以来だったろう。
 すっかり稚魚を産み落としてしまうと、少女のお腹はもとのぺったんこに戻っていた。
 だが、少女は地面に突っ伏したまま虚脱してしまい、起き上がることができないようだった。
 「あの、君、大丈夫か?」
 杉原は、このまま放って置くわけにはいかないと少女に近寄る。
 「ああ…。
 なんじゃ…見ておったのか…?恥ずかしい…お目汚しだったであろう…?
 あんなふしだらでおぞましい姿…」
 「い…いや…。あれは健康法なのだろう?
 君は美しいから、おぞましいなんてことはなかったさ…」
 取り繕う杉原に、少女は淫らに蕩けた笑みを向ける。
 「そなた、優しいのじゃな…」
 幼い顔立ちに似合わない妖艶で美しい笑みに、杉原はどきりとしてしまう。
 「のう、そなた…良ければわらわを抱いてみぬかや…?」
 「ええ…?その…いいのかい…?」
 杉原はついそう聞き返していた。子供に手を出すのは犯罪だという考えはどこかに行ってしまっていた。
 「そなた…股間がその有様では苦しいであろう?
 わらわも、男のものを堪能してみたい気分なのじゃ」
 少女は、今し方姦魚を産み落とした女の部分を指で拡げ、“くぱぁ”の形にする。羊水とふしだらな汁が混じったものがとろりとたれてくる。
 「わ…わかった…」
 杉原はすでに理性を麻痺させられていた。
 魔法にかけられたように、少女に魅せられ、引き寄せられていた。
 小銃を地面に置き、ボディーアーマーを脱いで、ズボンとパンツを下ろす。
 「おお…いいものをお持ちじゃな…。さあ、そのまま入れてくりゃれ」
 杉原は欲望のおもむくまま、少女のちょこんとした慎ましやかな女の部分に屹立したものの先端をあてがっていた。
 そのままずぶずぶと侵入させていく。そこは温かく、ぬるぬるしていた。
 「ああ…!そなたのち○ぽ…素晴らしいぞおっ!あっああああんっ!」
 杉原は自分のものが奥まで入ったとたん、少女の内側がものすごい力で締まるのを感じた。
 (まさか…入れただけでイったのか…?)
 そう思うと、杉原はどうしようもなく興奮してくる。
 相手が、少なくとも見た目は年端もいかない少女だという背徳感も、行きずりのセックスをしているというやましさも、もうどうでも良かった。
 「ああ…ああああ…!気持ちいい…続けて…来るうっ!」
 「うお…?」
 少女はあろうことか、杉原のものが蜜壺の中で動く度に絶頂に押し上げられている。
 姦魚に貫かれ、あんなに大量の稚魚を産み落として緩くなっていないかと心配したが、とんでもない。
 少女のそこは、緩んだと思えば締まり、杉原のものを離さない。
 杉原はその甘美な感触と少女の淫らな反応に、たまらず中で爆ぜていた。

 「一度限りの結びつきというのも、たまにはいいものであろう?」
 そう言って少女は服を着て、山林の中に消えていった。
 杉原もその時はその言葉通りだと思った。少し寂しいが、自分も少女もそれぞれに生活があるのだから。

 杉原と尼子経久の関係はそれで終わりのはずだった。
 が、その一回で経久は見事に妊娠してしまう。
 経久も知らないことだったが、実は姦魚との交わりは妊娠を促進させる効果もあったのだ。
 姦魚の分泌物は女性ホルモンを活性化させ、排卵を促し、なおかつ精子を長く生かしておく効果まである。
 その特性故に不妊対策にも用いられるほどだった。
 尼子家は毛利と大内の切り崩しによって、備後や美作といったかつての所領でさえ影響力を失っていた。
 孤立無援の経久は娘の晴久とともに逃亡生活を余儀なくされていた。が、身重の身では限界がある。
 それに、行きずりの果てに妊娠した子とはいえ、流れてしまうのは絶対に避けたかった。
 お腹の赤ん坊は自衛隊員の子だ。
 経久は、自衛隊と毛利の情けに一縷の望みを賭けることにした。毛利の陣へ晴久とともに投降したのだった。
 お腹の子を人質にとる形で。

 「どうか、お腹の子とこの晴久の命はお助け頂きたく。
 この子を生んだ後であれば、わらわの首を召されるのもかまいません」
 そう言って、経久は深く頭を下げる。
 「滅相もないこと」
 麻野の即答に、経久はぎょっとして顔を上げる。
 「母親のいない子供ほど不幸なものはない。
 それに、杉原に男のけじめをつけさせる必要もあります。
 あなた方のお命は、なんとしてもお助け致します。
 大内義隆様も、毛利元就様もわかっていただけるはずです」
 麻野の言葉に、一瞬経久はぽかんとし、ついで涙を流し始めた。
 (生き延びることができるかも知れない。晴久とお腹の子供とともに)
 自分自身は死をも覚悟していただけに、経久は感極まっていた。
 「よろしくお願いいたします」
 「私からもお願いいたします」
 経久と晴久は改めて頭を下げる。

 かくして、杉原と経久の行きずりの関係が原因で、尼子に対する情勢は新たな展開を見せる。
 自衛隊と毛利家は、経久と晴久を活かす方向で善後策を検討していた。
 出雲、備中より東の国の勢力が、素直に大内、毛利に従うとは限らない。
 尼子から大内、毛利に所領の支配権を禅譲するという形を取ることができるなら、領有も円滑に進む可能性が高かったのだ。
 が、大内家の中には尼子に対するわだかまりや恨みが収まらないものが多かった。
 大内家に不穏な気配が拡がろうとしていた。

 長門、山口。大内館。
 「義隆様、経久晴久母娘に対する処遇、なにとぞご再考を!」
 「いけんよ。じえいたいには借りがある。
 梅沢隊司令の直々のお頼みとあっては、断るわけにもいかんのよ」
 長い黒髪の美人が、栗毛の高貴な雰囲気の美人にくってかかっていた。
 大内家の重臣、陶隆房と、大内家当主、大内義隆だった。
 「もちろん、首をはねろとは申しません。そういう約束ですから。
 しかし、せめて厳重な監視の下に置くべきです。
 そうでなければ、多くの者が納得しません」
 隆房は必死で意見していた。
 尼子経久晴久母娘、そして、山中鹿介までが自衛隊に保護されたと聞いて、大内家は騒然となった。少なくない数の者が、経久晴久、鹿助の首をさらせと声を上げたのだ。
 大内家でも特に武断派の者たちは、月山富田城の戦いの結果に納得していない者が多かった。“邪気”によって発生した竜巻と雹によって戦死した者たちの遺族は、尼子をひどく恨んでいた。
 「あんなやり方は戦の外道だ」「わしの息子は卑怯な手段で殺されたのだ」「あれを戦場での討ち死にとは認めん」
 武闘派の多くの者たちが、義隆に対して経久らの処刑を直訴する事態となっていたのだ。
 隆房は彼らの抑え役となっていたが、いきり立った家臣たちは簡単には納得しなかった。なにより、隆房自身、後見役を務めていた晴持を月山富田城の戦いで失っていた。
 尼子に対するわだかまりや遺恨を持っているのは隆房も同様だったのだ。
 「聞いて、隆房。
 出雲、伯耆、美作、因幡、隠岐は尼子が領有していた土地よ。
 我らはよそ者ということになる。
 毛利家と自衛隊が提案してきた通り、尼子から我らに国の支配権が禅譲されたという形になれば、領有も円滑に行く可能性が高いんよ」
 「その為の代価としては、助命するだけでなく、相応の扱いを約束してやる必要があると?」
 義隆は「その通り」と短く返答する。
 「これはまだ誰にも話しとらんのだけど、そなたに伯耆、因幡の守護に就任してもらおうと思っている」
 「守護に…ですか…」
 続けられた言葉に、隆房は目を丸くする。
 「そなたも大名の仲間入りというわけよ。
 これからもうちに力を貸しておくれ」
 義隆はにっこりと微笑む。
 だが、隆房は全く喜ぶことができなかった。
 義隆の自分に対する処遇は、恩賞に名を借りた左遷、追放に思えたのだ。
 生まれ育った周防の地を捨て、国替えしろと言われたように思えたのだ。
 (私はもう、義隆様のおそばにいる資格はないということか…。
 やはり、義隆様は晴持様をお守りできなかった私に失望している。
 義隆様にとって、私はもう不要ということなのか…)
 一度そう解釈し始めると、負の思考のスパイラルは止まらなかった。
 隆房の心に、どす黒くドロドロとしたものが渦巻いていく。

 隆房が愛して止まなかった主君、義隆に対して疑心暗鬼となってしまったことで、情勢はにわかに不穏な方向に流れ始める。
 暗雲が長防を包み込もうとしていた。
 
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